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少女の性 第六百四十四部 『私が『好きになる努力をしろ』って言ったからかい?それで、無理やり好きになろうとしてたのかい?無理に我慢してたのかい?』 『・・・・・・・・だって・・・・努力しろって・・・・・・・』 『洋恵・・・・・・・やっぱり・・・・わかった。ありがと』 香奈は通話を切ると思い出していた。実は昨日の夜、洋恵に紹介した新しい彼の友達が吹聴して回っているという噂を聞いたのだ。彼のことを大好きな中学生は何をされても大人しくされるがままで、彼が自慢げに友達の前で洋恵のおっぱいを揉んで見せていたと。 実はその時、洋恵は彼の友達が来るとは知らずに彼の家に行った。そして隣に座らされて自慢げに抱き寄せられた。その周りには彼の友達を座らせ、見せびらかすように乳房を揉まれた。 もちろん洋恵は嫌がったのだが聞いて貰えず、彼の友人が好奇の目で見る中で何度も揉まれた。しかし洋恵は香奈に言われたこともあって断固拒否することができなかった。それで『ねぇ、二人でどっか行こうよぉ』と彼に囁きながらも乳房を揉まれる手を拒絶できなかったのだ。 更に彼は『おまえも揉んでみるか?』と友達に言ったが、誰も揉みたいと言わなかったので洋恵はギリギリ泣かずに済んだのだった。その後も友達の見ている前で彼に制服のプリーツスカートをめくられたり、制服の胸のボタンを外されそうになったりしたが、なんとか耐え抜いた。 それまでの彼は普通の彼だったし、優しかったし、良くラインもくれた。このまま恋愛が進んでいくだろうと思った洋恵は、週末に家に呼ばれても付いていき、少し不器用な誘い方だったが素直に彼を受け入れた。『付き合ってくれるよね?』と念を押してから許したのだが、今から考えると早かったのかもしれない。その時は、それなりに感じたし、嬉しかったし、『これで付き合える彼が見つかった』と安心もしたのだ。 洋恵の中では、やっと香奈に紹介してもらった彼なのだし、特別イケメンとかでは無かったがちゃんと洋恵のことを考えてくれていた。だから、終わったときも後悔はなかったし、このまま続けていけそうな気がしていたのだ。 だが、友達に嬉しそうに見せびらかしている彼を見て、洋恵は『まるで自分の持ち物を見せびらかしているみたい』と思った。自分は完全にモノとして扱われていたのだ。 友達の前で散々触られても更に何度も洋恵は『二人でどっか行こう』と訴えたのだが、彼は全然聞いてくれなかった。そして彼は何度も友達に洋恵を触らせようとした。完全に拒否しない洋恵が自慢のようだった。そして友達が帰ってから『もう二人だけだから良いだろ?』と求められたのでなんとなく許したが、悲しさが増しただけだった。 家路に就いてから洋恵は改めて考えた。もちろん香奈に言われたことを念頭に置いてだ。胸を揉まれる姿を彼の友達に見られたのはもの凄くショックだったが、実際に触られたわけでは無いし、それ以外に実害は無かった。だから、それさえ我慢すれば、彼として合格なのでは無いだろうか?と考えてみた。友達に自慢したいのは男の子にはありがちなことだし、我慢するべきでは無いかと思ったのだ。その代わり、学校の帰りに二人でデートできたし、日曜日に待ち合わせて渋谷にも行けた。彼に奢ってもらったときは本当に嬉しかった。そして堂々といちゃつくこともできた。そういう意味では確かに洋恵の念願が叶ったのだ。 だから今日、香奈に呼び出されたときには正直に全てを話した。香奈は全部話を聞いてくれたし、真剣に頷いてくれた。彼の良いところも悪いところも全部理解してくれたと思う。そして洋恵の話が終わったとき、香奈は宏一に連絡したのだ。 最初は『どうして?』と思った。しかし、今、やっと分かった。自分は気持ちを押し殺して無理をしすぎていたのだ。それが分かったから香奈は宏一のところで疲れを取ってこいと送り出したのだ。チラッと『センセに優しくしてもらったら元気になるかな?』と思ったが、そこまでしてしまえば今までの無理してがんばった努力が無駄になる。だから洋恵は触られるつもりも抱いて貰うつもりも無かった。ただ、宏一に一緒に居てもらえばそれで良かった。 しばらく洋恵は宏一の腕の中でじっとしていた。何もされなくても、こうして居ると安心できる。洋恵は、既に身体を許してしまった彼をもう一度考えてみようと思った。ただ、今後も彼がヒロエを自慢げに見せびらかして、もし友達が何かしたいと言ったらどうしよう?と思うと気持ちが暗くなる。『それだけ我慢すれば良いんだ』と思い込もうとしたが、どうしても気持ちが引っかかるのだった。 「洋恵ちゃん、何か相談したいことは無いの?良かったら聞かせて?」 宏一が優しく聞いてくれたが、さすがに宏一に相談できることでは無い。 「大丈夫。香奈にきちんと話してあるから」 洋恵はそう答えたが、本心では宏一に相談できたら、どんなに気持ちが楽になるだろうと思った。 洋恵が何も言わないので、宏一はそれ以上聞かないことにした。無理に聞いてもきっと上手くいかないだろうと思ったからだ。だから話題を変えることにした。 「ねぇ、洋恵ちゃん、教えてほしいことがあるんだけど」 「なに?」 洋恵はドキッとした。明らかに言葉の端に警戒が感じられた。 「インスタって良くするの?」 「え?センセ、インスタするの?」 「うん、最近、始めてみようかと思って、何度か見てるんだけど、いまいち使い方が 分からなくてさ。教えてくれる?」 「うん、分かることなら」 洋恵は安心した。これ以上聞かれることは無さそうだ。 「まずさ、インスタって、誰かが発信していることを大勢が見るためのものなの?それとも友達が見るものなの?なんか、見たいのが見つからなくて困ってるんだ」 「センセは何を見たいの?」 「今はノートパソコンの新型の評判を知りたくて、そんなの出してる人いないかなぁって思ったんだ」 「そう・・・・・・」 「どうしたの?」 「ううん、あのね、そう言うのを探すのはインスタじゃない方が良いと思う」 洋恵は少し話をする気になった。 「どうして?」 「インスタって、こんな風にできた、とか、これがステキ、とかで写真や動画を投稿するモノだから、たぶんセンセの探してるのは無いと思う」 「そうなの?」 「だって、センセは新型ノートPCの使い勝手とかを調べたいんでしょ?」 「うん」 「たぶん、あんまり無いと思う、そう言うの」 「そうなんだ。インスタなら何でもあるかと思ったんだけど」 「インスタって簡単に投稿できるけど、長く残るモノじゃ無いし、今の気分で投稿するモノだから、使い勝手とか色々調べないと分からないことは少ないと思う。だって、センセはどんな機能があるとか、そういうの知りたいんでしょ?」 「うん」 「インスタだと、このノートが使いやすかったとか、そう言うのは有るかも知れないけど、機能なんかを紹介するのって、インスタだとあんまり・・・・」 それからも洋恵はポツポツ教えてくれたが、何となく宏一が分かってきたのは、インスタは個人の表現手段であって、情報の紹介手段ではない。だから細かく紹介する機能は持っていないと言うことだった。だから検索はいろいろできるが、ウェブサイトのようなリンクは張れないし、分割もできない。単純な『これはこれ』みたいな単純な表現しかできないのだ。 「ありがとう、洋恵ちゃん、何となく分かってきたよ。洋恵ちゃんはインスタの投稿とかしてないの?」 「してない。結構大変だし、ボコられたら嫌だから」 「そうだよね。友達とかではしてる人いるの?」 「うん、居るよ。でも、友達や学校で内緒でやってる人もいるし、いろいろ」 「友達にも内緒で?」 「うん、習い事や趣味系だと学校以外の人と繋がってるから」 「ふうん、そうなんだ」 しばらく何気ない会話をしたことで、洋恵の気持ちが少しだけ楽になった。もちろん、凄く気が重いことには変わりないのだが。 すると、洋恵の携帯が鳴った。 「香奈?」 洋恵が慌てて出た。 「洋恵、今、どう?」 「うん、いいよ」 「その声じゃ、服は着てるね」 「何言ってるの?」 「ごめんごめん、まだ宏一さんのところ?」 「うん」 「それじゃ、スピーカーにして」 「・・・・・・・わかった」 「宏一さん、聞こえる?」 「香菜ちゃん、聞こえるよ」 「あのね、今、洋恵の相手に話付けた。別れさせた」 「別れさせた?」 宏一が聞き返すと、香奈が一気にまくし立てた。 「だって、私の大切な友達を紹介したのに、さらし者にするなんて絶対許せない。例え洋恵が別れないって言っても、私は承知しないし絶対に許さないからね。あとでしっかりと詫び入れさせる。みんなの前でね。とにかく、女の子を持ち物みたいに扱う奴にロクなのはいない。ケリが付いたら改めて洋恵には謝るけど、とにかく別れてもらうことにしたから」 香奈はそこまで一気に言ってから、今度はゆっくり話し始めた。心のこもったとても優しい口調だ。 「洋恵、ごめんね。洋恵ががんばったのはよく分かったし、約束を守ってくれたことも嬉しかった。でも、女の子を大切に扱わない奴にくっついててもろくな事にならない。ましてや付き合う彼女に対してすることじゃない。悪いことは言わない。洋恵、諦めな。私が気持ち込めて新しい彼を紹介するよ。私と一緒に何回か会ってから決めてもいい。せっかく気持ちを入れて好きになったのに、勝手に別れさせて本当にごめんなさい。でも、これだけは私の言うこと、聞いて。いや、聞いて下さい。お願いだから。アンタのあんな顔、二度と見たくないよ。私のせいであんな事になっちゃって軽々しく『好きになる努力をしろ』なんて言ったこと、責任を感じてる」 「香奈・・・・・」 「怒っていいんだよ。私は怒られるだけのことをしたんだから。いっぱい怒っていいよ。だから、辛いと思うけど別れてください。お願いします」 「・・・・・・・・・・・・・」 洋恵はしばらく黙っていた。そして、香奈は静かに待っていた。香奈の凄いところは、ちゃんと相手の返事をじっと待つことができる点だ。大人でもなかなかできないのに、香奈はきちんと相手の返事をじっと待ち続けた。すると、しばらくして心が決まった洋恵が話し始めた。 「香奈」 「なんだい?」 「わかった」 「それって・・・・・」 「香奈の言うこと、聞く」 「つまり、彼とは」 「うん・・・別れる」 「よぉっしゃぁーーー!」 香奈は大声を上げて喜んだ。 「こうなったら、直ぐにでもきちんと詫びを入れさせるからな」 「香奈、それは止めて」 「えっ、どうして?あんなことされたのに。みんなの前できちんと詫びを入れさせないと。このままじゃ洋恵の評判が・・・・」 「もう良いの。会ったって、どうせ別れるんだから。一緒に居たメンバーとも会うこともないだろうし。だから、このまま別れさせて」 「そうか・・・・・それもそうだな。分かった。任せとけ」 「うん」 「それじゃ、これから私の奢りでどーんと繰り出すか。宏一さんの部屋からならそんなに時間、掛からないだろ?1時間後に渋谷でどうだ?」 「ううん、今日はここに居る」 「え、そう・・・・・そうか、それもいいかもな」 「うん、誘ってくれたのにごめんね」 「何言ってんだよ。宏一さん、ねぇ、聞いてる?」 「うん、聞いてるよ」 「洋恵がもう少しそこに居たいって言ってるから」 「うん、わかった」 「でも、今日は何もしないで上げて。洋恵の心は今、見た目以上にボロボロなの。とても宏一さんにどうこうできる状態じゃ無い。そっとしておいてあげて。ね?」 「うん、そうだね。わかってるよ。俺もそう思う」 「さすが宏一さん、それじゃ、洋恵をよろしく。それと、これから少しの間、洋恵が元気になるまで、宏一さんが面倒を見てあげて」 「うん、どうすればいいの?」 「それは洋恵に聞いて。それじゃ、また今度改めて、ね?それと洋恵」 『アタシの奢りはキープしておくから、きっと付き合ってよね。思い切り食べて笑顔になってくれないと私の気が済まないんだから』 最後に思わせぶりな言葉を残して香奈は電話を切った。 「洋恵ちゃん、なんか、大変なことになったね」 「ううん、良いの。香奈があれだけ言うんだもん。きっと香奈なら上手にしてくれる。それに、これからも香奈の方がずっと大事だし。だから、別れることにしたの」 「香菜ちゃんのことが大事なのは分かるけど・・・・・でも、悲しいね」 「・・・・・・・・・・・・・・」 宏一がそっと前に回した手で抱きしめると、少しして洋恵はまた泣き始めた。 「どうして・・・・・・・・・・私ばっかり・・・・・・がんばったのに・・・・」 洋恵はそれからしばらく泣き続けた。宏一はその洋恵をそっと抱きしめていた。しばらく泣いていた洋恵は宏一の腕の中で安心したのか、しばらくはすすり泣いていたが、その内ウトウトしたと思ったら寝てしまった。宏一はそのまま洋恵が起きるまでじっと抱きしめていた。だから洋恵が目を覚まして帰ったのは、香奈の電話が終わってから一時間以上経ってからだった。宏一は帰り際、 「香菜ちゃんに渡して」 と言ってポチ袋に支援金を入れて渡しておいた。 つづく http://shojyonovels.is-mine.net/ 少女の性シリーズ掲示板 https://bbs1.sekkaku.net/bbs/hiwaki25/ バックナンバーはMailuxにアクセスして http://www.mailux.com/ 左上の検索窓に『少女の性』と入力して 「バックナンバー公開」の「閲覧可能」をクリックしてください。 |