メルマガ:少女の性シリーズ
タイトル:少女の性 608  2024/03/23


少女の性 第六百八部

宏一は間に合うか少し不安だったが、最寄り駅の近くのモスに行くと、女の子が二人待っていた。

「遅くなった?ごめん」
「ううん、時間通り」

洋恵が答えた。

「えっと、お名前を聞かせてください」
「京谷葵と言います」
「きょうたに、あおいさん、ですね。三谷宏一です」

二人はぎこちなく挨拶した。

「それで洋恵ちゃん、京谷さん・・・・えっと葵ちゃんて呼んで良いかな?に家庭教師をして欲しいって?」
「そう、いいでしょ?」
「良いけど・・・・・月曜日は行けたり行けなかったりだから・・・」

宏一は結衣のことを思ってそう言う言い方をした。すると洋恵が割って入った。

「月曜日って結衣よね。今日、結衣に呼び止められたから話を聞いたけど、結衣はもうセンセには教えて貰わなくても良いって言ってた。だから月曜でも良いよね?」
「えっ?結衣ちゃんがもういいって?」

宏一は驚いた。結衣は昨日抱いたばかりで、その時はそんな雰囲気はどこにもなかったし、あれだけ夢中になって貪ったのだ。宏一の脳裏を結衣のスレンダーな身体と小ぶりで感度の良い乳房がよぎった。

「うん、しばらくはセンセ無しでやって見るみたい。がっかりした?」

洋恵はそうってじっと宏一を見つめた。

「がっかりしたって言うか、聞いてなかったから」
「もしかして、嫌われたのかもよ?」

洋恵は意地悪っぽく笑って言った。

「そうなのかなぁ・・・・・」
「うそうそ、そう言うんじゃ無いみたい。気にしなくて良いよ」
「でも・・・・・なんか嫌われることしたかなぁ・・・」
「違うの。なんか、結衣、好きな人に告るみたいで、そっちが一番大切だからセンセのことは横に置いておくって」
「そうなんだ」
「だから気にしなくて良いみたい」

洋恵はそれ以上言わなかったが、『結衣がそう言う言い方するって事は、センセが結衣に何をしてたのか、バレバレって事よね?』と思った。それは、横に座っている葵もチラッと洋恵に目で合図したことからも明らかだった。

「うん、分かった。それで、葵ちゃんはいつがいいの?」
「月曜が良いなら、月曜と・・・・・・」

葵は遠慮がちに言った。

「もう一日なら水曜でどう?」
「わかりました」
「それなら月曜と水曜だね。以前の洋恵ちゃんと一緒だ」
「それとね、センセに言っておきたいことがあって」
「なんだい?」
「葵は美人だけど、絶対に変なこと考えちゃだめよ。彼がいるんだから」
「うん、わかった」
「絶対に触らないこと」
「え?絶対にって、教えたり話をしてればちょこっと触ることくらいはあるよ」
「そうか・・・・、それじゃ・・・・えっと・・・・・・、そう、脱がしたりしない、いい?」
「脱がす?いきなり?ちょっとそれはあんまりじゃ・・・」
「良いの、約束して。脱がしたりしないって」
「分かったよ。約束する。絶対に脱がしたりしない。葵ちゃん、ごめんね、変な約束しちゃったけど、そんな気は無いから安心して」

そう言って宏一は改めて葵を見たが、確かに美人系の子だ。結衣もそうだったが、どちらかと言うと冷たい感じがする。いや、冷たいと言うより近寄りがたい、という感じかも知れない。それも、かなりクールだ。

「・・・・・・・・・・・・・」
「センセ、この約束は絶対だからね。葵はクラス委員なの」
「約束だからね。へぇ、クラス委員なんだ。すごいね」
「それとね、葵はちょっと相談があるみたいだから、相談に乗ってあげて。勉強を教えるのは後で良いから。あおい、成績だって良いし」
「うん、わかった」
「あおい、何か聞きたいこと、ある?」
「あの・・・・三谷さんは、洋恵って、どう言う子だって思ってますか?」

いきなり葵は核心を突いてきた。余り洋恵と親しくないからこそ聞ける質問だ。

「洋恵ちゃんのこと?洋恵ちゃんとは長いからね。大切な教え子だよ。とっても素直で可愛らしいし」
「三谷さんのことが大好きだし?」

葵はわざと意地悪な質問をしてみた。

「うん、俺は好きだけど、洋恵ちゃんもなら言うこと無いよね。けど、洋恵ちゃんだって色々あるだろうから」

宏一はさらっと交わして葵に問いかけた。

「それで、葵ちゃんは家でやりたいって事で良いのかな?つまり、俺が葵ちゃんの家に行くって事だよね。家はどこ?」
「いいえ、私が三谷さんの家に行きたいです」
「ええっ?葵ちゃんが来るの?俺の家に?」

宏一は心底驚いた。そんな子は今まで居なかったからだ。第一、家庭教師に勉強を教えて貰うのに、わざわざ離れたところまで出かけるなんて聞いたことが無い。

「だめですか?」
「ダメじゃないけど・・・・・・洋恵ちゃん、どう?」
「どうって言われても・・・・葵がそう言うんだから、言うとおりにしてあげれば?」

洋恵はブスッとした声で言った。

「でも・・・・・・」

宏一は困ってしまった。正直に言えば、宏一の部屋は女の子を抱くのなら問題はないが、勉強するような部屋とは思えないからだ。ただ、そう言うからには何か理由があるのだろう。その理由を解決しないまま無理に家でやろうとしても葵を困らせるだけだ。そこで宏一は、取り敢えず宏一の部屋でやることにしておき、時期を見て由美と使っているウィークリーマンションに誘導することも考えようと思った。

「分かったよ。それじゃ、俺の部屋でやろう。でも、男の一人暮らしだから、女の子が喜ぶような部屋じゃないよ」
「はい、わかりました」
「洋恵ちゃん、何か言いたいこと、ある?」
「私も驚いた。センセの部屋に行くんだ」
「そう。悪い?洋恵は行ったこと、あるの?」
「・・・・うん、ある」

その言い方から葵は洋恵が部屋に行く目的を悟った。

「でも・・・部屋に行くって、悪くはないけど、葵って勇気あるんだ。いきなり知らない男の人の部屋に自分から行くなんて」
「そうかもね。でも、そう言うこと、気にしないから。それに洋恵が何度も行ってるんなら」

そこで宏一が割って入った。

「それじゃ、葵ちゃん、時間はどうするの?」
「7時から9時まで」
「それだと、家に帰るの、遅くならない?」
「大丈夫。親にはキチンというから」
「分かった。それじゃ、月曜と水曜の7時から9時だね」
「はい」
「それじゃ、ちょっと待ってね」

そう言うと宏一はポーチから部屋の合鍵を取り出して葵に渡した。

「これが俺の部屋の鍵。連絡用のラインを教えて」

宏一が言うと、葵は携帯を取りだして宏一とラインを交換した。

「三谷さん、お金は?」
「あぁ、そうだったね。ひと月一万円だよ」
「はい、親に言います」
「そのご両親は何をしてるの?」
「商店街で商売をしています。飲食店です」
「へぇ、それじゃ、挨拶を兼ねて今度食べに行くかな?」

宏一は気軽にそう言ったのだが、葵はちょっと嫌な顔をした。

「あれ?だめなの?」
「いえ、そう言うわけでは・・・・・」

葵は触れて欲しくないという表情をしたので、スルーする事にした。

「それじゃ、俺の部屋の場所は洋恵ちゃんに聞いた?」
「いえ」
「そうか、それじゃ後で送るね。それと・・・」

宏一はスペアキーを取り出すと葵に渡した。

「これが鍵だから、俺が帰ってなければ先に入って待っててね」
「はい」

さすがに葵は緊張した感じで鍵を受け取った。

「部屋で教えるなんて初めてだから、俺も緊張してるんだ」
「・・・・・・・・・・」
「ところで、葵ちゃんは学科は何が得意で、何が苦手なの?」
「得意なのは英語と数学、一番は英語かな?」
「すごいね、ねぇ洋恵ちゃん、葵ちゃんは成績が良いって言ってたよね」
「うん、たぶんすごく良い」
「葵ちゃん、そうなの?」
「まぁ・・・・・・・」

葵は洋恵の前でもあるのでわざとぼかした。

「それで、苦手なのは?」
「どっちかって言うと理科かな」
「理科もいろんなのがあるけど、中学では生物や化学が別れてないのは知ってるけど、ほかにも天体とか物理とか」
「生き物は好きだけど、薬品とかが出てくるのはあんまり好きじゃない」
「さすが女の子だね、生き物が好きなんて」

そう言われてちょっと葵はムッとした。

「ごめんごめん、女の子って高校に行くと生物と物理で大学を受験する子が多いから」
「そうなんですか?」
「うん、葵ちゃんみたいに薬品とかが苦手な子が多いんだと思う。普通の生活とは全然関係が無いからね」
「はい、そう思います」
「それで、他に好きな科目はあるの?美術とか音楽とか・・・」
「音楽はちょっと苦手かも。聞くのは好きだけど」
「どんなのを聞くの?」
「Jポップのアップテンポなロック系のかな」
「推しのグループとかはあるの?」
「推しって言うほどのは・・・・・・たぶん無い」
「もう少し聞いても良い?休みの日は何をしてるの?」
「公園とかに出かけるのが好きで、ベンチで本を読んだり。友達の家に行ったり」
「へぇ、女の子同士でショッピングとかじゃないんだ」
「そう言う子も居ます」

ちょっと葵はムスッとした。それを見た宏一は話題を変えることにした。

「分かった。ありがとう。さて、洋恵ちゃん、どうする?ちょっと葵ちゃんに英語の問題を出してみようかと思うんだけど、良い?」
「私は良いよ」
「葵ちゃん、洋恵ちゃんがいてもいい?」
「・・・・・・・・・それは・・・・」

葵は洋恵の前で問題を解くことに少し抵抗を感じた。解ければ自慢してるみたいだし、解けなければ恥を掻く。

「そうか、それじゃ洋恵ちゃん、先に出て待っててくれる?あそこのコンビニで待ってて、そんなに時間は掛からないから」
「わかった」

そう言うと洋恵は立ち上がった。

「それじゃ葵、出て左にちょっと行くとコンビニがあるから、そこで待ってる。来るとき、横を通った所」
「うん、あとでね」

洋恵が出ていくと、宏一は葵に問題を出した。

「もし私が鳥なら、ずっと遠くのあの山まで飛んでいきたい、って言うのを英語にして」
「はい・・・・・・書いても良いですか?」
「うん、いいよ」
すると葵は鞄からノートを取り出して書き始め、直ぐに書き終えた。
「どう?読んでごらん?」
「If I were a bird, I'd like to fly to that mountain far away」
「うん、よくできました」

宏一はそう言ったが、葵は『教科書の例文じゃないの』と少しがっかりした。そこで質問をしてみた。

「あの、I would じゃなくてI'd like to でも良いんですか?」
「うん、正確にはどうだか分からないけど、全然問題ないよ。ニュアンスの問題だけど、女の子だし、そう言う丁寧な言い方の方が棘がないね」
「丁寧な言い方なんだ。そこだけちょっと自信が無くて」
「それじゃ、もう一問。さあて困ったぞ、を英語にして」
「・・・・・・・はい・・・・・・」

葵はそう言ったが、なかなか書かない。

「どうしたの?」
「困るって・・・・・・何だっけ・・・・」
「わからない?」

そう言われて葵はカチンときた。しかし、考えても出てこない。

「もしかして、習ってない・・・・」
「ほう、それが答え?習ってないって事で良い?」
「いえ、ちょっと・・・・・・・」


つづく

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