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少女の性 第五百七十三部 「三谷さん、ありがとうございます。私の仕事なのに・・・・申し訳ありません」 さとみは宏一に自分の仕事を回すことになり、本当に申し訳ないと思った。そして、金曜日はその分、笑顔で接しなけれな、と思った。ただ、金曜日は宏一とベッドに入るつもりはなかった。別に宏一に甘えたくないわけではなく、単に土曜日の引っ越しが朝からなので、その時間が取れないだけなのが残念だった。しかし、宏一とならその次だって簡単に実現しそうだ。 その日は新社屋の有線回線の打ち合わせがあったのだが、宏一は資料を見て、事前に配布しておいた資料の機器が勝手に変更されていることに驚いた。既に役員を含めて担当部長がずらりと並んでいる。 「あの、購入予定の機器が変更されているようですが、これはどう言うことでしょうか？」 宏一が発言すると、購買担当部長が立ち上がった。 「あぁ、それはスペックに比べて価格が高いので同じスペックのものに入れ替えておいたよ。同じ性能なら問題ないだろう？スペックを見て貰えば分かるが」 「あの・・・・・この選定された機器のメーカーと型番を見ると、もしかしてこれは家庭用ですか？」 「あぁ、家電量販店に見積もりを出して貰ったんだ。価格が５倍以上も違うんだ。協力してくれるだろ？」 宏一は頭を抱えた。これだから素人には任せられない。 「はい、機器をこのシリーズにすることは可能ですが、かなり不自由を強いることになりますよ」 「どうしてだ？スペックならこちらの方が少し高くなってるはずだが？」 「家庭用はあくまでチャンピョンデータであって、平均能力ではありませんから、理想的な状況で１台だけ繋いだときの通信速度がスペックです。しかし、最初に選定した方は大規模ネットワーク用なので、全部のポートにＰＣを繋いだときの平均速度です。実際には実験してみないと明確な数字は出ませんが、家庭用を会社の業務に繋ぐと、間違いなく一桁以上は速度が遅くなります。現在設置予定のネットワークは既に何度も皆様にお知らせしているように、ビデオ会議を15回線持ってもなお、全員のネットワーク速度が0．6Ｍ以上の業務に支障の無い程度の速度が出るように設計していますが、家庭用にするとビデオ会議は全て諦めないといけませんし、それでもネットワークの反応はかなり遅くなると予想されます。全員で使うと待ち時間ばかりになりますよ」 「スペックで上回っていても、なのか？」 「はい、家庭用と法人ネットワーク用では、そもそもスペックを測定するときの前提がぜんぜん違いますから。スポーツカーとバスで高速道路の輸送能力を比較するようなものです」 宏一の発言に、購買担当部長の顔色が明らかに変わった。怒っていると言うより、困ったという感じだ。 「その量販店からは、多くのテレビやモニターを購入予定なんだ。こちらの方から、その三谷君の言う機器を購入すれば良いのではないか？」 「私はよく知りませんが、家電量販店は業務用の大規模ネットワーク用の機器は扱っていないはずです。聞いていただければ直ぐに分かりますが、そちらからの購入は無理だと思います」 「メーカーと型番が分かってるんだ、注文くらいできるだろう」 「家電量販店は商流を厳しく絞っている代わりに安く仕入れているので、小龍以外からの購入は難しいと思いますよ。でも、聞く分にはただですからご確認なさってはいかがですか？」 「三谷君、頼むよ」 「分かりました。それでは私の方で量販店に確認させていただき、見積書を提出して貰います。ただ、それとは別に、家庭用の機器と大規模用の機器を混在させることは可能です。それだと僅かですが購入金額が下がると思います。もし、家庭用の機器を購入して会社で使いたいというのであれば、家庭用を使うのに適した場所はあります」 「ほう、それはどう言うことかね？」 「家庭用機器の長所は有線や無線を一つの機器で提供できることです。ですから、役員室のように回線自体は一つで良いけれど有線ＰＣ，無線のタブレット、会議用の大画面テレビ、多機能コピー機、個人用プリンターなど、接続する機器の種類が多い割に全て同時に使うことは余り無い場合には家庭用のネットワーク機器の能力をフルに使えますから、全ての機器を同じ大規模ネットワークに繋ぐ一般社員用のネットワークよりも効率が良いと言えます。ただ、ネットワークの設計には少し手間が掛かります」 「手間のほうは良いよ。それで行こう。役員以上の部屋を家庭用にすれば外への受けも良い。アピールできる」 どうやら購買担当部長は、購入することにしか責任がないので設計の手間でお金が余計に掛かっても自分の責任ではないから問題ないと言うことらしい。 「分かりました。それでは、役員用には元回線の一本あたりの容量を多くしたプレミアム回線を設定し、それを家庭用で分けて使って貰うことにしましょう」 宏一は、わざとプレミアムという言葉を使って購買部長の逃げ場を用意した。 「うん、それが良い。役員用はプレミアム回線なんだな」 「はい、その通りです。一般回線より倍くらいの速度を割り当てることになると思います」 「うん、それがいい。そうしよう」 購買担当部長はプレミアム回線という言葉に納得したらしく、一般社員は法人大規模ネットワーク機器、役員用は回線の容量を増やした家庭用機器と決まった。他の部長が全然文句をいわないところを見ると、どうやら購買部長が実力者で地ならしは終わっているらしい。 会議の後、午後に宏一が別の会議室に呼んでおいた業者にさっきの会議での変更点を説明してからネットワーク機器の構成変更を伝えると、業者が一斉にあきれかえった。 「プレミアム回線て言ったって、せいぜい２倍なんだろ？それで多機能コピー機にテレビに無線ルーターに個人用プリンターを全部ぶら下げるの？それって回線負荷が大きすぎるよ。遅くなるよ」 「良いんだよ。役員室での会議なんて、そんなに頻繁にはないし、会議に出るメンバーは無線タブレットは持ってるけどシステムで経理作業なんてしないから回線負荷は軽いんだ」 「そう言うもんかね？どうみても無駄なお金の使い方だと思うけどな？」 「そう言うのを喜ぶ人も居るんだ。ちょっと骨を折ってよ。会社って所はそういう所なんだから」 「うちは仕事が増えるから別に良いけどさぁ。まぁ、お宅の決定だから・・・」 「その分、きちんと回路設計はよろしくね」 「そりゃ、それぞれの回線に応じて容量を細かく割り当てることになるから、お宅って役員は何人だっけ？十人近くいたよね？」 「うん、なんだかんだで二十人弱かな」 「役員室の場所も一つじゃなかったよね。それだけの回線設計の仕事があれば、ウチは助かるけど」 「よろしく」 「それじゃ、見積もりは今週中に出すよ」 「お願い。こっちで稟議を挙げなきゃいけないから」 「はいはい、三谷さん、また少しお小遣いが増えるね」 「それは結果だよ。俺のせいじゃないから」 「ま、購入機器に細かいのが増えるのは動かした後の管理が大変なだけで、設置の時には問題ないからね」 「そう言うこと。でも、役員室なんてそんなに使用頻度が高くないから意外に長持ちするような気はするんだ」 「だろうね。三谷さん、転んでも只では起きないね。おっと、転んでないか」 「それじゃ、たぶん役員の上下で区別しなきゃいけないだろうから、その辺りも考慮して選定よろしく」 「ああ、社長はクラウンのロイヤルサルーンで専務がスーパーサルーンみたいなものか。分かったよ。お宅の役員の肩書きの種類だけレベルを分けて出すよ」 「うん、部屋のテレビのインチサイズとかも役員のレベルで分けるらしいから」 「そう言うのも会社には必要なのかね。俺たちには分からんな」 「その代わり、一般社員用のネットワークはきちんとやろうね」 「そりゃ、あれだけやれば当面は拡張の必要が無いくらいになってるから、よほどの負荷をかけない限り安定して動くだろうよ」 「その分、良くもまぁっていうくらい設計を変えたし、能力に余裕を持たせたからね。ストレージのバックアップも早いし」 「そうそう、それだけど、メモリー管理にあんなに空間取って本当にだいじょうぶなの？」 「うん、営業は夜中過ぎにデータを挙げることが多いから、３時間でバップアップを取れるように設計したんだ。だからああなったの」 「すごいよね。各ノードごとにテラバイト級のメモリーで吸い上げてブレードサーバーのＳＳＤに一気に落とすなんて。今でもハードディスクでやってるところが多いのに」 「３ヶ月経ってハードディスクに落とすまでは月次決算やらなんやらで何度も読み出すし上書きするからね。たぶんハードディスクじゃ持たないよ。２，３年でエラーのオンパレードになっちゃうから」 「官庁なんて、未だに全部ハードディスクだよ。見てて気の毒になるよ。夜中まで残って国会の資料作りにノロノロとしか動かないネットワークからデータを読み込んで書き込むんだから」 「そう、民間ならではの軽快なネットワークさ。うちは規模は小さいからね」 「よく言うよ。それに三谷さんのアイデアのループネットワークだって、普通はループは絶対にだめなのに上手に設計してあるからループでもメリットをエンジョイできるけど、それだってこれくらいの規模になれば限界に近いだろ？小さいなんてよく言えるね」 「ま、あんまりその辺りは気にしないで欲しいな。一応余裕はあるんだから」 「はいはい」 業者との折衝はスムースに進んだが、細かい話をしている間にかなり時間が過ぎてしまった。宏一が席に戻ったときは既に退社時間になっており、さとみは帰った後だった。メールを見ると、さとみから３時頃に『お時間のあるときにお声がけ下さい』と入っていたが、退社直前に『お声がけいただく必要はありません。お先に失礼します』と入っていた。普通、さとみが宏一に業務の指示を仰ぐときには直接聞いてくるので少し不思議に思ったが、明日聞くことにして宏一も帰宅の準備に取りかかった。 その頃、洋恵は香菜とマックで重要なミーティングをしていた。二人で頭を突き合わせて至近距離で小声で話している。 「洋恵、会ってきたの？」 「うん、会ってきた。短かったけど」 「それで、洋恵的には気に入ったの？」 「うん・・・・・・たぶん・・・・わかんないけど」 「ちょっとぉ、せっかく探しに探して見つけたんだからきちんと返事してよぉ。こっちから返事するって言ってあるんだからさぁ」 「うん・・・ごめん・・・・たぶん・・・だいじょうぶだと・・・・」 「だいじょうぶだと？思う？思わない？どっち？」 「・・・・・・・・思う」 「よし、決まりだ。そう言っておく。それじゃ、洋恵から連絡するんだよ」 「何て言えば良いの？」 「あのねぇ、小学生のネンネじゃないんだから、自分でそれくらいしなさいよ。ちゃんと、これからよろしくね？って言えば良いだけじゃないの」 「それだけでいいの？」 「後は向こうが何か言ってくるでしょ。もともと向こうからは基本的にＯＫって返事が来てるんだから」 「わかった」 「アタシ、いろんな紹介してきたけどさぁ、あれがすごいのが良いなんて好み、聞いたことが無かったから本当に苦労したんだからね」 「ごめん。こんなこと、香菜にしか言えないから・・・・」 「そりゃそうでしょうよ。でも、本当のところは、その時になってみないとわかんないからね。事前の情報では部屋に籠もったらずっと彼女を話さないって事になってるけど、女の子の情報なんでその程度何だから」 「うん、分かってる。香菜、感謝してる」 「そりゃそうよ。しっかり感謝してね。あんたの彼を探すのに普通の十人分くらいの手間かけたんだから」 「うん、感謝してる。今日は奢る」 「でも、センセ、じゃなくて三谷さんから離れるつもりはないんでしょ？」 「うん・・・・それがわかんなくて・・・・・」 「それじゃ、今週末は行くの？センセのとこ」 「・・・たぶん・・・・かも・・」 「それで新しい彼にも同じことを要求するんだ」 「要求なんて・・・・・そう言うことじゃなくて」 「分かってるよ。終わった後にセンセのところに行かなくても良いようにしたいって言うんだろ。それは聞いたから」 「ちょっと、そんなに大きな声で言わないでよ」 「ごめんごめん、でもこんなうるさい店じゃ誰にも聞こえないよ。安心しな」 「うん」 「でもね、この前も言ったけど、安売りはだめだよ。絶対に。洋恵にしてみれば早く確認したいだろうけど、今更だけど、そもそもそう言うところまでいっても良いのかどうかから確認しないとね。焦ったら全部がパーになるからね。最悪、洋恵の噂が学校中に広がる可能性だってあるんだから、慎重に、じっくり、見極めなさい。いいね？」 「うん、わかってる」 「よし、この件はこれで取り敢えずは良いね。それで、もう一つあるって言ってたけど、何なの？」 「あのね・・・・・・結衣のことなんだけど・・・・・」 「あぁ、あんたがセンセに紹介したんだっけ。今頃は女にされて仕込まれてるんだろうね」 「うん、それがちょっと気になって・・・・・。もともと私が紹介したって言っても、声を掛けてきたのは結衣の方だから」 「今更なに？もう二人がどうなろうと関係ないだろ？」 「でも、まだしばらくはセンセのところに行くかどうかわかんないし・・・・」 「なに？自分からくっつけといて、今更ヤキモチ？どうかしてんじゃないの？それで自分は新しい彼？何のつもり？」 香菜は身勝手な洋恵の言葉に呆れた。 「でも、何かセンセが変な気がして・・・・・・」 「変て？」 「なんか違うの、いつもと・・・・・・。なにがって言われるとわかんないけど、結衣に紹介して少ししてから、何かセンセが違うの」 「ふうん、抱かれたときの感触か・・・・女の勘てやつだ。それってきっと、正しいよ。センセが結衣に夢中になってるってことだろ？」 「うん・・・・・・たぶん・・・・・・」 洋恵の煮え切らない態度に香菜は更に呆れたが、そんなことよりも話を進めないと終わらない。 つづく http://shojyonovels.is-mine.net/ 少女の性シリーズ掲示板 https://bbs1.sekkaku.net/bbs/hiwaki25/ 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