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*********************************************************** Multi Lingual Internet Mail Magazine jp-Swiss-journal - Vol. 216 - July 08, 2023 (Swiss Time) https://www.swissjapanwatcher.ch/ ****************************************************************** 【 目次 / INDEX / INHALTSVERZEICHNIS 】 【J】 2023年06月18日国民投票の結果とスイスの政局 明子 ヒューリマン 【E】 The Results of the Popular Vote on June 18, 2023 and current Swiss Political Affairs Akiko Huerlimann 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜【 日本語 】〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 2023年06月18日国民投票の結果とスイスの政局 明子 ヒューリマン 2023年6月18日夕方、国民投票の結果が報じられ、3議案共承認された。 概要は、弊誌2023年6月13日付 Vol. 215でお伝えした通り。 https://www.swissjapanwatcher.ch/jp-Swiss-journal/jsj-vol215.htm 国民投票の結果: https://www.bk.admin.ch/ch/d/pore/va/20230618/index.html 1.政令:通称「OECD/G20 最低税率」 大企業グループへの課税に関する「OECD/G20」プロジェクトの実施は、 賛成 78.45%、 反対 21.55%、投票率 42.37% 全カントンが賛成多数で完全承認となった。 通常担当大臣としては、滅多にない夢見るような結果と言えよう。 大政党の中でSP(社会民主党)だけが今回の法案に反対し、連邦政府の分 担金の拡大を要求していたが、有権者の圧倒的多数が承認して、SPは敗者 となった。 大企業グループに対する特別課税に関する2022年12月16日付連邦政令は、 当時の財務大臣ウエリ・マウレルとツーク州の財務担当ハインツ・テンラ ーが、連邦政府と各州との妥協案成立に重要な役割を果たしたと報じられ ている。 もともと、つまり妥協案がまとまる前に連邦政府は、協議では連邦政府の 取り分無しで解決策を提唱していた。 従って、現職のカリン・ケラー=スッター財相は、今回の成果には関与し ていないので、手柄を立てたことにはならない。 いずれにせよ、格差は社会を不安定化するので、今後カントン間の経済格 差が拡大するのか、縮小するのか、注目している必要がある。 2.法案:通称「気候・イノベーション法」 「気候保護目標、イノベーション、エネルギー安全保障の強化に関する連 邦法」(「氷河イニシアチブ」の間接的対案)は、 賛成 59.07%、 反対 40.93%、投票率 42.54% 大多数のカントンが賛成多数だった。然し、郡部のウーリ、シュヴィーツ、 グラールス、トゥールガウ、並びにオプヴァルデン、ニドヴァルデン、 アッペンツェル・インナーローデンの各半カントンが反対多数を占め、 気候保護とエネルギー安全保障の両立の難しさを印象付けた。 承認されたのは良いとして、今後の道筋が不明なことから、メディアが最 も注目して報じた。 近年の干魃、猛暑、大雨、降雪の減少、氷河の融解等々で、スイスも確実 に気候変動の影響を受けている。 パリ協定に沿って、2050年迄に温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする法 律だ。又中間目標を設定して、輸入石油とガスへの依存を減らすことを目 的にしているが、禁止や新たな課税は設定されていない。 6月19日付ターゲスアンツァイガー紙は、保守のSVPマグダレーナ・マルト ゥッロ国民議会議員が、「費用を増やさずに法律を実施する方法を示すべ き」と、最後まで反対キャンペーンを繰り広げて敗れた主張を伝えた。 https://www.tagesanzeiger.ch/windraeder-solarpflicht-ladestationen-wo-die-naechsten-streitpunkte-liegen-406828692885 スイスの現状は、エネルギーの原発依存度がおよそ3分の1と言われている。 原発には大多数の国民が反対し太陽光発電を支持しているものの、更なる エネルギー源の確保では、方法論が錯綜している。 アルプスに大規模太陽光発電装置や大規模風力発電装置を設置する案は、 環境への負荷が大き過ぎる事、景観を損なう等、強い反対意見が有る。 折しも、2023年7月2日、SRFニュース「ターゲスシャウ」は、「連邦道路局 Astra」が、国道沿いの太陽光発電装置にゴーサインを出したと報じた。 https://www.srf.ch/news/schweiz/450-solaranlagen-projekte-gruenes-licht-fuer-fotovoltaikanlagen-auf-autobahnen 今後数年間で、スイス全土で約350の騒音防止壁と100以上のサービスエリ アの天蓋に太陽光発電が設置される予定。 ゾロトゥーンの新興企業「Helion Energy」が、パートナーと協力して、 この内の約4分の1の契約を獲得している。 最初の試験的プロジェクトは30年前既に開始されていたが、政官財の積極 的な協力を得るには、時間が必要だったようだ。 「連邦道路局アストラ」のユルグ・ロスリスバーガー局長は、この計画で、 原発が生成する電力の約半分に相当する約10テラワット時発電出来る可能 性があると言う。 この事は、エネルギー転換が可能であることを示しているものの、スイス は欧州諸国の比較では未だ14位なので、追いつく必要がある、とツューリ ッヒ応用科学大学 ZHAW の再生可能エネルギーの専門家ユルク・ローラー 教授は言う。 今年だけで、国民が負担する電気料金は27%上昇し、来年の12%の追加料金 は既に発表されている。 それでも、SVPの懸念に反して、希望が持てる事態になってきたようだ。 3.通称「Covid-19改正法」 「2022年12月16日のCovid-19法」の改正案は、 賛成 61.94%、 反対 38.06%、投票率 42.49% 殆どのカントンが賛成多数を占めた。 2021年6月と11月の投票と比較すると、賛成の割合が変わっていない。 それは、コロナ政策に対する意見がおそらくあまり変わっていないことも 意味している。 2年前に反対していた人は今も反対しており、常にこの政策を支持していた 人は今も賛成している。つまり、安全策として法律の継続を受け入れたと 評された。 然し、シュヴィーツと半カントンのオプヴァルデン、アッペンツェル・イ ンナーローデンが反対多数で異を唱えた。人の往来の少ない過疎地での過 剰なコロナ対策に、反発があったようだ。 国民投票の開票結果が判明した同日夕刻、連邦政府が記者会見を開いた。 会見に臨んだのは、 カリン・ケラー=スッター財相:通称「OECD/G20-最低税率」担当 アルベルト・ロシュティ環境・交通・エネルギー・通信(UVEK)大臣:通称 「気候・イノベーション法」担当 アラン・ベルゼ内相:「Covid--19法」担当 いずれの議案も国民の支持を得た為、安堵の会見となった。 【記者会見動画 25分】 https://www.youtube.com/watch?v=B1QgF8bFh_s [スイスの政局] 連邦選挙が今秋10月22日に予定されている。 https://www.ch.ch/de/wahlen2023/ 各政党は1年前には既に選挙戦を意識した活動を始めている。 現在の「国民議会」200議席の各会派議席数: https://www.parlament.ch/de/organe/nationalrat/sitzordnung-nr SVP(スイス国民党):55議席、SP(社会民主党):33議席、 Die Mitte(旧キリスト教人民党)&EVP:31議席、緑の党:30議席、 FDP(自由民主党):29議席、グリーンリヴェラル:16議席。 現在の「全州議会」46議席の各会派議席数: https://www.parlament.ch/de/organe/Seiten/sitzordnung-staenderat.aspx Die Mitte&EVP:14議席、FDP:12議席、SVP:8議席、 SP:6議席、緑の党:5議席。 欠員1議席は、マリーナ・カロッビオ=グシェッティ議員が 2023年4月6日 ティチーノ州政府に選出され辞任した為。 https://www.parlament.ch/de/organe/staenderat/mutationen-sr 6月中旬、FDPが複数の州でSVPと比例代表選挙で選挙協力に合意したことが 批判を呼び、チューリヒ州のリベラル派は激しい議論の末、SVPとの候補者 リストの連携をかろうじて承認したと伝えられた。 https://www.tagesanzeiger.ch/fdp-praesident-will-listenverbindungen-abschaffen-832147709649 政党は候補者リストの連携で、議席配分のチャンスを最大限に活用しよう とする。2 つの政党が名簿で連携する場合、第 2 ステップでは議席が、 候補者ではなく個々のリストに分配されるので、政党は票の取りこぼしが 少なくなり、より多くの議席獲得が期待出来る。 6月21日、ベルゼ内相が年末の連邦評議員(政府閣僚)に立候補しないと 宣言した。 SRF報道: https://www.srf.ch/play/tv/rundschau/video/ruecktritt-von-alain-berset?urn=urn:srf:video:75d8682f-37d0-4087-ba60-085521c4662f ターゲス・アンツァイガー紙報: https://www.tagesanzeiger.ch/das-ist-ein-gefaehrlicher-zeitpunkt-fuer-die-sp-790011916765 少し前まで度々再立候補に意欲を表明していたベルゼ評議員の事実上の 辞任表明は、通常3ヶ月程度であるのに、6ヶ月前という異例の在任期間 を残しての表明には、各方面から驚きを持って受け止められた。本人は、 「辞任ではなく、再立候補しないと言うことだ」と弁明した。 2011年12月、39歳の若さでSPの看板を背負って連邦政府(Bundesrat)の 一員に選ばれて12年。パンデミック管理者としての役割を除けば、ベル ゼ内相の政治的実績はそれ程多くはないと評されている。 個人的には、ベルゼ内相が今年の連邦大統領の立場で、今年4月中旬ドイ ツのショルツ首相を訪問した際、スイスで製造された軍需物資の再輸出許 可を求められ、「自国の法律を破れと言われても無理」と毅然と表明した ことは評価している。 https://www.tagesanzeiger.ch/berset-besucht-scholz-und-steinmeier-753340238300 緑の党(グリーンリヴェラル同様)は、既に12月の連邦評議員選挙に立候 補の意向を表明している。従ってSPにはベルセ後継の座が確保されている わけではなく、10月の選挙の結果次第。 確かなことは、秋にはSPか緑の党の左翼陣営が動員されて、連邦評議員の 席も獲得すると見られている。 現在7名の連邦評議員は、ドイツ語圏出身が3名、仏語圏出身が3名、イタリ ア語圏出身が1名。男性が4名、女性が3名という構成なので、ドイツ語圏出 身の男性でSP若しくは緑の党からの選出が妥当と考えられている。自薦他 薦の候補者の名が既に数名取り沙汰されている。 7月2日には、最大政党SVPが臨時党大会を開いた。同党伝統の移民問題に改 めて焦点を当て、トーマス・マッターが持続可能な政策として2050年まで にスイスの住民を1千万人以下にする政策を提示した。 7月4日、FDPは、選挙キャンペーンにAI画像を使ったことが裏目に出た。 https://www.tagesanzeiger.ch/wahlkampf-mit-falschen-ki-bildern-ist-gift-fuer-eine-demokratie-532921364531 環境活動家らが青い光で救急車を阻止し、人命を危険にさらしている様子 を映した写真で、党はフェイクニュースに基づいてパニックを煽ったこと になる。FDPは早急に軌道修正を迫られることになった。 2009年にはSP青年部が、戦争物資の輸出に関する議論を煽るために、当時 の連邦評議員ドリス・ロイトハルトの偽の血だらけの手のモンタージュ写 真を使った例がある。いずれにせよ、偽情報の拡散は直接民主主義にとっ て毒と称された。 7月5日、SRGが調査期間2023年6月8日〜22日の各党支持率を公表した。 https://www.srf.ch/news/schweiz/srg-wahlbarometer-mitte-nimmt-fdp-ins-visier-und-kulturkampf-um-wokeness 最大政党SVPが再び勢力を伸ばす可能性があるという結果が示された。7月 2日の臨時党大会で、SVPのマルコ・キエーザ党首が、移民問題についてい ささか感情的な発言をし、出席した代議員の共感が殆ど得られなかったと、 心情左派のメディアは伝えた。それでもSVPへの揺るぎない支持が示された ようだ。 各党の支持率は、 SVP: 27,1% (+1,5%) SP: 17,8% (+1,0%) FDP: 14,6% (−0,5%) Mitte: 14,3% (+0,5%) Green: 10,2% (−3,0%) GLP: 8,3% (+0,5%) EVP: 2,1% (±0,0%) その他: 5,5% (−0,1%) (プラスマイナスは2019年の選挙との比較-) 誤差範囲: ± 1.2 パーセント (出典: SRG/ SSRの依頼によるSotomo) 有権者が示した重要な政策課題は、 1位 気候変動 40% 2位 健康保険料 38% 3位 移民 29% 4位 供給とエネルギーの安全性 26% 5位 社会保障、生活費 23% 6位 年金改革 23% 7位 EUとの良好な関係 19% 8位 住居費 14% 9位 独立と主権 13% 10位 自然と景観保護 12% 11位 経済力と競争力 11% 12位 犯罪と治安 10% 13位 自由と表現の自由 9% 14位 税負担と政府支出 8% 15位 男女平等 8% 16位 国防 5% 17位 失業と賃金圧力 3% (回答は最大3問) (出典: SRG/ SSRの依頼によるSotomo) 同時に発表された別の世論調査「時事問題で最も腹立たしいこと」に興味 をそそられた。国際問題が国内問題と不可分に共存するスイスの人々の意 識が伺える。 1位 CSの不始末・ボーナス 58% 2位 気候活動家の路上妨害接着剤 51% 3位 ジェンダー論争、「ウォークネス」 50% 4位 二極化の進行 44% 5位 税金による銀行救済 40% 6位 亡命制度の悪用 34% 7位 気候変動にもかかわらず消極的 33% 8位 弱者への扇動 29% 9位 中立性の後退 28% 10位 ウクライナ支援の不足 26% 11位 難民に対する強硬姿勢 18% (複数回答) (出典: SRG/ SSRの依頼によるSotomo) 因みに「ウォークネス」という意味を知らなかったが、「社会問題に高い 意識を持つよう呼び掛ける主張」のことらしい。 【参考】意識が高い「ウォーキズム」に反発する保守派の学生たち https://www.afpbb.com/articles/-/3402205 7月5日付ターゲスアンツァイガー紙報: https://www.tagesanzeiger.ch/gruene-stuerzen-ab-svp-legt-zu-540027695645 SRG の選挙バロメーターのデータは Sotomo と SRG のオンラインチャネ ルを通じて 6 月に収集された。 この調査は 25,000 人超の参加者に基づ いた代表的なもの。サンプリング誤差は 1.2 パーセント。 気候変動が依然として最大の懸念事項であるにもかかわらず、気候変動問 題に傾注する「緑の党」の支持が低迷している。緑の党は、前任者レグラ ・リッツが今日の党勢を築き上げたと言っても過言ではない。現党首バル タサール・グレットゥリの人気が、主要政党の党首の中では最下位だ。 さしたる実績もなく、緑の党に連邦政府閣僚の要職を要求する戦略に共感 が得られないからのように、メディアの報じ方から伺える。 左派の予想以上の支持率低迷は、分配にばかり熱心で、原資を得る事に頓 着せず、机上の空論を展開していることにあるように見える。 FDPの14.6%とDie Mitteの14.3%はほぼ互角なので、10月には「Die Mitte」がFDPを追い抜く可能性がある。 現在、FDPは連邦評議会に2議席を持っているが、「Die Mitte」は1議席だ けなので、連邦評議会の構成を巡る新たな議論が巻き起こる可能性が高い と評されている。 政策で立ち位置を決めかねている中道政党に、大きな期待は出来ないと、 有権者に見透かされているような現状だ。 保守のSVPが堅調な支持を得ている理由は、「額に汗して稼ぐ」を美徳と 心得る「スイス気質」が改めて評価されている証左かも知れない。 ★ スイス連邦議会の政党名 / Political parties represented in Parliament: https://www.parlament.ch/en/organe/groups/parties-in-parliament 【 編集後記 】 政治関連情報の収拾は、底無し沼に嵌まり込みそうになることしばしば ながら、日々の暮らしと関連付けて考えると興味深いことが多い。無関 心でいると、予想外の境遇に陥りかねない最重要事項と思って注視して いる。(A.H.) 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜【 English 】〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 The Results of the Popular Vote on June 18, 2023 and current Swiss Political Affairs. Akiko Huerlimann On the Evening of June 18, 2023, the Results of the Popular Vote were reported, and all three Bills were approved. The Overview is, as I informed you in Vol. 215 dated June 13, 2023. https://www.swissjapanwatcher.ch/jp-Swiss-journal/jsj-vol215.htm Popular Vote Results: https://www.bk.admin.ch/ch/d/pore/va/20230618/index.html 1. Decree: Commonly known as the "OECD/G20 Minimum Tax Rate". Implementation of the "OECD/G20" Project on Taxation of large Corporate Groups: 78.45% in favor (YES), 21.55% against (NO), 42.37% Voter Turnout. All Cantons voted in favor and gave full Approval. For the Minister in Charge, this is a rare and dreamlike Result, I think. The SP-Party was the only major Party to oppose the Bill, calling for a higher Federal Allocation, but the SP was the Loser; an overwhelming Majority of Voters supported the Decree. The Federal Decree of December 16, 2022 on special Taxation of large Corporate Groups was played by then-Finance Minister Ueli Maurer and yet incumbent Canton Zug Treasurer Heinz Taennler, both reportedly played a Key Role in reaching a Compromise between the Federal Government and the Cantons. Originally, that is, before the Compromise was finalized, Federal Government proposed a Solution without the Federal Government's Share in the Negotiations. Therefore, current Minister of Finance Karin Keller-Sutter did not achieve a Feat for the Outcome, as she was not involved. In any case, Disparities destabilize a Society, so it is necessary to pay attention to whether the economic Disparities between Cantons will expand or shrink in the Future. 2. Bill: Commonly known as the "Climate and Innovation Act". Federal Act on Climate Protection Targets, Innovation and Strengthening Energy Security (indirect Counter-Proposal to the "Glacier Initiative"): 59.07% in favor (YES), 40.93% against (NO), 42.54% Voter Turnout. The Majority of the Cantons were in favor. However, the rural Cantons of Uri, Schwyz, Glarus, and Thurgau as well as the Half- Cantons of Obwalden, Nidwalden, and Appenzell Innerrhoden were in the Majority against it, impressing the Difficulty of Balancing Climate Protection and Energy Security. It was good that it was approved, but the Media paid the most Attention to it because the future Path will be unknown. With recent Droughts, extreme Heat, heavy Rains, reduced Snowfall and melting Glaciers, Switzerland is certainly influenced by Climate Change. It is a Law to reduce Greenhouse Gas Emissions to net Zero by 2050, in line with the Paris- Agreement. It also sets interim Targets aimed at reducing Dependence on imported Oil and Gas, but does not set Bans or new Taxes. Tages-Anzeiger Newspaper dated June 19 reported the Argument made by Conservative SVP-Party Magdalena Martullo-Blocher, a Member of the National Council, who campaigned against the Law till the last Moment and lost, saying "How to implement the Law without increasing Costs must be showed by the other Political Parties." https://www.tagesanzeiger.ch/windraeder-solarpflicht-ladestationen-wo-die-naechsten-streitpunkte-liegen-406828692885 Switzerland's current Energy Dependence on Nuclear Power is said to be about One-Third. Although the Majority of the People oppose Nuclear Power and support Solar Power Generation, the Methodologies for Securing additional Energy Sources are complicated. There are strong Objections to the Idea of installing large-scale Photovoltaic Power Generation Equipment and Wind Power Generation Equipment in the Alps, because the Burden on the Environment will be too large and the Scenery will be damaged. Just then, on July 2, 2023, SRF News "Tagesschau" reported that "Federal Roads Office (ASTRA)" had given the Go-Ahead for Photovoltaic Installations along the National Roads (Highways). https://www.srf.ch/news/schweiz/450-solaranlagen-projekte-gruenes-licht-fuer-fotovoltaikanlagen-auf-autobahnen Over the next few Years, around 350 Noise Barriers and more than 100 Service Area Canopies shall be equipped with Photovoltaic Power Plants across Switzerland. Start-up Company "Helion Energy" in Solothurn, working with Partners, won about a Quarter of these Contracts. First Pilot Project had already started 30 Years ago, but it seems that it took Time to get the active Cooperation of Politics, Swiss Government and Business Institutions. Juerg Roethlisberger, Head of the "Federal Roads Office (ASTRA)" said the Project could generate about 10 Terawatt Hours (TWh), about Half the Electricity generated by a Nuclear Power Plant. Although this shows that the Energy Transition is possible, however, Switzerland is still 14th in the Comparison of European Countries and needs to catch up, says Professor Juerg Rohrer, a renewable Energy Expert at the Zurich University of Applied Sciences (ZHAW). This Year alone, the Cost of Electricity paid to the Public has risen by 27%, with a 12% Surcharge for next Year already announced. Still, contrary to SVP's Concerns, Things seem to be looking promising. 3) Amendment: Commonly known as the "Covid-19 Amendment Act". Draft Amendment to the "Covid-19 Act of December 16, 2022": 61.94% in favor (YES), 38.06% against (NO), 42.49% Voter Turnout. Most of the Cantons voted in favor. Compared to the Polls in June and November 2021, the Approval Percentage has not changed. It also means that Opinions on Corona- Policy probably haven't changed much. Those who were against it two Years ago are still against it, and those who always supported the Policy still support it today. In other Words, they accepted the Continuation of the Law as a Safety Measure. However, the Canton of Schwyz, the Half-Cantons of Obwalden and Appenzell-Innerrhoden disagreed with the Majority. There seems to be a Backlash against excessive Corona-Measures in depopulated Areas with little Human Traffic. The same Evening when the Results of the Popular Vote were known, the Swiss Federal Government held its Press Conference. Present at the Press Conference were, - Minister of Finance, Karin Keller-Sutter, for the "OECD/G20 Minimum Tax Rate" - Minister of Environment, Transport, Energy and Communications (UVEK), Albert Roesti, for the "Climate and Innovation Act" - Minister of Federal Department of Home Affairs, Alain Berset, for the "Covid-19 Amendment Act". The Press Conference was a Relief, as all Voting-Topics received Public Support. [ Press Conference Video 25 Minutes ] https://www.youtube.com/watch?v=B1QgF8bFh_s [Swiss Political Situation] Swiss Federal Elections are scheduled for October 22 this Autum. https://www.ch.ch/en/elections2023/ Political Parties have already started Campaign-Conscious Activities a Year ago. Number of Seats of each Parliamentary Group on the current 200- Seats "National Council": https://www.parlament.ch/en/organe/national-council/groups-chamber-nc SVP: 55 Seats, SP: 33 Seats, Die Mitte & EVP: 31 Seats, Greens: 30 Seats, FDP: 29 Seats, Green Liberals: 16 Seats. Number of Seats of each Parliamentary Group on the current 46- Seats "Council of States": https://www.parlament.ch/en/organe/council-of-states/groups-in-chamber-cs Die Mitte & EVP: 14 Seats, FDP Liberal: 12 Seats, SVP: 8 Seats, SP: 6 Seats, Greens: 5 Seats. One vacant Seat is due to Marina Carobbio-Guscetti resigning after being elected to the Ticino Cantonal Government on 6 April 2023. https://www.parlament.ch/de/organe/staenderat/mutationen-sr Reportedly in mid-June, the FDP's Election Cooperation Agreement with the SVP in Proportional Representation Elections in several Cantons sparked Criticism, and Liberals in the Canton of Zurich barely approved the Candidate List Alignment with the SVP after heated Debate. https://www.tagesanzeiger.ch/fdp-praesident-will-listenverbindungen-abschaffen-832147709649 Political Parties try to maximize their Chances of allocating Seats by coordinating their Candidate Lists. When two Parties align their Lists, the second Step distributes Seats to individual Lists instead of Candidates, so Parties can expect to lose fewer Votes and win more Seats. On 21 June, Minister of Federal Department of Home Affairs, Alain Berset announced that he would not stand for the year-end Federal Council (Government/Cabinet) Elections. SRF-Coverage: https://www.srf.ch/play/tv/rundschau/video/ruecktritt-von-alain-berset?urn=urn:srf:video:75d8682f-37d0-4087-ba60-085521c4662f Tages Anzeiger Newspaper: https://www.tagesanzeiger.ch/das-ist-ein-gefaehrlicher-zeitpunkt-fuer-die-sp-790011916765 The Announcement of the de facto Resignation of Minister (Bundesrat) Alain Berset, who until recently had frequentl expressed his Willingness to run again, was received with Surprise from all Sides, given that it usually takes about three Months for a Minister to announce his Resignation, but this Announcement was made unusually long six Months before Tenure. He explained that it was not a Resignation, but rather a Statement that he would not run for Office again in December 2023. In December 2011, at the young Age of 39 Years, it has been 12 Years since Alain Berset was elected as a Member of the Federal Government (Bundesrat) with the SP-Party sign on his Back. Aside from his Role as Corona-Pandemic Manager, Berset's political Track Record is described as not much. Personally, I appreciate that when Minister of Federal Department of Home Affairs Berset, in his Capacity as Swiss Federal President this Year, visited German Chancellor Scholz in mid-April of this Year, he was asked for Permission to re-export Munitions manufactured in Switzerland and firmly stated that he could not be asked to break his Country's Laws. https://www.tagesanzeiger.ch/berset-besucht-scholz-und-steinmeier-753340238300 The Green Party (as well as the Green-Liberals) have already announced their Intention to run for the Federal Council Elections in December. Therefore, the Position of Successor to Berset is not secured for the SP-Party, and it depends on the Outcome of the October National Election. What is certain that the SP-Party or the left wing of the Green Party will be mobilized in Autumn and also want to win a Seat on the Federal Council (Government). There are currently seven Federal Councilors (Ministers), three from the German-speaking Cantons, three from French-speaking Cantons and one from Italian-speaking Canton. Since there are four Men and three Women, it is considered appropriate for Men from German-speaking Cantons to be elected from the SP-Party or the Green Party. Several Names of self-recommended and other-recommended Candidates have already been rumored. On July 2, the largest political Party, the SVP, held an extraordinary Party Convention. Refocusing on Party's traditional Immigration Issue, Thomas Matter proposed a Policy to reduce Switzerland's Population below 10 Million People by 2050 as a sustainable Policy. On July 4th, the FDP-Party was backfired for using AI-Imagery in its Election Campaign Posters. https://www.tagesanzeiger.ch/wahlkampf-mit-falschen-ki-bildern-ist-gift-fuer-eine-demokratie-532921364531 With Photos showing environmental Activists blocking Ambulances with blue Lights and endangering Lives, the Party has fueled Panic on the Basis of Fake News. The FDP was forced to quickly correct its Trajectory. In 2009, the SP-Party’s Youth Division used a Photo Montage of fake bloody Hands of then-Federal Councilor Doris Leuthard to fuel Debate over the Export of War Materials. In any case, the Spread of Disinformation has been called a Poison to Direct Democracy. On July 5, SRG (Swiss Broadcasting Corporation) released the Approval Ratings for each political Party for the Survey Period from June 8 to 22, 2023. https://www.srf.ch/news/schweiz/srg-wahlbarometer-mitte-nimmt-fdp-ins-visier-und-kulturkampf-um-wokeness The Results indicated that the largest political Party, SVP, is likely to gain Power again. At an extraordinary Party Congress on July 2, SVP-Party Leader Marco Chiesa made somewhat emotional Remarks on the Issue of Immigration that received little Sympathy from the Delegates present, according to left-wing Media Outlets. Still, it seems that solid Support for SVP was shown. Support for each political Party based on the Survey: SVP: 27,1% (+1,5%) SP: 17.8% (+1.0%) FDP: 14,6% (−0,5%) Mitte: 14.3% (+0.5%) Green: 10,2% (-3,0%) GLP: 8.3% (+0.5%) EVP: 2,1% (±0,0%) Other: 5,5% (−0,1%) (plus or minus compared to the 2019 Elections-) Error range: ± 1.2 Percent (Source: Sotomo commissioned by SRG/SSR) The Key Policy Issues raised by Voters were: 1. Climate Change 40% 2. Health Insurance Premium 38% 3. Immigration 29% 4. Supply and Energy Security 26% 5. Social Security, Cost of Living 23% 6. Pension Reform 23% 7. Good Relationship with the EU 19% 8. Housing Prices 14% 9. Independence and Sovereignty 13% 10. Nature and Landscape Protection 12% 11. Economic Strength and Competitiveness 11% 12. Crime and Security 10% 13. Rights of Freedom and Freedom of Expression 9% 14. Tax Burden and Government Expenditure 8% 15. Gender Equality 8% 16. National Defense 5% 17. Unemployment and Wage Pressure 3% (Maximum 3 Answers) (Source: Sotomo requested by SRG/SSR) I was intrigued by another Poll released at the same Time, "Most infuriating current Affairs." We can see the Consciousness of the Swiss People that international Problems coexist inseparably with domestic Problems. 1. CS Mismanagement/Bonus 58% 2. Climate Activist Roadblock Glue 51% 3. Gender Controversy, "Wokeness" 50% 4. Increasing Polarization 44% 5. Bank Bailout with Taxpayers' Money 40% 6. Abuses in the Asylum System 34% 7. Passivity despite Climate Catastrophe 33% 8. Incitement against the Disadvantaged 29% 9. Softening of Neutrality 28% 10. Lack of Support for Ukraine 26% 11. Hard-Heartedness towards Refugees 18% (Multiple Answers possible) (Source: Sotomo requested by SRG/SSR) By the way, I didn't know the Meaning of "Wokeness", but it seems to be "a Claim to raise Awareness of Social Issues." [Reference] Conservative Students who oppose highly conscious "Wokism". https://www.afpbb.com/articles/-/3402205 Tages-Anzeiger Bulletin of July 5,2023: "Umfrage zu Schweizer Wahlen: Gruene stuerzen ab - SVP legt zu". (Survey on Swiss Elections: Greens crash - SVP increases) https://www.tagesanzeiger.ch/gruene-stuerzen-ab-svp-legt-zu-540027695645 SRG's Election Barometer Data was collected in June through Sotomo and SRG's Online Channels. This Survey is representative of its over 25,000 Participants. Sampling Error is 1.2 percent. Support for climate-focused Greens is waning, even though Climate- Change remains a top Concern. It is no Exaggeration to say that the Green Party was built on the Strength of its Predecessor, Regula Rytz. The current Leader, Balthasar Glaettli, is the least popular Leader of the major political Parties. From the way the Media reported it, it seems that the Strategy of Demanding by the Green Party to hold an important Position in the Federal Government does not garner Sympathy. The left-wing's lower-than-expected Slump in Support seems to be due to the Fact that they are focused on Distribution and are not concerned about obtaining Funds, and are developing Desk Theories. The Share of FDP's 14.6% and Die Mitte’s 14.3% are nearly evenly matched in the Poll, so Die Mitte could overtake the FDP-Party in October. The FDP currently holds two Seats in the Federal Council (Government), while Die Mitte only has one, which is likely to spark a new Debate over the Composition of the Federal Council (Government). It is as if the Voters have seen through the current Situation that they cannot expect much from a centrist Party that is unable to decide where it stands on Policy. The Reason why the conservative SVP is gaining solid Support may be Evidence of a renewed Appreciation of the Swiss Temperament, which sees "earning by the Sweat of one's Brow" as a Virtue. ★ スイス連邦議会の政党名 / Political Parties represented in Swiss Parliament: https://www.parlament.ch/en/organe/groups/parties-in-parliament [Editor's Postscript] Collecting Information related to Politics can often feel like getting stuck in a Bottomless Pit, but it is often interesting to think about it in relation to Daily Life. I am watching it closely as a matter of utmost importance that could lead to unexpected circumstances if I am indifferent to it. (A.H.) ****************************************************************** 【 jp-Swiss-journal 】 Number of readers: 161 Subscribe & Unsubscribe / 登録・解除・アドレス変更: ★ jSj編集部宛: jp-swiss-journal@bluewin.ch ★ Mailux: http://www.mailux.com/mm_bno_list.php?mm_id=MM49D642ECE442D ★ Mag2: http://www.mag2.com/m/0000044048.htm 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ☆ Issuer/発行元: Akiko Huerlimann & the editors' Group Copyright (C) 1998-2023 Akiko Huerlimann https://www.swissjapanwatcher.ch/jp-Swiss-journal/seback.htm ☆ If you wish to refer our text, please send your mail to the issuer for permission. 無断転載・転送は固くご遠慮下さい。掲載のお問い合わせは発行元まで メールでお問い合わせください。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 Sister Mail Magazine【Swiss News headlines】 Number of readers: 579 Subscribe & Unsubscribe / 登録・解除・アドレス変更: ★ WSNH編集部宛: swiss_news_headlines@bluewin.ch ★ Mailux: http://www.mailux.com/mm_bno_list.php?mm_id=MM49D0B8FB9C4B4 ★ Mag2: http://www.mag2.com/m/0000025024.htm ****************************************************************** |