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■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■ ┃ Multi Lingual Internet Mail Magazine ┃ ★ JP-Swiss-journal - Vol. 207 - May 03, 2022 (Swiss Time) ┃ ☆ http://www.swissjapanwatcher.ch/ ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■ 【 目次 / INDEX / INHALTSVERZEICHNIS 】 【J】 2022年05月15日国民投票 1) 映画製作と映画文化に関する連邦法の改正 2) 臓器移植法 3) 欧州国境・沿岸警備隊に関する規則の採択および規則の廃止 (既存のシェンゲン協定の更なる発展) 明子 ヒューリマン 【E】 The Popular Vote on May 15, 2022 1) Amendment to the Federal Act on Film Production 2) Transplantation Act 3) Adoption of the Regulation on the European Border and Coast Guard and repealing Regulations (Development of the Schengen Acquis). Akiko Huerlimann ━━━━━━━━━━━━━━【 日本語 】━━━━━━━━━━━━━━━ 2022年05月15日国民投票 明子 ヒューリマン 来る国民投票について、政府の説明書に沿って概要と論点を見ていこう。 投票用紙と共に郵送されてくる赤い小冊子の「政府説明書」はウェブサイト で閲覧出来る。*1) 1) 映画製作と映画文化に関する連邦法の改正 "Aenderung des Filmgesetzes" *2) *3) 【 背景 】 国内のテレビ放送局は、売上高の4%をスイスの映画製作に投資することが義務 付けられているので、国内の映画製作に大きく貢献している。しかし、映画や シリーズものは、米Netflixの様なインターネットでの視聴(ストリーミング) 可能なものが増えている。グローバルに活動することが多いストリーミングサ ービスは、これまでスイスに投資する義務は無かった。 2021年10月1日、議会は映画製作と映画文化に関する連邦法(映画法)の改正案 を採択した。今回の改正で、映画消費のデジタル化を考慮し、その結果生じる 抜け穴を塞ぐこと等が盛り込まれている。ストリーミングサービスは、今後、 スイスのテレビ放送局と同様の規制を受けることになる。 【 議案 】 映画法の改正により、今後ストリーミングサービスは、スイスで発生する売上の 4%を地元の映画製作に投資しなければならないと規定されている。スイスの映 画やシリーズ作品に直接参加するか、スイスの映画振興を支援する為に代替税を 支払う。更に、ストリーミングサービスが提供する作品の30%は、欧州で制作さ れた映画やシリーズでなければならない。 この改正に反対する委員会が組織され、国民投票の実施を求めて要件を満たした ので、今回国民投票にかけられることになった。 ■ 議決権行使の質問: 映画製作と映画文化に関する連邦法(映画法、FiA)の2021年10月1日の改正を受 け入れますか? 【 連邦政府と議会の推奨は「賛成」】 議会の評決は、国民議会が賛成124票、反対67票、棄権が3票。 全州議会は、賛成32票、反対8票、棄権4票。 政党は、賛成がSP、緑の党、Mitte、GLP、EVPと中道から左派が占め、 反対がSVP、FDP、EDUと保守が占めている。 スイスの様な小規模の映画産業は、国の支援無くして存続することは出来ない。 欧州各国では既に国が支援しているので、スイスは更に不利な状況に置かれてい る。外国のストリーミング事業者とTV局は、スイスで年間6億スイスフラン以上 の利益を上げている。こうした事情を背景に、連邦政府と議会は、本法改正で デジタル変革に伴って生じたギャップを解消することを目指した。テレビ放送と ストリーミングサービスの不平等な扱いをなくして、映画制作を強化し、ますま す重要になるデジタル提供の文化的多様性に貢献するのが狙い。 【 レフェレンダム委員会の推奨は「反対」】 国民投票委員会は、改正案がストリーミングサービスに30%の欧州映画の上映を 強制するのは不公平で、世界中の人気映画が不利を被ることになり、又、投資義 務によって、ストリーミングサービスの利用料が割高になることが予想され、こ れは実質的な映画税と捉え反対している。*4) 【 情勢 】 公共放送SRFの国民投票関連サイトに世論調査の投票性向が掲載されている。*5) これによると、現在法案に賛成が優勢だ。 2) 臓器移植法 *6) 【 背景 】 過去5年間で、スイスでは毎年平均約450人の死者から1つ以上臓器が提供されて いるが、臓器に対する需要は格段に高くなっている。現在は、死亡した人が生前 臓器提供に同意した場合にのみ、移植が可能だ。しかし、本人の意志が不明であ ることが多く、その場合は親族が決めなければならず、臓器提供に反対するケー スが大半だ。 連邦政府と議会は、患者が臓器の提供を受ける機会を増やす目的で、2019年3月 22日に提出された国民発議に対する間接的な対案として、臓器移植法改正案を制 定した。*7) これに先立ち、イニシアチブ委員会は2021年10月7日に条件付きで イニシアチブを撤回した。"条件付き "とは、間接的な対案が発効して初めて撤 退の効力が発生することを意味する。 【 議案 】 臓器提供を希望しない人は、生前にその意思を表明しなければならない(異議申 し立て解決策)。本人が反対していない場合は、臓器提供を希望しているものと 見做す。但し、親族が、本人が臓器提供を拒否すると知っている場合、またはそ の疑いがある場合には、臓器提供を拒否することができる。親族がいない場合 は、臓器が提供されないことがある。 改正臓器移植法は、「臓器提供の推進-命を救う」という関心の高い取り組みに 対する対案。 ■ 議決権行使の質問: 2021年10月1日の改正の臓器、組織および細胞の移植に関する連邦法(移植法) を受け入れますか? 【 連邦政府と議会の推奨は「賛成」】 議会の評決は、国民議会が賛成141票、反対44票、棄権が11票。 全州議会は、賛成31票、反対12票、棄権1票。 政党は、賛成がFDP、緑の党、Grunliberale、Mitte、SPと中道から左派、 反対はSVP、EDU、EVPの保守系。 臓器提供は命を救う。従って、連邦政府と議会は、死後に臓器を提供できる人、 希望する人すべての臓器が実際に移植されることが重要と考える。この新しい 手続きは、親族の関与を確実にし、親族を困難な状況から解放する。 【 国民投票委員会の推奨は「反対」】 委員会によると、新しい法律では、臓器提供に対して拒否の意思表示をしなけれ ばならないことを知らない人達が必ず出てくる。その場合、本人の意思に反して 臓器を摘出することが認められることになる。これは、自己決定権や身体的完全 性の権利を侵害する。異議申し立ての解決策は、親族に更なる圧力を掛けること になり、拒否すれば、連帯感の欠如と非難される可能性がある。*8) 【 情勢 】 臓器移植は急を要し、医師が、心肺停止ではなく、脳死と判断した時点で可能に なる。例え心臓が動いていても、脳死と判断されれば、臓器が摘出される事に は、倫理的に違和感が拭えない。「日本臓器移植ネットワーク」の脳死の説明を 読んでみたが、医師がどのような手順で判断するのかという説明が無い。*9)臓 器移植を待つ側の情報が多く、提供者の扱いに瑕疵は無かったのかという検証が 可能であるのかも不明だ。 そこで、生命倫理学者小松美彦の著作「脳死・臓器移植の本当の話」や「死は共 鳴する―脳死・臓器移植の深みへ」等の解説と読者コメントを読んでみた。結論 として「近年、脳死を人の死とする医学的な根本が大きく揺らいでいる」と書か れているではないか!*10) 公共放送SRFの世論調査の投票性向は、現状では賛成が優勢だ。*5) 3) 欧州国境・沿岸警備隊(Frontex)に関する規則の採択および規則の廃止 (既存のシェンゲン協定の更なる発展)*11) 【 背景 】 スイスはシェンゲン協定加盟国で、シェンゲン安全保障ネットワークに加盟して いる。欧州国境・沿岸警備機構は、シェンゲン協定加盟国に対して、シェンゲン 域外国境の管理に関する業務支援を行っている。スイスは10年以上前から Frontexと連携している。Frontexは、2019年末からEUで拡張された。連邦政府と 議会は、この改革をスイスも受け入れることを決定して法律を改訂した。これに 異を唱える「移民連帯ネットワーク」が、国民投票に漕ぎ着けた。 【 議案 】 Frontexの拡大により、対外国境での管理が改善され、セキュリティが向上し、 又、基本的人権の保護も強化される。この改革により、Frontex Fundamental Rights Officerのオフィスには40人の基本権オブザーバーが配置されることに なった。基本的な権利の侵害を確認するために、現地での活動を監督し、基本 的人権が侵害された場合は、対策を講じる。2021年からは、スイスの専門家2名 も基本権担当をサポートしている。 連邦内閣と連邦議会は、スイスがFrontexの拡大に参加することを望んでいる。 この拡張によって、配置されるスイス人職員の数は、平均6人強の専任者が徐々 に増やされて、2027年には最大40人程度になる見込みだ。スイスはFrontexを比 例配分で財政的に支援している。シェンゲン協定に基づく標準計算式(シェンゲ ン・キー)は、スイスとその他の関係国の負担金計算の基礎となる。現在の計算 では、スイスの拠出額は2021年の2400万スイスフランから、2027年には推定6100 万スイスフランに増加する。 スイスがこのシェンゲン協定延長を拒否した場合、EU諸国とEU委員会がスイスを 受け入れない限り、シェンゲン協定加盟国およびダブリン諸国との協力関係は自 動的に終了する。*12) *13) ■ 議決権行使の質問: 欧州国境・沿岸警備に関する規則(EU)2019/1896の採択と規則(EU) No 1052/2013および(EU)2016/1624(シェンゲン協定のさらなる発展)の廃止 に関するスイスとEU間の交換公文の承認と実施に関する2021年10月1日の連邦令 を承認しますか? 【 連邦政府と議会の推奨は「賛成」】 議会の評決は、国民議会が賛成88票、反対80票、棄権が28票。 全州議会は、賛成30票、反対14票、棄権0票。 政党は、賛成がSVP、GLP、FDP、Miite、EVPと中道から保守、 反対が緑の党、SP、EDUと左派系。 「Frontex-schengen-ja」委員会が賛成キャンペーンを展開。*14) 連邦政府と議会は、シェンゲン域外国境の管理とシェンゲン圏の安全保障にとっ てFrontexが重要であることは明らかで、スイスの利益にもつながると考える。 スイスはFrontexに参加することで、責任を負い、未来を形作る手助けをする。 否決された場合は、スイスがシェンゲン・ダブリン協定から除外されるリスクが ある。 【 発議委員会の推奨は「反対」】 反対派は、Frontexを財政的に支援することで、Frontexによる人権侵害の責任を スイスが共有することになると主張する。 委員会は、Frontexが欧州の対外国境における暴力、悲惨な状況、死に対する責 任の一端を負っていると考えている。それにもかかわらず、Frontexを大規模に 拡張する計画があり、スイスからの資金供給もされる。難民保護に真剣に取り組 む人たちは、Frontexの拡大を止めなければならない、と主張する。*15) 【 情勢 】 四方をEUとオーストリアを除くNATO加盟国に囲まれた内陸国スイスに、Frontex に参加する以外の選択肢は無いと言えよう。*16) 公共放送SRFの世論調査の投票性向は賛成が優勢だ。*5) [ 総論 ] 今回の3つの議案はいずれも高い関心を集めているが、ひときわ活発な論争が展 開されているのは何と言っても「Frontex」だ。外交課題に直結し、国家存亡に 関わる事案と言えるので、賛成キャンペーンは特に活発だ。「臓器移植法」を 継続的に正確に理解する国民は、半分にも達するのか疑問だ。臓器売買が疑われ る政府や地域があるという情報があることからも、臓器移植は慎重であるべき で、現状の制度を維持するのが良いと思う。「映画製作と映画文化に関する連邦 法の改正」については、スイスが日頃から腐心している国家アイデンティティー を維持する為にも、公的な制度的支援は欠かせないと思う。 【 参照 】 ★ スイス連邦議会の政党名 / Political parties represented in Parliament: https://www.parlament.ch/en/organe/groups/parties-in-parliament *1) 2022年05月15日国民投票/Volksabstimmung vom 15. Mai 2022: https://www.admin.ch/gov/de/start/dokumentation/abstimmungen/20220515.html 政府説明小冊子: https://www.admin.ch/dam/gov/de/Dokumentation/Abstimmungen/Mai22/DE_Abstimmungsbroschuere_15-05-2022_de.pdf.download.pdf/DE_Abstimmungsbroschuere_15-05-2022_de.pdf *2) 映画製作と映画文化に関する連邦法の改正: https://www.admin.ch/filmgesetz *3) 連邦政府文化局改正映画法 (Abstimmung vom 15. Mai 2022 Aenderung Filmgesetz): https://www.bak.admin.ch/bak/de/home/kulturschaffen/film1/referendum-aenderung-filmgesetz.html *4) 映画税に反対、EU映画枠に反対 (NEIN zur Filmsteuer. NEIN zur EU-Filmquote.): https://filmgesetznein.ch/ *5) SRF世論調査: - 「ロシュティグラーベンの代わりに、今度はジェネレーションギャップか? (Statt Roestigraben diesmal ein Generationengraben?)」 https://www.srf.ch/news/abstimmungen-15-mai-2022/abstimmungen-vom-15-mai-statt-roestigraben-diesmal-ein-generationengraben - 「政府3法案に明確な承認を一部で実現 (Zum Teil deutliche Mehrheiten fuer die drei Behoerdenvorlagen)」 https://www.srf.ch/news/abstimmungen-15-mai-2022/srg-umfrage-auf-einen-blick-zum-teil-deutliche-mehrheiten-fuer-die-drei-behoerdenvorlagen *6) 連邦政府:臓器移植法解説: https://www.admin.ch/transplantationsgesetz *7) 連邦政府保健局:臓器提供の国民投票/Abstimmung zur Organspende: https://www.bag.admin.ch/bag/de/home/medizin-und-forschung/transplantationsmedizin/rechtsetzungsprojekte-in-der-transplantationsmedizin/indirekter-gegenvorschlag-organspende-initiative.html *8) 臓器提供は同意ある場合のみ発議委員会: https://organspende-nur-mit-zustimmung.ch/ *9) 日本臓器移植ネットワーク: https://www.jotnw.or.jp/explanation/03/01/ *10) 小松 美彦 Yoshihiko Komatsu: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%9D%BE%E7%BE%8E%E5%BD%A6 *11) 欧州国境・沿岸警備隊に関する規則の採択および規則の廃止 (既存のシェンゲン協定の更なる発展): https://www.admin.ch/gov/de/start/dokumentation/abstimmungen/20220515/uebernahme-der-eu-verordnung-ueber-die-europaeische-grenz-und-kuestenwache.html *12) 連邦政府財務局Federal Department of Finance: 「欧州国境と沿岸警備隊のEU規制に参加(Frontexの拡大にスイスの参加)」 "Takeover of the EU regulation on the European border and coast guard (participation of Switzerland in the expansion of Frontex)" Uebernahme der EU-Verordnung ueber die Europaeische Grenz- und Kuestenwache (Beteiligung der Schweiz am Ausbau von Frontex) https://www.efd.admin.ch/efd/de/home/das-efd/abstimmungen/frontex.html *13) 連邦政府司法局 Federal Department of Justice and Police: 「国境と沿岸警備隊の欧州機関の拡大におけるスイスの参加(Frontex)」 Participation of Switzerland in the expansion of the European agency for the border and coast guard (Frontex) Beteiligung der Schweiz am Ausbau der Europaeischen Agentur fuer die Grenz- und Kuestenwache (Frontex) https://www.ejpd.admin.ch/ejpd/de/home/themen/abstimmungen/frontex.html *14) Frontex-schengen-ja:https://www.frontex-schengen-ja.ch/ *15) NO FRONTEX: https://frontex-referendum.ch/ *16) NATO: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E5%A4%A7%E8%A5%BF%E6%B4%8B%E6%9D%A1%E7%B4%84%E6%A9%9F%E6%A7%8B 【 編集後記 】 今回はやや早めに発行することにしたので、直前の説得力有る駆け込み情報は、 次回に譲ることになる。いずれにしても、政府発表の情報でさえ様々な情報源 が有ることを発見した。納得の行く判断は簡単に導き出せない事を改めて実感 した。 ━━━━━━━━━━━━━━【 English 】━━━━━━━━━━━━━━━ The Popular Vote on May 15, 2022 Akiko Huerlimann Let's take a Look at the upcoming Referendum, following the Government's explanatory Document for an Overview and Discussion of the Issues. The red Booklet, "Government Explanatory Document", which was mailed with the Ballot Papers, can be viewed on the Website. *1) 1) Amendment of the Federal Law on Film Production and Film Culture. "Aenderung des Filmgesetzes" *2) *3) [ Background ] Domestic TV-Broadcasters contribute significantly to domestic Film Production since they are obliged to invest 4% of their Turnover into Swiss Film Production. However, more and more Films and Series are available for Viewing (Streaming) on the Internet, such as US-Netflix. Streaming Services, which often operate globally, have so far no Obligation to invest in Switzerland. On October 1, 2021, the Parliament adopted Amendments by the Swiss Government on the Federal Law on Film Production and Film Culture (Film Act). The Amendments take into account the Digitalization of Film Consumption and close a Loophole that have resulted. Streaming Services will henceforth be subject to the same Regulations as Swiss Television Broadcasters. [ Bill ] The Amendment to the Film Law stipulates that Streaming Services must henceforth invest 4% of Sales generated in Switzerland into local Film Production. They can either participate directly in Swiss Films and Series Productions or pay a substitute Duty on their behalf to help Swiss Film Promotion. Furthermore, 30% of the Films offered by the Streaming Services must be Films or Series produced in Europe. A Committee was formed to oppose this Amendment, and since the Requirements were met for a Referendum, the Amendment to the Film Law will now be put to a Referendum’s Vote. ■ The Question on the Ballot Paper is: Do you want to accept the October 1, 2021 Amendment to the Federal Law on Film Production and Film Culture (Film Law, FiA)? [ The Recommendation by the Swiss Government and Parliament is "YES". ] The National Assembly's (Nationalrat) Verdict was 124 Votes in favor (Yes), 67 Votes against (No), and 3 Abstentions. The Council of States (Staenderat) voted 32 in favor (Yes), 8 against (No), and 4 Abstentions. The Political Parties from the Center to the Left, such as the SP, Greens, Mitte, GLP, and EVP are in favor (Yes), and the Opposition (No) is dominated by Conservatives, such as SVP, FDP, and EDU. A small Film Industry like Switzerland's cannot survive without State Support. Switzerland is even more at a Disadvantage as the Film Industry is already supported by Countries in Europe. Streaming Services and foreign TV-Stations make Sales of more than CHF 600 Million a Year in Switzerland. Against this Background, the Swiss Government and Parliament aims to close the Gap created by the Digital Transformation with this legal Reform. The Aim is to eliminate the unequal Treatment of TV-Broadcasting and Streaming Services, to strengthen Swiss Film Production, and to contribute to the cultural Diversity of digital Offerings, which is becoming increasingly important. [The Referendum Committee's Recommendation is "NO."] The Referendum Committee opposes the proposed Amendment because it is unfair to force Streaming Services to show 30% European Films, which would put popular Films from around the World at a Disadvantage, and the Investment Obligation would make Subscriptions for Streaming Services more expensive, which is regarded as a new substantial Film Tax. *4) [Situation] Swiss public Broadcaster SRF's Website related to the Referendum shows the Poll's Voting Trends. *5) According to the Poll, the Majority of Respondents are in favor of the amended Bill. 2) Amendment of Transplantation Law *6) [Background ] Over the past five Years, an Average of around 450 People in Switzerland have received one or more Organs from a dead Person each Year, but the need for Organs is much higher. Currently, a Transplant is only possible if the deceased Person consented to Organ Donation in Lifetime (Consent Solution). However, the Person's Will is often unknown, and in such Cases, the Relatives must decide, and in the Majority of Cases, they oppose Organ Donation. The Swiss Government and Parliament enacted the Amendment to the Organ Transplant Law as an indirect Counter-Proposal to the Popular Initiative submitted on March 22, 2019, with the Aim of increasing the Opportunity for Patients to receive Organs. *7) Prior to this, the Initiative Committee conditionally withdrew the Initiative on October 7, 2021. The Term "conditionally" means that the Withdrawal will take effect only after the indirect Counter-Proposal comes into force. [Bill] A Person who does not wish to donate his or her Organs must express this Intention in Lifetime (Objection Solution). If the Person does not object, he/she shall be deemed to wish to donate his/her Organs. However, if a Relative knows or suspects that the Person concerned had refused to donate his Organs, in this Case the Donation can be refused. If no Relatives can be reached, no Organs may be removed. The amended Transplant Law is a Counter-Proposal to the "Promoting Organ Donation - Saving Lives" Initiative that is of great Interest. ■ The Question on the Ballot Paper is: Do you want to accept the October 1, 2021 Amendment to the Federal Law on Organ, Tissue and Cell Transplantation (Transplantation Law)? [ The Recommendation by the Swiss Government and Parliament is "YES".] The National Assembly's (Nationalrat) Verdict was 141 Votes in favor (Yes), 44 Votes against (No), and 11 Abstentions. The Council of States (Staenderat) voted 31 in favor (Yes), 12 against (No), and 1 Abstention. The Political Parties from the Center to the Left, such as FDP, Greens, Green-liberals, Mitte and SP are in favor (Yes), and the Opposition (No) are the Conservatives, such as SVP, EDU, and EVP. Organ Donation can save Lives. Therefore, the Swiss Government and Parliament consider it important that all those who can and wish to donate their Organs after Death are actually transplanted. This new Procedure ensures the Involvement of Relatives and relieves them from difficult Situations. [The Referendum Committee's Recommendation is "NO".] According to the Committee, there will always be People who do not know that under the new Law they will have to express their Refusal to Organ Donation. In such Cases, it will be allowed to have their Organs removed against their Will. This violates the Right to Self-Determination and bodily Integrity. A Solution to the Objection would put further Pressure on the Relatives, and if they refuse, they could be accused of a Lack of Solidarity. *8) [Situation] Organ Transplants are urgent and possible once Doctors have determined that the Patient is brain-dead, not in cardiopulmonary Arrest. Even if the Heart is beating, it is ethically unacceptable for Organs to be removed if the Patient is judged to be brain-dead. I read an Explanation of Brain Death by "the Japan Organ Transplant Network", but there is no Explanation of the Procedure by which Doctors make the Determination. *9) There is a lot of Information on the side of those waiting for Organ Transplants, and it is unclear whether it is possible to verify whether there were any Defects in the Treatment of the Donors. Therefore, I read the Explanations and Readers' Comments in bioethicist Yoshihiko Komatsu's Books "The True Story of Brain Death and Organ Transplantation" and "Death Resonates: Into the Depths of Brain Death and Organ Transplantation" and others. In Conclusion, it says, "In recent Years, the medical Basis for treating Brain Death as the Death of a Person has been greatly shaken!" *10) The Polling Propensity of Swiss public Broadcaster SRF is currently in favor of the amended Law. *5) 3) Adoption of the Regulation on the European Border and Coast Guard (Frontex) and repealing of the Regulations. (Further Development of the existing Schengen Agreement) *11) [ Background ] Switzerland is a Member of the Schengen Agreement and a Member of the Schengen Security Network. The European Border and Coast Guard Agency (Frontex) provides Schengen Member States with its operational Support for the Management of their external Schengen Borders. Switzerland has been working with Frontex for more than a Decade. Frontex has been extended in the EU since the End of 2019. Swiss Government and Parliament have decided that Switzerland will also embrace this Reform and have revised the Law. "The Migrant Solidarity Network", which disagrees with this, has put the Matter to a Referendum. [Bill] The Expansion of Frontex will improve Control and Security at external Borders and enhance the Protection of fundamental Human Rights. The Reform will place 40 fundamental Rights Observers in the Office of the Frontex Fundamental Rights Commissioner. Since 2021, two Swiss Experts have also supported the Fundamental Rights Officer. The Swiss Government and Parliament want Switzerland to participate in the Expansion of Frontex. As a Result of this Expansion, the Number of Swiss Staff to be deployed is expected to gradually increase from an Average of just over six full-time Employees to a maximum of around 40 by 2027. Switzerland supports Frontex financially on a pro rata Basis. A standard Formula based on the Schengen Agreement (Schengen Key) serves as the Basis for the Calculation of Contributions by Switzerland and other relevant Countries. According to current Calculations, Switzerland's Contribution will increase gradually from CHF 24 Million in 2021 to an estimated CHF 61 Million in 2027. If Switzerland rejects this Extension of the Schengen Agreement, its Cooperation with the Schengen and Dublin Countries will automatically end, unless the EU-Countries and the EU-Commission accomodate Switzerland. *12) *13) ■ The Question on the Ballot Paper is: Do you want to accept the Swiss Federal Decree of October 1, 2021 on the Adoption of the Regulation (EU) 2019/1896 on the European Border- and Coastguards and the Approval and Implementation of the Exchange of Notes between Switzerland and the EU, and on the Repeal of the Regulation (EU) No. 1052/2013 and (EU) 2016/1624 (Further Development of the Schengen Agreement)? [The Recommendation by the Swiss Government and Parliament is "YES".] The National Assembly's (Nationalrat) Verdict was 88 Votes in favor (Yes), 80 Votes against (No), and 28 Abstentions. The Council of States (Staenderat) voted 30 in favor (Yes), 14 Votes against (No), and 0 abstentions. The Political Parties, Centrist to Conservative, such as SVP, GLP, FDP, Mitte, and EVP are in favor, and Leftists such as the Greens, SP, and EDU are against it. The "Frontex-Schengen-Ja" Committee campaigned in favor with Yes. *14) The Swiss Government and Parliament clearly see the Importance of Frontex for the Management of the Schengen external Borders and for the Security of the Schengen Area, which is also in Switzerland's Interest. By joining Frontex, Switzerland assumes Responsibility and helps shape the Future. In the Event of a Rejection (No), Switzerland risks being excluded from the Schengen-Dublin Agreement. [The Referendum Committee's Recommendation is "NO".] The Opponents argue that by financially supporting Frontex, Switzerland would share Responsibility for Human Rights Violations by Frontex. The Committee believes that Frontex is partly responsible for the Violence, Misery, and Death at Europe's external Borders. Nevertheless, there are Plans for a massive Expansion of Frontex, to be funded by Switzerland too. Those who are serious about Refugee Protection insist that the Expansion of Frontex must be stopped. *15) [Situation] Surrounded on all Sides by EU and NATO-Members, except Austria, the landlocked Switzerland has no Choice but to join Frontex. *16) A Poll by Swiss public Broadcaster SRF shows a Majority is in favor of Frontex. *5) [General Remarks] All three Voting Proposals have attracted a great deal of Interest, but it is "Frontex" that has been the Subject of the most vigorous Debate. The Campaign in favor (Yes) of "Frontex" has been particularly active because it is directly related to foreign Policy Issues and could be said to be a Matter of national Survival. It is doubtful whether even half of the Public has a continuous and accurate Understanding of the "Organ Transplant Law". Given the Information that some Governments and Regions are suspected of Organ Trafficking, it is better to be cautious about Organ Transplants and to maintain the current System. As for the "Amendment of the Federal Law on Film Production and Film Culture," I believe that public institutional Support is essential for Switzerland to maintain its National Identity, which the Country is constantly striving to preserve. [Reference] ★ Political parties represented in Parliament: https://www.parlament.ch/en/organe/groups/parties-in-parliament *1) The Popular Vote on May 15, 2022 (Volksabstimmung vom 15. Mai 2022): https://www.admin.ch/gov/de/start/dokumentation/abstimmungen/20220515.html - Government explanation booklet: https://www.admin.ch/dam/gov/de/Dokumentation/Abstimmungen/Mai22/DE_Abstimmungsbroschuere_15-05-2022_de.pdf.download.pdf/DE_Abstimmungsbroschuere_15-05-2022_de.pdf *2) Amendment to the Federal Act on Film Production and Film Culture: https://www.admin.ch/filmgesetz *3) Abstimmung vom 15. Mai 2022 Aenderung Filmgesetz: https://www.bak.admin.ch/filmgesetz *4) NEIN zur Filmsteuer. NEIN zur EU-Filmquote: https://filmgesetznein.ch/ *5) SRF Poll: - "Instead of Roestigraben this time a generation ditch? (Statt Roestigraben diesmal ein Generationengraben?)" https://www.srf.ch/news/abstimmungen-15-mai-2022/abstimmungen-vom-15-mai-statt-roestigraben-diesmal-ein-generationengraben - "In part clear majorities for the three authority bills (Zum Teil deutliche Mehrheiten fuer die drei Behoerdenvorlagen)" https://www.srf.ch/news/abstimmungen-15-mai-2022/srg-umfrage-auf-einen-blick-zum-teil-deutliche-mehrheiten-fuer-die-drei-behoerdenvorlagen *6) Transplantation Act: https://www.admin.ch/transplantationsgesetz *7) Abstimmung zur Organspende: https://www.bag.admin.ch/bag/de/home/medizin-und-forschung/transplantationsmedizin/rechtsetzungsprojekte-in-der-transplantationsmedizin/indirekter-gegenvorschlag-organspende-initiative.html *8) Referendum Committee: https://organspende-nur-mit-zustimmung.ch/ *9)Japan Organ Transplant Network: https://www.jotnw.or.jp/en/ *10) Yoshihiko Komatsu: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%9D%BE%E7%BE%8E%E5%BD%A6 *11) Adoption of the Regulation on the European Border and Coast Guard and repealing Regulations (Development of the Schengen Acquis).: https://www.admin.ch/gov/de/start/dokumentation/abstimmungen/20220515/uebernahme-der-eu-verordnung-ueber-die-europaeische-grenz-und-kuestenwache.html *12) Federal Department of Finance: "Takeover of the EU regulation on the European border and coast guard (participation of Switzerland in the expansion of Frontex)" Uebernahme der EU-Verordnung ueber die Europaeische Grenz- und Kuestenwache (Beteiligung der Schweiz am Ausbau von Frontex) https://www.efd.admin.ch/efd/de/home/das-efd/abstimmungen/frontex.html *13) Federal Department of Justice and Police: Participation of Switzerland in the expansion of the European agency for the border and coast guard (Frontex) / Beteiligung der Schweiz am Ausbau der Europaeischen Agentur fuer die Grenz- und Kuestenwache (Frontex) https://www.ejpd.admin.ch/ejpd/de/home/themen/abstimmungen/frontex.html *14) Frontex-schengen-ja: https://www.frontex-schengen-ja.ch/ *15) NO FRONTEX: https://frontex-referendum.ch/ *16) NATO: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E5%A4%A7%E8%A5%BF%E6%B4%8B%E6%9D%A1%E7%B4%84%E6%A9%9F%E6%A7%8B [Editor's Postscript] Since we have decided to publish this Issue somewhat early, we will leave the compelling last-minute Rush Information for the next Issue. In any Case, we discovered that there are various Sources of Information, even Government Information. I realized once again that it is not easy to reach a satisfactory Decision. ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃【 jp-Swiss-journal 】 Sister Mail Magazine ┃ 同じく多言語の投稿エッセー・評論を発行。 Number of readers: 146 ★ Mag2: http://www.mag2.com/m/0000044048.htm ★ Mailux: http://www.mailux.com/mm_bno_list.php?mm_id=MM49D642ECE442D ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ☆ Issuer/発行元: Akiko Huerlimann & the editors' Group jp-swiss-journal@bluewin.ch Copyright (C) 1998-2022 Akiko Huerlimann ☆ If you wish to refer our text, please send your mail to the issuer for permission. 無断転載・転送は固くご遠慮下さい。掲載のお問い合わせは発行元まで メールでお問い合わせください。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃【Distribution system/発行システム】Number of readers: 560 ┃ Subscribe & Unsubscribe / 登録・解除・アドレス変更 ★ WSNH: https://sv8.mgzn.jp/sys/reg.php?cid=U101650 ┃ メール一覧:https://sv8.mgzn.jp/pub/mailList.php?cid=U101650&offset=0 ★ Mag2: http://www.mag2.com/m/0000025024.htm ★ Mailux: http://www.mailux.com/mm_bno_list.php?mm_id=MM49D0B8FB9C4B4 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ |