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■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■ ┃ Multi Lingual Internet Mail Magazine ┃ ★ JP-Swiss-journal - Vol. 206 - March 23, 2022 (Swiss Time) ┃ ☆ http://www.swissjapanwatcher.ch/ ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■ 【 目次 / INDEX / INHALTSVERZEICHNIS 】 【J】2022年02月13日国民投票の結果と岐路の中立国スイス 明子 ヒューリマン 【E】 The Results of the Popular Vote on February 13, 2022 Neutral Switzerland at the Critical Crossroads Akiko Huerlimann ━━━━━━━━━━━━━━【 日本語 】━━━━━━━━━━━━━━━ 2022年02月13日国民投票の結果と岐路の中立国スイス 明子 ヒューリマン 判明した国民投票の結果を見てみよう。*1) 1) 国民発議「動物実験と人体実験の禁止に賛成 (Volksinitiative "Ja zum Tier und Menschenversuchsverbot"): *2) 投票結果は、賛成20.92%、反対79.08%、賛成多数のカントンも皆無と圧倒 的多数で否決された。投票率は44.19%だった。 政府・議会は反対を推奨していたが、有権者の信頼も得られなかった。 仮にこの議案に賛成票が多数を占めた場合、スイスの製薬産業は存亡の危機 に直面する事態になりかねない。スイス政府の日本語サイトには、「化学・ 製薬産業は、スイスの年間輸出量の約半分を占め、GDPの約5%を占める。 化学・製薬産業では約1,000社が活動しており、そのうちの2社は世界最大規 模である。2020年国内総生産の6.3%を占め輸出総額のほぼ52%を占めトッ プに立つ。2020年、化学・製薬産業の雇用はスイス国内で約7万4000人、国 外で33万8000人以上。」と記載されている。 *3) こういう事情をスイス国 民と地方政府は充分承知しての結果と言えよう。 2) 国民発議「子供と若者をタバコの広告から守ることに賛成」 Volksinitiative "Ja zum Schutz der Kinder und Jugendlichen vor Tabakwerbung":*4) 投票結果は、賛成56.61%、反対43.39%、賛成多数のカントンは16,反対多 数のカントンは10で承認された。投票率は44.23%。 政府・議会は反対を推奨したが、国民の信任を得た。 多くのカントンが賛成した中で、仏語圏のカントンが挙って賛成が目立った のは、仏語圏にたばこ産業の大手拠点が多く、雇用を支えているからだと解 説された。 フランスやイタリアは、タバコの広告を長らく禁止しているが、喫煙者は多 いと言われている。反対キャンペーンは、「極端な広告禁止に反対、今日は タバコ、明日はソーセージ?」、際限が無いではないかと言う訳だ。 3) 印紙税に関する連邦法改正 Aenderung des Bundesgesetzes ueber die Stempelabgaben:*5) 投票結果は、賛成37.33%、反対62.67%、賛成多数のカントンはツークのみ で、他の全てのカントンは反対多数で否決された。投票率は44.02%。 政府・議会は賛成を推奨していたが、国民の信任は得られなかった。 2021年12月20日、OECDは国際的な最低法人税率15%の国内実施に向けたBEPS 第2の柱のモデル規則を発表したことから、この影響を最小限にしようとする 工夫だったと伝えられている。*6)因みに、対象36ヶ国の2020年度法人税(法 定実効税率)ランキングを見ると、スイスは21.15%で24位だ。*7) 印紙税廃止の法律が拒否されたことで、既に印紙税を廃止しているルクセン ブルクに多くの企業が逃げていくことが懸念されている。スイス最大の経済 団体「エコノミースイス」のモニカ・リュール代表は、左派の大衆迎合的な キャンペーンの結果だと批判した。 このままにしておいてはスイス経済が打撃を受けるので、次の一手として連 邦政府は、債権の源泉徴収税を部分廃止して、スイスにビジネスを呼び込む ことに望みを繋いでいる。だが、社会民主党(SP)は又もや反対のレフェレ ンダムの署名集めを始めた。ツューリッヒ市では、市議会議員選挙も実施さ れたが、SPは-4.2%と最も支持を減らす結果になった。 4) メディア支援措置に関する連邦法 *8) Bundesgesetz ueber ein Massnahmenpaket zugunsten der Medien: 投票結果は、賛成45.44%、反対54.56%、賛成多数のカントンは7,反対多 数のカントンは19で否決された。投票率は44.13%。 政府・議会は賛成を推奨していたが、国民の信任は得られなかった。 仏語圏のカントンの賛成が際立ったのは、財政基盤が弱く、独語圏の大手メ ディアに次々買収されていることへの危機感の表れと称された。 この結果を受けて、公共放送SRFの改革要求が強まる形勢になった。SRFは受 信料を徴収し、政府から補助金を受け取り、広告も許されている特権的な立 場に在りながら、公共事業の基本を超えて、余りに多くの事業に手を出し、 民間の同業者を圧迫していると批判されてきた。 デジタル構造変化の真っ只中に在る今こそ、改革が必要性だとスイス国民党 (SVP)のグレゴール・ルッツ議員は2022年2月14日付TA紙のインタビューで述 べた。先ずは、受信料を335スイスフランから200スイスフランに減額すると いう議論が取り沙汰されている。 スイスの直接民主制は、報道の質に支えられていると言えるのだが、インタ ーネットの普及で、紙媒体メディアの購読者数が減少し、中小の報道機関は 財政的に困窮し、買収されたり、撤退に追い込まれている。メディアへの支 援金も、こうした中小の事業者の救済には充分届かず、多くは規模を縮小し て分社化した大手事業者の手に渡るだけだと批判された。 直接民主主義を守る為にも、寡占を排するメディアの構造改革は急務と言え よう。 「総論」 今回の国民投票で、4議案中3つの議案が政府提案を拒否したことについて、 コロナ対応で政府への信頼が損なわれた事に一因はあるが、コロナだけが原 因ではないとも評された。パンデミック、自然災害、紛争等、政府が迫られ る対応は緊急性が求められ、多岐に亘り、複雑化している。国益を守るだけ でなく、国際連携も求められ、パワー・ポリティックの荒波に翻弄される事 態になった。 【危ぶまれるスイスの中立】 国連加盟20年にして、スイスは国連安保理の非常任理事国入りを目指す動き が出ているが、スイスの中立を阻害すると保守のスイス国民党(SVP)は反 対している。 2月24日にウクライナ紛争が勃発した当初、スイス政府はロシアに対する制 裁を行わず、和平交渉の仲介役を目指し、スイスを経由した制裁の迂回を認 めないと表明したが、EUと米国の圧力で、4日後には、EUと対露制裁で足並 みを揃えると表明するに至った。 これでスイスの中立性は大きく毀損され、当面和平仲介には乗り出せない状 況になった。 2022年3月12日付ターゲス・アンツァイガー紙とSwissinfo.chは、スイス国民 党(SVP)のクリストフ・ブロッハー元連邦評議員が、「中立性に関する国民 発議を精査している」と報じた。*9)きっかけは、ロシアのウクライナ侵攻 に関連して、スイスがEUの制裁措置を採用したこと。ブロッハー氏は、「こ の措置はスイスの中立性を放棄し、中立国として平和解決に貢献する機会を 無謀にも逸してしまった。経済制裁は戦争の手段でもあるので、制裁も排除 する原理的な中立条文が連邦憲法に必要だが、SVPを除けば議会の大勢は、 これを排除する意見だったので、スイスが現在ロシアに課している経済制裁 を不可能にするには、議会を通じて達成することは出来なかった。」又SVP は、国連安保理(2023/24年)にスイスが立候補することにも反対している。 イグナツィオ・カシス連邦大統領兼外相は、同日、国民議会での質問時間に SVPの中立性の理解を「スイスはロシアと戦争しているわけではなく、制裁 は軍事力ではない」と否定した。連邦内閣は中立性の問題を検討し、制裁措 置の採用によって影響を受けないという結論に達していたが、イグナツィオ ・カシス外相は、あらたに夏までに中立性報告書の作成を命じたと報じられ た。 「スイスは遠からずEUの軍事作戦に参加するのか?」という不安も報じられ る折も折、スイスの元駐ドイツ大使で「1990年代のスイスの外交政策に関す る報告書」の中の中立性に関する付属書の主要な共著者でもあったトーマス ・ボーラー博士が、2022年3月10日付「Die Weltwoche」誌で、とかく誤解さ れていると憂慮している国際法の基本を「中立と制裁-訂正」という表題で 寄稿した。*10) 要旨は、「国際法では、中立国に対してわずかな義務しか課していない。 例えば、戦争に直接参加しない、武力や武器でどちらかの側を支援しないな ど。中立国の外交政策を何らかの形で制限しうる拘束力のある条件は含まれ ていない。(中略)スイス連邦の永世軍事的中立を決して崩していないこと を、国内外に発信すればよい。」と結ばれているが、「現代的な概念に基づ いて、連邦内閣は1990年、国連の対イラク経済・非軍事強制措置への参加を 決定した。」との言及も有り、イラク戦争の正当性が否定されている現在、 詭弁と受け止められかねない。 これを国民や国際世論が納得するか否かは別問題であろう。今や中立国とは 諸外国が尊重してこそ成立する概念と言わざるを得ない。ブロッハー氏の純 粋な中立論を尻目に、2022年3月20日付「Blick.ch」は、「実際、競争の激 しい調停市場において、中立とは程遠いNATO加盟国のノルウェーが極めて成 功している」と書いた。*11)更に、1962年スイス系イギリス人作家ジョン ・キムチ(1909-1994)は、アンリ・ギザン将軍(1874-1960)についての本 の中で、「中立の不可能な芸術」という章を書いた。その中で、中立は「高 等な生き方」ではなく、「年月とともに変化し、時代の要請とニーズの変化 に適応しなければならない外交政策路線」であるという将軍の言葉を紹介し た。 スイスは、純粋な中立を希求して生き残りを計るのか、それとも存続を賭け て実利的な中立を採用するのか、改めて選択を迫られているかのようだ。 現状では、SVPの中立論への支持は多くないと伝えられている。 【 参照 】 ★ スイス連邦議会の政党名 / Political parties represented in Parliament: https://www.parlament.ch/en/organe/groups/parties-in-parliament *1) 国民投票2022年2月13日の結果 (Volksabstimmung vom 13. Februar 2022): https://www.bk.admin.ch/ch/d/pore/va/20220213/index.html# *2)国民発議「動物実験と人体実験の禁止に賛成: https://www.bk.admin.ch/ch/d/pore/va/20220213/can651.html *3) EDA:化学・製薬産業: https://www.eda.admin.ch/aboutswitzerland/ja/home/wirtschaft/taetigkeitsgebiete/chemie-und-pharma.html *4) 国民発議「子供と若者をタバコの広告から守ることに賛成」: https://www.bk.admin.ch/ch/d/pore/va/20220213/can652.html *5) 印紙税に関する連邦法改正 https://www.bk.admin.ch/ch/d/pore/va/20220213/can653.html *6) OECD、国際的な最低法人税率15%の国内実施に向けたBEPS第2の柱の モデル規則を発表: https://www.oecd.org/tokyo/newsroom/oecd-releases-pillar-two-model-rules-for-domestic-implementation-of-15-percent-global-minimum-tax-japanese-version.htm *7) 2020年の法人税(法定実効税率)ランキング(対象: 36ヶ国)。 https://ecodb.net/ranking/corporation_tax.html *8) メディア支援措置に関する連邦法 https://www.bk.admin.ch/ch/d/pore/va/20220213/can654.html *9)ブロッハーは中立イニシアティブを発表/ Blocher kuendigt Initiative zur Neutralitaet an.: https://www.swissinfo.ch/ger/blocher-kuendigt-volksinitiative-zur-schweizer-neutralitaet-an/47423496 *10) Weltwoche: Neutralitaet und Sanktionen - Eine Richtigstellung.: https://weltwoche.ch/story/neutralitaet-und-sanktionen/ *11)Blick: Wie neutral ist die Schweiz? https://www.blick.ch/politik/aussenminister-cassis-versucht-den-befreiungsschlag-wie-neutral-ist-die-schweiz-id17332239.html 【 編集後記 】 太古の人類は武器を造っていなかった、という記述を読んだことがある。 動物と同じ様に食料調達に精一杯だったのだろうか?武器を造り発達させる ようになってから、人類は滅亡への道を辿り始めたように思う。 2月24日のロシアによるウクライナ侵攻以後、主要メディアの報道はウクラ イナ一色になり、他の国内案件は脇へ追いやられてしまった感がある。 そうした中でも、次の国民投票は5月15日に3件のレフェレンダムが控えて いる。 (A.H.) ━━━━━━━━━━━━━【 English 】━━━━━━━━━━━━━━ The Results of the Popular Vote on February 13, 2022 Neutral Switzerland at the Critical Crossroads Akiko Huerlimann Let's look at the Results of the Referendum as it turned out. *1) 1) Popular Initiative "Yes to the Ban on Animal and Human Experiments - Yes to Research that brings Safety and Progress" (Ja zum Tier- und Menschen-Versuchs-Verbot): *2) The Initiative was overwhelmingly rejected with 20.92% in favor (Yes), 79.08% against (No), and no Canton approved it. The Turnout of Voters was at 44.19%. Government and Parliament had not recommended the Initiative, and it did not gain the Confidence of the Voters too. If a Majority had voted in favor of the Initiative, the Swiss Pharmaceutical Industry could have faced an existential Crisis. The Japanese-Language Website by the Swiss Government's states, "The Chemical and Pharmaceutical Industry accounts for about half of Switzerland's annual Exports and about 5% of its GDP (Gross Domestic Product). About 1,000 Companies are active in the Chemical and Pharmaceutical Industry, two of them are among the largest in the World. They account for 6.3% of the Gross Domestic Product (GDP) in 2020 and top the List with almost 52% of the total Exports. In 2020, the Chemical and Pharmaceutical Industry employed approximately 74,000 People in Switzerland and more than 338,000 employees abroad." the Report states. *3) It can be said that the Swiss People and local Governments are well aware of this Situation. 2) Popular Initiative "Yes to protecting Children and young Adults from Tobacco Advertising (No Tobacco Ads for Children and young Adults)".: *4) The Vote was 56.61% in favor (Yes), 43.39% against (No), approved with 16 Cantons in favor (Yes) and 10 Cantons against (No). The Turnout of Voters was at 44.23%. Government and Parliament had not recommended the Initiative, however it gained the Confidence of the Voters. It was explained that while many Cantons were in favor, French- speaking Cantons were conspicuously in favor because there are many major Centers of the Tobacco Industry in French-speaking Cantons, which support Employment. France and Italy have long banned Tobacco Advertising, but are said to have many Smokers. The Opposition Campaign was "Against extreme Advertising Bans, Cigarettes today, Sausages tomorrow?" That's meant no Limits to what can be done regarding to Bans. 3) Amendment of the Federal Act on Stamp Duty (Aenderung des Bundesgesetzes ueber die Stempelabgaben).: *5) The Vote was 37.33% in favor (Yes), 62.67% against (No); the only Canton with a Majority of "YES " was Zug; all other Cantons rejected it with a Majority. The Turnout of Voters was at 44.02%. Government and Parliament had recommended the Amendment, but it did not gain the Confidence of the Voters. It was reportedly a Device to try to minimize the Impact of the BEPS Pillar Two Model Rules, as on December 20, 2021, the OECD announced the BEPS Pillar Two Model Rules for the Domestic Implementation of the Global Minimum Corporate Tax Rate of 15%. *6) Incidentally, the 2020 Corporate Tax (statutory) Tax Rate Ranking of the 36 Target Countries shows Switzerland in 24th Place at 21.15%. *7) There are Fears that the Rejection of the Law to abolish Stamp Duty will cause many Companies to flee to Luxembourg, which has already abolished Stamp Duty. Monika Ruehl, Head of Switzerland's largest economic Organization, "Economiesuisse", criticized the Move as the Result of a leftist populist Campaign. If left unchecked, the Swiss Economy will suffer, so the Federal Government's next Move is to partially abolish the Withholding Tax on Credits, which it hopes will attract more Business to Switzerland. However, the Social Democrats (SP) have once again begun collecting Signatures for a Referendum against it. Zurich also held municipal Elections, in which the SP-Party lost the most Support (-4.2%). 4) Federal Act on a Package of Measures to benefit the Media (Bundesgesetz ueber ein Massnahmen-Paket zugunsten der Medien).: *8) The Vote was 45.44% in favor (Yes), 54.56% against (No), a Minority of 7 Cantons voted in favor (Yes), and the Majority of 19 Cantons voted against (No), rejecting the Federal Act. The Turnout of Voters was at 44.13%. Government and Parliament had recommended the Federal Act, but it did not gain the Confidence of the Voters. The Prominence of the French-speaking Cantons in favor of the Federal Act, was called a Sign of their weak financial Base and their Sense of Crisis over the successive Takeovers of French- peaking Media by major German-speaking Media Outlets from Zurich. The Result has given rise to calls for a Reform of the Public Broadcaster SRF, which has been criticized for going beyond the Basics of Public Service and engaging in too many Projects that put pressure on its private-sector Peers, despite the SRF's privileged Position of collecting Subscription Fees, receiving Government Subsidies, and being allowed to advertise. The Need for a Reform comes at a time when the Country is in the midst of a Digital Structural Change, SVP-National Councillor Gregor Rutz said in an Interview with the TA on February 14, 2022. First, a Reduction in Subscription Fees from CHF 335 to CHF 200 is being discussed. Switzerland's Direct Democracy is supported by the Quality of its Press, however with the Spread of the Internet, the Number of Subscribers to the Print Media has declined, and smaller News Organizations are in financial Trouble, being bought out or forced to withdraw from the Market. It was criticized that the Support Funds for the Media do not go far enough to help these small and medium-sized Operators, and many simply end up in the Hands of large Operators that have downsized and spun off. In order to protect Direct Democracy, there is an urgent Need for Structural Reform of the Media to eliminate Oligopolies. [General Comments] The Rejection of three of the four Votes by the Government in the Referendum was partly due to the Loss of Trust in the Government as a Result of the Corona Response, but it was not the only Cause. The Government's Response to Pandemics, Natural Disasters, Conflicts, and other Emergencies has become increasingly urgent, diverse, and complex. In addition to protecting National Interests, international Co-Operation is required too, and the Situation is now at the Mercy of the stormy Waves of Power Politics. [ Swiss Neutrality in Jeopardy ] After 20 Years as a Member of the United Nations, Switzerland is seeking a non-permanent Seat on the UN-Security Council, but the Conservative Swiss People’s Party (SVP) opposes the Move, saying that it would impede Switzerland's Neutrality. When the Conflict in the Ukraine first erupted on February 24, the Swiss Government announced that it would not practice Sanctions against Russia, but would seek to act as a Mediator in Peace Negotiations and Switzerland would not allow to bypass Sanctions through Switzerland. But strong Pressure from the European Union (EU) and USA led it to announce four Days later that it would align itself with the EU on Sanctions against Russia. Switzerland's Neutrality has now been severely damaged, and it will not be able to embark on Peace Mediation in the foreseeable Future. On March 12, 2022, the Tages-Anzeiger and Swissinfo.ch reported that former Federal Councilor Mr. Christoph Blocher of the Swiss People's Party (SVP) was scrutinizing the Launch of a Popular Initiative on Neutrality. *9) The Trigger was Switzerland's Adoption of EU-Sanctions in Connection with Russia's Attack on Ukraine. Blocher said, "This Measures abandoned Switzerland's Neutrality and recklessly missed an Opportunity to contribute to a Peace Settlement as a neutral Country. Economic Sanctions are also a Means of War, a principled Neutrality Clause that also excludes Sanctions is needed in the Swiss Federal Constitution. A Majority of the Parliament, with the Exception of the SVP-Party, hold however the Opinion that this should be excluded; the Principle of excluding economic Sanctions cannot be achieved through Parliament that is why Switzerland is now imposing Sanctions on Russia." The SVP also opposes Switzerland's Candidacy for the UN-Security Council (Period 2023/24). Swiss Federal President and Foreign Minister Ignazio Cassis rejected the SVP-Party’s Understanding of Neutrality during a Question Period (Q&A) at the National Assembly on the same Day, saying, that "Switzerland is not at War with Russia and Sanctions are not military Force. Although Swiss Federal Cabinet had considered the Issue of Neutrality and concluded that it would not be affected by the Adoption of Sanctions, Foreign Minister Ignazio Cassis reportedly ordered a new Neutrality Report to be prepared by the Summer. With some Reports of Anxiety about "Will Switzerland soon participate in EU-military Operations?" Dr. Thomas Borer, former Swiss Ambassador to Germany and a Key co-Author of the Annex on the Neutrality in the "Report on Swiss Foreign Policy in the 1990s," is concerned that the Issue is often misunderstood and wrote an Article on the Basics of International Law under the Title "Neutrality and Sanctions - A Correction," in the March 10, 2022 Issue of "Die Weltwoche". *10) The Gist is that "International Law (Voelkerrecht) imposes only modest Obligations on Neutral States. For Example, they do not directly participate in Wars or support either Side with Force or Arms. It contains no binding Conditions that could in any way restrict the Foreign Policy of Neutral States. (Omission) All that is required is to send a Message at home and abroad that the Swiss Confederation's permanent Military Neutrality has never been violated." It concludes, "Based on modern Concepts, the Swiss Federal Cabinet decided in 1990 to participate in the UN's economic and non-military coercive Measures against Iraq." This could be taken as Sophistry at a time when the Legitimacy of the Iraq War was being denied. Whether the Public and International Opinion are convinced of this or not is another Matter. It must be said that Neutrality is now a Concept that can only be established if it is respected by other Countries. Despite Christoph Blocher's pure Neutrality Argument, "Blick.ch" wrote with a Title "How neutral is Switzerland?" on March 20, 2022, "In fact, in the competitive Mediation Market, Norway, a NATO-Member that is far from Neutral, has been extremely successful. *11) Furthermore, in 1962 the Swiss-British Writer John Kimchi (1909-1994), in his Book on Swiss General Henri Guisan (1874-1960), wrote a Chapter entitled "The Impossible Art of Neutrality”. In it, he introduced the General's Words that Neutrality is not a "higher Way of Life," but "a Foreign Policy Line that changes over the Years and must adapt to the changing Demands and Needs of the Times". It seems as if Switzerland is once again faced with the Choice of whether to seek pure Neutrality for surviving, or to adopt pragmatic Neutrality in order to survive. Currently, there is reportedly not much Support for the Neutrality Theory of the SVP. [Reference] ★ Political parties represented in Parliament: https://www.parlament.ch/en/organe/groups/parties-in-parliament *1) The Results of the Popular Vote on February 13, 2022 (Volksabstimmung vom 13. Februar 2022): https://www.bk.admin.ch/ch/d/pore/va/20220213/index.html# *2)Popular initiative "In favor of banning animal and human experimentation (Volksinitiative "Ja zum Tier und Menschenversuchsverbot"): https://www.bk.admin.ch/ch/d/pore/va/20220213/can651.html *3) EDA:The chemical and pharmaceutical industry: https://www.eda.admin.ch/aboutswitzerland/ja/home/wirtschaft/taetigkeitsgebiete/chemie-und-pharma.html *4) The Popular initiative "In favor of protecting children and young people from tobacco advertisements: https://www.bk.admin.ch/ch/d/pore/va/20220213/can652.html *5) Amendment of the Federal Law on Stamp Duty https://www.bk.admin.ch/ch/d/pore/va/20220213/can653.html *6) the OECD announced the BEPS Pillar 2 model rules for the domestic implementation of the international minimum corporate tax rate of 15%.: https://www.oecd.org/tax/beps/oecd-releases-pillar-two-model-rules-for-domestic-implementation-of-15-percent-global-minimum-tax.htm *7) the 2020 corporate tax (statutory) tax rate ranking of the 36 target countries: https://ecodb.net/ranking/corporation_tax.html *8) Federal Law on Media Assistance Measures: https://www.bk.admin.ch/ch/d/pore/va/20220213/can654.html *9)Christoph Blocher of the Swiss People's Party (SVP) was scrutinizing the petition for a referendum on neutrality./ Blocher kuendigt Initiative zur Neutralitaet an.: https://www.swissinfo.ch/ger/blocher-kuendigt-volksinitiative-zur-schweizer-neutralitaet-an/47423496 *10) Weltwoche: "Neutrality and Sanctions - A Correction, (Neutralitaet und Sanktionen - Eine Richtigstellung): https://weltwoche.ch/story/neutralitaet-und-sanktionen/ *11)Blick: How neutral is Switzerland? (Wie neutral ist die Schweiz?): https://www.blick.ch/politik/aussenminister-cassis-versucht-den-befreiungsschlag-wie-neutral-ist-die-schweiz-id17332239.html [Editorial note] I have read Statements that prehistoric Humans did not build Weapons. Were they also just as busy procuring Food as Animals did? It seems to me that Mankind began its Path to Extinction when it began to create and develop Weapons. Since the Russian Invasion of Ukraine on February 24, the mainstream Media has focused exclusively on the Ukraine, and other domestic Issues seem to have been pushed to the Side. Even so, the next Vote is scheduled for May 15, 2022 on three Referendums. (A.H.) ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃【 jp-Swiss-journal 】 Sister Mail Magazine ┃ 同じく多言語の投稿エッセー・評論を発行。 Number of readers: 146 ★ Mag2: http://www.mag2.com/m/0000044048.htm ★ Mailux: http://www.mailux.com/mm_bno_list.php?mm_id=MM49D642ECE442D ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ☆ Issuer/発行元: Akiko Huerlimann & the editors' Group jp-swiss-journal@bluewin.ch Copyright (C) 1998-2022 Akiko Huerlimann ☆ If you wish to refer our text, please send your mail to the issuer for permission. 無断転載・転送は固くご遠慮下さい。掲載のお問い合わせは発行元まで メールでお問い合わせください。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃【Distribution system/発行システム】Number of readers: 560 ┃ Subscribe & Unsubscribe / 登録・解除・アドレス変更 ★ WSNH: https://sv8.mgzn.jp/sys/reg.php?cid=U101650 ┃ メール一覧:https://sv8.mgzn.jp/pub/mailList.php?cid=U101650&offset=0 ★ Mag2: http://www.mag2.com/m/0000025024.htm ★ Mailux: http://www.mailux.com/mm_bno_list.php?mm_id=MM49D0B8FB9C4B4 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ |