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★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ 仇花の記憶〜ショタやおい雑話〜 ☆ 第拾八巻九回 小説「しずかにあつくて」 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ 2011年3月11日に発生しました東北地方太平洋沖地震 （東北大震災）にて罹災した皆様方、2016年4月14日に 発生しました平成28年熊本地震にて罹災した皆様方に 心からお見舞い申し上げます。 居住地の差異の為たまたま罹災しなかった筆者に出来 ます行動は限られておりますが、幾許かが皆様の潤いに 繋がりますならば幸いです。 御機嫌よう。葡萄瓜でございます。 小説配信回、お楽しみ戴ければ幸いです。 〇●○ しずかにあつくて ＸＱＯ あれ程静かな夏の日が他にあっただろうか、と思い 返してみるけど全く思い出せない。 物理的な静かさと言うより、自分が張り詰めていて 他に耳を傾ける余裕が無かったからだろうけど。 自分で考える事無しに正しさに酔うと言うのは本当 に危うい。そこに自分を律する責任があれば良いけど、 無い上に他人を巻き込んで事後処理をする気も無い波 には飲み込まれたくない。 どうもこの辺りは（我ながらこじつけに近いけど） 恋心と劣情の関係に似ている気がする。ただ酔うだけ なら一過性か貪ってそのままと言う事になりかねない。 貪った挙句に当然の様にオプションまで求められても 応えられる訳は無かろう。応える為の体力まで奪って いる以上、回答する権限は奪われたも同然になるのだ から。 閑話休題。 踏み出すからにはそれなりの気持ちと冷徹さが必要 になる。勢いと陶酔だけでは切り拓く事が出来ない障 壁はあるから。自分の中にそう言う計算が出来る余白 があった事にあの時は驚いた。今思うと一目惚れ以上 の何かを感じて手放したくないと言う欲が生まれた結 果だったのかも知れない。 熱を感じながら巻き込まれない様にするのは多分理 屈よりは勘の方が強い領域なのだろう。考え込み過ぎ ると結局いざと言う時になる様になれと勢い任せにな ってしまう。それよりはノリと反りの合い加減で判断 した方が後から何かを振り下ろし易くなる。 この手の面倒臭さは大なり小なり普遍的なものだろ う。目立ち易いかどうかが条件で変わって来るだけで。 燃え上っても直ぐに冷めてしまうのは不完全燃焼だ ったからだろうし、不完全燃焼からは恐らく毒気しか 生まれない。そう言う発情を繰り返す事を浮名と履き 違えて漂って行っても望む所にたどり着く事は出来な いだろう。 勢い任せだったかと問われれば否定は出来ない。で も、熱を共有したい相手をいい加減に選んだつもりも ない。その一点については我ながら奇妙に冷静だった 気がする。 …改めて言語化しようとするとこの手の事はかなり 気恥ずかしいな。恋文を音読している様なものだから。 そう言えば最近少し調子が良い。寝息を聞いたり聞 かされたりと言う時間が少し増えたからかも知れない。 以前はそこに心音も加わっていたりしたが、そこまで する為にはお互い勢い任せでは少し難しくなったかも 知れない。あの頃も四六時中していたと言う訳では無 いけれど。多分熱暴走と言う訳では無かった、とは思う。 最初の一歩も熱暴走では無かったよな。それを言う なら惚れた瞬間の方が余程酷かったと思う。あの時の 脳内を映像化するのが未だに躊躇われる程度には酷い。 それはそれとして、熱暴走では無かったけど瞬間瞬 間で熱に進む様に促されたと言う感じはあった。安全 第一を考えて手順を踏んでいても、どこかでか浮かさ れていたと言うのはあったかもね。 合意と言うよりは共犯意識の結果と言うのが正確な 所かも知れない。だから何処かで終わったとしても仕 方ないと割り切っている自分が居た。その時の自分が この現状に一番驚いているだろう。 その作用なのかどうかは解らないけれども、あの時 に交わした言葉の内容の記憶がどうもお互いにすっぽ りと欠けている。それなのにニュアンスだけは何とな く覚えているのが謎めいた話。いやそもそもお互いに 疲れ果てていた状況だしそこまでの余裕が生まれる様 な感じでも無いし…と言う筈なのだ。それなのに何か は共有していたらしい。二人ともそうなのだから思い 込みから生まれた妄念ではないと言う事で良いと言え ば良いけれど。 「それはいい加減にもう止めない？」 「気持ちだ、気持ち」 「いや、そのね、生々しいから」 「その真意、体に聞こうか？」 「…ごめん」 その日が記念日であると言う事に異論はない。だか らこそきっかけにして色々思い返してしまいそうにな るのが気恥ずかしい。 「どうせ最後までもっていくんだろ？」 「まあね」 大事な荷物だからね。 【了】 〇●○ 此度はこれにてとりあえず筆を擱かせて戴きます。 10月度及び11月度・前半（10日）の配信は配信者 都合により休止させて戴きます。 次号・10月の小説配信回（25日）まで、御機嫌宜しゅう。 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ BoysLoveみそひともじ朗詠 http://com.nicovideo.jp/community/co1421231 定例配信：毎月第一月曜日・21:00（午後9時）頃〜 雑談枠：「合切袋のプチ整理」 毎月第三月曜日・21:00（午後9時）頃〜 お時間がありましたらよろしくお付き合いください。 暫し休止中ですが、再開の折にはご愛顧戴ければ 幸いです。 2021年度「BL夜伽ラヂオ」配信も暫し休止と させて戴きます。 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ 以下、商業媒体告知です。 2017年11月10日ぶんか社より刊行された たかはし志貴先生 「アラサー腐女子が初めて付き合ったのは、高校生の腐男子でした。」 巻末企画にて、たかはし先生のパートナーさんを 含んだ面々で腐男子座談会を展開させて戴いて おります。 https://www.amazon.co.jp/dp/4821144719/ https://books.rakuten.co.jp/rb/15204144/ ご高覧戴けましたら幸いです。 電子書籍展開もあります。 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ 商業媒体告知、2件目です。 2015年11月25日より集英社より電子書籍配信されている ブリンクコミックスデジタル・ことり野デス子先生 「フダンシ革命」第2巻巻末企画にて、ことり野先生と 腐男子として対談させて戴いております。 http://www.amazon.co.jp/dp/B0177H72ZO/ http://books.rakuten.co.jp/rk/42718e40b81938e788ce1e4a32558366/ ご高覧戴けましたら幸いです。 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ 商業媒体告知、3件目です。 2015年8月20日に玄光社から刊行されました 『はじめての人のためのBLガイド』【表紙：宝井理人】 http://www.genkosha.co.jp/gmook/?p=8721 http://www.amazon.co.jp/dp/4768306462/ の企画・「私が選ぶ○○BLベスト5」の選者の一人と して参加させて戴きました。 ご高覧戴けましたら幸いです。 ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ 仇花の記憶〜ショタやおい雑話〜 第拾八巻九回 2021.9.25発行 文責：葡萄瓜XQO（ぶどううり・くすこ） http://xqo.ooh.jp/mag/ mail：xqo_gm@yahoo.co.jp ：xqosy@aol.com（メールマガジン専用アドレス） 連動BLOG「ショタやおい雑記」 http://xqosy.seesaa.net/ このメールマガジンは Mailux http://www.mailux.com/mm_dsp.php?mm_id=MM3FAB47D02D533 まぐまぐ http://www.mag2.com/m/0000270330.html のシステムを利用して発行させて戴いています。 ご意見ご質問等は上掲メール宛、若しくはサイト内 設置メールフォームよりよろしくお願い致します。 http://xqo.ooh.jp/mag/form/ バックナンバーはサイト内及び各配信スタンド、 「ショタやおい雑記」にて公開しております。 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ |