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■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■ ┃ Multi Lingual Internet Mail Magazine ┃ ★ jp-Swiss-journal - Vol. 193 - September 23, 2020 (Swiss Time) ┃ ☆ http://www.swissjapanwatcher.ch/ ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■ 【 目次 / INDEX / INHALTSVERZEICHNIS 】 【J】 2020年9月27日国民投票 1)国民発議「制限発議(適度な移民のために)」 2)狩猟法改正 3) 子供控除(直接連邦税に関する連邦法改正) 4) 父親の育児休暇(所得補償法改正) 5)戦闘機調達に関する連邦令 明子 ヒューリマン 【E】Popular voting on September 27, 2020 1)"Restriction Initiative (For a moderate Immigration)" 2) Amendment of Hunting Law: 3) Child Deductions (Federal Law Amendment regarding Direct Federal Tax) 4) Father's Childcare Leave (Amendment of Income Compensation Law) 5) Federal Decree on Procurement of new Fighter Planes Akiko Huerlimann □━━━━━━━━━━━━【 日本語 】━━━━━━━━━━━━━━□ 【J】 2020年9月27日国民投票 1)国民発議「制限発議(適度な移民のために)」 2)狩猟法改正 3) 子供控除(直接連邦税に関する連邦法改正) 4) 父親の育児休暇(所得補償法改正) 5)戦闘機調達に関する連邦令 明子 ヒューリマン 1) 国民発議「制限発議(適度な移民のために)」 *2) 通称「適度な移民のために(Begrenzungsinitiative)」は、移民を適度な 人数に制限する意図でSVPが発議した。スイスの人口が、遠からず1千万人 に達すると推定される事態への危惧からだ。SVPが発議した、「大量移民の 阻止」は2014年2月9日の国民投票で承認された。しかしながらSVPは、政府 ・議会が法制化した内容に満足せず、新しい発議を開始した。投票は今年5 月に予定されていたが、コロナ渦で延期された。 政府・議会がSVPの提案に否定的なのは、EUとの枠組み合意交渉の障害にな るからだ。*3) 影響を受けるのは「二国間協定I」の7分野で、人の移動の自 由、道路・航空交通、農業、規制による貿易障壁、公共調達市場、科学の各 分野。反対派は、この提案でスイスの最重要パートナーであるEUとの関係に 不確実性が生じて、雇用と繁栄を危うくし、深刻な経済の不確実な時代をも たらすと主張する。 一方、SVPの発議委員会は、大量移民が環境、労働市場、社会保障、基盤整 備に極端な負担を強いる事になり、その為スイスは「移動の自由」の足枷無 しに移民を独自に管理すべきだ、と主張している。驚いたことに、2019年年 初に退官したFDPのヨハン・シュナイダー=アマン前連邦評議員(経済大臣) が、2020年9月20日付けNZZ紙に寄稿し、「スイスとEU間の制度的枠組み合意 に関する交渉結果を明確に批判した。国家主権と国内市場へのアクセスのバ ランスは、スイスを犠牲にして(EU)枠組み合意の草案で失われた。幾つかの 点について再交渉が必要なだけでなく、国家主権の根本的な問題にも取り組 む必要がある」、という趣旨の内容だった。 SVP発議に反対派の一翼を担 うFDPのペトラ・ゴッシ党首とのカリン・ケラー=スッター法相は、これま でのところ、EUとの枠組み合意は投票前に議論しないことに同意している。 この批判で、元FDP連邦評議員のシュナイダー=アンマン氏はこのタブーを 破った。 SVP発議への意外な応援になったようだ。 かつては保守の地盤だった郊外が、宅地開発が進むにつれて大都市圏に編入 され、新しく流入した住民が増えると、投票性向はリベラルに傾くと、2020 年9月21日付ターゲス・アンツァイガー紙は指摘した。スイス最大政党SVPに とって支持基盤が変化する由々しき事態になっている。 国民議会は賛成53票、反対142票、棄権2票。全州議会は賛成5票、反対37票、 棄権2票。スイス政府・議会は「反対」を推奨している。保守のSVPとEDU、 Aunsが賛成し、SP、FDP、CVP、緑の党、グリーン・リベラル、BDP、EVP、 経済団体(Economiesuisse)、労働組合連合(Gewerkschaftsbund)が反対 している。 2) 狩猟法改正 *4) スイス国内に生息しているオオカミは大体100匹、その内約半数がカントン ・グラウビュンデンに居る。その為、スイス議会は1986年に制定された狩猟 法を改訂した。オオカミの保護動物種指定は温存するものの、新にカントン はオオカミの生息数を連邦政府の同意無しに規定することが出来るようにす る。 現在、アイベックスとオオカミが保護動物の中で射撃が許されている。しか し、新しい狩猟法に基づいて狩猟できるリストには絶滅危惧種も含まれてい る。 ヤマシギ、茶色のノウサギ、および黒いオンドリだ。 しかし、羊や山 羊などの家畜がオオカミに襲われたため、対策を模索する必要に迫られた。 一見地域事情が左右する問題のようではあるが、自然動物はカントンを超え て移動するので、カントンが独自に対応する事に、森林や環境問題の専門家 達の多くが異を唱えている。*5) オオカミは家族のように群れを為して広域 の縄張りで生息しているので、オオカミの個体数は自然に制御されている。 彼らは縄張りを守り、侵入してくるオオカミを殺す。又、オオカミは若い森 が鹿に噛まれるのを防ぐ役割を担っており、生態系の一部として機能してい る。カントンの事情に応じた個別の対応は意味が無く、修正案はそもそも種 の保護と矛盾していると指摘する。 オオカミの存在は自然の一部と受け容れる農家と、家畜が襲われるのを座視 しては居られないと考える農家が新聞に紹介された。農家によっても意見は 様々あるようだ。但し、性急に矛盾する法律を制定して、本来の自然保護の 趣旨から外れるのでは、本末転倒であろう。 国民議会は賛成117票、反対71票、棄権9票。全州議会は賛成28票、反対16票、 棄権1票。スイス政府・議会は「賛成」を推奨している。保守と中道政党、 農業団体、狩猟団体が賛成し、反対は左派政党、スイス森林協会、WWFスイ ス、環境団体Pro Natura。 3) 子供控除(直接連邦税に関する連邦法改正) *6) 通称「子供控除(Kinderabzuege)」と称される連邦税修正案だ。第三者に保 育を託す費用の連邦税控除を25,000スイスフランまで引き上げ、更に通常の 子供控除も 6,500スイスフランから10,000スイスフランに引き上げるという 修正案だ。約40%の家計は連邦税を免除されているので、この税制の恩典に は預かれない。 一般的な子供控除の引き上げから、「高給取り」が最も恩恵を受けると言わ れている。リベラル委員会は、「お手盛りパッケージ」と称している。修正 案の支持者は、女性の専門家にとって、母性が彼女達の望む職業を放棄する 理由であってはならないと言う。だが、連邦政府は託児所への補助金をケチ った経緯がある。更に、連邦税の控除額引き上げより、託児所へ直接補助金 を出す方が効果的だという意見は、より説得力がありそうだ。連邦政府はこ の税収減を3億8千万スイスフランと推定している。 国民議会は賛成132票、反対62票、棄権3票。全州議会は賛成25票、反対17票、 棄権3票。スイス政府・議会は「賛成」を推奨している。中道と右派政党が 賛成で、左派政党が反対、経済団体Economiesuisseと労働組合連合 Gewerkschaftsbundは自主投票。 4) 父親の育児休暇(所得補償法改正) *7) 通称「父親の育児休暇(Vaterschaftsurlaub)」は、子供が生まれた父親に 最初の6ヶ月間に2週間の育児休暇を与えると規定している。賃金保障は、出 産休暇と同じ誕生前の80%、又は日給最高196スイスフランを保証する。給 与の0.5%に相当する新しい負担は、中小企業(SME)にとって受け入れ難く 、彼らには重い負担になると懸念されている。これに生じる費用は、連邦政 府の試算では2億3千万スイスフランで、雇用主と被雇用者が負担する。 家の前に託児所が在る。朝夕働く母親や父親が子供の送り迎えをしているの を見るにつけ、仕事と育児の両立の大変さが窺える。父親の育児参加を促進 して、女性の就業率を上げる事が、就労人口と将来の納税者増加に貢献する のは論を待たない。この改正案を導入するからには、中小企業などへの財政 支援策も考えるべきだろう。改正案の導入には、男女の雇用の平等化にも資 すると考えられている。 国民議会は賛成129票、反対66票、棄権2票。全州議会は賛成31票、反対11票、 棄権3票。スイス政府・議会は「賛成」を推奨している。賛成は左派と中道 政党と労働組合で、反対は保守と中小企業団体で、雇用者団体は自主投票。 5) 戦闘機調達に関する連邦令 *8) 既存の戦闘機は老朽化のため、約10年で非稼働にする必要がある。政府と議 会は2030年までに新しい戦闘機を調達したいと考えている。2014年5月17日の 国民投票で、スウェーデン製「グリペン戦闘機調達」の是非が問われたが、 否決された。これについては、弊誌Vol. 151とVol. 152でお伝えした。*9) 今回の連邦令では、代替戦闘機購入予算60億スイスフランの計上を承認する か否かのみが問われ、機種の選択と数量は政府が決定する。戦闘機を供給す る航空機メーカーは、購入価格の60%をスイス企業と契約する必要がある。 契約はすべての言語地域に配分され、このような補償取引(オフセット)に よって、スイスの産業は強化され、高度なテクノロジーへのアクセスが可能 になる。 候補に挙げられているのは、米ロッキードマーチン社のF35ステルス戦闘機、 米ボーイング社のF/A-18スーパーホーネット、仏ダッソー社のラファール戦 闘機、欧州エアバス社のユーロファイター。いずれの候補にも一長一短があ り、特に米国製の戦闘機は、購入後もスイス政府が独自に運用出来ない制約 があると言われている。ヴィオラ・アムヘルド国防相は、意中の機種を米ロ ッキードマーチン社の戦闘機と宣言している。 反対派委員会は、より安価で環境にやさしい低騒音の軽戦闘機の調達等の、 より効果的な代替案が真剣に検討されたことがないと言い、不必要で非常に 高価な戦闘機を購入する代わりに、災害やサイバー攻撃等の他の脅威に備え 、気候変動と戦う必要があると主張する。 スイスの国土面積は九州より1割強だが、海上警備の必要が無い。余りに小 さい国土では、戦闘機を有効に運用出来ないという意見を見た。巨額の予算 を外国企業に委ねれば、いつか主権を脅かされる事態になる懸念もある。以 前新聞で、「スイスは独自にドローン開発が出来る」という投稿を読んだこ ともがある。国防相が、「否決された場合は、国防計画を全面的に再検討す る必要がある」と述べた事に関連して、「再検討の良い機会になる」という 読者投稿を読んで共感した。スイスに軍隊は不要とは思わないものの、時代 に即した賢明な選択を慎重に検討すべきと思う。 国民議会は賛成123票、反対68票、棄権5票。全州議会は賛成33票、反対10票 、棄権1票。賛成は保守・中道政党で、反対は左派政党と緑の党、GsoA (Group for a Switzerland without an Army)。 【課題】 国民投票では、常に利益団体のキャンペーンが伴い、匿名の資金源に透明性 を求める意見が報じられる。政党の資金源も問題視されているが、いつも立 ち消えになる。政党や政治家が明らかにしたくないからだ。スイスの政治制 度では、議会制民主主義の上位に直接民主制が規定されており、諸外国に例 を見ない制度ながら、昨今形骸化が懸念されている。今回の国民投票でも、 各議案について賛成・反対キャンペーンが活発に繰り広げられている。SRF の最新投票性向によると、「制限発議は否決、狩猟法修正は未定」とのこと で、キャンペーンの成果のようだ。*10) 【 参照 】 * スイス連邦議会の政党名 / Political parties represented in Parliament https://www.parlament.ch/en/organe/groups/parties-in-parliament *1) 2020年9月27日国民投票: https://www.admin.ch/gov/de/start/dokumentation/abstimmungen/20200927.html 2)「国民発議「制限発議(適度な移民のために)」 „Volksinitiative «Für eine massvolle Zuwanderung“: https://www.admin.ch/gov/de/start/dokumentation/abstimmungen/20200927/volksinitiative-fuer-eine-massvolle-zuwanderung.html 3) 「スイスとEUの関係 / Switzerland–European Union relations」: https://en.wikipedia.org/wiki/Switzerland%E2%80%93European_Union_relations *4) 「狩猟法改正」: https://www.admin.ch/gov/de/start/dokumentation/abstimmungen/20200927/aenderung-des-jagdgesetzes.html *5) 「失敗した狩猟法に反対 „Missratenes Jagdgesetz – Nein!“」: https://jagdgesetz-nein.ch/ *6) 「子供控除(直接連邦税に関する連邦法改正) Aenderung des Bundesgesetzes über die direkte Bundessteuer」: https://www.admin.ch/gov/de/start/dokumentation/abstimmungen/20200927/aenderung-des-bundesgesetzes-ueber-die-direkte-bundessteuer.html *7) 「父親の育児休暇(所得補償法改正) Aenderung des Erwerbsersatzgesetzes」: https://www.admin.ch/gov/de/start/dokumentation/abstimmungen/20200927/aenderung-des-erwerbsersatzgesetzes.html *8) 「戦闘機調達に関する連邦令”Bundesbeschluss über die Beschaffung neuer Kampfflugzeuge“」: https://www.admin.ch/gov/de/start/dokumentation/abstimmungen/20200927/bundesbeschluss-ueber-die-beschaffung-neuer-kampfflugzeuge.html *9) jSj Vol. 151とVol. 152: http://www.swissjapanwatcher.ch/jp-Swiss-journal/seback.htm *10) 「SRFの最新投票性向 "Umfrage zu den Abstimmungen 15.09.2020"」: https://www.srf.ch/news/abstimmung-27-september-2020/umfrage-zu-den-abstimmungen-nein-zur-begrenzungsinitiative-offenes-rennen-um-jagdgesetz# 【 編集後記 】 3月17日(火曜日)連邦政府は深夜に緊急事態(Ausserordentliche Lage)を 宣言、開会中だった定例議会も国民投票も中止されて、「コロナが民主主義 の息の根を止めた」と新聞は書いた。この状態がいつまで続けられるのか、 一時疑心暗鬼が広がった。以後連日ニュースの前に連邦政府の命令として、 「65歳以上の人と持病のある人は外出しないよう」呼びかけが続けられたが 、3月23日で終わり、国民投票も再開された。未だに奇妙なパンデミック騒 動だと思うが、やれやれだ。 Coronavirus: Federal Council declares 'extraordinary situation' and introduces more stringent measures: https://www.admin.ch/gov/en/start/documentation/media-releases.msg-id-78454.html □━━━━━━━━━━━━【 English 】━━━━━━━━━━━━━━□ 【E】Popular voting on September 27, 2020 1)"Restriction Initiative (For a moderate Immigration)" 2) Amendment of Hunting Law: 3) Child Deductions (Federal Law Amendment regarding Direct Federal Tax) 4) Father's Childcare Leave (Amendment of Income Compensation Law) 5) Federal Decree on Procurement of new Fighter Planes Akiko Huerlimann 1) "Restriction Initiative (For a moderate Immigration)" * 2) The so-called "Restriction Initiative" (Begrenzungsinitiative)" was launched by the SVP-party with the intention to limit the immigration to a reasonable number. It is based on concerns that Switzerland's population is estimated to reach 10 million people in the near future. SVP's Initiative "Against Mass Immigration" was approved by the Swiss Citizens on February 9, 2014. However, the SVP was not satisfied with the implementation of the Initiative "Against Mass Immigration" by Swiss Government and Parliament. A "new" Initiative was therefore launched by the SVP. The vote was scheduled for May of this year, but had to be postponed due to the Corona Pandemic. The Swiss Government and Parliament are against SVP's Initiative because the framework agreement with the EU hinders negotiations. *3) Seven Sectors of the "Bilateral Agreements I" will be affected by the Initiative: There are, Free Movement of Persons, Overland Transport, Civil Aviation, Agriculture, Technical Barriers to Trade, Public Procurement Markets, and Research. The opposition Groups argue that uncertainties in the relations with Switzerland's most important partner, the EU will happen and it will jeopardize jobs and prosperity, creating an era of serious economic uncertainty. On the other hand, the SVP's Initiative Committee argues that "Mass Immigration" puts an extreme burden on the Environment, Labor Market, Social Security and Infrastructure. Switzerland should therefore control "Immigration" itself "without Freedom of Movement". Surprisingly, former FDP Federal Councilor (Bundesrat) Mr. Johann Schneider-Ammann (Minister of Economics), who retired in early 2019, posted a newspaper article in "NZZ" dated September 20, 2020; in his guest column, “he unequivocally criticizes the Agreement with the EU. The Balance between State Sovereignty and the Access to the Internal Market was lost in the draft of the (EU) Framework Agreement at the expense of Switzerland. It is necessary not only to renegotiate some points of the issue, but also to tackle the fundamental Issue of national Sovereignty". The opponents of the SVP Initiative, such as FDP-Party Leader Mrs. Petra Goessi and FDP- Minister of Justice, Mrs. Karin Keller-Sutter, have so far agreed that the Framework Agreement with the EU will not be debated before the poll. With his criticism, ex FDP-Federal Councilor Schneider- Ammann has now broken this taboo. It is like an unexpected cheer for the SVP-Initiative. The Tages-Anzeiger Newspaper pointed out on September 21, 2020 that Swiss suburbs, which were once Conservative grounds, have been incorporated into urban areas as residential land development progresses. The number of new residents increases and their voting tendency tends to be liberal. For SVP, Switzerland's largest political party, the support base is changing that is a serious consequence indeed. The vote at the National Assembly (Nationalrat) was 53 votes in favor, 142 votes against, and 2 abstentions. The vote at the Council of States (Staenderat) was 5 votes in favor, 37 votes against, and 2 abstentions. Swiss Government and Parliament recommend a "No". Conservative parties SVP, EDU and Auns are in favor of the Initiative, while SP, FDP, CVP, Greens, Green Liberals, BDP, EVP and Economiesuisse (Economic Organization) as well as Trade Union Federation (Gewerkschaftsbund) are against it. 2) Amendment of Hunting Law: *4) About 100 wolves live in Switzerland, approx. half of them only in the Canton Graubuenden. The parliament therefore revised the Hunting Law of 1986. Although the wolf remains a protected animal species, the Cantons can now regulate the population without the consent of the Federal Government. Currently, Ibex and Wolves are protected animals that can be shot. But the list of other species that can be hunted based on the new Hunting Law includes endangered species. Those are woodcock, brown hare, and black rooster. However, since livestock, such as sheep and goats were attacked by wolves, it was necessary to seek for countermeasures. At first glance, it seems that the problem depends on the local situation, but as natural animals move beyond Cantons, many experts in forest and environmental problems disagree with a handling based on the situation in the individual Canton. *5) The number of wolves is naturally limited because wolves form a pack, like a family and live on a fixed large territory. They defend their territory and kill other wolves that invade. Wolves play a role in preventing young alpine forests from being bitten by deer and they function as part of the ecosystem. They point out that Canton's own response is meaningless and that the amendment is inconsistent with species protection in the first place. The newspaper introduced farmers who perceive the existence of wolves as part of nature and others who think that livestock should not be attacked. Opinions seem to vary depending on the farmers. It would be a preposterous if we hurriedly enacted a contradictory law that deviates from the original purpose of nature conservation. The vote at the National Assembly (Nationalrat) was 117 votes in favor, 71 votes against, and 9 abstentions. The vote at the Council of States (Staenderat) was 28 votes in favor, 16 votes against, and 1 abstention. The Swiss Government and Parliament recommend a "Yes". Conservative and centrist parties, agricultural and hunting Groups support it, while leftist parties, Swiss Forestry Association, WWF Switzerland, and the environmental group Pro Natura are against it. 3) Child Deductions (Federal Law Amendment regarding Direct Federal Tax) *6) It is a Federal Tax amendment called "Kinderabzuege (Child Deductions)". The amendment is to raise the Federal Tax Deduction for the cost of "entrusted childcare by a third party" up to CHF 25,000 on the direct Federal Tax. In addition, the general Child Deduction shall be increased from CHF 6,500 to CHF 10,000. Approximately 40% of the family-households pay no direct Federal Tax, therefore they are not entitled to the benefits of this tax system. It is said that from the higher general Child Deduction "Top Earners" benefit the most. A liberal committee speaks about a "Self- Service-Package". For female professionals, motherhood should no longer be a reason to forego their desired working life, say the advocates of the amendment. The Federal Government has a history of skimping when it is about subsidizing daycare centers. Besides, the opinion exists that it is more effective to subsidize daycare centers directly than raising Federal Tax deductions. That seems to be more convincing. The Federal Government estimates that higher deductions lead to tax deficits of totally CHF 380 million. The vote at the National Assembly (Nationalrat) was 132 votes in favor, 62 votes against, and 3 abstentions. The vote at the Council of States (Staenderat) was 25 votes in favor, 17 votes against, and 3 abstentions. The Swiss Government and Parliament recommend a "Yes". Middle-wing and right-wing parties are in favor of it, left- wing parties are against it; Economiesuisse (Economic Umbrella Organization) and Employer's Association declared a free vote. 4) Father's Childcare Leave (Amendment of Income Compensation Law) *7) The so-called "Father's Paternity Leave (Vaterschaftsurlaub)" stipulates that when a child is born, the fathers should be entitled to two weeks' leave, in the first six months. The wage compensation is 80% of the wage before the birth, but not more than CHF 196 per day, as it is the case with the maternity leave. It is argued that the new burden, which is equivalent to 0.5% of the salary, is unacceptable for small and medium-sized Enterprises (SME), for them it is a high burden. The cost for the "Father's Paternity Leave" is estimated by the Federal Administration to be CHF 230 million and it shall be funded by Employers and Employees. There is a day-care center in front of my house. I can see working mothers and fathers, bringing their children in the morning and picking them up evening. I can see how difficult it is to balance work and childcare. It goes without saying that promoting the participation of fathers in childcare and raising the employment rate of women will contribute to the working population and will increase the number of taxpayers in the future. In order to introduce this amendment, financial support measures for small and medium-sized Enterprises (SME) should be considered. The amendment is believed to contribute to the equalization of employment for men and women. The vote at the National Assembly (Nationalrat) was 129 votes in favor, 66 votes against, and 2 abstentions. The vote at the Council of States (Staenderat was 31 votes in favor, 11 votes against, and 3 abstentions. The Swiss Government and Parliament recommend a "Yes". Left-wing and centrist parties are in favor of it, right- wing parties and the Trade Association are against it, and the employers' Group declared a free vote. 5) Federal Decree on Procurement of new Fighter Planes *8) The existing fighter planes must be shut down in about 10 years because of aging. The Government and Parliament want to procure new fighter planes by 2030. In the Popular Vote on May 17, 2014, it was voted about the Swedish-made "Gripen Fighter planes Procurement", however, it was rejected by the Swiss voters. This was reported in our Magazines Vol. 151 and Vol. 152. *9) This time, the content of the decree is only to approve the Budget of CHF 6 billion, for purchasing alternative fighter planes; the selection about the type and numbers of fighter planes will be decided by the Government. The aircraft manufacturer, who can supply the fighter planes, has to award contracts to companies in Switzerland for 60% of the purchase price. The contracts will be distributed to all language regions; such compensation transactions (offsets) shall strengthen the Swiss industry and giving it access to high technology. Candidates for the supply include US-Lockheed Martin's F35 stealth fighter, US-Boeing's F/A-18 Super Hornet, French Dassault's Rafale fighter, and the Eurofighter of Airbus. Each candidate has advantages and disadvantages, and it is said that there are restrictions that the Swiss Government cannot operate it independently even after purchasing a US-fighter plane. Mrs. Viola Amherd, the Swiss Minister of Defense, has declared that her preferred type, is the Lockheed Martin stealth fighter. The opposition committee insists that more effective alternative concepts, such as the procurement of cheaper, more environmentally friendly and lower-noise light fighter planes, have not even been seriously considered. Instead of purchasing unnecessary and very expensive fighter planes, they argue that we need to prepare for other threats such as disasters and cyber attacks, and we have to fight Climate change. The surface area of Switzerland is about 12% bigger than Japan's Kyushu and does not require maritime security. There was also an opinion that fighter planes could not be operated effectively in a country that is so small. There is also concern that if a huge budget is entrusted to a foreign company, the sovereignty will be threatened someday. I once read an article in a newspaper saying "Switzerland can develop its own Drone". There was also a reader's article saying that "it will be a good opportunity to reconsider the deal" in connection with the Swiss Defense Minister's statement saying "if the decree is rejected, the defense plan needs to be completely re-examined." I think Switzerland needs an Army, but I believe we should carefully consider wise choices that are timely. The vote at the National Assembly (Nationalrat) was 123 votes in favor, 68 votes against, and 5 abstentions. The vote at the Council of States (Staenderat was 33 votes in favor, 10 votes against, and 1 abstention. Conservative and centrist parties are in favor of it, only leftist and green parties, and the "GsoA" (Group for a Switzerland without an Army), are against it. [Agenda] A Referendum is always accompanied by interest Group campaigns, and there are reports calling for transparency in anonymous funding sources. Political party funding sources are also a problem, but the arguments have always disappeared. This is because political parties and politicians do not want to reveal it. In Switzerland's political system, the Direct Democracy is stipulated above the Parliamentary Democracy, and although, it is an unprecedented system compared to other countries, there are concerns that it will become a dead letter these days. Even in this Referendum, campaigns for and against, each agenda is being actively carried out. According to SRF TV's latest voting forecast, "the Restriction Initiative" will be rejected, and the "amendment of the Hunting Law" is not decided yet, this seems to be the result of the campaigns. *10) [Reference] 【 参照 】 * スイス連邦議会の政党名 / Political parties represented in Parliament https://www.parlament.ch/en/organe/groups/parties-in-parliament *1) Popular voting on September 27, 2020: https://www.admin.ch/gov/de/start/dokumentation/abstimmungen/20200927.html 2)"Restriction Initiative (For a moderate Immigration)": https://www.admin.ch/gov/de/start/dokumentation/abstimmungen/20200927/volksinitiative-fuer-eine-massvolle-zuwanderung.html 3) "Switzerland–European Union relations": https://en.wikipedia.org/wiki/Switzerland%E2%80%93European_Union_relations *4) "Amendment of Hunting Law": https://www.admin.ch/gov/de/start/dokumentation/abstimmungen/20200927/aenderung-des-jagdgesetzes.html *5) "Unsuccessful hunting law – No!": https://jagdgesetz-nein.ch/ *6) "Child Deductions (Federal Law Amendment regarding Direct Federal Tax)": https://www.admin.ch/gov/de/start/dokumentation/abstimmungen/20200927/aenderung-des-bundesgesetzes-ueber-die-direkte-bundessteuer.html *7) "Father's Childcare Leave (Amendment of Income Compensation Law)": https://www.admin.ch/gov/de/start/dokumentation/abstimmungen/20200927/aenderung-des-erwerbsersatzgesetzes.html *8) "Federal Decree on Procurement of new Fighter Planes": https://www.admin.ch/gov/de/start/dokumentation/abstimmungen/20200927/bundesbeschluss-ueber-die-beschaffung-neuer-kampfflugzeuge.html *9) jSj Vol. 151 & Vol. 152: http://www.swissjapanwatcher.ch/jp-Swiss-journal/seback.htm *10) "SRF TV's latest voting forecast": https://www.srf.ch/news/abstimmung-27-september-2020/umfrage-zu-den-abstimmungen-nein-zur-begrenzungsinitiative-offenes-rennen-um-jagdgesetz# [Editorial Postscript] On Tuesday, March 17, the Swiss Federal Government declared a State of Emergency (Ausserordentliche Lage) and the regular Session of Parliament was stopped and Popular Voting Dates were postponed, "Corona stopped the Breath of Democracy”, wrote a newspaper. Temporary Suspicion spreads, how long wills this State continue. Since then, a Federal Government order has been in force calling for "People over the age of 65 and those with chronic Illnesses not to go out". That message was broadcasted before the News every day, up to March 23. Voting Dates were then again scheduled. I think it's still a strange pandemic phenomenon. Coronavirus: Federal Council declares 'extraordinary situation' and introduces more stringent measures: https://www.admin.ch/gov/en/start/documentation/media-releases.msg-id-78454.html ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃【 jp-Swiss-journal 】 Sister Mail Magazine ┃ 同じく多言語の投稿エッセー・評論を発行。 Number of readers: 155 ★ Mag2: http://www.mag2.com/m/0000044048.htm ★ Mailux: http://www.mailux.com/mm_bno_list.php?mm_id=MM49D642ECE442D ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ☆ Issuer/発行元: Akiko Huerlimann & the editors' Group jp-swiss-journal@bluewin.ch Copyright (C) 1998-2020 Akiko Huerlimann ☆ If you wish to refer our text, please send your mail to the issuer for permission. 無断転載・転送は固くご遠慮下さい。掲載のお問い合わせは発行元まで メールでお問い合わせください。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃【Distribution system/発行システム】Number of readers: 566 ┃ Subscribe & Unsubscribe / 登録・解除・アドレス変更 ★ Mag2: http://www.mag2.com/m/0000025024.htm ★ Mailux: http://www.mailux.com/mm_bno_list.php?mm_id=MM49D0B8FB9C4B4 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ |