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──────────────── 【609 Studio】email newsletter> 2020年3月3日 No.940 ──────────────── フォト・ジャーナリスト片山通夫のメールマガジンは現代時評、 ロシア・サハリンの話題、編集長のコラムなど多彩な話題満載! 購読無料! ──────────────── ***Lapiz2020春号 3月1日発行予定!!*** https://lapiz-international.com/ 主な項目 CoverStory [アイスチューリップ] Oikoの眼 吾孫子観音 阪堺電車 読切連載「アカンタレ勘太 4」 宿場町「大垣宿」 神宿る。三国神社の大欅 などなど ────────────── ◇◇現代時評《市長選悪用の桜を見る会》井上脩身 ────────────── 安倍晋三首相主催の「桜を見る会」をめぐる疑惑が晴れないまま、首相 は闇のなかに葬りさる構えでいる。自民党一強でかつ首相の対抗馬がいな いなか、なぜ私物化としかいいようのないほどに招待者を増やしたのか。 たかが桜を見る会である。首相の後援会関係者たちは、招待されなかっ たところで、安倍支持の旗を降ろすはずがない。首相として毅然としてい るふりをすればいいではないか。私は釈然としなかった。ようやくナゾが 解けたのは、裏に首相の地元事情がある、との報道だ。山口県下関市の激 しい市長選で、安倍派候補を応援した支持者を優遇した、というのである。 「トランプ大統領と対等に話し合える」と豪語する安倍首相だが、その実 質は地方政治家レベルなのだ。 下関市長選の内実を明かしたのは1月26日付毎日新聞だ。記事による と、2017年3月12日に行われた同市長選に、3選を目指す現職、中 尾友昭氏に対し、安倍首相の元秘書で下関市議だった新人、前田晋太郎氏 が出馬した。 安倍首相の選挙区は下関市を中心とした衆院山口4区。同県選出の参院 議員、林芳正元農相も地盤は下関市。したがって下関市は安倍、林両氏の 地盤だ。共通の地盤のうえで、安倍派の前田氏が、林氏の系列である中尾 氏に挑むという構造になった。 「安倍・林代理戦争」と呼ばれ、選挙前から同市内では保守を二分する 熾烈な戦いが展開された。なかでも選挙2カ月前の同年1月9日に開かれ た安倍首相の「新春の集い」での、首相の振る舞いが両陣営の対立を象徴 していた。来賓として挨拶を終えたばかりの中尾市長の前で、安倍首相は 前田氏を「市長候補予定者」として登壇させ、固い握手を交わしたのだ。 「みんなどよめいた」と出席市議は振り返る。 選挙の結果、前田氏48,896票、中尾氏45,546票と、前田氏 が3500票差で競り勝ち初当選。この得票数が激戦ぶりを如実に表して いた。当然しこりが残る。選挙後の同年6月の市議会代表質問で、林派の 市議が「九州の建設業者が100人態勢で前田候補の名刺を持ってローラ ー作戦をした。(首相に近い)福岡市長や、昭恵夫人も再三来て、総理本 人も要所要所に直接電話した。勝つためには何をしてもいいのか」と前田 市長を追及。林派のやるかたない憤懣を安倍派市長にもろにぶつけた形だ。 中間派市議は「下関で安倍派に逆らうと生きていけない。ファシズムだ」 ともらす。それは安倍派であればいい目にあうことを意味した。そのいい 目のひとつが桜を見る会だった。 2014年から19年までの桜を見る会の招待者数は以下の通りだ(ウ ィキペディアより)。14年=12800▽15年=13600▽16年 =13600▽17年=13900▽18年=15900▽19年=15 400 以上のデータから2018年に招待者数が急増していることは明らかだ。 桜を見る会の参加者から聞き取り調査をしている市議は「前田市長を推し たメンバーが桜を見る会と前夜祭に大量に招かれた」とみる 。 私は30年前、三木武夫元首相と後藤田正晴元官房長官が対立した徳島 県で、「三木・後藤田戦争」といわれる市長選や県議、市議、町村議選を 取材した。三木派、後藤田派の運動員らによる札びらが飛び交う骨肉の争 いに目を覆った。だが、三木氏、後藤田氏があからさまに対立をあおるこ とは、私が知っている範囲ではなかった。三木氏も後藤田氏も今思えばさ すがに大物政治家であった。 冒頭に述べたように、小派閥を率いて生き延びるのに四苦八苦した三木 氏と違って、安倍首相は自民党内で安定した地盤の上に立っている。地元、 下関市の市長選が気になるのはわからないではない。だからといって、「 安倍か林か、初めて踏み絵を踏まされた」と市議たちが証言するほどに強 引に手をつっこんで分断し、それを首相主催の桜を見る会に利用すると いうのでは、しょせんは小物政治家というほかない。 ここで小物とは、自分にすり寄って来る者だけを登用することをいう。 検事長定年延長問題にみられるように、小物政治を国政上で行っているの だから深刻だ。しかもその小物政治家が憲政史上最長の首相なのである 。この国自体が小物の国になったということであろうか。少なくとも政界 が小物化したことはまぎれもない。この国の行く末について暗澹たる思い である。 ────────────── ◇◇新型コロナウイルス&地震・噴火 ◇◇ ────────────── 【地震/噴火 頻発】 イラン西部でM5・7の地震…隣国トルコで9人死亡 https://www.yomiuri.co.jp/world/20200224-OYT1T50144/ 【新型コロナウイルス関連ニュースと話題】 ものすごい量の情報・ニュースが日々刻々と流れてきている。 とてもここに記載する能力も紙幅もない。 日本を含む世界の報道を注意深くかつ慎重にお読みください。 参考 日本語 CNN https://www.cnn.co.jp/ スプートニク https://jp.sputniknews.com/ 聯合ニュース https://jp.yna.co.kr/ AFP https://www.afpbb.com/ フォーカス台湾 http://japan.cna.com.tw/news/aall/list.aspx BBC http://japan.cna.com.tw/news/aall/list.aspx NHK 特設サイト https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/ 新型コロナウイルスをめぐる日本国内の最新状況まとめ(28日現在) https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/02/post-92514.php ───────────── 【著書案内】 《サハリン逍遥》 片山通夫写真集 サハリン残留朝鮮人の取材のため15年間サハリンに通った写真家が自 然や人々の暮らしを折にふれて撮りためた素顔のサハリン。さり気ないア プローチでとらえた被写体にユーモラスな文章をそえた魅力的な写真集。 群像社刊 モノクロ152ページ、予価1800円+税 群像社サイトからお買い求めいただけます!! http://gunzosha.cart.fc2.com/ca8/198/p-r-s/ サハリン逍遥が電子ブックになりました! http://www.shinanobook.com/genre/book/3775 ────────────── 「追跡!あるサハリン残留朝鮮人の生涯」 片山通夫 著 日本の植民地統治が生んだ一家離散「二重徴用」「急速転換」 「樺太への逆密航」を語る貴重な証言!! 凱風社 刊 http://www.gaifu.co.jp/index.html 定価 1900円+税 ────────────── ◆編集長から:片山通夫 ────────────── 井上Lapiz編集長が筆者が日頃思っていたことを明快に解説してくれた。 そうなのである。小物なのだ。かつての三木、後藤田などとは所詮人間の 出来が違うのだ。そう考えればモリカケも桜を見る会も、そして昨今の新 型コロナウイルス騒動も、いや、もしかして不足するマスクも消毒液など の不足もすべて安倍政権の能力のなさが原因なのかと、すっと胸に落ちた。 残念ながら小物なのだ。決して一国の総理などとおだててはいけない男 なのだ。考えてみればあの安倍夫婦は籠池氏に取り入って、また籠池氏も 調子に乗って安倍夫人とご機嫌だった時期があった。ところが旗色が悪く なると、たちまちばきゃうを表したかごとく「ボク知らん」とばかりの態 度」に豹変した。つまり逃げたのだ。つまり責任をとる度量はみじんも持 ち合わせていなかった。 残念なことに結局「ツケ」は国民が払わされる。 彼らを野放しにしてきた結果だ。 今後そんな角度からあの夫婦を眺めてみることにする。 ────────────── 発行 2020年3月3日 No.940 発行 毎週火曜日 購読料無料 FB https://www.facebook.com/michio.katayama.5 配信 まぐまぐ配信システム ID:0000052236 MailuX配信システム ID:MM3E1B97842E020 contact us http://www.609studio.com/html/mailform.html website http://www.609studio.com/ 投稿 http://www3.ezbbs.net/06/609studio/ 購読 解除 http://archive.mag2.com/0000052236/index.html ◇禁・無断転載◇ ────────────── |