メルマガ:jp-Swiss-journal
タイトル:【再送】jSj Vol. 190 『2020年02月09日スイスの国民投票「もっと手頃な価格の住宅を」他』  2020/02/05


■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■
┃ Multi Lingual Internet Mail Magazine

★ jp-Swiss-journal - Vol. 190 - February 04, 2020 (Swiss Time)

☆ http://www.swissjapanwatcher.ch/
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■


  【 目次 / INDEX / INHALTSVERZEICHNIS 】


【J】 2020年02月09日国民投票
    1. 国民発議「もっと手頃な価格の住宅を」
    2. 「性的指向に基づく差別の禁止」
                      明子 ヒューリマン

【E】The Popular Vote on February 09, 2019
    1. Popular Initiative "More affordable Homes"
    2. "Ban on Discrimination based on sexual Orientation"

                       Akiko Huerlimann


□━━━━━━━━━━━━【 日本語 】━━━━━━━━━━━━━━□


   2020年02月09日国民投票
    1. 国民発議「もっと手頃な価格の住宅を」
    2. 「性的指向に基づく差別の禁止」
                      明子 ヒューリマン


1.国民発議「もっと手頃な価格の住宅を」 *1)

発議したのは「スイス賃借人協会(Der Mieterverband Schweiz)」。 *2)
連邦政府とカントンに対して、スイス全土で新しく建てられる住宅の少なく
とも10%は非営利開発者、主に「住宅協同組合」に開発を認めるよう提案す
る議案だ。非営利の住宅建設を増やすために、カントンと自治体に不動産の
購入で優先権を認めるよう求めている。又、この発議には、手頃な価格の住
宅を過剰な価格で豪華な不動産に変えるために利用される、省エネ改修の助
成金を防ぐことも目指している。ここまでが政府の議案に対する説明の概要
だ。

スイスの消費者向け雑誌「K-Tipp」の2020年1月29日付2号の「賃貸住宅は収
益率が高い」という記事が目を引いた。 *3) 国立銀行のマイナス金利政策
が、保険会社、銀行、年金基金は、比較的確実な収益源として賃貸不動産の
所有を増やしている。こうした企業の住宅所有総数が、2008年は108,515戸
だったものが、2018年には142,432戸にもなっている。(10年間で30%以上の
急増だ。)立派に維持されている住宅を壊して、高級住宅に建て替えるやり
方がビジネスモデルになっている。従って賃貸住宅の賃貸料も上昇している。
高齢者が突然、何十年も住んでいた住宅の解約通知を受け取る例が紹介され
ている。年金基金が所有する賃貸住宅によって年金を捻出する手法は、言葉
を換えれば、年金を高い住居費で賄う構図となり、最悪の場合路上に追い出
されることになる、と同誌は結論付けている。

2020年1月28日付「ターゲス・アンツァイガー紙」に、常連のコラムニスト
でエコノミストのルドルフ・シュトラーム氏の「住宅政策は最高の社会政策
(Wohnungspolitik ist die beste Sozialpolitik)」という題の説得力ある
解説が掲載された。*4) スイスの経済立地を維持するには、勤労者の為の手
頃な住宅に関心を向けなければならない。過去スイスの希少な建築用地を投
機やインフレから保護するために国民投票が行われてきた。しかし、投機筋
は常に「市場の自主規制」と「国有化との闘い」の標語を用いて、これらの
土地権利イニシアチブはことごとく、住宅所有者協会と業界団体によって押
しつぶされた。

スイスの土地は第二次世界大戦以来、投機に依って5,000億スイスフランを
超える高価になった。(例え賃金も上昇したとは言え、今やスイスは欧州大
陸の中で突出して高賃金・物価高の国になっている。)最終的にスイスの不
動産全体がより高価になって損害を受けた。この土地管理の状況はどうなっ
たか?建設用土地持ち農家とその相続人は、建設用土地ブローカーや商業用
不動産投資家へと非生産分野に逃げ出した。未来への教訓として、私たちは
この歴史的過ちから学ぶべきだ。

協同組合又は他の非営利開発者による新築アパートの割合を、現在の平均5
%から10%に増やすことを目指している。目標の10パーセントは、スイス全
体の平均で、カントンや個別の自治体に適用されるのではない。市町村は、
先買権で市場価格で提供された建築用地を購入することができ、建築法で住
宅組合などの非営利開発者に渡すことができる。さらに、市町村には、今は
使用されていない鉄道、郵便、軍隊の国有地に拒否権を与える必要もある。

非営利住宅組合は、実際の費用に基づいて家賃を決めており、利益を移転し
ない。スイスの平均では、協同組合のアパートの賃貸料は、商業部門の同等
の賃貸不動産より25%も低い。協同組合とは、国有化ではなく私有財産と国
有財産の間の第三の方法だ。連邦政府の成功したビジネス手法で、これによ
ってスイスは経済的に成功し、豊かになった。

住宅は、西欧諸国における21世紀の中心的な社会問題だ。手頃な価格のアパ
ートの見学に入居希望者が長い列を作っている。住宅ローン金利の低下にも
かかわらず、裕福な商業用不動産会社が1998年から2018年までの20年間で平
均29%の賃料を上げ、さらに都市では2倍にもなっていることに注目する必
要がある。

中小家族が文字通り都市から追い出されていることに注意すべきだ。若年層
や中流階級の家族にとって、家はほとんど手に入らない。上場不動産投資会
社が都市部から中産階級を追い出し、法外な利益で中産階級の購買力を損な
っているという事実を政治家は無視している。有力政治家が各種利益団体の
役員を務めてロビー活動を支援している現実がある。イニシアチブの反対派
は、住宅助成金の代わりに、貧しい賃貸住宅世帯に国の「援助」を提案して
いる。しかし、これは不動産ビジネスの過剰なリターンを助成することに他
ならない。納税者は何度も費用負担することになる。ここまでが、ルドルフ
・シュトラーム氏の要旨だ。

政府と議会は反対を推奨。国民議会は賛成56票、反対140票。全州議会は賛
成13票、反対30票、棄権1票。概ね圧倒的反対で議決された。我が家の郵便
受けには早々と反対派「住宅市場の国有化に反対」のチラシが配られた。
*5) 左派のイニシアティブに、資金力のある既存の大政党が揃って反対キャ
ンペーンを繰り広げている。2050年までに連邦政府は二酸化炭素排出量をゼ
ロにする目標を立てている。新築の建物は暖房と建物の断熱に依ってCO2排
出量が大幅に低くなる点が強調されているが、古い建物も改修で改善する事
は可能だ。 スイス人は持ち家をこまめに手入れしている。

ターゲスアンツァイガー紙は、1月28日、50年前より賃貸料は手頃になって
いると、1平方メートル当たりの賃貸料と給与指数を図で示した。しかし、
住宅は単身用、夫婦用、家族用と需要は多様だ。又1月29日の同紙には「住
宅発議で年金が減る?」という見出しで、急速にイニシアティブへの支持が
減り、反対が優勢になったと報じた。反対派はこの議案が承認された場合、
2045年には年金が660億スイスフラン減るというのだ。こんな数字を出され
れば、現役世代は尻込みしてしまう。

職住近接ではなく通勤時間が長くなるなら、公共交通等インフラ整備の社会
的費用が増え、勤労者の生活の質が損なわれることになる点も見逃してはな
らないだろう。住宅産業の裾野は広く巨大だ。イニシアティブの提案は僅か
10%程度なのだ。住居費が殊更高額なスイスでは、安価で快適な住宅に住め
るなら、年金が幾らか減っても安心して暮らしていける。人々の暮しが有っ
ての社会なのだから、住まいは正しく社会インフラの最重要課題だ。先進各
国の首都に存在する夥しいホームレスが現実を物語っている。

2.刑法及び軍事刑法の改正「性的指向に基づく差別の禁止」

スイスの刑法は、さまざまな形態の差別から人々を保護している。人種、民
族、宗教を理由に、人や人のグループを言葉や行動で公然と非難することは
誰にとっても犯罪と見做される。議会は、保護のレベルを引き上げ、性的指
向を理由とする差別を含めるために、反人種差別に関する刑法の規定を拡大
することを決定した。この提案が国民投票で問われることになった。

法律を変更すると、同性愛者、両性愛者、または実際に異性愛者であるため
差別される人々に保護が提供される。新しい規定は、個人またはグループの
人間の尊厳を侵害し、それによって憎悪の風潮を引き起こし、社会の平和的
な共存を危険にさらす公的な声明または行動を禁止する。また、性的指向の
ために、公に提供されているサービスの提供を拒否することも犯罪になる。
この新しい規定は家族や友人グループ内での発言や行動には適用されない。
この問題に関する客観的な公開討論も制限を受けることなく引き続き許可さ
れる。とここまでが連邦政府解説の要約だ。

LGBTの存在がクローズアップされてきた昨今、必要に迫られての法改正と受
け止められた。*7) ウィキペディアに、「サイエンス誌」に掲載された「約
50万人の遺伝子を大規模解析した調査によると、性的指向が遺伝で決まる割
合は8-25%程度であり、基本的には(胎児期を含めた)環境による影響が大
きいとされた。」という論文が紹介されていた。又「エピジェネティクス」
という学術分野が有る事を最近知った。 *8) 「DNA塩基配列の変化を伴わな
い細胞分裂後も継承される遺伝子発現あるいは細胞表現型の変化を研究する
学問領域」とウィキペディアには書かれている。人は生まれた後も、性差が
変化する人々が多く居る地域が有る事が知られている。性差の在り方は多様
で、人権に関わる重要な問題ではある。

政府と議会は賛成を推奨。国民議会は賛成121票、反対67票、棄権8票。全州
議会は賛成30票、反対12票、棄権1票。明確に承認されたものの、反対も決
して少なくはないのが気になる。現行の法律で充分で、言論の自由が脅かさ
れかねない、と懸念する意見は少なくない。各種世論調査は賛成が優勢と報
じている。


【 参照 】

*1) 国民発議「もっと手頃な価格の住宅を」:
https://www.admin.ch/gov/en/start/documentation/votes/20200209/iniziativa-popolare--piu-abitazioni-a-prezzi-accessibili-.html
*2) 「スイス賃借人協会(Der Mieterverband Schweiz)」:
https://www.mieterverband.ch/
https://bezahlbare-wohnungen.ch/
*3) K-Tipp "Das gute Geschaeft mit Mietwohnungen":
https://www.ktipp.ch/artikel/artikeldetail/das-gute-geschaeft-mit-mietwohnungen/
*4) 「住宅政策は最高の社会政策」
https://www.tagesanzeiger.ch/schweiz/standard/wohnungspolitik-ist-die-beste-sozialpolitik/story/16882757
*5) 反対派ウェブサイト「住宅市場の国有化に反対」:
https://www.mieterverbands-initiative-nein.ch/de-ch
*6) 性的指向に基づく差別の禁止
https://www.admin.ch/gov/en/start/documentation/votes/20200209/divieto-della-discriminazione-basata-sull-orientamento-sessuale.html
*7) LGBT: https://ja.wikipedia.org/wiki/LGBT
*8) エピジェネティクス:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%94%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%8D%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%AF%E3%82%B9


【 編集後記 】

庶民は現状に満足であれば規則は変えたがらないので基本的に保守的だと言
われる。筆者も保守的であることを自覚するようになった。急進的な変化に
は慎重になる。とは言え、政財界のエリートが、社会の様々な規則を彼らの
都合の良い様に変えようと、絶えず画策している現状には警戒心を持ち始め
た。行政は何より、納税して社会を支えている勤労者世帯の福祉を優先させ
るべきだと思う。先進諸国でゼロ金利政策が長引いているのは、「資本主義
の終焉が始まっている」故だと考えるエコノミスト水野和夫氏の説に関心を
持っている。過剰な成長を求めず、足るを知って持続可能な社会の構築へと
考え方を転換すべき時になったと思う。人々が在るがままで安心して暮らせ
る権利を守る為の国民投票の議案と思う。


□━━━━━━━━━━━━【 English 】━━━━━━━━━━━━━□


    The Popular Vote on February 09, 2019
    Popular Initiative "More affordable Homes"
    "Ban on Discrimination based on sexual Orientation"

                               Akiko Huerlimann


1. Popular Initiative "More affordable Homes" *1)

The Initiative was initiated by "the Swiss Association of the
Tenants". *2) The Initiative proposes to the Federal Government and
Cantons that non-profit developers, mainly "Housing Cooperatives",
be allowed to develop at least 10% of newly built houses across
Switzerland. It is calling on Cantons and Municipalities to grant
priority to buying real estate to increase non-profit housing
constructions. The Initiative also aims to prevent subsidies for
energy-efficient renovation, which are used to transform affordable
homes into overpriced luxury real estates. This is the approx.
outline of the explanation for the Initiative by the Government.

There is the article "Rental housing has high Profitability" in the
Swiss consumer Magazine "K-Tipp" issued as of January 29, 2020 No.
2. *3) The negative interest rate policy by the Swiss National Bank
(SNB) has led Insurance companies, Banks, and Pension funds to
increase their ownership of rental properties as a relatively
reliable source of revenue. The overall number of homes owned by
those companies increased from 108,515 houses in 2008 to 142,432
houses in 2018. (The increase is more than 30% in 10 years.) The
business model is to break down a well-maintained house and replace
it with a luxury house. Therefore, rents for rental housing are also
rising. An example is introduced that an elderly person suddenly
received a notice of termination of her rented flat where she has
lived for decades. The consumer Magazine "K-Tipp" concludes that
Pension funds invest part of the money entrusted to them in
residential properties. This guarantees investors a fairly secure
return, which they must achieve in the interests of the insured.
In other words, tenants finance their own pensions with high housing
costs. In the worst case, tenants are put out on the street.

There was a compelling commentary by regular columnist economist
Rudolf Strahm entitled "Housing Policy is the best Social Policy
(Wohnungspolitik ist die beste Sozialpolitik)", reported on the
"Tages-Anzeiger" dated January 28, 2020. *4) Maintaining a
prosperous economic location in Switzerland requires the attention
to affordable Housing for workers. In the past, popular votes have
been taken place to protect the rare construction land in
Switzerland from speculation and inflation. However, speculators
have always used the slogans "Market self-regulation" and "Fighting
nationalization", and all of these land rights Initiatives have
been squished by "Homeowners Associations and Industry
Associations". 

The Increase in Value on Swiss land has become more than CHF 500
billion due to speculation since World War II. (Even though wages
have risen, Switzerland is nowadays a prominent country on the
continent with high wages and high prices.) What happened to this
land management situation? The surplus value drained away non-
productive to "Building-land Farmers" and their heirs, to "Building
land Brokers" and to commercial real estate investors. Lessons for
our future should now be learned from this historical mistake.

The aim of the Initiative is to increase the percentage of new
apartments by co-operatives or other non-profit developers to a
Switzerland-wide average of 10% from the present 5% of today. The
10% target applies to a Switzerland-wide average and not for each
Canton or each Municipality individually. The Municipalities can
acquire building land, offered in the pre-emptive right, at market
value and pass it on to non-profit developers, such as housing co-
operatives. Besides, Municipalities should be given mandatory the
pre-emptive right for Federal plots of Rail, Post, and Army that
are no longer used. 

Non-profit housing co-operatives base their rents on actual costs
and do not transfer profits. On a Switzerland-wide average, rents
for co-operative apartments are 25% lower than comparable rental
properties in the commercial sector. Co-operatives are the third
way between Private Property and State Property; co-operatives are
not a nationalization. That is the successful business practice of
the Federal Government, which has made Switzerland economically
successful and prosperous.

Housing is the vital social question of the 21st century in Western
countries. Prospective tenants are making long queues to visit
affordable apartments. Take note that despite falling mortgage
interests, well-funded commercial real estate companies have
increased the rents by an average of 29% over 20 years from 1998
to 2018. The rents have even doubled in Cities.

It should be noted that middle-class families have been literally
expelled from the Cities. Residential property is almost exorbitant
for younger and middle-class families. Politicians ignore the fact
that today, above all, the large, listed real estate investment
companies are displacing the middle-classes from the urban regions
and skimming off the purchasing power of the middle-class with their
exorbitant returns. It is a reality that leading politicians are
serving as executives of various interest groups and are supporting
lobby organizations. Opponents of the Initiative propose a state
"Subject-Aid" to poor tenant households instead of housing
promotion. However, this is nothing more than subsidizing the
excessive returns in the real estate business. It costs the taxpayer
a multiple. That's the point of Rudolf Strahm.

The Government and both Chambers of Parliament refused the
Initiative. The results of the National Council (Nationalrat) were
56 Votes in favor (Yes)  and 140 Votes against (No). The results of
the Council of States (Staenderat)  were 13 Votes in favor (Yes),
30 Votes against (No) and 1 Vote abstention. By the end of the
campaign, the Initiative has almost lost its approval majority based
on the latest survey. A flyer by the opposition campaign was dropped
early into the mailbox at my home "No to the Nationalization of the
Housing Market (NEIN zur Verstaatlichung des Wohnungsmarkts)". *5)
Existing, well-funded political parties are campaigning against the
left-wing initiative. The Federal Government plans to reduce its net
carbon emissions to Zero by 2050. New buildings emphasize their
significantly lower CO2 Emissions due to new heating systems and
insulation measures, however, the older buildings can be improved
by a retrofit. Swiss care for their homes diligently.

"Tages-Anzeiger" dated January 28, published a chart comparing rents
per square meter and in relation to the salary index with the title
"Rents are more affordable than 50 years ago". However, the demand
of housing for singles, couples and families is diverse. The
newspaper dated January 29, also reported with the headline "Are
Pensions falling due to Housing Initiative?"; it informed also that
the support for the Initiative had rapidly declined with the
opposition side now in the lead. The opponents say if the Initiative
is approved, property assets in the old-age provisions would be
reduced by around 66 billion Swiss Francs by 2045. That is however
an extreme scenario; giving such a figure, the active generation is
rather frightened.

It should not be overlooked if the commuting time is longer, instead
of having proximity to work that the social cost of infrastructure,
such as public transport will increase and the quality of life of
workers will be impaired. The base of the Housing Industry is wide
and huge. Initiative's proposals are only approx. 10%. In
Switzerland, where housing costs are particularly high, if you can
live in a reasonable and comfortable housing, you can live with
peace of mind even if your pension is somewhat reduced. There is no
doubt that the dwelling is the most important issue of social
infrastructure, because it is a society where people's lives are
established. The enormous number of homeless people in the Capitals
of developed countries speaks for themselves.

2. Revision of Penal Code and Military Penal Code
"Ban on Discrimination based on sexual Orientation "

The Swiss Criminal Law protects people from various forms of
Discrimination. Openly criticizing a person or group of people for
their Race, Ethnicity, or Religion with words or actions is
considered a Crime by anyone. The Parliament has decided to increase
the level of protection and to extend the criminal provision on
anti-racism, including Discrimination on the basis of sexual
Orientation. Against that amendment of the Law, a referendum was
taken and now it comes to a popular vote.

Changing the Law will provide protection to Gays, Bisexuals, or to
those who are discriminated because they are in fact heterosexual.
The new provision will prohibit public statements or actions that
violate the human dignity of an individual or a group, creating a
climate of hatred and endangering the peaceful coexistence of
society. It will also be an offence to refuse to provide someone
with a service that is publicly offered because of their sexual
Orientation. The new rule will not apply to comments or conduct
within a family or a group of friends. Objective public debate of
the issue will continue to be permitted without restriction. This
is the summary of the Federal commentary.

In recent years, when the existence of LGBT has been high-lighted,
it was perceived a need for a Law reform. *7) According to
Wikipedia, an article published in the Magazine "Science" was
introduced, "A large-scale analysis of genes of approx. 500,000
people revealed that the proportion of sexual Orientation
determined by heredity is about 8%-25%; then basically, the effects
of environment (including fetal life) were considered to be large."
I recently learned also that there is an academic field called
"Epigenetic". *8) That is explained in Wikipedia, "In biology,
epigenetic is the study of heritable phenotype changes that do not
involve alterations in the DNA sequence." It is known that many
people in certain areas change gender after birth. Gender
differences are diverse and important issues related to human
rights.

The Government and both Chambers of Parliament have recommend to
approve the amendment. The results of the National Council
(Nationalrat) were 121 Votes in favor (Yes), 67 Votes against (No),
and 8 Votes of abstention. The results of the Council of States were
30 Votes in favor (Yes), 12 Votes against (No) and 1 Vote of
abstention. I am concerned about it, although it was clearly
approved, the opposition is by no means small. Many are concerned
that the freedom of speech may be threatened and that the current
law is sufficient. Opinion polls reported that the approval side
(Yes) is in the lead.

 [Reference] 

*1) Popular Initiative "More affordable Homes": 
https://www.admin.ch/gov/en/start/documentation/votes/20200209/iniziativa-popolare--piu-abitazioni-a-prezzi-accessibili-.html 
*2) The Swiss Association of the Tenants (Der Mieterverband Schweiz): 
https://www.mieterverband.ch/ 
https://bezahlbare-wohnungen.ch/ 
*3) K-Tipp "Das gute Geschaeft mit Mietwohnungen": 
https://www.ktipp.ch/artikel/artikeldetail/das-gute-geschaeft-mit-mietwohnungen/ 
*4) Housing policy is the best social policy 
(Wohnungspolitik ist die beste Sozialpolitik): 
https://www.tagesanzeiger.ch/schweiz/standard/wohnungspolitik-ist-die-beste-sozialpolitik/story/16882757 
*5) NO to nationalize the housing market 
(NEIN zur Verstaatlichung des Wohnungsmarkts): 
https://www.mieterverbands-initiative-nein.ch/de-ch 
*6) Ban on Discrimination based on sexual Orientation: 
https://www.admin.ch/gov/en/start/documentation/votes/20200209/divieto-della-discriminazione-basata-sull-orientamento-sessuale.html 
*7) LGBT: https://en.wikipedia.org/wiki/LGBT 
*8) Epigenetics: https://en.wikipedia.org/wiki/Epigenetics


 [Editor's Comment]

People are basically said to be conservative because they do not
want to change the rules if they are satisfied with the current
situation. I have come to realize that I am conservative. I am also
cautious of radical changes. Nevertheless, I have begun to be
cautious as the Elite of the political and business world is
constantly devising to change the various rules of society to their
convenience. I believe that the Government should give priority to
the welfare of working households, which support the society by
paying taxes without exception. I am interested in the theory of the
Japanese Economist Mizuno Kazuo who thinks that the prolongation of
Zero interest rate policy in developed countries is because
Capitalism has begun to end. I think that it's time to shift our
mindset for building a sustainable society with a thought of "to
know one has enough". This time's popular vote is particularly to
protect people's right to live safely.

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃【 jp-Swiss-journal 】 Sister Mail Magazine
┃ 同じく多言語の投稿エッセー・評論を発行。 Number of readers: 180
★ Mag2: http://www.mag2.com/m/0000044048.htm
★ Mailux: http://www.mailux.com/mm_bno_list.php?mm_id=MM49D642ECE442D
★ alphapolis 2020年4月2日サービス終了:
  https://www.alphapolis.co.jp/mailmaga/detail/1000130
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
☆ Issuer/発行元: Akiko Huerlimann & the editors' Group
jp-swiss-journal@bluewin.ch
Copyright (C) 1998-2019 Akiko Huerlimann

☆ If you wish to refer our text, please send your mail to the
issuer for permission.
無断転載・転送は固くご遠慮下さい。掲載のお問い合わせは発行元まで
メールでお問い合わせください。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃【Distribution system/発行システム】Number of readers: 1,316
┃ Subscribe & Unsubscribe / 登録・解除・アドレス変更
★ Mag2: http://www.mag2.com/m/0000025024.htm
★ Mailux: http://www.mailux.com/mm_bno_list.php?mm_id=MM49D0B8FB9C4B4
★ alphapolis 2020年4月2日サービス終了:
   https://www.alphapolis.co.jp/mailmaga/detail/1000129
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。