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タイトル:jSj Vol. 183 『2018年11月25日国民投票結果は直接民主制の正念場か?』  2018/12/24


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★ jp-Swiss-journal - Vol. 183 - December 23, 2018 (Swiss Time)

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  【 目次 / INDEX / INHALTSVERZEICHNIS 】


【J】 2018年11月25日国民投票結果は直接民主制の正念場か?

                      明子 ヒューリマン

【E】 Are the Results of the Popular Vote on November 25, 2018
   approaching a crucial stage of the Direct Democracy?

                      Akiko Huerlimann


□━━━━━━━━━━━━【 日本語 】━━━━━━━━━━━━━━□


    2018年11月25日国民投票結果は直接民主制の正念場か?

                      明子 ヒューリマン


1.「角付牛の為の発議」 *1)

投票結果は「賛成」が45.3%、「反対」は54・7%。5つのカントンが賛成多
数という結果だ。投票率は46.7%。

発議者アルミン・カパウルのムードは、僅差で否決されたので悪くない。農
夫カパウルはこの法制化を今後国民議会に持ち込む意向だという。ドイツが
関心を示してミュンヘン紙がトップで報道した事をスイス・メディアは注目
した。反応は好意的だそうだ。実のところ、牛よりも山羊の方が、徐角でリ
スクがあると、投票結果の総括で(初めて?)言及された。農婦が反対した
のは、作業で危険が伴う為だそうだ。逞しいスイスの農婦も自分の牛でも注
意が必要という事か?いずれにしても、この議案は今後議会での議論を注目
することになる。

2.「自己決定発議」 *2)

投票結果は「賛成」が33.8%、「反対」は66.2%。賛成多数のカントンは皆
無という結果だ。投票率は47.7%。

ツューリッヒ大学法科教授でSVP(スイス国民党)の国民議会議員ハンスウェリ
・フォグト氏 *3) が議案を起草した。SVPは直接民主制を議論の中心に据え
ようとしたが、反対派がスイスの孤立化と人権問題に論点をすり替えた、と
フォグト教授は述べた。賛成派と反対派のキャンペーン合戦が派手に展開さ
れていた。しかし反対派による巨額の大キャンペーンが民意を誘導したこと
は明確に見て取れ、投票日前日の主要紙にも過激な反対広告が掲載された。

そもそも、大企業は直接民主制を歓迎していないと言われている。しかし、
SVPのストラテジスト、クリストフ・ブロッハー氏の実の娘が引き継いだグ
ラウビュンデンの化学製品メーカー「エムスケミー社」の企業業績は好調で
、国民議会議員でもあるマグダレーナ・ブロッハー社長 *4) は、「スイス
が国内法優先を憲法に記載しても、国際的に孤立する事はないし、経済活動
に問題が生じる事もない」と、新聞のインタビューで述べている。

反対意見は、スイスが相手国に疑わしい交渉相手国と思われる、スイスが孤
立し、その結果雇用が失われる恐れがある等の理由を挙げている。その実反
対派も直接民主制は引き続き支持すると明言している。しかし、国民投票の
結果を尊重しないのは矛盾する。スイスは「見せかけの民主主義
(scheinDemokratie)?」、と揶揄されても致し方あるまい。

アカデミックな人々までが口を揃えてSVPの「自己決定発議」を批判するの
は一体何故か?若しかすると、反対キャンペーンの真意は別にあるのか?つ
まり、どっちに転んでも、スイスを守れる反対キャンペーンをしよう、と言
う事なのだろうか?国際社会では油断のならない策謀が渦巻いているので、
諸外国を慰撫するめくらましなのか?輸出に頼る経済構造で、周辺国の様に
手遅れになってから対応しようとすると、大きな犠牲を伴う。不安を煽られ
ると揺らぐ国民心理は、失うものが大きいと感じる豊かな国故なのか?等々
様々思いを巡らせてみる。

ところで、カントン・アーアラウ の シュタッフェルバッハの投票結果が
179対179だった事が注目された。SVPのイニシアティヴのお陰で、スイスは
取り敢えず12月7日マラケシュで開催される国連の移民条約に調印しないこ
とにした。今後、議会と国民に問う事になる。ソフト・ロウは法的拘束力は
無いが、政治的圧力を受ける。SVPの議案は時期尚早だったという見方もあ
る。*5)

3. 「被保険者を監視する法的根拠改正法」 *6)

投票結果は「賛成」が64.7%、「反対」は35.3%。賛成多数のカントンは
ジュネーヴとユラのみだった。投票率は47.5%。

正式な議案のタイトルはドイツ語原文が「Aenderung des Bundesgesetzes
ueber den Allgemeinen Teil des Sozialversicherungsrechts (ATSG)
(Gesetzliche Grundlage fuer die Ueberwachung von Versicherten)」。
日本語に訳すと「社会保障法全般に関する連邦法改正(ATSG)(被保険者監
督の法的根拠)」。不正受給者の監視について、「社会保険機構」、「警察
・司法当局」、「情報機関」による具体的な監視方法や範囲を政府・議会が
定めた法律だ。

この法律に反対する「保険スパイ反対 (versicherungsspione-nein)」委員
会 *7) がオンラインNPO「We collect」 *8) でキャンペーンを開始した。
発議委員会のディミトリ・ルギーは、3日間で1万筆以上署名を集め、SMSで
1万人がぞれぞれ署名を数筆集めるという手法を採ったと説明した。およそ
3分の2の署名は個人によるもの。アムネスティー・インターナショナル、や
緑党、その後SP(社会民主党)等の組織が国民投票の後ろ盾になって、3分の1
の署名を集めた。ソーシャルメディアのキャンペーンで発議し初めて採用さ
れた国民投票と注目された。

民間人が国民投票を手中にした事実を、ツューリッヒ大学の政治学者ミヒャ
エル・ヘルマンは新しい出来事と注目した。 *9) 一般人が国民投票を発議
出来るようになるということは、確立された政治機関から市民運動への権力
の移譲を意味すると分析。この事は改革を困難にする可能性もあると言う。
例えば、議会で好ましい妥協案が交渉されていたとしても、常に国民投票で
脅かされる可能性があるという訳だ。共同発議者のシヴィル・ベルク *10)
はウィキペディアによると、ドイツ語圏で最も挑発的な作家の一人と称され
ている。東独に生まれた彼女は、西ドイツ経由で1996年ツューリッヒに移住
し、2012年にスイスの市民権を取得した。

ツューリッヒ大学の政治学者トーマス・ヴィリック *11) は、インターネッ
トで5万人の賛意を集める事は出来るが、5百万人の有権者の賛意を得るのは
難しい、と分析する。一先ず安堵と言うところだが、こういう類の兆発者は
今後も現れる可能性があるので要注意だ。そもそもの発端は、「欧州人権裁
判所」の「被保険者に対する監視の法的根拠が不十分」という形式的な判断
が下されて、スイスでこの法改正が行われた。現実に不正受給が疑われる社
会保険受給者がいるので、関係当局の抑制的監視は不可欠だ。従って立証す
る為の手段も当然必要となる。この議案についても、受給者側の立場を擁護
する、つまり左派勢力を擁護する報道が目についた。

今回投票率はいずれの議案も40%を超え、投票率に改善が見られたのは良い
兆候だ。だが大規模キャンペーンで動員された結果、他の議案もついでに投
票した可能性も否定出来ず、手放しでは喜べない気がする。スイスの直接民
主制は意外に脆いものらしいという気がしてきた。国民投票を、世論調査や
大キャンペーンで思いのままに操作出来る層がいる。大手メディアも取り込
まれているらしい兆候が見受けられる。個人で得られる政治情報はメディア
からの報道に限られるので信じないわけにはいかないが、注意深く受け止め
る必要を感じた。


【 参照 】

*1) Hornkuh (角付牛の為の発議):
https://www.bk.admin.ch/ch/d/pore/va/20181125/det623.html
https://www.srf.ch/news/schweiz/abstimmungen/abstimmungen/hornkuh-initiative
*2)自己決定発議:
https://www.bk.admin.ch/ch/d/pore/va/20181125/det624.html
https://www.srf.ch/news/schweiz/abstimmungen/abstimmungen/selbstbestimmungs-initiative
*3) ハンス・フォグト: https://hansuelivogt.ch/
https://www.svp.ch/partei/personen/detail/hans-ueli-vogt/
*4) マグダレーナ・マルトゥッロ=ブロッハー:
https://www.svp.ch/partei/personen/detail/magdalena-martullo-blocher/
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%A0%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%9F%E3%83%BC 
*5) SVPの議案は時期尚早?:
https://www.srf.ch/news/schweiz/abstimmungen/abstimmungen/resultate-und-analysen-svp-nationalrat-vogt-selbstbestimmungs-initiative-kam-zu-frueh
*6) 被保険者を監視する法的根拠改正法:
https://www.bk.admin.ch/ch/d/pore/va/20181125/det625.html
https://www.srf.ch/news/schweiz/abstimmungen/abstimmungen/ueberwachung-sozialversicherte/kleiner-roestigraben-volk-befuerwortet-den-einsatz-von-sozialdetektiven-deutlich
*7) 過剰な監視にNO:
https://versicherungsspione-nein.ch/argument
*8) wecollect: https://wecollect.ch/de/campaign/ueberwachung/
*9) Ungewoehnliche Sammlung - Referendum gegen Sozialdetektive
kommt zustande:
https://www.srf.ch/news/schweiz/abstimmungen/abstimmungen/ueberwachung-sozialversicherte/ungewoehnliche-sammlung-referendum-gegen-sozialdetektive-kommt-zustande
*10) シヴィル・ベルク:https://en.wikipedia.org/wiki/Sibylle_Berg
*11) Thomas Milic、political scientist:
https://www.ipz.uzh.ch/de/institut/mitarbeitende/staff/milic.html


【 編集後記 】

政治を観察していると、必然的に自分の政治的立ち位置が問われる事態に遭
遇する。スイスでは特定の政党を支持する立場を取っていない。スイスは権
力が分散する政治制度を採用している為、政治課題を左派、中道、右派と一
律に判断出来ない為だ。政治制度としては、スイスの制度は理想に近い健全
性が担保されていると思う。


□━━━━━━━━━━━━【 English 】━━━━━━━━━━━━━□


   Are the Results of the Popular Vote on November 25, 2018
   approaching a crucial stage of the Direct Democracy?

                      Akiko Huerlimann


1. "Horned Cow Initiative" *1) 

Voting results: "Yes" was 45.3%, "No" was 54.7%. Five Cantons
approved it by a "Yes"-majority of. Turnout of voters was 46.7%.

The mood of the initiator Mr. Armin Capaul is not bad because the
Initiative was rejected only by a close margin. Farmer Capaul said
that he intends to bring this bill to the National Parliament. The
Swiss media noticed that even Germany showed interest into the
matter as a Munich newspaper reported about it on the top. The
German reaction seemed to be favorable. As a matter of fact, goats
are more risky than dehorning that was mentioned in the summary of
the voting results (the first time?). A female farmer opposed that
opinion due to the dangers involved in the work. Is it that even
powerful Swiss women have to be careful with their own cows too? In
any case, this bill will draw attention to discussions in the
Parliament further.

2. "Self-determination Initiative" *2)

Voting results: "Yes" was 33.8%, "No" was  66.2%. No Canton reached
a "Yes"-majority. Turnout of voters was 47.7%.

Mr. Hans-Ueli Vogt, Professor of Law at the University of Zurich and
Member of the Swiss National Parliament of the SVP-party (Swiss
People's Party); he is the author of the bill. Professor Vogt said
that although the SVP tried to set the Direct Democracy at the
center of the discussion, the opposition side however switched the
focus to the isolation of Switzerland and to human rights issues.
The battle of the campaign in favor and against the Initiative had
developed flamboyantly. It was clear that the large and powerful
opposition campaign funded with a huge amount of money induced the
people's will largely, and extreme advertisements were also posted
on major national newspapers even on the day before the voting.

In the first place, it was said that major companies do not welcome
the Direct Democracy. However, the corporate performance of the
major chemical product manufacturer "EMS-CHEMIE Ltd." based in
Graubuenden (GR), which was taken over by SVP strategist Mr.
Christoph Blocher's own daughter, is good, and Mrs. Magdalena
Martullo-Blocher, CEO of "EMS" is as well a Member of National
Parliament; she said in a newspaper interview, "Even if Switzerland
stipulates the domestic Swiss law as priority into the constitution,
Switzerland won't be isolated internationally and problems will not
arise in economic activities".

Reasons of the opposed opinions are such as, Switzerland might
become an unreliable partner for negotiations with partner
countries, Switzerland might be isolated, and as a result,
employment (jobs) might be lost. In fact, the opposition declared
that they will continue to support Direct Democracy too. However,
doesn't it contradict not respecting the results of popular votes.
Can't it be helped to be poked fun at Switzerland, is it "Sham
Democracy"?

By the way, why are academic people criticizing SVP's "self-
determination initiative" in chorus? Is there possibly another real
intention in the opposition campaign? I do wonder, in other words,
would the against campaign be able to protect Switzerland in either
case? Is it for soothing other countries? Because the international
community swirls insidious plotting. The Swiss economic structure is
largely based on exports; however, if it is necessary to react to
certain incidents, hopefully it's not too late like events in
neighboring countries show, otherwise it might entail great
sacrifice. The national psychology can be shaken when fed by unease,
is it because of rich countries, which feel having a lot to lose? I
wonder whether it is this or that.

By the way, it was noticed that the voting results in the little
municipality of Staffelbach (Canton of Aarau) was 179 vs. 179.
Thanks to political activities by the SVP in Parliament and in
public, the Swiss Government (Bundesrat) decided not to sign the
Immigration Treaty of the United Nations at the UN-Conference held
in Marrakech on December 7, 2018. In the future, the Swiss
Government is asked to present such treaties to the Parliament for
discussion and decision making, possibly the Swiss people can also
vote about it. Soft Law is said not to be legally binding, but it
can exercise political pressure on a country. There were also views
that the SVP's bill was premature. *5)

3. "Statutory basis for monitoring claimants" *6) 

Voting results: "Yes" was 64.7%, "No" was 35.3%. Only the Cantons of
Geneva and Jura reached  a "Yes"-majority. Turnout of voters was
47.5%. 

The official title of this bill in German was "Aenderung des
Bundesgesetzes ueber den Allgemeinen Teil des Sozialversicherungs-
rechts (ATSG) (Gesetzliche Grundlage fuer die Ueberwachung von
Versicherten)". The English translation can be "Amendment of the
Federal Law on the Social Security Act in General (Legal basis for
supervision of insured persons)". With regard to the surveillance of
illegal beneficiaries, Government and Parliament set specific
monitoring methods and the scope by the "Social Insurance
Organization", the "Police and Judicial Authority", and
"Intelligence Agency".

The "Versicherungs-Spione-Nein" (Insurance Spy No) Committee *7)
opposed to the amended Law by starting a Referendum campaign through
the Online NPO "We collect". *8) Mr. Dimitri Rougy, a Member of the
Referendum Committee explained their method of collecting
signatures; getting more than 10,000 signatures in three days, and
then those 10,000 people should collect again further new
signatures. Approximately two thirds of the signatures are from
individuals. Organizations such as Amnesty International, the Green
Party, then SP (Social Democratic Party) became the backbone of the
initiative, those collected a third of the signatures. It was
emphasized to be the first popular vote, which was initiated through
a Social Media campaign.

Michael Hermann, a political scientist at the University of Zurich,
emphasized the fact as a new phenomenon that private citizens
achieved a popular vote. *9) He analyzed that the public becomes
able to initiate popular votes means, a transfer of power from
established political institutions and parties to citizen movements.
He said that there is a possibility that reforms will become
difficult. For example, even if a favorable compromise was
negotiated in Parliament, there is a possibility that it will always
be threatened by a popular vote. Co-proponent Sibylle Berg *10),
according to Wikipedia, is one of the most provocative writers in
the German-speaking world. Born in the past East Germany (DDR), she
moved to Zurich in 1996 via West Germany, and acquired Swiss
citizenship in 2012.

Thomas Milic, *11) a political scientist at the University of
Zurich, analyzed that you can obtain the approval of 50,000 people
on the Internet, but not of 5 million voters. It is somewhat
relieving for now, but that type of provocateurs will possibly
appear again in the future, so caution is needed. Initially, the
reason why that amendment of the Law was made in Switzerland was
that because of a formal judgment by the "European Human Rights
Court", which stated that "the legal grounds for surveillance of
insured persons was insufficient". Actually there are a number of
social insurance beneficiaries suspected of being fraudulent, so
restrained monitoring by relevant authorities is essential.
Therefore, evidence is obviously necessary. As for that bill, I
also noticed reports defending the position of the recipient side,
that is, defending the leftist forces.

This time, it was a good sign that the turnout of voters exceeded
40% in all the bills, and that was seen as an improvement. However,
as a result of the mobilization by a large scale campaign, it is
possible that other bills are also automatically voted at the same
time; therefore, I feel not very happy with it. I feel that the
direct democracy in Switzerland seems to be surprisingly fragile.
There are demographics that can manipulate popular votes as they
wish in opinion polls and by large campaigns. There are signs that
major media are being taken in. As we can get political information
only through media, we have only that way to believe them, but I
think we have to receive the information carefully.

 [Reference]

*1) Hornkuh/Horned Cow:
https://www.bk.admin.ch/ch/d/pore/va/20181125/det623.html
https://www.srf.ch/news/schweiz/abstimmungen/abstimmungen/hornkuh-initiative
*2) Selbstbestimmung/ Self-determination:
https://www.bk.admin.ch/ch/d/pore/va/20181125/det624.html
https://www.srf.ch/news/schweiz/abstimmungen/abstimmungen/selbstbestimmungs-initiative
*3) Hans Vogt: https://hansuelivogt.ch/
https://www.svp.ch/partei/personen/detail/hans-ueli-vogt/
*4) Magdalena Martullo:
https://www.svp.ch/partei/personen/detail/magdalena-martullo-blocher/
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%A0%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%9F%E3%83%BC 
*5) Was SVP Bill too early?:
https://www.srf.ch/news/schweiz/abstimmungen/abstimmungen/resultate-und-analysen-svp-nationalrat-vogt-selbstbestimmungs-initiative-kam-zu-frueh
*6) Überwachung Sozialversicherte:
https://www.bk.admin.ch/ch/d/pore/va/20181125/det625.html
https://www.srf.ch/news/schweiz/abstimmungen/abstimmungen/ueberwachung-sozialversicherte/kleiner-roestigraben-volk-befuerwortet-den-einsatz-von-sozialdetektiven-deutlich
*7) NEIN zu massloser ueberwachung:
https://versicherungsspione-nein.ch/argument
*8) wecollect: https://wecollect.ch/de/campaign/ueberwachung/
*9) Ungewoehnliche Sammlung - Referendum gegen Sozialdetektive
kommt zustande:
https://www.srf.ch/news/schweiz/abstimmungen/abstimmungen/ueberwachung-sozialversicherte/ungewoehnliche-sammlung-referendum-gegen-sozialdetektive-kommt-zustande
*10) Sibylle_Berg:https://en.wikipedia.org/wiki/Sibylle_Berg
*11) Thomas Milic、political scientist:
https://www.ipz.uzh.ch/de/institut/mitarbeitende/staff/milic.html


[Editor's comment] 

When I observe politics, I inevitably encounter situations where
my political position is questioned. I do not take a position to
support a particular political party in Switzerland. Because
Switzerland has adopted a political system, in which the power is
dispersed, it is therefore impossible to judge political issues
uniformly with leftist, middle, or right wing eyes. As a political
system, I think the Swiss system guarantees nearly an ideal
soundness.


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