メルマガ:toxandoriaの日記
タイトル:直近記事に[エピローグ]を追加しました .  2018/01/09


直近記事、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20180107 に[エピローグ]を追加しました。
・・・画像は、上のURLでご覧ください。

・・・

[エピローグ]映画、上海の伯爵夫人(脚本:カズオ・イシグロ)について


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https://www.cinematoday.jp/movie/T0004818

・・・この映画の舞台は1936年(南京事件1年前) の上海 であるが、それは「当ブログ記事の重要モチーフとなる、中華人民
共和国が成立して「新民主主義」段階(1945〜1952年辺り)へ移行する直前の時代の中国・疎界地周辺の空気を良く描いている。


この映画を初めて観た時(2006)に些か驚いたことを記憶している。それは、この映画が感動の「ラブロマンス」であるととも
に、静かながら深く心に残る「反戦映画」であったからだ。恐らく、この「反戦映画」の側面を強くアピールする宣伝では集客
が困難になるとの判断があったのか、当時のこの映画の宣伝文の類にそのことを覗うくだりは片鱗もなかったが。(なお、この
映画は、そのノーベル文学賞・受賞の契機になったとも言えるカズオ・イシグロ原作の映画化である『日の名残り』(『上海の
伯爵夫人』 と同じジェームズ・アイヴォリー監督))と共にツタヤのレンタルで鑑賞できる)。


無論、『上海の伯爵夫人』の脚本は、あのブッカー賞(英国内ではノーベル文学賞より高い評価が与えられている!)に輝く英
国文学の名手、カズオ・イシグロの書き下ろしであり、名匠ジェームズ・アイヴォリー監督の感動的で風格ある文芸作品だ。そ
して、ここでもアイヴォリー映画の主人公たちは“たとえ彼らがどのような星の下にあるとしても、常にひた向きに、誠実に自
分の目前のリアリティーを凝視し、いつでも相手や周囲に対して十分過ぎるほどの思いやりを持つことができる強い人間として
生き続ける”のだ。


しかも、この『上海の伯爵夫人』を観た後には、主人公たちのひた向きな生き方への感動とともに「戦争の恐ろしさ・愚かさ、
そして戦争へのめりこむ追憶のカルト一派(今で言えば安倍晋三、金正恩、トランプら)のバカバカしさ」が深く強烈な印象と
して心に残る。無論、“平和! 平和! 平和!”と何百万回も叫び続けることは大切だが、このような映画の鑑賞が人々の心

の奥深くへ与える影響力も決して無視できぬほど大きいのではないだろうか?そのような意味で、これは今こそ鑑賞に値する秀
作だと思っている。


ラストシーンに近い場面(この映画の舞台は1936年、つまり南京大虐殺が起こる1年前の上海)だが、主人公ジャクソン(レイ
フ・ファインズ/国際連盟で活躍した米国の元外交官だが不幸な運命の悪戯で妻子を亡くし、自らは盲目となっている)を侵攻
する日本軍の砲撃から救おうと訪れたマツダ(真田広之/実は日本軍部のスパイ)がジャクソンから、それを断られた時に“信
頼関係を築いた友人”としてのマツダが残す言葉が脳裏に焼きつく。


『あなたは、本物の白い伯爵夫人とともに生きて新しい別の世界を築くべきだ! が、自分は日本が“美しい国”の一等国にな
ることを信じ自分の任務を果たすだけだ・・・・・・』(白い伯爵夫人(The White Countess)はジャクソンの夢が実現して
出来た店(バー)/落ちぶれたロシア貴族である、伯爵夫人(ソフィア)を演ずるのはナターシャ・リチャードソン)


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https://iwj.co.jp/wj/open/archives/279662

当然のことながら、この映画が作られたのが2005年であるので、2006年の日本で“美しい国”を標榜する安倍政権が誕生する
ことなど知る由はなかっただろう。しかし、結果的に見て、カズオ・イシグロとジェームズ・アイヴォリーは見事に今の“偽
装極右化したうえに、益々、異様化しつつある日本”(つまり、今や何も憚ることなく緊急事態条項(事実上の治安維持
法!)を“改憲”の“最優先目的”化することを堂々と宣言するレベルまで凶暴化したアベ一強下の日本!/添付画像)の姿
を見通していたようである。


少し補足しておけば、 「国民主権を最優先する憲法」に、言い換えれば「立憲主義を蓋然的に規定する民主“憲法”」に<緊
急事態>を書き込むのは、事実上、総統・総裁型権力の暴走を許すナチ(戦前)型「国家総動員法」の復活であり、かつ戦前
型“治安維持法”成立に道を拓くことになるということだ。それは、ダン・ザハヴィの現象学的「主観性」の用語で言えば、
必ず、ヒトの自我の深奥に潜み蠢く悪徳(全天候型の悪魔的な権力)意思の存在(例えば、アベ一強政権の如き)に対し、国
民主権の取り扱いを100%(全面)委任するという恐るべき事態を招来することと同意である(ダン・ザハヴィの委細はコチラ⇒http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20171109)。


なお、この映画のヒロイン(ソフィア)を演ずるナターシャ・リチャードソンの母親は英国の名女優のヴァネッサ・レッドグ
レイヴ(彼女はこの映画で、ソフィアの義母の姉オルガを演じている)である。彼女は、映画「ジュリア」でアカデミー助演
賞を受賞し、舞台では2003年にユージン・オニールの「夜への長い航路」でトニー賞を受賞している。また、彼女は反体制の
闘士としても有名で、政治的発言やデモへの活発な参加などでもよく知られている。欧米の映画や舞台芸術の懐は深い。


・・・追加、参考情報・・・


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このザマ、つまりアベ一強政権がもはや向かうところ敵なしと思ってか?今や好き放題であるこの異常な状態の最中に、もし
本当に“緊急事態条項”が憲法に書かれたらどうなる?苦w ◆↓⇒「ドラマ『相棒』に“官邸のアイヒマン”北村滋内閣情
報官が登場!? 公安が反町や仲間由紀恵を監視・恫喝する場面も/安倍官邸は公安警察を使って官僚たちを勤務時間外もその
監視下に置くなど、徹底!2018.01.06 リテラ http://lite-ra.com/2018/01/post-3721.html 

・・・◆それは、ダン・ザハヴィの現象学的「主観性」の用語で言えば、必ず、ヒトの自我の深奥に潜み蠢く悪徳(全天候型
の悪魔的な権力)意思の存在(例えば、アベ一強政権の如き)に対し、国民主権の取り扱いを100%(全面)委任するという恐
るべき事態を招来することと同意である。 https://www.evernote.com/shard/s440/sh/dff1b946-a2c4-473d-bd49-61500c725a1a/76cc3c4cdf50bae9bdc4ac09f03fef29  


・・・そして、遂に「日本外交の危機」を宣言!? 笑うに笑えぬ<偽装極右>権力の情けなさではないか!

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