メルマガ:toxandoriaの日記
タイトル:安倍・トランプ・ルペンら極右「オレオレ反知性主義」に代わる・・・(2/2)  2017/06/04


BN[希望のトポス]安倍・トランプ・ルペンら極右「オレオレ反知性主義」
に代わる「民主主義Stage2」の土壌、エトノス、マイクロバイオーム、コンシリエンス、AI活用は、EUが苦闘する「新世界」へのプレゼンス!(2/2) 
toxandoria2017-03-20

(注)お手数ですが、当記事の画像は下記URLでご覧ください。
http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20170320

2「テロ・右傾化・新自由主義」のアナクロ洗脳、「リリース&恫喝(飴と
鞭)」のループを解き「コンシリエンス&AI」で共生の新世界を拓くには何が
必要か?


・・・いまEUが苦悶し模索する「民主主義Stage2」の根幹/それはポピュリ
ズムと癒着し易いアナクロニズム(極右)の致命的欠陥への気付き・・・


(1)トランプorルペンら極右の欺瞞(反知性主義の正体)を見据えるEUの
ネクスト、それは左右派の垣根を超える「民主主義Stage2」への挑戦


・・・今こそ、左右派の垣根を超えた「民主主義Stage2」を本気で模索する時!・・・

社会学者の大澤真幸が、20170312朝日(下記★1)で、<トランプが勝利した
米大統領選の過程ではクリントン派のリベラルが一貫して正しいことを主張し
ていたにも関わらず、彼らは絶えずツボを外していたという興味深い視点>を
主張している。


が、そのツボとは何か?それは、ネオリベラリズム(新自由主義)の暴走で貧
困層へ堕ちた人々の苦痛を知性主義に宿命的に付き纏う上から目線の傲慢さ
(殆どのリベラルにその意図はないとしても、負け組の貧困層の目線からすれ
ばそのように見えてしまうことは十分に頷ける!)ということだ。言い換えれ
ば、それこそ地政学的な意味でのヨーロッパではなく、一つの世界観としての
欧州啓蒙主義、知性主義、理想主義に由来するリベラリズム(自由主義)のこ
とだ。


また、大澤は、<同じ欧州と米国の亀裂について、仏のE・トッド(歴史人口
学者・家族人類学者)は2002年の著書『帝国以後』(2003/文春新書)で既に
見抜いており、更にトッドは2016年に“米国のラストベルトが象徴する低学歴
・中年白人層の死亡率が異常に高いことから今回の大統領選では新たな階級闘
争意識が雌雄を決する”と見通していた。だからクリントンの敗北は米国での
ヨーロッパ的知性主義(リベラル派)の敗北を意味するのだ>とも指摘してい
る(関連参照/下記★2)。


しかし、既にEU(その関係者ら)も当記事で大澤が指摘していること(リベラ
ル・中道派が攻撃されたツボ、彼らリベラル派が傲慢に見えてしまう知性主義
の欠陥について)は理解しており、そのための対応策も十分に練られつつある
と思われる。そして、直近に起きた、その象徴的な出来事が後述する、「EU
がポーランド出身のトゥスク大統領(常任議長)を再任」したことである(ト
ゥスクの出身国ポーランド(今は、嘗てトゥスク政権を批判していた『法と正
義』の極右政権)は反対したが)。


★1(ひもとく)トランプが立つ世界 リベラルな多文化主義の敗北 大澤真
幸20170312朝日、http://ur0.pw/Cj2s 


★2 トランプ勝利を支えたと見るべき「米国・宗教右派」(プア―・ ラス
トベルト にほぼ重なる バイブル・ベルト の人々)と「日本会議」の決定的
差異とは?http://ur0.pw/Cj2x

・・・その決定的差異は、やはり <古代〜中世〜近代まで非常に長く続いた
神仏習合の歴史の中で、立派な仏典(諸経典)を持つれっきとした唱導宗教で
あるはずの仏教の奔流から市民・庶民層の人権を重視する中庸な政治的イデオ
ロギー(古代の仏教鎮護国家論は全く異質!)を結晶させることが叶わなかっ
たとの意味で、一種の思想史上の欠陥を日本が抱え込んだまま名バカりの現代
民主主義国家を標榜してきた>という点にあり、そこに維新期〜安倍政権に迄
およぶ国家神道派がしぶとくつけ入るという構図である。

因みに、トランプ(“化石燃料&原子力”エネ政策、古典的保護主義、暴走新
自由主義、の三政策(リーマン再来を呼びかねない愚策?)を掲げ、環境・AI
・バイオ等新世界への希望に盲目なアナクロ・ジレンマに嵌っている!/関連
参照↓★3)がリベラル派のツボ(一見、上から目線に見える弱点)を攻撃す
るために使った「超格差から生まれた欲求不満を外敵(移民、テロ等)へ転嫁
しつつ非道徳的な正当性を欠く激烈なフレーズと妄想観念をぶちかますこと」
で扇動する手法は(しかも、そのアンチ・リベラルの具体的代替策は相変わら
ず空白のまま!)、ラストベルトの白人層と共和党で一定の勢力を持つ宗教右
派層(キリスト教原理主義派)が主体の約40%台のトランプ固定支持層が支え
ているものの、これがいつまで続くかは見通せない(関連参照⇒Gallup Daily Trump Job Approval Gallup http://ur0.work/CeIl )。


★3【動画】BS11 寺島実郎の未来先見塾〜時代認識の副読本〜3月10日
(金)「トランプ政権経済政策の死角」(真壁昭夫(信州大学 経法学部教授)
との対談)http://ur0.pw/Cj2z

また、これは右傾化しつつある欧州諸国にも共通することだが、ルペンにせよ、
その他諸国の極右派にせよ、彼らが採る手法に米トランプと大差がある訳では
ない。乱暴に言えば、これら極右ないしは極右モドキに共通するのは<狭い範
囲の仲間内でしか通用しない妄想の尺度(物差し)で作ったリアル感を如何に
も分かり易く扇動口調で語りかけ、人々の不満を解消しつつ味方へ誘い込む>
という、いかさま師、手品師、幻影師らが使うソレである。


そして、特に問題なのは、同様に見えるがこれらと全く異質なわが日本、安倍
政権の文字通り古色蒼然たる国家主義と戦前期のカミカゼ神国に激しく憧れる
復古主義だ。それは、<正統保守ならぬ幕末〜維新期・尊皇テロ派の狂想を引
継ぐ偽装極右、国策強盗団である『安倍政権、日本会議』一派に仕切られる日
本の悲惨!/テロ&右傾化で混迷するEUで重要な役割が期待される『ポーラン
ド伝統の中道政治意識(中道右派)』と余りにも対照的>という、我われ普通
の感覚を持つ日本人が全世界に向けて顔向けができないほど恥ずべき“深刻な
アナクロ二ズム病”に嵌っているからだ。


(2)左右派の垣根を超える「民主(&資本)主義Stage2」とは?


・・・それは、多数派国民層の極右アナクロニズム没入を回避するため「ラン
ゲ・モデル的理念の再認識」を、「AI活用等の地平で発見・着想されたコンシ
リエンス(委細、後述)」の知見で再開示・再表現しつつ、より分かり易い啓
発のための努力を継続すること・・・

異常な高給取りのスーパー経営者もなく、「ある程度の社会的モビリティも 
備わっている全員中流化」をめざしていた、かつての日本の行き方は、格差を
前提とする「ネオリベ・エリート(エスタブリッシュメント)資本主義」(過
剰な市場原理主義に吞み込まれたリベラル民主主義社会を土壌とする)とは異
質のはずであった(以上は、上掲書『EU騒乱』より部分転載)。


無論、イデオロギー的にそれを全否定する立場や考え方もあるだろうが、市場
における勝者or敗者が一方的に一人勝ちする資本主義(orいずれにせよ市場機
能を媒介する経済へ移行せざるを得ない宿命にあった共産主義/現在の中国の
姿に、この矛盾が如実に現れている!苦w)などあり得ないのだ。そして、こ
のことはポーランドの偉大な経済学者、オスカル・ランゲが理論的に証明して
いることだ(ランゲ・モデル/関連参照↓*1)


*1【欧州連合(EU)の根本にあるランゲ・モデル的理念の再認識】安倍晋三
らの如き“擬装アナクロ保守”ならぬ、『正統保守』とはどのような立場と考
えるべきか?/ポーランドが生んだ経済学者オスカル・ランゲの市場社会主義
(欧州連合EUの根本理念)が一つのヒントになる(以下・・・   ・・・は、20130923toxandoriaの日記、http://ur0.pw/Cj2F より部分転載)


・・・「元々がヤヌス的な意味での合わせ鏡的存在であった極左と極右の対決
と論争(資本主義VS共産・社会主義、ごく平たく言えば『未だにネット上など
で延々と続けられている“お前はウヨだ!お前はサヨだ!”の類の不毛な論
争』が愚の骨頂であるコト(それは、「フクシマ3.11原発過酷事故」等由来の
過酷な放射線を平等に浴び続ける現下の日本国民の“茹でガエル”状態と殆ど
同義であり、このことを見過ごすならば、結局は“皆が同じ穴のムジナ”と化
す!こと)の意味については、ポーランドが生んだ大経済学者オスカル・ラン
ゲの市場社会主義(欧州連合、EUの根本理念)に関する数理経済学上の業績
(ランゲ・モデル)!が見事に説明している。


・・・周知のとおり、欧州連合(EU)の根本理念は<富の独占・偏在による格差
がもたらす不平等と社会全体の非効率のトレードオフ>への危機感を最大限に
重視する公正な社会機能、ソシアル(憲法によって正当な自由が保障された国
民の一人ひとりが“社会貢献と相互扶助の役割、および社会的義務の意義”を
心底から自律的に自覚できる民主主義社会)を理想とするということだった。
そして、当然ながら、そこで市場経済を捨てるということは意味しておらず、
別に言えば、それはランゲ・モデルが理念化されたものであるといえよう。


・・・無論、現実の欧州各国には左派・右派あるいは宗教系政党などが存在す
るが、いわば、それらはEU(欧州連合)のメタ次元の理念ともいえる「市場
社会主義」と「政教分離の原則(フランスのライシテ(laicite)など/その
核心的意味は、個人的信仰の自由と他宗教への十分な配慮・尊重・寛容が鉄則
とされていること)」の下でこそ存在意義があるということだ。


・・・<未だに、戦前型・軍国ファシズムを信条とする偽装極右派への回帰を
隠然と画策する勢力が大きな顔をし続ける日本(Ex.安倍政権なる“追憶のカ
ルト”政治/本居宣長の国学についての誤解(詳細、後述)に基づく軍神・靖
国英霊信仰と原発カルト・アニミズム信仰の国策融合を謀る”という意味での
米国トランプ政権>と<EU(欧州連合)>の根本的違いは此の点にある。


・・・そして、アカデミズム・レベルでの厳密な用語(術語)の定義はともか
くとすれば、各国で多数派を占める一般国民層のレベルにおいて、このような
メタ次元の理念である「市場社会主義」と「政教分離の原則」についての理解
の深まり、つまり<些かでもその保全努力を怠ればたちまち崩壊する恐れがあ
るフラジャイルな、民主主義の共有観念(間主観性としてのソシアル空間)>
を更に改良しようと努力するEU(欧州連合)の政治のあり方こそ、まさに新
しい「正統保守」の一つの姿であると見るべきかもしれない(関連参照/後述
の『3−“AIとヒト”の意識の差異』)。


このような欧州連合(EU)の根本理念と比べてみても、様々な欠点があったとは
いえ戦後70年の日本も「ソシアル」への一つのモデル・プロセスであった。
まれたネオリベ・エリートが支配する思い違いのリベラル(安倍自民も民主党
も、この意味で同じアナクロに嵌っている!)」の帝国、および多数国民層が
ノホホ〜ンの空気の中で選んでしまった「偽装極右」権力(日本会議が仕切り、
三権分立のバランスを喪失したという自覚も消え失せたアベ・カルト・アナク
ロ極右政治)に呑み込まれている。

・・・しかし、今なら未だ日本は、薄皮一枚の苛烈な意識変革の鬩ぎ合いの戦
場に呑み込まれてしまったEU(欧州連合)と共に21世紀型へ改良・再生された
民主主義と経済社会の、いわば「民主主義・資本主義Stage2」のリーダーに
残された時間は少ないかも知れぬが。そして、此処で気づくべきなのが後述す
る<エトノス、マイクロバイオーム、コンシリエンス、AI活用>こそ、我われ
を新世界(古典的な資源浪費&環境破壊型のそれではない無限の成長可能性に
満ちたニューワールド)へ導くプロセスであり、土壌であるということだ。

*2 今や「テロと右傾化の次は何か?」を考えるべき時だから、これを邪魔
する錯誤の復古主義者たち、#日本会議、#安倍晋三・記念「国家神道小学校」
(#森友学園)ら、アナクロ&野合カルト一派は早々に白旗を掲げて日本の表
舞台から退場せよ!Cf.広岡裕児『EU騒乱―テロと右傾化の次に来るもの―』
(新潮社)只のオッサン(脱原発への急転向者)‏@shinkaikaba 2017年2月25日

・・・

上掲の『EU騒乱―テロと右傾化の次に来るもの―』によれば、上で見たとお
り、広義のアナクロニズムの呪縛に深くはまり込んだままの米トランプ政権、
あるいは日本の安倍政権と異なり、薄皮一枚の過酷なアナクロニズムへの揺り
戻しの誘惑(テロと右傾化の大波)の飛沫を全身に浴びながらも、いまEUは果
敢に未来世界、「民主&資本主義Stage2」へ挑戦しており、その中核理念は
「戦争の建設」(民主主義のための戦争)ならぬ「平和の建設」(戦争を回避
する平和の実現)への新たな決意である。


それを経済面から見た場合、確実にその視野に入っているのが<エトノス(エ
トノス環境)、マイクロバイオーム、コンシリエンス、AI活用>の概念に因る
新世界(人類のためのニューワールドの開拓)ということである。委細は次章
に譲るが、その一例として「EUにおけるロボット・AI技術におけるコンシリエ
ンス的な考え方の先行性」の核心部分を以下◆に紹介しておく(出典:『欧米
における AI ネットワーク化に関連する政策・市場動向』平成28年4 月/一般
財団法人マルチメディア振興センター提供資料http://ur0.pw/Cj2J )。


◆「文化>科学(AI等先端技術)」と見立てる、人間知の位置づけ・・・これ
はコンシリエンス(人文知と科学(科学技術)知の友好的融合)のベースとな
る重要な観点である。新興技術の規制における倫理・哲学の役割は、その技術
に社会的意味付けを与えることであり、その使用法に関する「文化」を規定す
ることである。そして、そのポイントは次の二つ。


(1)欧州では、忘れられる権利やデータ保護等の規則導入等、社会と人間へ
の影響を想定した具体的(で、かつコンシリエンス的/補足、toxandoria)な
制度整備や、論点整理等が進展している点が、今後の日本における議論や対応
策の検討のうえで、参考になると思われる。


(2)(6the Future of Intelligence:LCFI)がケンブリッジ大学に設立さ
れ、人類に利益をもたらすための AI の在り方について、コンピュータ科学、
認知学、哲学、社会科学などの多分野にわたる学際研究を進めるとしている
(Brexitにも拘らず、必然的にアカデミズム界の英=EUの結びつきは強い)


(米トランプor仏ルペンら極右の欺瞞(目的論の囚人こと反知性主義が共有す
るゾンビ性の正体)に気づいたEUの苦闘が更に続く!)


大統領(常任議長)を再任(トゥスクの国ポーランド(今はゾンビ的な極右
『法と正義』が独裁政権を司る/感情の反転とも見える幽霊はヒトのため有益
な側面もあるが、一切無感動なゾンビは機械的冷酷さが正体!)は反対した
が・・・)・・・

・・・以下、[20170310朝日、http://ur0.pw/Cj2Z ]より、部分転載・・・


・・・欧州連合(EU)は9日、ブリュッセルで首脳会議を開き、5月末で2
年半の任期が切れるトゥスク常任議長(大統領に相当)の再任を決めた。任期
は2019年11月末まで。同氏の出身国ポーランド(与党の『法と正義』政権)が
反対し、異例の多数決となったが、他の国々が賛成した。

・・・『法と正義』はトゥスク氏が首相(当時の与党、中道右派の『市民プラ
ットフォーム(PO)』は西欧的な民主主義の価値観の政党)だった時の野党で
の支配の原則に違反する可能性があるとして、EUが調査を続けている
(『法と正義』(PIS)の暴走を批判する市民からの批判デモが活発化してい
る!/補足、toxandoria)。Cf. 「欧州委員会、ポーランドの最新情勢を討
議し、補足的勧告を発出」EU News http://ur0.pw/Cj35 


・・・トゥスク氏は、難民危機への対応など加盟国の意見が割れる場面で、手
堅い交渉手腕を発揮しており、ドイツのメルケル首相ら大半の首脳が首脳会議
を前に再任への賛成を表明していた。トゥスク氏は会見で「より良い欧州、さ
らなる統合のために働く」と抱負を述べた。


【補足】

・・・PO(市民プラットフォーム)政権は都会に住む高学歴、高所得者に支持
者が多かった。そこで、前政権は低所得者の支持を得ようと富裕層に保持者が
多かった任意の個人年金を基礎年金に統合し、積立額の一部の財源化を図った
ため、PO支持者が見せしめにPIS(法と正義)に投票、もしくは無投票という
行動に出たが、これが主な原因となり極右『法と正義』への政権交代となった。


・・・その後、極右『法と正義』政権は、恰も日本の安倍政権の如く<ポピュ
リズム政策に加えて、憲法裁判所の人事権への過剰介入、恐怖政治を思わせる
反テロ法(政府による個人メール閲覧等を可とする)等の可決、国営放送人事
(キャスター)への介入>などを強行しているため国民の反発が強まっている
が、米トランプ政権と同様に一定の強固な支持層の壁が崩れていない。

・・・以上は、[2017-01-24/NATOの対ロシア戦略の要ポーランドの民主主義
逸脱 必ずしもロシア脅威論だけではない欧州
http://ameblo.jp/azianokaze/entry-12241215452.html]より、部分転載・・・


・・・しかし、スラブ圏(特にロシア)と西欧圏(特に独・仏)に跨る文化交
流的、地政学的な意味で「欧州の心臓」とも呼ばれるポーランド政治の<国民
主権と寛容の価値を勝ち取るための紙一重の闘いに持続的に耐え抜く強かさ>
が発揮されるのはこれからだ、と思われる。因みに、トゥスク氏はポーランド
伝統のシュラフタ系(規範的精神(積極的な生活態度)の生き方を率先すべき
と自覚し、その意識を自負するポーランド独特の伝統貴族社会に存在する文化
/19世紀以降の『ポジティビズム運動』(強制分割された領土の回復、義務教
育の普及などによるポーランド国家の回復を志向する正統保守型の中道政治活
動をリードしてきた/その受け皿が『市民プラットフォーム(PO)』))の人
物(関連参照/シュラフタ文化の委細はコチラ⇒ http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20101111 )。


(関連情報)

◆オランダの総選挙にトランプ勝利のツボ(知性主義の敗北)がストレート
に伝染(うつ)らなかった要因は複雑だが、一つ言えるのは欧州が既に自身の
“逆ツボ”(知性主義の敗北を乗り越えるためのヒント/民主(&資本)主義Stage2)にマジで気づいた可能性があること!矢張り、アベ・アナクロ(幽
霊ならぬカルト・ゾンビ)菌が過酷汚染した『アベ独裁の大日本帝国』とは雲
泥の差! ⇒  オランダ下院選、与党自民党が第1党維持 極右は第2党に
2017 03 16 JST http://jp.reuters.com/article/netherlands-election-exit-poll-idJPKBN16M2ZM 

・・・[補足/20170316日経]「批判票」の極右への集中を防いだのが、多党
乱立というオランダの選挙制度。左派の躍進も目立つ。特に若者の支持を集め
たのが環境政党グリーン・レフト。支持者の約35%を18〜34歳の若年層が占め
る(←この点が日本(若年層=アベ・穴黒カルト汚染)の現状と対照的!)。http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM16H6E_W7A310C1EA2000

3 エトノス、コンシリエンス、マイクロバイオーム、AIの<協働知>が拓く
「目的論のジレンマ」から脱出する道、そして「新世界発見」の展望


・・・それは、一般国民のための新大陸の発見/本格化する民主主義Stage2
へのアプローチ・プロセス・・・


(カルト妄想的な目的論への過剰な拘りがアナクロニズム・ゾンビの病巣)


しばしば存在論に対置されることが多い「目的論」は、人間を含む森羅万象が
究極的に何を目指しつつ何処へ向かっており、何を実現しようとしているの
か?を考察する立場であり、素直に言えば、これは哲学命題というよりも自意
識を持つ人間共通の思い(健全な人間の意識)でもある。


冒頭に掲げた、ゴーギャン(ビジネスマン(株式仲買人)→都会・田園を往還
する画家→自殺未遂(ゴッホと共同生活)→原始自然の画家(タヒチ他)→原
始自然を侵す植民地経済(暴走資本主義と癒着した権力)との確執生活・・・、
の波乱に富む生き方を貫いた)の絵画「Where Do We Come From?・・・」は、
まさにこの意識をイメージ化した傑作といえる。

ところが、科学に埋め込まれたレイシズムをテーマとする分子人類学者ジョナ
サン・マークスの著書『元サルの物語』(青土社)は、特に生物進化を扱うサ
イエンス分野の研究プロセスで、その目的論が「科学(進化論的な考え方)と
神学(創造論)の致命的衝突を回避するための便法(科学と神学の安易な野合
・癒着)として、一定の狡猾な政治意思の下で巧みに利用されてきた」ことを
冷静に抉り出している。


それによれば、創造論(我われの意識に潜在する)の原点に巣食う妄想原理主
義、カルト情念的(その癌病巣化の典型が安倍晋三らの「国家神道」アナクロ
ニズム、あるいは欧米に潜伏するA.C.ゴビノー(ナチズムの源流/http://qq1q.biz/Cnuy)の貴族主義的レイシズム、あるいはマディソン・グラ
ント(http://qq1q.biz/Cnzr)の進化論的優生学(レイシズムの一種)らの如
きゾンビ的なものが広く一般的に再評価されつつある。


つまり、自らの始原的妄想の掘り起こしこそが外来テロ等への安全保障となり、
それこそが最も有効な方策だと理解されかねない危機的な社会情勢となってい
る。そして、特にアナクロ極右らの政治的異常観念に高い関心が集まることで、
極右派のポピュリズム扇動がヒトならぬゾンビが潜む陥穽の中へ多数派層を一
気に誘い込む恐れが高まっている。


(“AIとヒト”の意識の差異)

・・・洗脳に嵌ったケース等を除けばヒトは基本的にアナクロ二ズム(ゾンビ
意識的なもの)のリスクに対する客観的・自律的な認識力と評価能力が高いが、
非エトノス・マシン(後述するマイクロバイオームなど内外生命環境との持続
的共鳴で刻々変化する文脈的理解から超然とした)であるAIにはそれがあり得
ない。・・・・

憲法学者・木村草太が、記事『あすを語る/憲法・社会:“批判中毒”脱する
ヒント/20170217朝日』の中で、AIの妄想的報酬(リワード・デリュージョン
/Reward Delusion /AIが偽の報酬体験のインプットで、容易に誤ったor悪意
ある目的を持つようになること)とヒトの批判中毒を同列視すると理解し得る
小論を書いていたが、これには根本的な誤解があると思われる。


つまり、言い換えれば、これは「成功or失敗体験の褒めすかしで妄想(誤った
価値判断の基準)を与え続けると、ディープ・ラーニングで自ら学習するAIは
容易に妄想判断の中毒回路(中毒症状)に嵌ることが明らかとなっている!」
という、AI研究における最先端の知見に関わる言及である。しかし、同じAIの
先端研究フィールドでは、派生的に「AIの深層学習(ディープ・ラーニング)」
から、AIの意識(未だ“AIの意識の可能性”、というべきであるが!)と人間
の意識の根本的な(これは、むしろ決定的というべきかもしれない)差異が明
らかとなりつつある。

端的に言うなら、それは<AI(厳密に言えば“予測される”AIの意識)とヒト
の意識の決定的差異は「内心最深部(前意識)⇔エトノス環境(後述)」の共
鳴の有無ということであり、子孫への継承生命体ならぬAIにはこれができな
い!他方、ヒトはその意味での共鳴学習の文脈意識化が可能である。その結果、
間主観性の豊かな果実である民主主義の観念が共有されるようになり、それを
未来へ繋ぐ理念固定の装置として憲法が着想された!>ということになる。因
みに、その委細は後述の[未来へのカギはAI活用の土壌・・・]で触れるが、
アナクロやカルトに侵された政治権力(Ex.今の安倍政権)は、この「ヒトの
最内奥(最深部意識、前意識)の洗脳」を謀る政策へ猪突猛進しており、それ
がテロ防止を騙る「共謀罪」(合法化される政府の国民監視)である。


しかし、しょせん機械の一種であるAIに限らず、他の動物一般とも異なる、そ
のような意味でのヒト(人間)の意識の特性(特異性)については、今までも
人文・社会系の研究過程における局面で様々な先見的気付きの事例が散見され
る。その中から、最も重要と思われる非常に興味深いものを一つ取り上げてお
く。それは、思想史学者・互盛央(講談社勤務、元岩波書店『思想』編集長)
の「二つのエス」(互盛央著:エスの系譜/沈黙の西洋思想史‐講談社‐)の
指摘である。下のブログ記事(★4)を手掛かりに、そのポイントを簡単に紹
介しておく(更に詳しくは、当ブログ記事を参照乞う)。


★4 20101210toxandoriaの日記/『ゾンビ(新自由主義)vs幽霊(人間のた
めの自由原理)』間に横たわるバカの壁、http://ur0.pw/Cj3c (以下・・・   ・・・は、二つのエスについての抽出&部分転載)


【それ(エス/das es≒間主観性)には次の二つの流れがある】


(1) リヒテンベルク→フィヒテ→シェリング→ビスマルク→ヒトラー→

での脆弱性(弱点)が伴う前意識の系譜』

・・・これは一種の政治的狂気であり、ファシズム、一党独裁的コミュニズム、
ランディアン・カルト(米国型自由原理の源流/徹底利己&差別主義/近代史
を否定したAyn Randの客観主義哲学(Objectivism)に因る)らに共通する内
容となっている。


(2) リヒテンベルク→フォイエルバッハ→ニーチェ→フロイト、という
『エトノス環境(委細、後述)と繋がり共鳴する、(1)より深い無意識の
系譜』

・・・これは(1)「前意識の系譜」と異なり脆弱性どころか非常に強靭な安
定を「人間社会」へもたらす一種のバランサー能力(オートポエーシス的な不
均衡解消作用=DNAのエトノス環境内での自己複製プロセスで見られるアーキ
テクチャにも似た根源的な生命力!?/参照⇒http://u0u0.net/Cgm1 )を秘
めており、AI意識研究との関連で重要な課題になると思われる。


(アナクロ極右へ誘う“目的論の陥穽”を克服しつつ近未来の“民主(&資本)
主義Stage2”へ我々を力強く導くカギは何か?)


・・・それは、AI活用の土壌でもあり触媒でもあるエトノスとコンシリエ
ンス・・・


(1)人間など個々の生命体を内外から包摂するカオス環境としてのエトノス


エトノス(ethnos)は、端的に言えば「人間等の個々の生命体を内外から包摂
する広義の環境」(詳しく言えば、下記『・・・』の定義となる)を意味する
が、そもそもは「先住民とその文化の尊厳性を十分に理解する立場/語源の古
代ギリシア語でのそれは、村や都市に集住する「民衆」(デモス/demos)の
周辺に住み、その「民衆」以外の部族集団」の意味であった(参照⇒http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20160301 )。

・・・『人間の生命と社会生活の維持に必須となる一定のローカル地域の自然
・歴史・文化と深く共鳴して“人間性と社会性(ソシアル)を未生(未来)の
発展のための揺り籠”となし得る開放系の共有観念と風土、または過去〜現在
〜未来に渡り生存環境の微小馴化を常に受け入れつつも、その伝統的な全体の
“持続性”を最重視する寛容で広範なカオス的集合意識、およびその受け皿と
なる自然風土と精神環境』の意味である(関連で下記▼参照乞う)。


▼政治的ネクロフィリア安倍内閣のオフィーリア・コンプレックス/バシュラ
ール・エトノス、「水のイマージュ」による批判/2016-05-04toxandoriaの
日記http://ur0.pw/Cj3k


・・・


因みに、カナダでは中道左派政党「自由党」の若き党首ジャスティン・トルド
ー首相が、歴史・文化・社会的伝統に見合う国民協調型ミドルパワー国家をめ
ざす変革への新しい取り組みを進めている。そして、このポスト・グローバリ
ズム時代における民主主義再生への新たな希望のエネルギーとなったのが、カ
ナダの伝統である多元文化主義の奥に潜む「寛容のホスピタリティ≒エトノス
観念」の重要な意義に関わる若者層の覚醒であった。


なお、 宿命的に先住民問題を抱えるカナダの歴史では先住多層文化エトノス
の気付きへのプロセス (歴史・文化・環境・科学についてのシニフィエ(文
脈上の意味)的な理解に基づくレイシズムの否定) が前提となってきたが、
2015年の政権就任にあたり、ジャスティン・トルドー首相は、「これら先住民
に対する人権上の対応に関わる法的整備が今まで遅れてきたという事実を率直
に認めた」ことが、カナダ国民から広く支持されている。


(2)目指すべきは人文・科学知の融和的統合(コンシリエンス/
consilience)による啓蒙主義ルネサンス!


(“人間のAIと異なる高度な読解力(エトノス&歴史意識)”についての気付
きこそが「民主主義ネクスト(Stage2)」への最短コース)


そもそも、自然・生命意識としての「情念」自体には、いわゆる倫理的ないし
は社会契約論的な意味での善と悪の区別は未だなく(ルネ・デカルトと共に17
世紀・近世哲学の創始者の一人で、社会契約論による政治哲学の嚆矢でもある
トマス・ホッブスの“万人の万人に対する闘争”状態に相当)、それが一定の
社会意識の下で「理念」へ昇華されたレベルで、その新たな「善と悪を区別す
る明確なエトノス的意識(冷静・客観的な自然観)と社会的意識」が
“生まれ”た(歴史的に見れば“啓蒙思想の誕生”!)と考えられる。


そして、ヒューバート・ドレイファス(人工知能に対して鋭い哲学的批判を続
ける米国の哲学者、チャールズテイラー(同じ立場、カナダの政治・分析哲学
者)、ツヴェタン・トドロフ(仏の文芸批評家・記号学者・社会思想家)、
E.O.ウイルソン(米国の昆虫学者、社会生物学者)、あるいは『文化進化論/
ダ―ウイン進化論は文化を説明できるか』の著者アレックス・メス−ディ(英
国の文化進化論学者)、ハーバート・ギンタス(米国の行動心理・経済学者)
らが共有する最も重要な認識は、人間の意識の特徴である「因果(連続するリ
アル)と論理(法則抽象化の能力)」を峻別(自覚的に区別)するということ
だ。


人間の意識の主軸は自由意思(感情と表裏一体の)であるが、それは絶えず
“原因の空間(因果/究極的には人間の力が及ばぬリアル現象の連鎖である現
実の流れ)”と“理由の空間(神ならぬ人間の最小限の自由意思を支える論
理)”を区別して観察している、ということだ。但し、この両者は対立するも
の、との理解で止まるのも決定的な誤りと思われる。それは、この両者が合わ
せ鏡の如く密接に結びつき、恰も量子世界の素粒子の如きもつれた(entangle
した)状態であることが人間の意識の正体(それが、生きる意味でもある!)
と見るべきだからである。


因みに、E.O.ウイルソンは著書『ヒトはどこまで進化するのか』(亜紀書房)
の中で、前者(原因の空間)について「連続性(人文・社会的な由来と目的)
の視点から究極的説明が理解できる能力/なぜ、その機能(例えば、手・足・
指など)があるのか?」、後者(理由の空間)について「機能的(科学的・中
立的で)な視点から最も直截的に説明できる能力/その機能をどのように使う
のか?」であると述べている。

そして、その先に見据えるのが両能力を更に生かせる“より高度で多元的な意
識”の誕生、つまり新たな人文・科学知の融和的統合(コンシリエンス)によ
る啓蒙主義ルネサンスである。このような観点からすれば、いかにフラジャイ
ルな民主主義といえども、コンシリエンスによって更なる改良と進化が可能で
あることは自ずから明らかだとさえ言えるだろう。


(マイクロバイオームが拓く新世界への希望/DNA観察から見える「“民族主
義、レイシズム=非合理”の発見」)


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R.デサール&S.L.パーキンズ著『マイクロバイオームの世界』(紀伊國屋書店
/2015原著・刊)によると、我々の体内に棲む膨大な数の細菌類がマイクロバ
イオーム(Microbiome)という宇宙的な規模の纏まり(ウイルスまで入れると、
それは超100兆個の新世界、宇宙規模!の発見を意味する!)であり、彼らの
全て(そのDNAも含む)が刻々とヒトの細胞やDNA、およびエトノス環境と直接
的な遣り取り(水平移動・交換・交流・共感・妥協)をしつつ我われの身体の
生理機能を調整し持続させていることが、ここ数年来の研究で急速に解明され
つつある。


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他方、両義的な意味での「テロと右傾化」(主因は、グレー・ゾーンのリアル
生活で絶望し絶対的な孤立地獄に堕ちた、つまり“現実的人生への絶望感”に
憑りつかれた若者らの同リアルに対する神憑りのリベンジ意識/その感染・拡
大・洗脳汚染/参照、ジェイソン・バーク著『21世紀のイスラム過激主義』
―白水社―)トレンドの脅威を目前にしているとおり、AIシンギュラリティ到
来が喧伝される現代でも、我われは「科学の仮面を被ったカルトor宗教原理主
義的な創造論(アンチ進化論、アンチ・ラマルキズム/唯一絶対者への完全隷
属で安心感を得る固着妄想)に回収されるリスクに曝されている。


しかし、冷静に考えれば理解できるはずだが、カルトや宗教原理主義が科学を
支配下に置こうとして一向にめげずに挑戦し続ける背景にあるものは、これら
マイクロバイオーム的なビッグ・データ(この場合は、超ミクロ世界における
ビッグデータ)および巨大タイムスケール(宇宙地質学と人文的歴史学を十分
視野に入れた長大な時間意識/これもビッグデータのジャンル!)に関わる意
識の欠損(無関心・不勉強・理解不足)に因る視野狭窄ということだ。


例えば、ごく新しい知見によれば、ヒトの個性(アイデンティティ)の規定に
関わるDNAが全体に占めるシェアは0.1%、同じく人種間の差異(黒人か白人か
日本人か中国人か…?など)は僅か0.2%のDNAで決まっていることが明らかと
なっており、この点からも、カルト諸派や宗教原理主義の創造論あるいは日本
のヤマト民族覇権主義、美的ナルシス・神国的皇統一系論(安倍政権、日本会
議、神社本庁らの妄執)などが如何に視野狭窄であるかが理解できる。


また、今でも先端科学知の典型と見なされているものの疾うに2003年に全DNA
解読が完了した「ヒトゲノム・プロジェクト」では、従来型の科学観の範疇の
ままではその更なる医学的・社会的応用の側面で限界が見えている。そのため、愈々、DNA研究でも、これからは「エトノス(マイクロバイオームの新世界を
視野に加えた新たな自然主義の視点)、コンシリエンス、AI活用」によるビッ
グデータ解析型への脱皮が求められている。


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因みに、一般的には殆ど関心が向けられていないが、ビルゲイツ財団ら民間の
協力も得て2016年5月に前オバマ政権下で決定した「国家マイクロバイオーム
・イニシアティブ」(プロジェクト)をトランプ新政権が何処まで本気で取
扱うかが懸念されている。


それは、このイニシアティブは「普通は可視化できない宇宙規模の莫大なマイ
クロバイオーム・コミュニティーがDNAも含む実に多種多様な混生体の微小パ
ーツを我われヒトとの間で遣り取りしているという事実を発見したからには、
更に人体や人間社会をより良く理解するには人口・政治・経済・思想・文化・
人種・宗教らの要素の他に、今度はマイクロバイオームがヒトの多様なエトノ
ス・コミュニティーに及ぼす影響についても、あらためて内外環境的な視座か
ら観察する必要がある」という理解を前提にしているからだ。


また、そのためマイクロバイオーム世界が示唆する「全生命現象の根本に見ら
れる一種の寛容と妥協の論理」を最重視しつつ「AI活用によるビッグデータ分
析等の新たな研究手法」に取り組むことが必須であることも前提されており、
この根本的な思考方法が排外的で独善的なトランプ政権の発想と真逆であるか
らだ(関連参照⇒May 13, 2016 National Microbiome Initiative Launched http://urx.mobi/ClI0 )。


(『クオラムセンシングの有意性』の発見/新たな生命観の発見とAI活用による、『民主主義stage2』&『ソシアル時代』への挑戦) 


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国会での安倍晋三首相の言動で特に目立つのが、自らの“疑惑”追及の場面な
どで必ず出てくる「そのように私を追及するレッテル貼り、あるいはネーミン
グによる悪意の印象付けはやめて欲しい!」という言葉だが、その特異な用語
の繰り返しは、恰も健全な血液を嫌うゾンビ体が健常な血液の注入で次第に自
らが浄化され健常化することを恐れているかの如き異様な光景である。


ところで、上掲書によると近年のマイクロバイオーム研究で多くの細菌がクオ
ラムセンシング(定足数感知/quorum sensing)のシステムを進化させてきた
ことが分かりつつある。クオラムセンシングとは、「未だ正体が知れぬ相手に
対し仮の名づけ(見立て上のネーミング、名詞化)を行い、その見立て上のネ
ーミングに応じて自らのシグナル伝達分子、あるいは自由誘導因子(オートイ
ンデューサー)などの分泌をコントロールするシステムのことだ。


つまり、このクオラムセンシングで、ヒトの体内にある細胞と、あるいはそこ
に棲む細菌類と他の内外細菌ら異分子・異端・外来種との間で、基本的には寛
容な共鳴・共振・交流・交換・結合が絶えず行われており、そのプロセスで自
己細胞の側でのバイオフィルム(ヌメリらの構造体)形成や、あるいは真逆に
有害病原性の侵入許容の機序が生成されたりしていることになる。


従って、近年では病原体の感染も従来考えられていたほどストレートなもので
はなく、より複雑で多面的なクオラムセンシングと免疫系の絡み合いの帰結で
あることが分かりつつある(単純に、“病原菌感染=病状発現”になるとは限
らぬということ!)。


因みに、人体構成物の約90%は無害化した微生物由来のもので、同構成物の内max.3%が比較的新しい侵入微生物由来、そして残余7%が自己創出の細胞
(正味のオリジナル自己は7%だけ!苦w)である。従って、我われヒトの体
内エトノス空間と外界である自然エトノス環境との仕切りにも、これまで考え
られてきたほど明確で強靭な壁が築かれている訳ではないことが明らかとなり
つつある。むしろ、それは強靭・強固よりも<強かなしなやかさ>と言うべき
であろう。


まことに驚くべきことだが、このような最新のマイクロバイオーム研究の知見
が明らかにしつつあるのは「ヒトを含むあらゆる生命(生命体)における生命
維持に必須の秩序の根本原理が、実は全生命(真正細菌(Bacteria)、古細菌(Archea)、真核生物(動植物・菌類・原生生物ほか)の個体周辺に分厚い壁
を築き他者や異分子を排除することではなく、強固なアイデンティティ(民主
主義のネクスト・ステージを保証する個別的正統保守性)を未来に繋ぐのはエ
ンドレスの寛容と妥協に因る円滑なコミュニケーションの持続ではないか?」
という予見知(未だ暗黙知レベルと見なすべきなので)である。


いずれにせよ、これら先見的な分野に関わる研究では、そのような新しい構想
への端緒となり得るマイクロバイオームの世界やクオラムセンシング・システ
ムに止まらず、文化トータルの視覚から自然科学と人文・社会科学を融和的に
統合(コンシリエンス)しつつ、マクロ・ミクロのビッグデータと巨視的タイ
ムスケールを視野に入れることが必須条件と考えられるので、それこそ、絶え
ざる改良の過程で日々にソフィスティケートされる柔軟な生命観に足場を置く、
そのような意味で<人間のために十分役立つAI活用型の新しいソシアル活動
(自然現象と異なり何故に人間社会では自由(実存)が最重視されるべきなの
か?という生命論の根本的な疑問への解の発見のための協働作業)が求められ
ることになるだろう(Cf.下記ブログ記事▼)。


▼2017-01-04toxandoriaの日記/[希望のトポス]客観「知」を心底で憎む追憶
のカルト、その靖国『顕幽論』是非の意識が日本の命運を分ける/希望は量子
論・AI・脳科学らの最先端で必然の流れ「自然・人文科学」融合(コンシリエ
ンス)が生まれつつあること!

http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20170104


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最後に、AI活用で忘れてならい倫理の問題について付記しておく。それは、
ベンチャー、Araya Brain Imagingで脳科学者の立場からAI「人工意識」の開
発に取り組む金井良太(脳神経科学者/英サセックス大学准教授、アラヤ・
ブレイン・イメージングCEO)の著書『脳に刻まれたモラルの起源/人はなぜ
善を求めるのか』(岩波書店)によれば、人間の脳の構造には「本能的な感
覚としての倫理観を司る部位」(おそらく進化論的プロセスで蓄積!)がある
ことなど極めて重要な事実が確かめられつつある、ということだ。


金井良太の研究に関わる委細は、同じくコチラ(⇒ http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20170104 )を参照していただくこととし
て、目下、日本でも危険性の拡大が懸念されるのが、軍事大国家化を急ぐ安倍
政権下でサイエンス(科学、科学技術)が「軍事研究」へ急傾斜させられる恐
れがあることだ。それは、今まで見たとおり文明・文化・経済と地球上の全て
の生命を持続させ保全する観点からすれば、軍事強化に名を借りたサイエンス
とAIの軍事フィールドへの傾斜利用は、人類にとって殆ど自殺行為に等しい
愚行であることが明らかだからである。 完

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