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■[希望のトポス]記憶喪失の海に沈む安倍内閣、その底に潜む偽遺伝子は文化 進化論(遺伝的適応)上の追憶のカルト!新鮮な生命が持続的に吹き込むエトノ ス対話の環境づくりが急務 <注記>お手数ですが当記事の画像は下記URLでご覧ください。 http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20160822 3 絶えず新しく生命を吹き込む、動的な「エトノスとの対話回路」の重要性 3−1 井手英策『経済の時代の終焉』が示唆する繋がる社会への希望 ・・・今こそ、アベノミクスこと「アナクロニズム(追憶のカルト)と新自由主 義の複雑骨折に因る癒着性カルト炎症」からの脱出が求められる・・・ 只のオッサン@hanachancauseエトノス観(エトノスについては後述)が皆無の 議論自体が中学生以下のレベル!いずれも成長目的主義で時代遅れ!井出英策 『経済の時代の終焉』を学ぶべき!w ➡(大機小機)経済学者の埋め難 い溝/税収弾性値(名目成長率/税収伸率、相関度)吉川洋(多変量解析派)vs 竹中平蔵(成長率万能・単純平均派)20160813日経 http://www.nikkei.com/article/DGKKZO06016390S6A810C1EN2000/ 只のオッサン@hanachancause GDP上げるには何をすればいいの?政府・安倍内 閣が鉛筆舐めれば良い?w ➡ 消費低迷、景気足踏み GDP年率0.2 %増 雇用や年金に不安 山本行革相(日本会議、神政連)がGDP算出方法の変 更検討!20160816朝日2016年8月16日https://twitter.com/hanachancause/status/765337754137952256 ・・・そもそもTPPは暴走市場原理主義の最終的な草刈り場(遠隔市場における 草刈り場の原義(共助・共有の場)へ、ベクトル転換する好機!サンダースを支 持する若者層らの重み!只のオッサン@hanachancause RT日本経済新聞 電子版 @nikkei TPP暗雲さらに クリントン氏反対明言20160815 https://twitter.com/hanachancause/status/764911776789954560 ・・・ 新進気鋭の財政学者・井手英策氏は、大仏次郎論壇賞を受賞した著書「経済の時 代の終焉」(岩波書店)のなかで、バブル崩壊後の1990年代後半から「小さな政 府・規制緩和」万能主義なる新自由主義(似非イデオローグ/“相互扶助・分配 ・共助”蔑視観)が本格的に国民の心の奥に深く浸透し、特に多数派層の精神面 のエトノス(エトノスについては後述)が変質した(それに洗脳されてしまっ た)ことが、今に続く混迷の根本原因であると指摘している。 俯瞰的にプラザ合意(1985/協調介入名目の対日『円高・ドル安誘導の強制、米 国際収支改善が目的』/バブルの遠因?)後の日米経済関係史を俯瞰すると、同 合意の“含意”に因る対日・内需拡大要請(中曽根政権・受皿=1986前川レポート)、日米構造協議・日米包括経済協議(内需拡大・市場開放・新自由主義推進 /対日圧力強化・・・当関連の財政赤字増1991〜2000/ca430兆円)、経団連・ 平岩レポート(1993・細川政権/対米迎合の金融・資本規制緩和)、小泉政権 (2001〜12006)の隷米的新自由主義路線強化、民主党政権(政権交代でも隷米 新自由主義が続く/2009.09〜2012.12)・・・第2次安倍政権・アベノミクス (アナクロ(追憶のカルト)+新自由主義/2012.12〜奇怪なアナクロ・ネオリ ベラリズム複雑骨折政治w)・・・という具合になる。 井手英策氏によれば、この約30年の間に米国が新自由主義の受け入れ圧力を日本 へより強め続けてきたとはいえ、そもそもその間にこそ日本政府と政治家らは自 律的意思を持続させて「相互扶助・分配・共助をベースとする財政力強化の国家 理念」を、しぶとく構築すべきであった。しかも、思うに(toxandoriaが)、民 主党ら野党、市民・国民レベルの左派・リベラル・正統保守勢力(特に新自由主 義に屈服し迎合するばかりの大労組・学界および法曹界)とジャーナリズムの力 量(理解力?)不足もあって、残念ながら、多数派国民層も未だに「小さな政府 こそベスト」のエトノス破壊型(エトノスについては後述)の錯覚に嵌ったまま である。 それどころか、前川レポート以降に内需拡大策として強化された土建型国家政策 (←井手氏の用語、必要悪だった?/地方交付税、生活保護、貯蓄率向上効果等 に資するという意味では地方傾斜型の分配に一定の有意性(高い成長を期待しつ つ個々人が高い貯蓄率で病気や老後へ備える、という意味)があった)と、それ に付随して補完設計された肝心の福祉基盤を維持する財政が根こそぎ激しい批判 に曝され(既述、中間層の錯覚による)、かつ苛烈な格差拡大が、そして新自由 主義政策が一貫して強化されてきたため、徒に財政赤字だけが積み上がり、肝心 の福祉部分(相互扶助・分配・共助)がより一層貧相化する惨状と化し、結果的 に殆どの国民層が将来不に怯えるというアベノミクスのジレンマに嵌っている訳 である(バブル崩壊後の金融機関救済の財政赤字増ca100〜200兆円はやむを得ぬ と考えられる)。 そこで、更に悪いことに「日本会議に憑りつかれた安倍政権下でアナクロ二ズム (追憶のカルト)とネオリベラリズム(新自由主義)が癒着した複雑骨折症状と いう政治・経済・財政的な奇病を罹患」してしまった日本の近未来の救済のた め、井手英策氏は『以下』のことを提言する。 『成長(GDP年次比)は、只の集団ではなく信用(人々⇔人々、国⇔人々、国⇔ 地方自治体の繋がりを“よすが”とする)を基に統合された人々(国民)の日常 生活活動の結果と見なすべきであるので、財政のそもそもの最重要な機能であっ た相互扶助(互酬/集団パターンに応じた相互扶助、助け合い)・再分配(徴税 上の応能負担・応分負担の均衡を図り、全体の公正を期すための中央の決定によ るメンバーへの再配分)の仕組みを再構築すべきである。市場機能である交換は、 これら財政の規模と適正バランスを保ちつつ伸縮すべきであり、似非イデオロー グ新自由主義が言う小さな政府が成長を促すは決定的な誤りである。従って、日 本政府(安倍政権)は信用をゼロから構築し直せるように発想を180°転換すべ きである!但し、そのやり直しが許される時間(参照、下記<補足>)はあまり 多くは残されていないので、ここ5〜10年位が勝負である。』 ← 近年、進化 経済学等の最先端フィールドでのAIによるビッグデータ解析から「利他心>利己 心」の有意・有効性が証明・理解されており、この観点からも井出氏の提言の正 しさが裏付けられる!(補足、toxandoria/委細後述) <補足>政府の規模と債務の大きさの関係(井手氏の同著書より一部分を抽出転載)・・・同書(p229)には、ある得られた観測値と回帰直線との関係性の評価 が可能な決定係数のバラツキ(相関係数rの二乗だが、ここではそれが0.0966な ので政府の規模と債務の大きさに“関係ある”とは言えない)を示すグラフ(井 手氏、作成)が掲載されているが、ここでは省略する。 ・・・ともかくも、この井手氏の観測(グラフ)によると、「政府規模の大小」 と「政府債務の大小」には、少なくとも統計的に見て直接的関係があるとは言え ない。 ・・・要するに、政府を小さくさえすれば財政が健全化するというのは、ひとつ の幻想(妄想)である。国民から未来への不安を取り除くことが可能な国家理念 を政府自身が先に示すことで、政府を信用して応分の徴税負担に応じる気分を国 民が持てるようにすることが肝心である。 ・・・無論、だからといって野放図に国家財政赤字を拡大すれば良いということ にはならない。国際的な信用監視の構造に組み込まれているという現実もあるの で、それ以外の諸指標から見れば自ずから限度があり、その意味で高々で5〜10 年程度しか発想転換への移行時間は残されていないことになる。 ・・・因みに、井手氏は「最初に導入した5%消費税の1/2に相当する7.5兆円 が使えれば、小学校〜国公私立大学授業料等全学費と高齢者介護施設入居費用・ 自己負担分の全額無償化、介護等福祉施設職員人件費の大幅増額、地方公立病院 赤字全解消が可能であった、と分析している。 3−2 新たなエトノス対話のための条件づくり/シンギュラリティを克服する 先端AI時代への希望 (新たな地平への希望1/エトノス、ネオ・ラマルキズムの再評価、文化進化論、DNA不均衡進化論の共鳴) ネオ・ラマルキズム、ビッグデータAI解析、ゲーム理論等を使う先端知、文化進 化論の知見はⅯ.フリードマンら経済学よりも正確に人に有意な経済現象を 説明可であることが分かりつつある!その意味でも「穴黒+ネオリベ」のアベ= クロは最悪!w @只のオッサン@hanachancause RT to @kogoro_wakasa- 20160818 /確かに安倍政権のそれは幅広くお金をばらまくヘリマネというより、ばらまき の客体を取捨選択するドローン・マネーと言えなくもない。日経コラム<大機小 機>の執筆者は「危険極まりない政策の実験場になるのはごめんこうむりたい」 と訴えた。その通りであろう。http://goo.gl/0uDkyT https://twitter.com/hanachancause/status/766150139668946944 ・・・ エトノスの定義は『人間の生命と社会生活の維持に必須となる一定のローカル地 域の自然・歴史・文化環境と深く共鳴して“人間性を未生(未来)へ繋ぐ揺り籠” となし得る開放系の共有観念と風土、又は過去〜現在〜未来に渡り生存環境の微 小馴化を常に受け入れつつも、その伝統的な全体性の“持続”を最重視する幅広 く寛容な共有意識、およびその受け皿たる風土』である(関連参照⇒ http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20160626 )。 言い換えればそれは「地球上における、人間の内面(肉体・精神両面)も含む全 ての生命・文化・生態・自然環境」のことであるが、そもそも専門用語としての エトノスは、文化人類学フィールドで一定のローカル地域における先住民多層文 化の意味で使われていた。やがて、その概念が上の定義まで拡張した訳である。 特に、宿命的・歴史的に先住民問題を抱えてきたカナダでは、2015年11月4日か ら第29代首相に就任したばかりのジャスティン・トルドーが、先住民多層文化を 最大限に尊重する本格的なエトノス政策への取り組みを開始して世界の注目を集 めている(参照⇒ http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20160301 )。 このジャスティン・トルドーの本格的なエトノス政策への取り組みは、第2章− 1で取り上げたフェルナン・デュモン「記憶の未来/伝統の解体と再生」の思想 と無関係ではない。それは、安倍政権のアナクロニズム(偽エトノスたる追憶の カルト(国家神道)、日本会議・靖国が求める偏狭な愛国心)などとは全く異質 なものであり、いわば全人類の平和の実現と未来への可能性を切り拓く新たなナ ショナル・アイデンティティーのリアルな実践である。 なお、このフェルナン・デュモン「記憶の未来」(翻訳叛−白水社−)の序文を 書いたセルジュ・カンタン(ケベック研究専門のケベック大学教授/政治哲学) は、“この新しいナショナル・アイデンティティー(エトノス観に基づく/toxandoria補足)をリアル政治の小道具と軽視してはならない。カナダ国民はそ れを理解しているから良いが、日本会議・靖国などで極右化へ進むかに見える今 の日本では、その点が誤解されぬよう注意すべきだ。”との懸念を寄せている。(toxandoria流で逆説的に解釈するなら、それは偽エトノスである国家神道や靖 国と、デュモンが指摘する『記憶の未来』(記憶&認知能)の病理が見事に重な るということ!) ところで“文化は生物進化の延長“と考える立場から、より高次なレベルで文化 を研究しようとする「文化進化論」(その背景にソリッドな数理的基礎が存在す る、生物学・人類学的規模の長大な時間軸を視野に入れるという意味で動学的で ある、の二点で旧来の社会進化論と決定的差異がある)が世界的に注目を集めて おり、その最先端を担う研究者アレックス・メス―ディ(Alex Mesoudi/英エク セター大学准教授https://goo.gl/PjE2LH )の著書「文化進化論/ダ―ウイン 進化論は文化を説明できるか」が、漸く日本でも2016年2月に出版(NTT出版) された。 それによると、現実世界で起きる文化進化の度合いについては、ラマルクの「遺 伝的適応」(獲得形質の遺伝/厳密には、ダーウイニズム(突然変異説)によっ て否定されたラマルキズム(ラマルク論)の復活の意味なので、ネオ・ラマルキ ズムの遺伝的適応と呼ぶべき!https://goo.gl/eTVHHX )や数理モデルが仮定 するより以上に強く働き、同じく予想以上の短時間に進化上の変化が起きること が分かってきている。 また、21世紀に入り、AI研究の進化等と共振しつつ急速に発展してきた文化進化 論のルーツの一つになったと見るべき「進化心理学」(身体の自然環境への適応 と同様に、また人間の心も生物学的な進化の産物と理解する心理学/ https://goo.gl/l4kq67 )は、文化進化論が向かう二つの方向を見据えているが、 それは、「(1)伝達される文化」と「(2)誘発される文化」の二点である。 考えてみれば「(1)伝達される文化」はプロローグで触れた盛期イタリア・ル ネサンスの画家アンドレア・デル・サルトの「ミメーシス」(古代ギリシアで模 倣を意味したミメーシス(mimesis)の本当の意味/自然世界エトノスと交流し、 そのプロセスから自然世界に内在する本質的なものを視覚的・感覚的に強化しつ つ再現し、造形的に再提示する芸術上の模倣技術の意義)と、「(2)誘発され る文化」はAI研究におけるニューラル・ネットワーク技術(委細後述)と、それ ぞれ共振していることが分かり興味深い。 また、(1)は旧来の伝統文化の概念にほぼ重なることが理解できるが、他方、(2)は<教育の意義の再発見>という意味で特に重要と考えられる。つまり、 人の心(AIのニューラル・ネットワーク技術はその外装的模倣)は、エトノス環 境との交流を介して無限に進化(というより深化?)する可能性があり、それは 経済的な意味での生産性向上にも資すると考えられる」からだ。余談ながら、こ の観点は第3章で既述の井手英策氏が財政・経済学上の観点から<義務教育〜大 学教育までの完全無償化>の実現を非常に重視していることとも重なると思われ る。 <補足>不均衡進化論(発生生物学者・古澤満氏)は遺伝子レベルで観察される ネオ・ラマルキズム? エトノスと文化進化論の共鳴・進化の問題をより深めて考えるために、不均衡進 化論にも少し触れておきたい。発生生物学者・古澤満氏の著書『不均衡進化論、Disparity Evolution』(筑摩書房)から、その要点を纏めると、以下のように なる。 ・・・ 【動画】DNA Replication Process/DNA Replication Process Free Science Videos and Lectures [http://www.youtube.com/watch?v=7mca_9_oqnM:movie] 生物が進化する途上での変異の大部分は、DNA複製の過程で生じる。そして、一 本のヒストンに巻きついた二本のDNAがほつれて複製されるとき、「二本の鎖」 のうち一方は連続して複製される「連続鎖」となるが、もう一方は複製酵素の特 異性で連続鎖と同じ方向へ鎖を伸ばすことができないので、敢えて断片状に複製 されたもの(岡崎フラグメント)が結合され一本になり複製が完成する。そして、 これは「不連続鎖」と呼ばれる。 そして、岡崎フラグメントがある「不連続鎖」では、遺伝子と形態の関係が不明 確であるので分子レベルでは中立説(木村資生:中立進化説/https://goo.gl/Xa5vs6 )、形態レベルでは総合説として棲み分けが行われる が、形態に影響する総合説の作用と細胞レベルのミクロ・エトノス環境の共鳴・ 協調・競合が窺われる(http://goo.gl/tQGcAY )。 ともかくも、このうち「連続鎖」は変異の発生が極めて小さく、つまり保守的で ある(既述、進化心理学の(1)伝達される文化、を連想させる!)。一方、 「不連続鎖」は「連続鎖」合成に比べてDNA複製プロセスがかなり複雑になるた め作用する酵素の種類数も多くなり、それだけ変異の発生可能性が大きく、つま り革新的・学習的であるということになる(既述、進化心理学の(2)誘発され る文化、を連想させる!)。そして、変異の発生が比較的大きいが環境変動のな い場合には変異発生の小さい「連続鎖」側により現状が維持(保守)・継承される。 他方、もし大きな環境変動が発生した場合には、変異発生が大きい「不連続鎖」 側で変動に合わせる形で<変異の閾値>を作用させて問題の解決を図る(本源部 分も保守しつつ変異に併せた全体の進化プロセスを次世代へ繋ぐ)ということに なる。詳細は省くが、「変異の閾値」とは遺伝情報が存在し得る一定数値の範囲 のことで、変異がこの閾値を超すと遺伝情報は融解し<カオスの海>に沈む(ア ダムスミス又はネオリベ流の市場原理の如き自然選択、つまり神の手に委ねられ るため制御不能で大きなダメージを受けるか死を意味する)ことになる。 しかし、古澤満氏は、そう簡単に遺伝情報が<カオスの海>に沈む訳ではなく、 自然選択(神の手)の役割とともに、木村資生氏の「中立的な意味での自由原 理」(中立進化説https://goo.gl/oqa4EX )、あるいは「不連続鎖」側での <変異の閾値>の粘り強い作用の可能性が重要だとする。そして、古澤満氏は、 この「不連続鎖」側での<変異の閾値>の粘り強い作用を『不均衡進化 (Disparity Evolution) 』仮説(細胞エトノス環境内でのネオ・ラマルキズ ム?)と名付けた訳だ。 このDNA次元での『不均衡進化(Disparity Evolution) 』仮説を正確に理解す るには、古澤満氏が種の進化過程における遺伝情報の流れ方について想定した 二つのモデル、「均衡変異モデル(従来型ダ―ウイニズムのセントラルドグマ /近年までの分子遺伝学では、専ら遺伝における情報の流れはDNAを翻訳して形 質が発現する一方通行であるとされていたことを指す)」と「不均衡変異モデル(Disparity Evolutionの根幹)」の違いを知る必要があるが、余りにも煩瑣に なるので、ここでは説明を省かざるを得ない。 ・・・ ところで、古澤満氏は『不均衡進化(Disparity Evolution) 』のことを「元本 保証された多様性の創出」とも称していることに注目すべきだろう。 これを平たく表現すれば、「保守すべき価値(価値観)および人間としての最低 限の権利、歴史・文化、自然・生態環境、モノ、情報などは確実に守りつつ、大 きな環境変化にも耐え得る革新性を何時でも発動できるように常時スタンバイす べきであり、又そのようなスタンバイを可能ならしめる知恵をメンバー間で共有 し、かつ子供・若者・子孫等へ確実にそれを継承することが肝要」だということ になる。 また、DNA周辺の「細胞」環境を含む全ての体内環境を体内エトノスと見立てる ことも可能であり、そのように考えれば、いずれ人間の内外エトノス環境を統一 的・統合的に説明し得る「ネクスト・ステージの文化進化論」の可能性が、AI研 究らの進化・深化と相俟って実現することになるだろう。 (新たな地平への希望2/シンギュラリティとは?AIを巡る楽観論・悲観論の相克を超えて) (1)AIを巡る楽観論と悲観論のジレンマ コンピュータで人間と同じ知能を人工的に実現する技術、人工知能(artificial intelligence/AI)の研究は1990年代から本格化したが、今や自動車の自動運転 が確実視されるほど急速に関連研究が進みつつある。が、AIを巡っては楽観論と 悲観論が同時並行的にしのぎを削っている。 楽観論の代表者は、10年後にも訪れるとされるシンギュラリティ(技術的特異点 /technological singularity/人工知能の完成で人間が生命を完全に支配する 時代に入る?)を主張する、米国の人工知能研究の世界的権威、レイ・カーツワ イルである。ただ、カーツワイルは優れた研究者であると共に実業家(その意味 での野心家)でもあるという二足の草鞋を履くことに留意すべきであろう。 一方、悲観論(AIがAGI(Artificial General Intelligence/人間レベルの知能、 つまり汎用知能を実現したもの)の段階に入ると、そのAI故の機械的暴走を人間 が制御不能になるという意味での)の代表者には、ビル・ジョイ(元サン・マイ クロシステムズ社 チーフサイエンティスト)、スティーブン・ホーキング(ブ ラックホールの特異点などで著名な英国の理論物理学者)らがいる。 また、ヒューマニスト(目的さえ見失わなければ人間はAIを十分に使いこなせる と主張する)と呼ばれる立場の代表者は、カーツワイルを“AIカルト教の信者 だ!”と批判するジャロン・ラニアー(カリフォルニア大学バークレー校の起業 ・技術センター(CET)客員教授)である。また、ラニアーがコンピューター科学 者であるだけでなく作曲家、ビジュアルアーティスト(芸術家)でもあることは 興味深い。 また、ヒューマニストの一人であるスティーブン・ジェイ・グールド(米国の古 生物学者、進化生物学者、科学史家)がAIの『物事の意味や価値(シニフィエ/ 意味、記号内容、所記)を判断し、納得的し理解することの限界』を指摘してい るのも注目すべきだ。つまり、あくまでもAIはシニフィアン(道具、記号表現、 能記)であり、宿命的に地球エトノスと共鳴・共感するシニフィエ的な存在であ る人間に成り代わることはできない、という主張である。 (2)やはり、エトノスへの気づき(学校教育による新鮮な生命が吹き込むエトノス対話の環境づくり)がAI活用を生かした未来への可能性を拓く 何時までも穴クロ安倍一派に振回されずAI時代の新産業創造に知恵出すべき!➡自動運転経済の失業者たち/AIが仕事を奪う方が早い時代に資本主義は 如何に機能できる?20160820TC-J http://goo.gl/nAQkjm 20160822 @hanachancausehttps://twitter.com/hanachancause/status/767426113098219520 ・・・ ところで、AI技術に関わるテンポラリーなポイント(概要)を整理すると以下の とおりである。 ●研究そのものは1990年代から進められていたが、カナダ大学のジェフリー・ヒ ントンが、画像認識のための多層構造ニューラル・ネットワーク(人間の脳の神 経回路の仕組みを模したモデル)を使う「深層学習」(機械学習、ディープラー ニング)を2010年に初めて実現した。 ●ニューラル・ネットワークは、人間の脳の神経回路の仕組みを模した数学モデ ルであるが、目下、最も注目されているのがスパイキング・ニューラルネットワ ークSNN(従来の発火頻度ではなくニューロンの内部電位に注目したモデル)で、 これは人間の脳の機能をより深く外装的に模倣する技術である。より深く模倣の 意味は、SNNが、約1.6万個のチップで1000億個超の脳のニューロン・ネットワー クの動作環境を実験的に生体模倣の忠実度をより高めつつ模倣するということで、 リアル脳とは余りの桁違いながらも、人間の脳の働きについての基本的な知識が 得られるというアイデア。 ●興味深いのは此のAI「深層学習」の実験でも判断力を飛躍的に高めるカギが正 確な記憶、正しい歴史と経験の積み重ね(頑健性(ロバスト)の取得)、そして 何よりも精錬のプロセス(敢えて困難な課題を繰り返し与える思考訓練)が必須 であることだ。しかも、この歴史(正しい記憶)の積み重ね(頑健性)と精錬が ないと蓋然性が高い未来と行動の予測(より正しい結果の予測)ができないこと が分かってきている。余談だが、この辺りでは「安倍内閣、日本会議、神社本庁 らの根本的な文化的ゾンビ遺伝子、アナクロニズム(内向的で静止的な追憶のカ ルト)の脆弱さ」が連想させられ無性に笑いがこみ上げてくる!w ●それまで特徴量(課題解決のために使うパラメータ/何を特徴量にするかで精 度が決まる)の設計(特徴表現学習)は、画像や音声などに関する知識と経験が 豊富な各データの研究者・技術者らが手動で設定する一種の職人技に頼っていた が、これ以降は自動で計算されるようになった。ただ、「深層学習」の計算プロ セスで行われる“異層間での共鳴・共振・取捨選択”(密結合と呼ばれる)をプ ログラマーは理解できないというブラックボックスの部分があり、想定外のリス クも確認されている(出典:小林雅一『AIの衝撃』‐講談社現代新書‐)。 ●根本的な課題としてカルマン・フィルター(自動運転車・金融工学などの基本 原理/先端AIの正体は線形回帰分析、ロジスティック回帰分析ら統計学モデル) の問題がある。カルマン・フィルターは、そもそも誤差のある観測値を用いて、 ある動的システムの状態を推定あるいは制御するための数理統計モデルだが、金 融工学(自動運転車)で使われる正規分布曲線(その尻尾(テール)部分の異常 ・リスク事態は無視できるほど小さな確率、が前提である。ところが、そのテー ルが正規分布から微妙にズレた「無視できない大きな尻尾(実はファットテール 曲線!)」であることを、賢明なエコノミストらが以前から指摘してきた。そし て、実はこれが起動因となりリーマンショック(2008)やヘッジファンドLTCM破 綻(1998)が起きており、自動運転車も同じ危険性を内包していると考えられる (出典:同上)。 ・・・ 以上のとおり、現況では未だまだ課題を抱える先端技術AIではあるが、いずれこ れらの課題が解決され、本格的に人間社会のためにAIが貢献する時代が近々に到 来することであろう。そして、特に期待されるのが先に取り上げた(1)文化進 化論、あるいは(2)新たな経済・財政理論の創造等の分野である。 (2)については、既に第3章―1「井手英策『経済の時代の終焉』が示唆する 繋がる社会への希望」で少し触れたが、進化経済学等の最先端フィールドでのA Iによるビッグデータ解析から「利他心>利己心」の有意・有効性が証明・理解 されており、この観点からも井出英策氏の提言の正しさが裏付けられている。 米国の経済学者(厳密に言えば進化経済学者/旧来の経済学が物理学の考え方を モデルとするのに対し、進化経済学は生物進化をモデルとしており、経済主体は 多様性を帯びることになる)ハーバート・ギンタスは、社会心理学、行動経済学 (互恵的利他行動)、ゲーム理論らの分野で、AIによるビッグデータ解析などの 手法を使って旧来の主流経済学(特に、利己心を最重視する市場原理主義の根本 的な誤謬!)の内容を根本から書き換えるような画期的業績を続々と発表してい る(参照→ https://goo.gl/403hFM )。 ギンタスらの行動経済学が注目するのは「旧来の主流経済学が、人間は完全に利 己的だと見なし、人間は経済的利益のみを考えて行動すると決めつけているのが 根本的誤り!」だということである。しかも、例えば「新自由主義が主張してき た労働改革の柱である非正規雇用の拡大が、却って生産性を低下させる」ことも 実証的に観察されている(出典:既述、アレックス・メス―ディ著「文化進化 論」‐NTT出版‐、p282‐286)。近年は多様な研究と豊富なフィールドワークによって、人間が完全に利己的な訳ではないことが実証されつつあり、そこでの結 論の一つが<AIによるビッグデータ解析を駆使する文化進化論は、従来の経済理 論より遥かに正確にリアルな経済現象を説明できる>ということである。 しかもこのような視点は、第2章−2で取り上げた「米バーニー・サンダース現 象の深層にある、米国・公正資本主義の伝統」、第3章−1「アナクロにズムと 新自由主義の癒着、アベノミクスからの脱出・・・井手英策『経済の時代の終 焉』が明示する「繋がる社会」復活への希望・・・」などの問題意識と奥深くで 通底することが理解できるはずだ。いつまでもアベノミクスなる「アナクロニズ ム(追憶のカルト)と新自由主義の複雑骨折に因る癒着性カルト炎症」に嵌り続 ける安倍内閣を支持するバカリの多数派国民層は、いい加減に目を覚ますべきで ある! 同時に、急がば回れであるが、このような意味での自覚を促し、エトノスとの対 話環境に最も重要となるのがフェルナン・デュモンが指摘するとおり「学校教育 での民主主義の学習」である(第2章―1、参照)。また、井手英策氏の提言 「相互扶助(互酬/集団パターンに応じた相互扶助、助け合い)と再分配(徴税 上の応能負担・応分負担の均衡を図り、全体の公正を期すための中央の決定によ るメンバーへの再配分)の仕組みの再構築」(第3章―1、参照)に緊急に取り 組むべきである。 つまり、AIによるビッグデータ解析を駆使する文化進化論の研究によって、今や 「エトノス環境下の現実世界で起こる文化進化の度合いが、ラマルクの遺伝的適 応や既存数理モデルの想定以上に強く作用しており、しかも想定以上の短時間に 進化上の変化が生じていること」が分かりつつあるということだ。その意味で、 米バーニー・サンダース現象がジワリと政治の中枢へ影響を及ぼしつつあるアメ リカの方が安倍政権(アベ=クロ暴走)で立ち往生する日本よりも遥かに健全で ある。 一方で、AI(AGI)装備によるマッド・サイエンス化にも警戒の目を向けるべき だ。既述のカルマン・フィルターでの予期せぬ自動運転車による大事故や金融パ ニック等の発生リスクの他に、大いに懸念されるのが既に一部で実装配備されて いるAI「自動制御兵器」で“Go and Forget!”(AI制御の猛スピードに人間が 付いて行けぬため、尖閣諸島ら事実上の前線で予期せぬ人的統制不能が出現し、 後は野となれ山となれのままの状態で開戦へ突入する)などの大リスクが出現す ることだ。その意味でも、安倍政権の平和理念&同関連防衛政策の混迷と外交力 の劣化は日本を更なる大国難へ叩き込む恐れがある。 ところで、AI(AGI)の近未来について「楽観論」、「悲観論」、「ヒューマニ スト」の三つの立場が関連研究者らのなかに混在することを既に指摘したが、 シンギュラリティの先に「悲観論」が予見する如きデストピアが出現するのを回 避するためのカギは、やはりエトノス観の有無ということになるだろう。 それは、ディープラーニングをベースとするAI(AGI)と人間の決定的な差異が エトノス観の有無であるからだ。仮に、知的(知能)レベルで人間を遥かに凌 駕する、人間並みの意識を持つAGIが出現するとしても、おそらく「楽観論」者 が主張するように、それらAGIマシンが人間と全く同様に自然(自然環境)を愛 でるようになるのは考え難いことだ。なぜなら、彼らAGIマシンは地球環境エト ノスと絶えず交流し交感する、その意味で地球環境を生存条件として必要とする 人間とは異種の存在であるからだ。 無論、これらAGIマシン(AIロボット)が人間を完全に支配した挙句に、地球資 源を消耗し尽くした彼らが地球圏外へ向かって大規模エミグレーション(大移 住)を企てるような事態にでもなれば、このような「楽観論」では済まされなく なり、基本的に地球環境でしか生きられない人類がゾンビ集団と化したAGIマシ ンの奴隷orペットと化す恐れもあるだろう。苦w いずれにせよ、そのような緊急事態とならぬよう、いよいよこれからが人類(特 に日本国民!)の正念場である。また、異常に知能が低いw「亜種ゾンビAGIマシ ン」を先取りしたような安倍政権、日本会議、神社本庁ら「偽エトノス派」(疾 うに日本から消滅したはずの、奇怪な“死んだ”ゴミ遺伝子が漂う記憶喪失の海 に生息する追憶のカルト、人間が住めない非エトノス環境で蠢くゾンビ)らが跋 扈し、実効支配する日本は全人類滅亡の震源ともなり兼ねないので十分に警戒す べきである!w |