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■米マヌーバーと日本会議(安倍)、二大権力の犬に甘んじるマスメディア/玉 音放送(敗戦)を正しく評価できる『正統保守』と、できない『偽装極右』(重 篤“文化記憶”障害)の峻別が今こそ肝要!(5/5) <注>お手数ですが、当記事の画像は下記URLで御覧ください。 http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20150901 (3)教育改革(“暗黙知”への威嚇が狙いの国立大文系学部廃止と“安倍偏好”『検定教科書』)の狙いは愛国“追憶のカルト”国民の量産/他方、親日派を標 榜する米SRIマヌーバ―らには“暗黙知”(対日文化戦略)も視野に入っている! ◆【 #日本会議 指南による暗黙知への焚書坑儒!】文科省・通知に従い国立大 に文系再編の波、文系学部(文学部、法学部、経済学部など)の人文社会科学系 と教員養成系のある60校の半数近い26校が学部改廃計画20150824読売、http://goo.gl/MVimUH ◆歴史教科書に育鵬社が続々と決定!/宮城県立中、東北初採択 庄子晃子委員長(東北工大教授・歴史学/おそらく“つくる会”から分かれた『教科書改善の会』(育鵬社)・田中英道氏(東北大名誉教授・“誇大妄想”?w美術史)の傀儡?) は「わが国の歴史と文化的な人物を多く取り上げ豊富な資料と共に詳しく記述し ている点?を高く評価。グローバル人材の育成を目指す両校の特性に合う?」 と。来春から同社を採択したのは21日現在、宮城県はじめ東京都、大阪市などの14教委に上る! ⇒ 歴史教科書に育鵬社 宮城県立中、東北初採択/宮城県 教委は、県立中高一貫校の仙台二華中と古川黎明中(大崎市)が「2016年4月から 使用する歴史教科書」に、扶桑社の関連会社の育鵬社を採択したと発表。同社の 採択は東北で初めて。20150822河北新報、http://goo.gl/LIUPOs <注>来年 (2016年度)から使用(4年間)する中学教科書は、2014年度に検定合格したも のの中から、2015度採択され決定する(高校は毎年採択替え)。https://goo.gl/hg4XE2 (おそらく、親日派・知日派を標榜することもある米SRI・CSISらの“Peace through strength(war)のための #日本会議 の有効活用”を目論むマヌーバ― に沿いつつ・・・)「日本会議」と安倍政権が推奨する「2016年4月から使用す る中学校の新しい教科書」が全国で急速に浸透している。 上の宮城県の事例に先立ち「新しい歴史教科書をつくる会」元会長の八木秀次氏 (麗澤大教授/今上天皇に対して“天皇は安倍内閣に批判的な言明をするべきで はない!との異様な論陣を張っている人物/参照⇒ http://goo.gl/yJy0qc )が 編集に関わった育鵬社“中学教科書(歴史・公民)”が横浜と大阪で採用決定」 のニュースが流れたばかりである。 八木秀次氏は、この育鵬社「教科書(コラム)」の中で「日本の太平洋戦争開戦 は欧米に植民地支配されたアジア解放の意味があった」と強調しており、東京裁 判についても八木氏の「戦勝国の一方的な裁判」という視点での解説が掲載され ている。しかも、この前者(太平洋戦争開戦を肯定する主張)が「戦後70年談 話」における安倍首相の一部の主張とピタリと重なるのを見逃すべきではない。 採択決定の期限は8月末までなので歴史・公民ともに少なくとも全国比6〜7% 程度の採択シェアになると推測される。平成26年度の採択シェア(対全国比)で 見ても、歴史(3.79%)、公民(4.16%)であり、平成21年と比べると歴史で6 倍、公民は11倍もの大きな伸びとなった(出典:http://goo.gl/FCXiky )。 ところで、この育鵬社(or自由社)の中学校教科書については、その急速な浸透・ 拡大と拡販・普及活動の“異様な活発さ”と共に「(a)特異な記述・掲載内容、(b)安倍政権(文科省)・民間教育臨調(日本会議ダミー組織)・育鵬社・日 本会議系“誇大妄想”トンデモ学界・各教育委らが連携する浸透・拡大戦略の熱 気」の二点について、その“追憶のカルトぶり”という特異性に注目が集まって いる(主にネット上で!日本会議マターと同じく、リアル世界の主要メディアは 殆どスルーか、無視・タブー視同然の扱い!w)。 因みに、この教科書に関わる一種の戦前回帰フィーバー(安倍サマの美しい国づ くりと連動する)を、もの陰で、おそらく密かに支援しつつ監視wする米SRI・ CSISらのマヌーバ―に関わる親日派・知日派を標榜する米国人(例えば、カート・キャンベル、ジョセフ・ナイ、マイケル・グリーンなど)が、並みの日本人を遥 かに凌駕する日本の歴史・文化(暗黙知の領域)に精通していることを見逃すべ きではない。 その意味では「 #日本会議 」指南で安倍政権が謀る「国立大学文系学部廃止と 連動させた学校教科書の“追憶のカルト”化戦略」の特徴が、人文・社会系を 敵視する“焚書坑儒”戦術と歴史修正主義、つまり<人文・社会系の暗黙知と日 本の歴史・文化の歪曲・ねつ造>のトンデモ、というのでは余りにも情けない。 これでは強大かつ強かな米国マヌーバ―の敵では到底あり得ない!だからこそ、 「殺人戦争」(偽装極右が好む“安保法”式の“先制自衛戦争”)ならぬ“「正 統保守」の視座から発想する「日米文化闘争」”は未だまだこれから!と見るべ きなのだ。w (a)育鵬社・教科書、その記述・掲載内容の異様さ(概観) ◆安倍は日本の北朝鮮化が目標なのか?しかも育鵬社「公民」の教科書では反進 化論のインテリジェント・デザイン(カルト?)に近い考えがコラムに載ってお り、歴史・公民とも非常識な内容がゴロゴロ!こんなトンデモ検定教科書をゴリ 押す安倍自民党は正気か?しかも、それを批判する教員の懲罰のため法整備する!? @只のオッサンvia tweet 20150818 https://goo.gl/K3Fd7l ・・・Cf.教科書に<「安倍首相の写真」が15枚>も!さながら<将軍様を奉る 北朝鮮>の教科書!? 政権お墨付き育鵬社“歴史修正、改憲誘導”内容の教科 書が公立中学で採択続々@takapapacom http://goo.gl/POCVev ここで、「育鵬社・教科書」の“特に異様(異常?w)な内容”を具体的に指摘 すると以下●のとおりである。 ●「日本=世界に冠たる大国」意識の発揚&鼓舞!/「堺市・百舌にある大仙陵 古墳(仁徳天皇陵古墳)」が示す?如く原始・古代から日本は世界に冠たる“大 国”だった?(歴史) ・・・(Cf.)育鵬社の採用促進を支援する田中英道氏(『教科書改善の会』/ 東北大名誉教授・美術史)は、かつて著書『国民の芸術』の中で、日本にもルネ サンスとバロック美術の時代があったとの奇異な“誇大妄想”美術論?を説いて いる。w ●古代日本は「世界5大文明」の一つ?/縄文時代は「世界4大文明」に匹敵す るとの恐るべきw“印象操作”記述(歴史) ●“憲法古着”論?w的な文脈で、安倍「自民党改憲案」の内容(9条平和主義 &国民主権の削除or制限、天皇元首制復活、授権規範的“立憲主義”廃止など) を実現するため「改憲」が必須であるという奇怪なイデオローグへの誘導!(公民)・・・なお、公民の執筆者の中の3名は“安保法の合憲”を主張する極少数 派の憲法学者。 ●コラムながら、反進化論のインテリジェント・デザイン(カルト?)に近い考 えを掲載(公民/関連で、冒頭のPaul Klee画像の説明を参照乞う) (b)安倍政権(文科省)・民間教育臨調・育鵬社・各教育委らが連携する浸透 ・拡大戦略の異様な熱気/住民意識の劣化(=首長・議会選挙での非常識な棄権 率の大きさ)、つまり“地域住民の無関心に因る異常低投票率の常在”と“トン デモ教科書の拡大傾向”には強い相関性が観測される! 安倍政権(担当=教育勅語の復活を目指す下村博文・文科&カルト相w)は正統 な歴史批判(暗黙知(国民の真理)の重要な役割)を超然権力的に封印する意図 から「国立大学の文系学部廃止」、「愛国社会人教育の充実」など様々な“戦前 を取り戻すための教育カルト化戦略”を企画しており、これらの基層を支える役 割を担うとして最重視される「“下賜型愛国”教科書」採用の拡大計画が「日本 会議」指南の下で精力的に推進されている。 新しい歴史教科書の採用拡大を図る「2009年に横浜市が取ったモデル戦術」を参 考にした「基本戦略」(日本会議、安倍政権、文科省、民間教育臨調( #日本会 議 ダミー)、育鵬社らが連携する)の概要は次のとおり。(出典:http://goo.gl/3BblKB ) ・・・先ず育鵬社・自由社の教科書に賛同する「首長」の選出を謀り、自らの 「主張に近い教育委員を任命」させる。そして「教科書選定の審議会・委員会の 答申を無視」して「教育委員会で勝手に採択」を決める。その援護射撃として 「両社版の教科書の採択を求める請願・陳情」を出し、更に「議会決議」アピー ルで如何にも「民意」との印象を演出する。 ・・・無論、この下賜“愛国”型教科書採用の拡大は今後の国の行方につなが り、やがて全ての国民の生活に直結するので、着々とこのトンデモ戦術を進め る「正統保守ならぬ偽装極右派!」(日本会議、安倍政権ら)に比べ、果たして 「護憲派、正統保守派」や一般国民の対応(本気度?)は大丈夫なのだろうか? この辺りが甚だ心もとない! 採用シェアを急拡大させる横浜市・大阪市・東京都で目立つのは首長・議会選挙 などでの異常な棄権率の大きさで、常にそれが凡そ30%未満〜30数%に止まって いる。特に横浜市は平均世帯の年齢層が40歳前後と比較的若く、最も働き盛り である肝心のサラリーマン世帯が「無関心層」の大きな構成と重なって見える。 次は、同投票率が凡そ30%前後の宮城県・仙台市・埼玉県が危ないと見ていたら 宮城県で予想が的中してしまった! ←(補足)案の定、遂に埼玉県も育鵬 社に決まったようだ!苦w(20150905朝日) (関連情報) ◆「育鵬社教科書」採用決定、2014年度の概要(日本教育再生機構/日本会議ダミー? http://goo.gl/xbvCoC ◆2015年育鵬社教科書を採択した自治体の現況(20150811現在/中曽ちづ子ブログ)、http://goo.gl/AVwXFd ◆教科書に安倍首相の写真が15枚も! 政権お墨付き育鵬社の“歴史修正、改憲誘導”教科書が公立中学で採択続々2015.08.18リテラ、http://goo.gl/POCVev ◆育鵬社教科書の影に首相グループ──安倍晋三氏の異常な執着(池添徳明)20150809週刊金曜日、http://goo.gl/NeqkjY 4 日本の伝統文化を破壊する重篤「記憶障害」である“ #日本会議 ”シンドロ ームの完全治癒には「“人間の真理”に関わる多義記憶(正統保守の歴史観)」 の回復が急務/注目すべき、カズオ・イシグロ『忘れられた巨人』(早川書房) のメタファー ◆【“日本会議(安倍政権)=米国マヌーバ―配下”の証拠写真?/ツイッター 情報】・・・「安倍“日本会議”内閣」バックボーンの記念写真?/櫻井よしこ (国家基本問題研究所(日本会議ダミー)理事長/前列左端)、アーミテージ (米リバランス・マヌーバー&知日派の黒幕/櫻井よしこの右隣)、田久保忠衛 「日本会議」会長/アーミテージの右隣)・・・ (戦前の皇国史観を戦後の日本が十把一絡げに乱暴に批判してきたことが、“人 間の真理”の多義記憶を重視する正統保守“と”偽装極右( #日本会議 /歴史 修正主義の追憶のカルト)“を混同し、見まちがえる原因!) 実は、一義的に定義し難いはずの「ナショナリズム(国家主義)」であるが、一 般的には“それは古代から連綿と続く首尾一貫した国民意識だ”という“よく考 えるほど掴みどころのなくなる定義”が常識とされてきた。そして、そのような 議論は特に #日本会議 の如く「開闢以来の皇統一系と純血ヤマト民族の伝統を 無条件に信奉する皇国史観国家主義のイデオローグ」で強く主張される。しかし、 そこにこそ「皇国史観という戦前型“国体論”の決定的欠陥」がある。 また、わが国における戦後の歴史学は、戦前を一括りに批判しつつ一本調子でバ ッサリと「皇国史観」を糾弾する傾向が強かった。つまり、それが左派であるか、 あるいは中道リベラル(欧米民主主義(新しい社会の発見)を尊重する立場)で あるか、または些かでも正統保守を自覚する意識であるか、など様々な立場の違 い超えて、ともかく<戦前の皇国史観、軍国主義、米英打倒主義が日本国民の合 理的な考え方を歪め、抑圧してきたのだから戦前はトータルで誤りだ!>との視 点で戦前を十把一絡げに乱暴に批判してきた、そのことの中にこそ根源的な誤謬 の罠が潜んでいたといえる。 (70年の“戦後史プロセス”で国民主権(中庸な価値観)が曲がりなりにも今ま で持ち堪えてきたという、その意味でラッキー(僥倖)な日本の現実を先ず自律 の眼差しで直視することが肝要) このような背景の中で自民党は「正統保守」と「偽装極右」の薄氷を踏むせめぎ 合いの戦後史のプロセスで、曲がりなりにも国民主権(中庸な価値観)を持続さ せてきたと見ることができる。無論、カルト・ゾンビ集団と化した今の安倍の自 民党を見ていると、こんなことは言いたくなくなるが!w 遥かに古い時代でも、1872年(明治5/仏でライシテ(厳格政教分離)が定着した頃)に渡欧した井上毅(法制局長官、文部大臣など歴任)の「正統保守」が芽生 えた事例がある。井上は法治国家と立憲主義の原則を重視し、それで保障される 国民の主権は国家と雖も正当な法的根拠がなければ奪ってはならないと主張して いた(http://goo.gl/LJ12v5 )。 それはともかく、安倍晋三の祖父、岸 伸介が「1955年の保守合同」で自民党の 基本的枠組みを作る(今に繋がる偽装極右化する)前の「保守」には、このよう な意味での「正統保守」(国民主権ナショナリズム/一般の国家主義とは定義が 異なる!)を志向する複数の流れが存在した。 例えば、外務次官として不戦条約(1928)の調印を経験した吉田 茂が、戦後、 首相の時に「9条・日本国憲法」が公布されたという歴史上のエポックには、内 外に多大な犠牲をもたらした敗戦経験から辛うじて学び得た「正統保守」の価値 観が影響を与えたことが考えられる。無論、その正統保守の価値観の基盤となっ たのは、“あの『玉音放送』が9条(日本国憲法)の母胎となる平和主義につい ての深い理解を準備した”ということだ。 戦争末期に、吉田 茂は終戦工作(“ヨハンセン”グループ/それを監視する憲 兵隊の符丁(暗号)、“よしだはん(反戦)せん”から付いた名称)の首謀者と して憲兵隊に逮捕されている。おそらく、これら吉田を巡る動向には同じ戦前の 皇国史観でも「正統保守」の核心となり得る穏健な方向へ転向した三井甲之(平 泉澄の聖戦玉砕・このみいくさ原理主義とは対照的に、伝統文化主義を重視しつ つ宗教・文化と政治を意識的に分離する象徴天皇制に近い皇国史観を主張した) らの思潮が影響を与えたと思われる(参照 ⇒ http://goo.gl/RCTSH4 )。 (偽装極右( #日本会議 )化した自民党は、もはや“国民主権(人間の真理の 核心的メタファー)に関わる理解の深化の議論に堪え得るタフな知性”を失っ ている) そこには、現在の<安倍「日本会議だらけ」内閣>の如き擬装民主主義(国民主 権の否定を下心とする!)や偽装極右(カルト)ではなく、多数派の一般国民層 が率直に受け入れることができる<立憲主義国家たる象徴天皇制の下で天皇家の 精神基盤である伊勢神宮が象徴する日本の伝統文化を尊重する「国民主権デモク ラシー国家」が成立し得るという、「日本型の、ある意味で国連の理念をすら先 取りする冷静な正統保守思想」の創出に至る可能性が潜んでいた>と思われるが、 現在の日本では、天皇・皇太子御両家を除いて、このような視点は殆ど見落され ている。(当論の委細は、下記★を参照乞う) ★安倍内閣(偽愛国)の決定的誤りは、正統保守に必須の二理念『情念統制、論 理構成』の相互補完性と国民主権ナショナリズムの無理解を恥じもせず露骨メデ ィア支配で国民扇動に只管“精”を出すこと2014-09-01toxandoriaの日記、http://goo.gl/RCTSH4 だから、今の安倍・自民党は「極限までせめぎ合いができるタフな知性」を失っ ており、国(民)益より私益(1%派に連なる仲間益)が全てに優る偽装極右 ( #日本会議 ら反知性主義カルト諸派)の巣窟と化している。しかも、知日派 とされるアーミテージやジョセフ・ナイらの考えは必ずしも米国の総意ではない し、日本がそれを絶対に拒否出来ない訳でもないはずだ。ただ、安倍晋三・首相 らは米国・知日派のマヌーバ―(Peace through strength(war)=Proactive Contribution to Peace)に操られ、彼らと一緒に「普通の国民となった日本の若者」らに本物の戦争を経験させたい、戦争でアベノミクスを一層活気づけたい、 などと真におぞましいカルト妄想に狂っているだけである。 (偽装極右( #日本会議 =『文化的記憶障害』シンドローム)を根治するカギは、「東アジア漢字文化圏」に位置する日本伝統文化に潜む『忘れられた巨人』(カズオ・イシグロ)のメタファーを理解し自覚することにある) カズオ・イシグロの最新作『忘れられた巨人』(早川書房、201505翻訳版・刊) は、このような現代日本の「 #日本会議 」なる自国の伝統文化に関わる重篤な 『文化的記憶障害』シンドローム(症候群)の治療に役立つ重要なヒントを与え ていると思われる(プロフィール画像はウイキ、より)。 <注>カズオ・イシグロ:1954− /日本人で英国国籍(ロンドン在住)の作家、1989年に長編『日の名残り』で英国最高の文学賞ブッカー賞を受けノーベル文学 賞候補ともされる、世界40か国で殆どの作品が翻訳・出版されている。 この『忘れられた巨人』のテーマは<たとえ、記憶が徐々に変容し溶解するのが 必然で、いずれ全てが忘れ去られる残酷な宿命であるとしても(個々の人間の記 憶は死へ向かうにつれ失われて行く運命であるが)、生きている人と人の出会い における『人間の真理(観測者エスの視点と現実の狭間で揺れる感性のあり様) についての記憶の社会的蓄積(共有)』にこそ人間の生きる意味がある>という ことだが、その舞台は6〜7世紀頃のブリテン島、アーサー王物語のすぐ後の頃 で、鬼と竜と精霊が人々と共存する空気の中でブリトン人(ケルト人)とサクソ ン(ザクセン)人が戦っていた頃の物語である。 仮に、戦争で血みどろの殺戮戦について敵から仕掛けられたイメージだけを痛み の記憶なしで100%再現するのが可能ならば、人々はその余りにも凄惨なリアリ ズムを恐れる一方で、旧敵への激烈な憎しみと愛国100%の情念だけが復活し、再び、果敢にリアル戦争の地獄へ飛び込む誘惑に駆られるかもしれない。これが、 いま安倍政権が「追憶のカルト」(ゲーム感覚的で痛みがない戦争記憶100%への 異常な拘り)を呼び起こす「集団安保法(戦争法)」でムリクリに戦争を強行し ようとするカルト狂気の幻想政治の意味だ。 一方で、幸か不幸か、個々の人間はいずれ記憶を失ってゆくという現実がある。 だから、逆に言えば、人間の社会が続く限り、絶対に忘れてはならい引き継ぐべ きものがあるはずで、その忘れるべきでないものこそが激烈な痛みと恐怖の戦争、 大量殺戮、巨大自然災害などが齎した「数多の死と残酷」の経験で得た「多義的 記憶のメタファー/人間の真理の隠喩」だ。そうでなければ、人間は余りにも悲 惨であり立つ瀬がない存在ということなる! ここにこそ芸術一般、神話、むかし話、伝承(Ex.カルトならぬ感性・感情の記 憶をも留めるアーサー王伝説などのフォークロア)、ポエジーor小説、あるいは 国家の記録や歴史記憶(Ex.日本書紀)と法制(Ex.日本国憲法)など、我々が人 間である証でもある凡ゆるエクリチュール(ecriture)の役割がある。そして、 特に芸術・小説・ポエジー・神話らのジャンルは感性・感情のあり様を留める役 目を担う。 因みに、広義のエクリチュールとは、人間の歴史の元になる(主に政治・経済・ 略奪・戦争・大量殺戮などに関わる『冷静な記憶のメタファー』の)記録または 痕跡のことだ。それは絶えざる“人間の真理”の探求に貢献可能な<心を持つ人 間の営為が記録される文字・記号および表象から人間が生きた証(多様な人間の 真理の痕跡)を哲学的・認識論的に理解するための用語である。 ところで、このような意識を既述の「育鵬社/新しい教科書」の問題と併せて考 えると、非常に興味深いことがわかる。それは、必ずしも育鵬社の採用との相関 度が合理的に計測される訳ではないのだが、大阪市・東大阪市・四条畷市・河内 長野市など、いわゆる河内飛鳥とほぼ重なる地域で「日本会議」の影響力と「育 鵬社教科書」の採用が共鳴し、かつ急拡大していることの背後に、ある種の「こ れら地域住民の混濁した深層意識(歴史に関わる記憶喪失・蔑視・錯乱)」が垣 間見えることだ。そして、この「混濁した深層意識」への反証は、例えば「近つ 飛鳥博物館」(大阪府羽曳野市、http://www.chikatsu-asuka.jp/ )の展示物 のエクリチュールなどで具体的に確認することができる。 そのうえ、例えば日本書記(正格漢文体であるα群執筆者=唐人学者二名、続守 言・薩弘恪、倭習(和化漢文)のβ群執筆者=新羅への留学僧・山田史御方(や まだのふひとみかた/新羅の学者との説もある))を肯定的(日本書紀を偽書同 然視する否定的見方に非ず正統保守的な立場(“物語+記録”総体を冷静に評価 する)の研究で、大化改新期の「律令土地制」(爾後、現在に至る日本国家の輪 郭を形成した)の基が難波〜河内辺りの諸大王政権下で大化改新期から百年以上 も先行した「唐均田制(畑作)→班田制(稲作)への応用」であったことが理解 されつつある。(出典:河野通明著『大化改新は身近にあった/公地制・天皇・ 農業の一新』―和泉書院―) だからこそ、日本会議が指南する「安倍晋三のトンデモ教育改革」で、日本の中 学校・教科書(歴史・公民)を一斉に「育鵬社」あるいは「自由社」への変更を 強制したり、あるいはそれと戦略的に同期させた国立大学・文系学部の廃止(人 間にとっての真理とは何か?を謙虚に問い続ける多義的記憶(正統保守の歴史観) の研究に大いに貢献し得る暗黙知の地平(科学・科学技術知の宝庫でもあり、未 生への希望!)に対する政治権力サイドからの焚書坑儒的な愚行!)を強行する のは非常に危険である。 あの #日本会議 の寄生宿主たる米CSIS、SRIらのマヌーバ―ですら、「戦争」(Proactive Contribution to Peace/Peace through war)と共に「暗黙知」 (高度で双方向的な文化戦略)を絶えず視野に入れていることを想起せよ!その 意味で、「 #日本会議 (および、その指南で踊り狂うばかりの、安倍政権に 纏わりつく一派)は、徹底的にトンデモである!! それだけではない、歴史学・文献考証学・考古学などの研究から神道儀式の“す り足”の元とされる陰陽道の反閇(へんばい)は古代中国で「治水の神」とされる 「夏王朝」初代の「禹王」伝説(これは空海の治水関連史跡とも関連する!)が ルーツであること、神社の鳥居のルーツが東南アジア、中国南部、朝鮮南部まで 拡がることなどが理解されつつある。 つまり、広域な「東アジア漢字文化圏」の中に位置づけられる“多様な異種文化 を受け入れつつ、それを辛抱強く取り込み続けてきたという意味で「非常に柔軟 で寛容な古代倭人文化」(これが正統保守を支える“通奏低音”の音源!)”こ そが、世界に誇るべき個性的な日本伝統文化の中核であるということだ。 #日本 会議 が誇るが如く幾ら純血ヤマト民族が優秀でも、「“無から湧くボーフラ” 信心(カルト?)の如く、無菌のシャーレで、ふつふつと湧き出す世界に冠たる 超優秀な孤高の文化」などは、到底、あり得ないのである。 |