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タイトル:[15/06/14] 激裏GATE PRESS No1733 神戸連続児童殺傷事件、酒鬼薔薇聖斗「絶歌」が酷すぎると話題  2015/06/14


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 神戸連続児童殺傷事件、酒鬼薔薇聖斗「絶歌」が酷すぎると話題

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 世間を震撼させた神戸連続児童殺傷事件加害者である
 少年A(東慎一郎)の手記「絶歌」が出版された。
 しかし、遺族に事前連絡がない(遺族は反対)という諸事情に加え
 匿名かつ自己顕示欲満載の薄い内容が酷すぎると話題になっている。

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 事件当時近影
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 印税は少年Aがすべて受け取るという。
 
 凄惨な事件を起こしておきながら、少年法の壁により
 行政からは罰らしい罰は受けていない。
 そして民事訴訟を起こされ、支払い命令が出た
 賠償金、示談金については

 ・第二の事件で死亡した女児の遺族へ
 約8000万円の慰謝料を支払うことで示談成立

 ・第三の事件については和解勧告が出されたものの、成立せず。
 1億4000万円全額の支払い命令


 賠償金1億4000万円+示談金8000万円、合計2億2000万円を
 それぞれの遺族に本人および両親が連帯して払う事になっているが 
 月々12000円(本人4000、親8000円) の支払いに留まっている。


 遺族感情を逆撫でしてまで手記出版するのは
 更正プログラムの失敗。そして強烈な自己愛。
 事件当時、自己愛に満ちた価値観で
 殺人を犯した性根となんら変わっていないのではないだろうか。


 自己愛に満ちたあとがき

 被害者の家族の皆様へ

 まず、皆様に無断でこのような本を出版することになったことを、
 深くお詫び申し上げます。
 本当に申し訳ありません。どのようなご批判も、甘んじて受ける覚悟です。

 何を書いても言い訳になってしましますが、
 僕がどうしてもこの本を書かざるを得なくなった理由について、
 正直にお話させていただきたく思います。

 2004年3月10日。少年院を仮退院してからこれまでの11年間、
 僕は、必死になって、地べたを這いずり、のたうちまわりながら、
 自らが犯した罪を背負って生きられる自分の居場所を、
 探し求め続けてきました。

 人並みに社会の矛盾にもぶつかり、理不尽な目にも遭い、
 悔しい思いもし、そのたびに打ちひしがれ、落ち込み、
 何もかもが嫌になってしまったこともありました。

 ぎりぎりのところで、いつも周囲の人に助けられながら、やっとの思いで、
 曲がりなりにもなんとか社会生活を送り続けることができました。

 しかし、申し訳ありません。僕には、罪を背負いながら、
 毎日人と顔を合わせ、関わりを持ち、それでもちゃんと自分を見失うことがなく、
 心のバランスを保ち、社会の中で人並みに生活していくことができませんでした。

 周りの人たちと同じようにやっていく力が、僕にはありませんでした。
 「力がありませんでした」で済まされる問題でないことは、
 重々承知しております。

 それでも、もうこの本を書く以外に、この社会の中で、
 罪を背負って生きられる居場所を、
 僕はとうとう見つけることができませんでした。許されないと思います。
 理由になどなっていないと思います。本当に申し訳ありません。

 僕にはもう、失うものなど何もないのだと思っていました。
 それだけを自分の強みのように捉え、傲慢にも、
 自分はひとりで生きているものだと思い込んだ時期もありました。

 でもそれは、大きな間違いでした。こんな自分にも、
 失いたくない大切な人が大勢いました。その人が泣けば自分も悲しくなり、
 その人が笑えば自分も嬉しくなる。そんなかけがえのない、
 失いたくない、大切な人たちの存在が、今の自分を作り、
 生かしてくれているのだということに気付かされました。

 僕にとっての大切な、かけがえのない人たちと同じように、
 僕が命を奪ってしまった淳君や彩花さんも、
 皆様にとってのかけがえのない、取替えのきかない、大切な、
 本当に大切な存在であったということを、
 自分が、どれだけ大切なかけがえのない存在を、皆様から奪ってしまったのかを、
 思い知るようになりました。

 自分は、決して許されないことをしたのだ。
 取り返しのつかないことをしたのだ。
 それを理屈ではなく、重く、どこまでも明確な、容赦のない事実として、
 痛みを伴って感じるようになりました。

 僕はこれまで様々な仕事に就き、なりふりかまわず必死に働いてきました。
 職場で一緒に仕事をした人たちも、皆なりふりかまわず、必死に働いていました。
 病気の奥さんの治療費を稼ぐために、自分の体調を崩してまで、
 毎日夜遅くまで残業していた人。
 仕事がなかなか覚えられず、毎日怒鳴り散らされながら、
 必死にメモをとり、休み時間を削って覚える努力をしていた人。
 積み上げた資材が崩れ落ち、その傍で作業をしていた仲間を庇って、
 代わりに大怪我を負った人。
 懸命な彼らの姿は、僕にとても輝いて見えました。
 誰もが皆、必死に生きていました。

 ひとりひとり、苦しみや悲しみがあり、人間としての営みや幸せがあり、
 守るべきものがあり、傷だらけになりながら、泥まみれになりながら、
 汗を流し、二度と繰り返されることのない
 今この瞬間の生の重みを噛みしめて、精一杯に生きていました。

 彼らは、自分自身の生の重みを受け止め、大事にするのと同じように、
 他人である僕の生の重みまでも、受け止め、大事にしてくれました。

 事件当時の僕は、自分や他人が生きていることも、死んでいくことも、
 「生きる」、「死ぬ」という、匂いも感触もない言葉として、
 記号として、どこかバーチャルなものとして認識していたように思います。
 
 しかし、人間が「生きる」ということは、決して無味無臭の
 「言葉」や「記号」などでなく、見ることも、嗅ぐことも、
 触ることもできる、温かく、柔らかく、優しく、尊く、気高く、美しく、
 絶対に傷つけてはならない、かけがえのない、この上なく愛おしいものなのだと、
 実社会の生活で経験したさまざまな痛みをとおして、
 肌に直接触れるように感じ取るようになりました。

 人と関わり、触れ合う中で、「生きている」というのは、
 もうそれだけで、他の何ものにも替えがたい奇跡であると実感するようになりました。

 自分は生きている。その事実にただただ感謝する時、自分がかつて、淳
 君や彩花さんから「生きる」を奪ってしまったという事実に、打ちのめされます。

 自分自身が「生きたい」と願うようになって初めて、
 僕は人が「生きる」ことの素晴らしさ、命の重みを、
 皮膚感覚で理解し始めました。

 そうして、淳君や彩花さんがどれほど「生きたい」と願っていたか、
 どれほど悔しい思いをされたのかを、深く考えるようになりました。

 二人の命を奪っておきながら、「生きたい」などと口にすること自体、
 言語道断だと思います。頭ではそれを理解していても、
 自分には生きる資格がないと自覚すればするほど、
 自分が死に値する人間であると実感すればするほど、
 どうしようもなく、もうどうしようもなく、自分でも嫌になるくらい、
 「生きたい」、「生きさせて欲しい」と願ってしまうのです。

 みっともなく、厭ったらしく、「生」を渇望してしまうのです。
 どんなに惨めな状況にあっても、とにかく、ただ生きて、呼吸していたいと願う
 自分がいるのです。僕は今頃になって、「生きる」ことを愛してしまいました。
 どうして事件を起こす前にこういった感覚を持つことができなかったのか、
 それが自分自身、情けなくて、歯痒くて、悔しくて悔しくてたまりません。
 淳君や彩花さん、ご家族の皆様に、とても合わせる顔がありません。
 本当に申し訳ございません。生きることは尊い。生命は無条件に尊い。

 そんな大切なことに、多くの人が普通に感じられていることに、
 なぜ自分は、もっと早くに気付けなかったのか。
 それに気付けていれば、あのような事件を起こさずに済んだはずです。
 取り返しのつかない、最悪の事態を引き起こしてしまうまで、
 どうして自分は、気付けなかったのか。事件を起こすずっと前から、
 自分が見ない振りをしてきたことの中に、
 それに気付くことのできるチャンスはたくさんあったのではないだろうか。

 自分にそれを気付かせようとした人も大勢いたのではないだろうか。
 そのことを、考え続けました。
 今さら何を言っても、何を考えても、どんなに後悔しても、反省しても、
 遅すぎると思います。僕は本当に取り返しのつかない、
 決して許されないことをしてしまいました。
 その上このような本を書くなど、皆様からしてみれば、怒り心頭であると思います。

 この11年間、沈黙が僕の言葉であり、虚像が僕の実体でした。
 僕はひたすら声を押しころし生きてきました。それはすべてが自業自得であり、
 それに対して「辛い」、「苦しい」と口にすることは、
 僕には許されないと思います。

 でもぼくはそれに耐えられなくなってしまいました。
 自分の言葉で、自分の想いを語りたい。自分の生の軌跡を形にして遺したい。
 朝から晩まで、何をしている時でも、もうそれしか考えられなくなりました。
 そうしないことには、精神が崩壊しそうでした。
 自分の過去と対峙し、切り結び、それを書くことが、
 僕に残された唯一の自己救済であり、たったひとつの「生きる道」でした。

 僕にはこの本を書く以外に、もう自分の生を掴み取る手段がありませんでした。
 本を書けば、皆様をさらに傷つけ苦しめることになってしまう。
 それをわかっていながら、どうしても、どうしても書かずにいられませんでした。
 あまりにも身勝手過ぎると思います。本当に申し訳ありません。

 せめて、この本の中に「なぜ」にお答えできている部分が、
 たとえほんの一行であってくれればと願ってやみません。
 土師淳君、山下彩花さんのご冥福を、心よりお祈り申し上げます。
 本当に申し訳ありませんでした。

 元少年A
 1982年 神戸市生まれ
 1997年 神戸連続児童殺傷事件(酒鬼薔薇聖斗事件)を起こし医療少年院に収容される
 2004年 社会復帰

 
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