10年目の岡田ひとみ
子どもたちにねんどによるミニチュアフードの作り方を教えている人気アイドル、岡田ひとみさんは、1998年に芸能界にデビューした。その後、1年間の活動休止中に、彼女は「どうやったらみんなを楽しませることができるだろう」とじっくり考え、粘土で心を込めてミニチュアフードを作ることを少しずつ学んでいった。そして2002年に「ねんど職人+アイドル=ねんドル」宣言を行い、表参道同潤会アパートで個展を開いて、歴代の動員数を塗り替えた。
2010年夏に、ねんど教室の参加者が2万人を超えたので、それを記念する活動の一環として、子どもたちと著名人による、ボトルキャップを使ったねんどの作品展を開催した。岡田さんはいつもピンクの服を着て、優しく細やかに、気軽で楽しい雰囲気でねんどの使い方を教えているので、子どもたちはたいへんリラックスして楽しみ、学校の図画工作の時間とはまったく違う楽しさを体験している。作品は本物の食べ物とそっくりで、サイズだけがとても小さい。これらの作品を一斉に並べると、色も形もすばらしく、誰もが楽しい気分になってしまう。
2011年に岡田さんは、積極的に被災地や病院やカンボジアなどでワークショップを行った。また同年、日本記念日協会に申請して、「901」と「クレイ(ねんど)」のごろ合わせから、9月1日は「ねんどの日」に制定された。今年の記念すべき第1回の「ねんどの日」に際して、岡田さんは特別ねんど教室を開催し、その時の様子をYoutubeにアップしたところ、非常に好評であった。ねんど教室は日本を飛び出し、アメリカやシンガポールの幼稚園でも行われ、外国の子どもたちにねんど細工の作り方を伝えている。「ねんドル」は世界各地の子どもたちの心の中の「アイドル」になったのである。
表参道同潤会アパートで開催した個展から10年経った今年は、岡田ひとみさんが「ねんドル」となって10年目でもある。アーティストでもなくタレントでもなく、教育者とも異なる、アイドルとしての、この特別な立場を保ち続けるのは簡単なことではない。「ねんドル」の活動がこんなに長く続くとは、誰が予想しただろうか?だが岡田さんは、毎回子どもたちの笑顔に出会い、自分を信頼してくれる人々の気持ちや愛情を受け取って、10年の間、やめようと思ったことは一回もないという。
11月7日は岡田さんの誕生日だ。この日から6日間にわたって、10周年記念の個展「ねんどでミニチュアワンダーランド」が、表参道ヒルズで開催された。処女作から最新作までが並んだ展覧会場に立って、岡田さんは言う。「10周年の個展は、お祝いでも目的でもなく、通過点に過ぎません。ねんどというツールを使ってやりたいことは、一生きっと終わらないのですから。」(ff執筆)
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