本来の自分に出会う、優しい灯り〜キャンドルアーティスト Takami〜
「キャンドルアーティスト」という職業を、近年よく耳にするようになった。今回、「地球キャンドル」で話題を呼んでいる、キャンドルアーティストのTakamiさんにお話を聞くことが出来た。
Takamiさんは10年ほど前、今後の行く先に一抹の不安を抱いていた。ふと部屋でほこりをかぶったキャンドルに火を灯したところ、悩み疲れた心が癒され優しい気持ちになった。そして得体の知れなかった不安がすこしずつ削ぎ落とされ、理由のわからない涙がこぼれ、本来の自分にかえることが出来た。Takamiさんはそのときの感動を信じ、キャンドルアーティストの道を歩き始めた。
最初はただ自分のために作っていたというキャンドルをウェブで紹介し始めると、少しずつコメントが入るようになり、「可愛い」と評価の声がとびかった。そんな方々からの要望にこたえ、販売をスタートする。現在、作品展やキャンドルナイト、ワークショップなど多方面で活躍中。
生まれて初めて作ったのが、神から生まれた赤子のように淡く優しいベールに包まれているロイヤルブルーの地球キャンドル。地球キャンドルは、そのときの地球の状況やメッセージを感じながら制作している中で色が決まる。そんな地球キャンドルを製作するうちに、Takamiさんは不思議な体験をする。3.11の3日前に制作した地球キャンドルを、震災後、型から取りだしてみると、なんと大陸部分に海が押し寄せている、まるで津波のようなキャンドルだったという。その出来事以降、ロイヤルブルーの地球キャンドルは、water planet(ペールブルー)、Mother earth(マゼンタピンク)、New earth(ターコイズブルー)の3つの色へと変わった。「少しずつ本来の地球へ生まれ変わろうとしているみたい」、Takamiさんは語る。
キャンドルの灯りは、そのものの本当の「魂」に気づかせてくれる。日常にありふれた情報は雨のように降り注ぎ、社会情勢も日々刻々と変化していくストレス社会の中で、キャンドルの灯りを必要としている人は多いはず。Takamiさんの夢は、あらゆる場所で灯りを灯していくことだ。いつかどこかで引き寄せられるように、自分の本当の気持ち、ゆるぎない自分を知るそのときがやってくると思う。Takamiさんのキャンドルはそっとそれを助けてくれる。心の頬を照らされると、すごくシンプルな自分自身に気づくのである。
Takamiさんの今後の活動予定はウェブでお知らせしているので、ぜひ作品を手にしてほしい。運がよければ会場でTakamiさんご本人に会えるチャンスがあるかもしれない!(長野陽子執筆)
|