「新クレヨンしんちゃん」の出版
日本の漫画作品「クレヨンしんちゃん」は、中国語圏の我々にもなじみ深いものだ。漫画を読んだことがない人でも、主人公の本名が「野原しんのすけ」であることを知らない人でも、あの太い眉毛の面白い顔を見たり、ちょっと品のないあのおなじみの声を聞いたりすると、それが「しんちゃん」だとすぐに分かる。1990年に誕生してから、幼いのになかなかの大物である彼は、すでに無数の読者に抱腹絶倒の楽しさを与え、「ゾウさん」や「ピーマン」などの有名なシーンが生まれた。中国に入ってきたばかりの頃、多くの父母たちは子どものための本だと思っていたが、「クレヨンしんちゃん」は実は、子どもの口を借りて現実社会を風刺する大人のための作品だったのである。
連載は20年続き、人気が衰えることがなかった「クレヨンしんちゃん」は、その著者である臼井儀人(うすいよしと)さんを名実共に日本の漫画界の巨匠の地位に押し上げた。ところが突如、2009年9月、51歳の臼井儀人さんは登山をしながら撮影中に足を滑らせて崖から転落し、命を落としてしまった。世界中の「クレヨンしんちゃん」ファンが臼井さんの早すぎる死を悼み、この先は作品が生み出されないことを嘆いていた時、未発表の原稿が臼井さんの遺品の中から見つかった。これによって、しんちゃんと仲間たちの物語はさらに半年続くことになった。そして2010年3月、「クレヨンしんちゃん」の物語の終了が宣言された。
だが、「ドラえもん」が著者の死後も続いたのと同じように、臼井さんと一緒に働いてきたスタッフたちが再び集まって、臼井儀人&UYスタジオを結成し、原作者の画風と世界観を継承して、2010年9月に「新クレヨンしんちゃん」というタイトルの続編の連載を雑誌「まんがタウン」で開始したところ、読者たちから大反響があった。出版社の双葉社では、「クレヨンしんちゃん」誕生20周年を祝って、一年半にわたる記念イベントを開催した。
今年の7月13日、「新クレヨンしんちゃん」の単行本の第一巻が発売された。著者の事故死による終了の後、新たに始動した最初の単行本として、この作品は日本だけでなく、台湾、香港、韓国、ベトナム、マレーシア、インドネシアなどでも同時に発売される。生まれ変わった「新クレヨンしんちゃん」が早く中国大陸の読者たちの前にも登場して、永遠に続くしんちゃんの抱腹絶倒を世界中の読者たちと共にできるようになることを願っている。(凱特執筆)
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