2012年7月8日 第24号(通巻第319号) | SINCE 2000.7.8(12周年記念号)

EVAがテーマのスマートフォン

日本のアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」(通称EVA)は、多くの人がよくご存知だろう。日本のアニメ史を過去から未来へとつなぐ道標的作品として、「EVA」は日本のアニメのポストモダンの時代を切り開くと共に、綾波レイ、碇シンジ、アスカなどのこれまでにないようなすばらしいキャラクターを創り出し、多くの新しいタイプのアニメが登場するために堅実な基礎を作り上げた。また一方で「EVA」は、日本で最も稼げるアニメ作品の一つでもある。この作品は多様な文化的シンボルを含んでいるため、非常に商品化に適しているのである。1995年に初めて放映されてから17年の間に、「EVA」から生まれた商品の売上高は1500億円を超えているという。

今年の秋、「EVA」の劇場版第3部、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」が日本で上映される。新しい映画のプロモーションに当たって、映画製作会社はNTTドコモとコラボレーションを行い、ビジュアル的なインパクトのある限定版スマートフォンを発売した。このスマートフォンはシャープが製造したもので、型番は「SH-06D NERV」である。「EVA」を見た方ならご存知のように、NERVとは「EVA」に登場する「特務機関」の名称であり、このスマホの全体的なイメージはNERVの工作員が持つ端末にそっくりなのだ。

このスマホは「Q」の独特な世界観を表現し、「NERV官給品」をコンセプトとしており、近未来のイメージを感じさせる。背面パネルは二種類あり、どちらもNERVのテイストに満ちたグレーの合金風パネルである。解像度1280×720の4.5インチASVスクリーンを採用し、アイコンから待ち受け画面まで、すべてのビジュアル効果がこのスマホのためにデザインされている。アニメに登場するスーパーコンピュータ「MAGI」をイメージして設計された3Dエンジンを搭載したほか、このスマホ独自のゲームやソフトもプリインストールされている。また、オリジナルの「EVA」のオール3D動画も収録されており、「EVA」ファンたちのために用意された嬉しいプレゼントと言えるだろう。

この「EVA」のスマートフォンは、1.2GHz OMAP4460デュアルコアCPU、1520mAhのバッテリ、補助ライトを搭載した800万画素のメインカメラと32万画素のサブカメラを備えており、これらは現在のスマートフォンの中ではかなりすばらしいスペックである。一つだけ残念なのは、操作システムがまだAndroid2.3であることだ。このスマホのオンライン限定販売分である3万台は早々に予約が入り、店頭販売の3000台は棚に並べて半日もたたないうちに売り切れてしまったそうだ。(凱特執筆)

(C) 2012 NTT DOCOMO, INC.

NTTドコモ/ SH-06D NERV http://www.nttdocomo.co.jp/support/utilization/product/sh06dnerv/index.html


電動自転車のシェアサービス

ここ数年、ルームシェアやシェアードサービスなど、「シェア」という消費概念が新たなビジネスの形として市場を徐々に広げている。事務所や住居や自動車などをシェアするだけでなく、会員が自分の私物を交換したり貸し借りしたりするSNSサイトも次々に生まれ、シェアサービスの形態は日々多様化が進んでいる。

みなさんは、東京の表参道で始まった電動自転車のシェアサービス「cogicogi(コギコギ)」を存知だろうか?このサービスを運営するのは、2011年4月に設立されたコギコギ社である。これは、2009年夏に充電池メーカーとの間で電動自転車の開発とシェアサービスのプロジェクトが始まったことがきっかけだった。そして5ヶ月の実験期間を経て、2010年10月にサービスが開始された。

「cogicogi」の利用範囲は、表参道を中心とした半径三キロ以内である。流行の中心から広めることが、表参道からサービスを開始した理由である。自転車を借りられる場所は、主にカフェや美容院やホテルに設置されている。6月8日までで設置ポイントは14ヶ所あり、北青山2丁目の青山ベルコモンズ、神宮前6丁目のスターバックスコーヒー、桜丘町の渋谷グランベルホテル、六本木3丁目のヴィラフォンテーヌ六本木などで利用できる。会員登録には735円の登録料がかかり、月会費は525円である。利用時には、最初の30分間は無料で、その後1時間ごとに100円かかる。使用車両はヤマハのPAS CITY-Cで、サイトでも設置店でも会員登録が行える。おサイフケータイ機能で会員登録することも可能で、会員証はFeliCa機能を搭載したICカードである。

借りるときは会員カードを提示して鍵を受け取り、返す時はスタッフに鍵を返す。支払いは、登録されたクレジットカードで行う。各ポートには2〜10台の自転車があり、コギコギ社のスタッフが巡回して車両を点検している。自転車は全部で100台あり、現在の会員数は400名である。利用者の多くは、サービス区域内の在住者と在勤者だ。

3月11日の地震の時には、自転車が無料で帰宅困難者に開放されたが、ツイッターで情報発信が行なわれ、全部で30台の自転車が利用された。居住、ビジネス、観光など様々な需要があり、人の往来の盛んな地区では自転車のシェアへの潜在的な需要は大きいと考えられる。人ごみを避けて自転車で回遊できる、駅から少し離れた地区に、新しいビジネス圏が生まれるに違いない。(ff執筆)

(C)2012 cogicogi

cogicogi公式サイト http://cogicogi.jp (日、英)


日本で写真を学びたい人に

将来の仕事にするために日本に来てカメラを学ぶ人もいるし、単に趣味として自分を満足させる撮影のために日本に来る人もいる。いずれにしても、最近日本で写真撮影を学ぶ中国人が増加している。ところで、遥か異国に渡って勉強を始める前に、どんな準備をする必要があるだろうか?

もちろん、まずよい学校を探さなければならない。撮影を学ぶのには専門学校へ行く必要はなく、現像所へ行ったり、撮影に関係のある場所でアルバイトをしながら学んだりすればいいと考える人もいる。だが、そのようにすると、カメラの操作や撮影技術について系統的に学ぶことができないので、多くの初心者はやはり正規の学校で学ぶほうがいいようだ。

撮影が専攻できる4年生大学は、日本大学である。全国一の大型ラボ、暗室、実験室、作品展示館などを持ち、最新の専門機材や優秀な教授陣がそろっており、芸術学部のブランド効果も多くの学生たちが選択する重要な理由の一つとなっている。もちろん日本大学以外にも、実力のある学校がたくさんある。例えば東京、九州、名古屋のビジュアルアーツは、有名なカメラマンたちを招聘して授業や特別講演を行うと共に、他の学部と積極的に協力して学生の無限の可能性を開拓している。少数教育を提唱している東京総合写真専門学校は、批評精神を持つことを教育理念としており、多くの独自の視野を持った優秀なカメラマンを輩出している。

学校の目標を定めたら、次には自分に適したパートナー、つまりカメラを選ばなければならない。最初は高価な新品を買う必要はなく、中古を選ぶのも悪くない。学習の必要と今後できる可能性のある仕事の必要に合わせて、4×5の大判カメラを買うことをお薦めする。アオリ操作とレンズの焦点距離から来る立体感によって、すばらしい撮影体験ができるだろう。
 
日本にはたくさんの無料のフォトギャラリーがあるので、しばしば出かけて作品から直接芸術的薫陶を受けることもできる。だが結局は、どんな器材を使ったとしても、すばらしい写真を撮るのは撮影者本人にかかっている。自信を持って、自分を傍観者ではなく撮影現場の一部分とし、勇気を出してトライし続け、決してあきらめずに、自分の撮影の形を形成していくのである。自分の写真をたくさん撮ることが、他人の作品ばかり見ていることよりもずっと役に立つということを知らなければならない。(Michelle執筆)

学校ガイド/写真・カメラマン http://www.gakkou.co.jp/3/6/0/bunya/2050_1.html


華麗な古典楽器

尺八、筝(こと)、三味線などの古典楽器は、高尚で距離を感じるようなイメージがつきまとっている。確かに「古典」という言葉からして、難しくて理解しにくいという意味を含んでおり、それらを鑑賞するには、まず香をたいて沐浴し、襟を正して端座しなければというような気分がしてくる。だが高尚で上品であることによって、古典楽器は現代人の生活から遠いものになってしまった。若者がMP3で音楽を聴きながら歩いている時、一体何人の耳元にこうした古典楽器が伝承する千年の音色が流れているだろうか?

AUN Jはこの点において、間違いなくすばらしい貢献をしている。彼らは日本の古典楽器演奏者から構成される若者のバンドで、和太鼓、三味線、筝(こと)、笛、尺八、鳴り物から成っている。バンドを始めたのは井上良平と井上公平の兄弟で、彼らは日本でも世界でも名声を誇る「鬼太鼓座(おんでこざ)」のかつてのメンバーである。日本の古典楽器を通じて日本の伝統文化を海外に伝えたいという信念を持って、二人の兄弟は2008年にAUN Jを創設し、志を同じくする六人と共に、八人で活動を繰り広げている。

AUN Jは純粋な昔ながらの路線にこだわることなく、オリジナル曲を元に、古典楽器を使って多くの人の耳に馴染んだ現代の曲を改編し、人々に「ああ、聞いたことがある!」という気楽な気持ちで古典楽器の表現力に親しんで、親近感を持ってもらおうとしている。宮崎駿の「となりのトトロ」、「崖の上のポニョ」、伝統的な曲である「さくら」、「ふるさと」などから、彼らの古典楽器によって興味深い味わいが引き出される。また、演出においても軽快で生き生きとした雰囲気を作り出し、情熱によって一瞬のうちに人の心の扉を開き、人の心を奮い立たせる古典楽器の力強い面を充分に表現している。

6月18日に青山の草月ホールで開催された「美しき日本の響き」というコンサートでは、若い力に満ちた演奏が最後まで続き、国民的な歌である「ふるさと」をAUN Jが演奏して、会場にいた全員が合唱した。遥か遠くにある自分の故郷を思い出したのか、あるいは一年前の大地震がもたらした悲しみと歌が共鳴したのか、老若男女すべての人が真剣な表情で、大きな声を出して歌っていた。そしてAUN Jはステージの上で日本の楽器を使って、唯一無二の音色で、優美かつゆるぎない音楽を演奏し、会場全体を支えた。この情景に、誰もが深い感動を味わった。

AUN Jのサイトには、和楽器の演奏を「もっとポピュラーに、もっとシンプルに、もっとかっこよく」したいと書かれている。高尚すぎて難解なものは一般の人に理解されにくく、伝統文化が人の心をつかむには、普及と伝承が欠かせない。AUN Jはこのような方法で、若者や海外の人々に日本の伝統の美を伝えようとしている。2013年1月4日、AUN Jは日本青年館で新春公演を行い、正月を祝う。その時には、会場にきっとたくさんの若者や外国人の姿が見られるることだろう。(李薊執筆)

AUN J公式サイト http://www.aunj.jp


日本のおじさんの魅力

最近、ある本が日本で話題になっています。それは、「おじさん図鑑」です。著者が長期にわたる観察の末、日本のおじさんたちを整理、分類して、彼らの知られざる姿を描き出しているのです。もともと街を歩いていてもあまりじっくり観察したことのないおじさんたちが、なかむらるみさんのペンで生き生きと描き出され、とてもリアルで面白いのです。これを読んだ人は、きっと微笑むと同時に驚きの声をあげ、ふだん自分の周りに出没しているおじさんたちが、こんなに可愛くて魅力的な生き物だったのかと叫ぶに違いありません。

おじさんはどんな帽子が好きか?どんな服を着ているか?よく行う動作は何か?彼らが若者に言いたい忠告は何か?おじさんたちが好きなのはどんな女性か?絵も文章もいっぱいのこの本の中で、これらがすべて紹介され尽くされています。正直を言えば、私は彼らがまったく理解できません(あたりまえか?)。でも私は、おじさんとおしゃべりをする時、とても楽しいし、世の中を渡るための道理や秘訣を彼らからたくさん学ぶことができるということは否定できません。

おじさんたちは長年の豊富な社会経験があり、社会の荒波をくぐってきているので、たくさんのことを理解していますし、話題も豊富です。経済面でも、お金のない若いサラリーマンとは違ってグルメに詳しく、どこの焼肉とどこのしゃぶしゃぶがおいしいかなどをよく知っているので、おいしいものを食べたかったら彼らに案内してもらえば間違いがありません。ただ、おじさんの内面世界は私が触れることができない範囲なので、彼らの考え方や今後の夢、退職後の計画などは、我々部外者には知ることができません。

日本のおとうさんたちは、本当にたいへんです。卒業したら社会に入り、結婚後は家族のために働く機械になり、夢と青春を犠牲にします。毎月の給料は全部奥さんに渡し、普段は家にいる時間が少ないので奥さんや子どもとも疎遠になり、家の中でどんどん存在感がなくなっていきます。ちょうど家に反抗期の娘がいれば、臭いといって嫌われることもあります。その結果、多くのおじさんたちは退勤後に同僚と一杯やりに行き、外で深夜まで過ごしてから家に帰って寝ることになります。休みの日は言い訳を作って出かけ、喫茶店のクーラーのそばで新聞を読んだり、競馬場や繁華街に出かけたりして時間をつぶします。定年後に奥さんから「定年離婚」を迫られる危機に直面するおじさんもいます。もちろん家庭円満で幸福なおじさんもいますが、決して多くはありません。

私は今でもおじさんの魅力が何なのかよくわかりませんが、一日の仕事で疲れ果てて電車の座席でぐっすり寝ていたり、お酒に酔って電車の中でふらふらしていたり、やけっぱちになってホームのベンチで気持ちよさそうに寝ていたりするおじさんの姿を見るたびに、私は彼らに拍手したくなります。おじさん!今日もご苦労様でした。(哈日杏子執筆、撮影)

「おじさん図鑑」 http://www.shogakukan.co.jp/  哈日杏子のブログ http://harikyoko.wordpress.com/ (中、日)


第25回 両国

【両国の概要と歴史】最初は、1659年に隅田川にかけられた両国橋一体を中心として発展した。その後、江戸では数少ない繁華街となり、江戸時代から今日まで続く老舗がたくさん残っている。1733年、徳川八代将軍の吉宗の時に水神祭で花火が上げられるようになったが、これが日本で歴史が最も古い「両国花火大会(後に「隅田川花火大会」と改名)」の起源である。

【相撲の殿堂?故郷としての両国】国技館と相撲博物館があり、300年前にはすでに取り組みが行われていた。「相撲部屋」は力士(相撲取り)に宿舎を与えて稽古をさせる。ちゃんこ鍋は力士が食べる鍋料理だが、そのちゃんこ鍋を一般の人に提供する料理店もたくさんある。国技館では毎年1月、5月、9月に15日間の場所(相撲の試合)が開催される。相撲博物館では、有名力士に関係のあるものを収蔵しており、数ヶ月ごとに展示替えが行われる。

【江戸東京博物館】1993年に開館した、東京都歴史文化財団が運営する博物館である。今では失われた江戸や東京の歴史文化に関する資料を収集、保存、展示している。常設展の他、毎年数回の企画展が行われる。実物の浮世絵や大きな城の模型などの展示を通して、江戸と東京の各時代の庶民の日常の食生活、防災などについて知ることができる。(姚遠撮影、執筆)

タイトル:「休日」
場所:江戸東京博物館
撮影のポイント:遠くの国技館の緑の屋根を背景に、一家三人の幸せな瞬間を切り取った。空、地面、建築の対称性と、人物が低から高へと連なっていることで美しさが生まれている。
使用フィルタ:Sutro+上下のぼかし−フレーム(周囲を暗くして中央部を強調する。フレームをなくして映画スクリーンのような効果を上げる。)
タイトル:「未来へ向かって」
場所:江戸東京博物館
撮影のポイント:博物館の5、6階の吹き抜けの展示室に向かうエスカレーターは、SFのようなデザインである。完全に対称な構図を取り、警備員とガラスのトンネルとエスカレーターに一体感を持たせる。
使用フィルタ:Hefe+彩度(画面の各要素の質感を鮮明にする。フレームの装飾効果。)

タイトル:「今昔」
場所:築地本願寺/江東学園幼稚園
撮影のポイント:画面をほぼ45度の対角線で分け、一方は重々しい寺院の屋根と僧侶の像、もう一方は高くそびえる建物である。強烈なコントラストが視覚的な刺激をもたらす。
使用フィルタ:Earlybird+彩度(特殊な色調とフレームを用い、写真全体に漂う歴史性を強調する。)
タイトル:「放課後」
場所:両国駅
撮影のポイント:左右半分ずつの構図で、左側にはコンクリート壁と年代を感じさせる力士の像、右側は男女の中高生の生き生きとした姿。中央の少女の表情には、物語が感じられる。
使用フィルタ:Sutro+彩度(映画のワンシーンのような雰囲気を出す。フレームの装飾効果。)

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