初メン・初プリ
これは、新学年になった女子中高生たちが新しい学校やクラスの友達と初めて遊びに行き、仲良しの象徴として撮ったプリクラを、こう呼ぶ。「初めてのメンバーで、初めて撮ったプリクラ」が短縮されたもの。そのプリクラに書く言葉は、どれだけ自分たちが仲良しかを示す言葉が多い。たとえば、「ずっ友」→「ずっと友達でいようね」や「うちら最強コンビ!」などで、この年代は、気のあった友達を見つけグループを作るのことが一つの目的でありステータスとなっている。また、口づけをしながら撮るプリクラを「キスプリ」と呼ぶ。
多くのこうした流行語は若者が独自に考え出したものが友達の間で広まっていき、そのうちに活躍中のタレントや歌手、モデルなどにも伝わり、そのような著名人が自身のブログやSNSで使用したことがきっかけとなって爆発的に広まるといった経路をたどる。
以前は東京と地方都市との間に広まりの差が見られたが、今やそのタイムラグはあらゆるメディアやインターネット社会に生きる若者たちの世界は発展を遂げたため見られなくなってきた。今の中高生の手元を見れば、大切な子供を守る家族の気持ちから防犯の意味もあるが、だいたいの中高生は携帯やスマホを持ち、器用に使っている姿をよく目にする。
この女子中高生たちに多く見られる若者言葉の感覚には、感心さえ覚えるほど言葉遊びが上手だ。ただそれだけでなく要約されて単語化された言葉にはちゃんとした可愛い響きがのこり愛着が湧いてきて、たとえ自分が女子中高生ではなくても、遊び心満載に気分だけでも女子中高生に戻り、一度でいいから使ってみたくなる。「あげぽよ」は、気分が高揚しているときの気持ちを表しているそうだが、実に可愛い。 まだ俗語を使ってみるのが精一杯ではあるが、先日乗ったタクシーの運転手さんに行き先を告げたところ、どういう経路で行くかを問われ、「なるはやでお願いします。」と伝えたとき、少し恥ずかしくはあったが場の空気が和む感覚があり、嬉しかった。
こういった言葉遊びの評判はさまざまだが、人とつながるために編み出された素敵な文化であると感じる。とくに、引きこもりがちといわれる若者世代がこうした言葉で一人にならずに澄むのであれば、大いに賛成である。(北村優希執筆)
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