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[希望のトポス]新自由主義の誤りを訴え勝利したオランド、隷米型 買弁の嘘で国民を恫喝し支持どん底の野田ドジョウ、メディアの 「公正」さが国民の主権を守り信用を創造する(2/2) <注記>お手数ですが、当記事の画像は下記URLでご覧ください。 http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20120511 2 新自由主義政策からの軌道修正を訴えサルコジに勝利したオラ ンド (1) オランドの60の約束(新自由主義からの軌道修正)、それ を支えた「公正」を死守するフランス・メディアの伝統(日 本買弁メディアの対極) (1)−1オランドの60の約束/新自由主義一辺倒からの軌道修正 (関連参考情報) 仏大統領候補オランド氏が独首相と成長促進で連携か,オランド氏は 25日の会見で勝利した場合、インフラ整備向け欧州共同プロジェク トボンド発行(オランドの中小企業重視型雇用創出戦略関連)、欧州 投資銀行の役割強化(同前)、金融取引税(ウオール街型暴走へのブ レーキ)、欧州連合構造基金活用を欧州首脳会議で提案する考えを表明 ロイタ http://bit.ly/IfKyEw ←<注記>( )内は只野親父の補筆 hanachancause2012.04.30 14:56 只野 親父 オランド仏大候補はユーロ圏の問題を誤解−独首相側近 –ブルバ←EU壊すなら別だが米国のパペット野田に見られる<空 買い円キャリー指令による政府⇒日銀圧力型『連続金融緩和/国債 購入』>で潤う<ウオール街>との闘いという点で折合 いが付くはずだ。http://bit.ly/IIMidd hanachancause2012.04.29 08:48 ・・・ <新自由主義(金融市場原理主義)と原発一極(原子村増殖)エン ジン型経済>の暴走に歯止めをかけながら<国内における消費需要 ・貯蓄率・投資>についてオスカル・ランゲないしはポーリッシュ ・モディラティズム的な均衡回復、言い換えればSober-Capitalism (偽ケインジアニスムならぬ、フランス伝統の社会的経済へ回帰し た公正で健全な資本主義)を実現すべきところを、それとは真逆に、 米国を模倣しつつ其の暴走傾向へ更に過剰にのめり込んだ挙句、結 局は格差拡大と財政規律の悪化を重症化させたサルコジを厳しく批 判したのがオランドの新たな<成長戦略の方向性>(Le Changement) である(オスカル・ランゲ、ポーリッシュ・モディラティズムにつ いては下記★の記事&コメントを参照乞う)。 ★2010-11-15toxandoriaの日記/ディアローグ的論考、米国型自由 原理(連帯分解・孤立型)を一気にコペルニクス的転回させ得るポー ランド型自由原理(連帯持続・深化型)のユニークな意義、 http://xtw.me/XWAtaVA また、フランス大統領選では、党派を問わず反サルコジ派が反原発と いう事情であることを背景にユーロップ・エコロジー緑の党の役割が 霞んでしまったうえ、オランドの任期5年での廃炉は一カ所フッセン ハイムだけとなっているため、オランドは反原発を後退させたと日本 では報じられている。しかし、<2025年までに75%から50%に発 電における原子力のシェ アを減少させる>との目標は取り下げておら ず、雇用を守りつつ国民の意思に沿ったオランド政権としての新国策 原発(廃炉研究充実⇒廃炉計画実施)を着実に進めることになると 思われる。 これは、ドイツ流の倫理重視型脱原発とは異なるフランス流のリスク ・コミュニケーション重視型の縮原発計画といったところであろう。 しかも、オランドが勝利したポスト仏大統領選の次の焦点は、6/10 ・17の2回に分け行われる国民議会(下院)選挙なので、ここで社 会党系連合が多数派を占め、加えて、もしユーロップ・エコロジ ー緑の党が躍進できればオランドの縮原発が脱原発へチェンジする可 能性があると目されている。 歴史経験・保持技術力、地質学的・地政学的条件など固有の諸条件下 で、各国に見合った<脱・原発依存>を早急に現実化することが肝要 であるにもかかわらず、フクシマを抱える肝心の日本の野田政権が、 ヤラセ再稼働を謀ったり、あるいは国民集団自殺等の妖しげな恫喝用 語で一般国民を脅したり(まるで此れは連合赤軍の総括に似た不気味 な手法ではないか!)、すかしたりする実に不誠実極まりない日本型 の<原発現実主義>は、オランドの真摯な政治手法と比べ、余りにも 異様かつ無様である。 ともかくも、日本の買弁メディアが正しく情報を伝えぬため、なかな か此の実情は分かり難いかもしれないが、仏オランド新大統領には野 田ドジョウの<偽物政治>とは全く異質で高度な哲学的、道徳的、倫 理的な判断があること、そのうえ何よりも国民に対する誠意があるこ と、一方、仏日米らの多国籍グローバル大企業あるいはシャドウ・バ ンキング業界にとってはかつてのサルコジや日本のドジョウ型<偽物 政治>こそが好都合であり、オランド型の<国民を凝視しつつ的を射 る政治判断>は非常に都合が悪いということをシッカリ記憶に止める べきであろう。 次の画像は、既出の<【グラフ2】1990年以降における「世界の一般 企業投資の縮小傾向」と「中間層と雇用機会の一貫した没落傾向」と の相関について/仮説的考察>の再掲であるが、このグラフ全体を見 ると、新自由主義一色に染まる現代世界の資本主義が恐るべきジレン マに嵌り続けてきたことが分かる。 つまり、これこそ新自由主義思想が優勢なイデオロギーとして世界中 で本格的に共有され始めた1990年頃から現在に至る資本主義経済が、 紛れもなく、ステグリッツがいうところの「フリー・フォール(グロ −バル経済の崩壊/自由原理が自ら穿った穴へ向かって一気に墜ちて ゆくイメージ)」そのものであると言ってよいだろう。「世界の一般企業 投資の縮小傾向」(=中間層と雇用機会の一貫した没落傾向)という 恐るべきトレンドは、超覇権国家・米国がシニョリッジ特権でドル紙 幣をいくら量産しても、あるいは各国中央銀行が量的緩和で紙幣をい くら供給し続けようが、それはまるで砂に水を撒くに等しくなってお り、その殆どが実需経済の世界から瞬時に消え去っているということ だ。 以下に、<オランドの60の約束=Découvrez les 60 engagements en cliquant sur les titres、http://goo.gl/FJIx7/新自由主義一辺倒からの 軌道修正>のごく一部を其のエッセンスとして転載しておく(出典 ⇒『杉並からの情報発信です』http://xtw.me/XfHftAD)。 『国を上げて大きな論争が巻き起きると思います。論争に方向を持た せるために、私は正確な提案をまとめてみたかったのです。これらは 私の政権公約であり、私が守るべきものです。』フランソワ・オラン ド ●政権公約の4つの大テーマ(1)〜(4)の (1)私はフランスを再生したい 私は公共投資銀行を設立します。 私は中小企業の発展を優先します (2)私は正義を再構築したい 私は税制を大きく変えたい ・・・最高富裕層の所得税率を引き上げることなどで所得税を改革し、 税金の一部は社会保障に割り当てられます。間所得が15万ユーロ以上 の最も裕福なフランス人に国民的努力に寄与してもらうために45%の 追加税率を創設します。その上誰も"税金の抜け穴"を利用して1万ユー ロ以上の減税を引き出すことができなくなります 年金・医療制度の保持 資本所得は労働所得と同じく課税されます (3)私は新しい世代に希望を与えたい 私は生産と雇用と成長を再稼働させたい 短期雇用の是正など 私は公共行動の中心に教育と若者を置きたい 私は、最大限のセキュリティ機能および当社の原子力産業の継続的 な近代化を保 証し2025年までに75%から50%に発電における原子力のシェ ア の減少を促す。 私はこの分野での産業クラスターの創造と発展を支援することによ り再生可能エネルギーの上昇を支持するだろう。 (4)私は模範となる共和国、皆が耳を傾けるフランスにしたい 私は世俗主義(政教分離)を擁護し促進します 大統領と閣僚の俸給を30%の削減します 国の上級職の指名に関して完璧を期すために議会の指導力と管理力 を高めます。 政党の男女議員数の平等を尊重しない政党への罰金を重くすること で政党における男女格差を解消したい。 私は国民議会における男女議員数の割合制度を導入したい。 私は司法と裁判官の独立を擁護します (1) −2 オランド新大統領の誕生に貢献したフランス・メディア の新自由主義の誤りを訴え勝利したオランド、隷米型買弁の嘘 で国民を恫喝し支持どん底の野田ドジョウ、 (2) 「公正」を死守する伝統(日本買弁メディアの対極) (関連参考情報)(a)〜(e) (a)「小沢無罪で疑惑深まる」、メディアの奇妙な論理、朝日社説〈政 治的けじめどうつける〉は小沢復権許さぬとhttp://goo.gl/ldCfc ←当 論の誤りは郷原氏指摘 http://goo.gl/tM0YXどおり、其れは仏オランド 大統領誕生の意義(新自由主義否定)の無視にも通ずる。 hanachancause2012.05.07 17:24 (b)小沢裁判、指定弁護士が控訴http://bit.ly/IBPPrt ←その場凌ぎ の杜撰処理を極悪犯罪と見立てる強引な検審控訴で逆に司法自体の堕落 &異常さの暴露可能性も見えてきたが、兎にかくも不毛の極地!司法な らずアホ役人仕事で偽装のメタ・トリック鴨、狙いは当初からのアレ (小沢を政界から抹殺すること)一つか? hanachancause2012.05.09 13:52 (c)おばた じゅんぺい これは指定弁護人の意思で控訴の方針とは一般 的な国民感覚でもっても到底思えない。この速報ニュースは本当に恐ろ しい。012.5.9 http://goo.gl/4mB4B コメントより(携帯) (d)只野 親父 御意です。たしかに、倫理的判断で脱原発を実現したド イツ、或いは民主的にアンチ新自由主義政権が成立したオランド現象の フランス、日本が此等の如き<真の民主国家>になられては困るという 買弁的メタ意志が働いたとしか考えられません。例の<虚偽捜査報告書、 ネット経由流出事件>が拡大する鴨との情報http://goo.gl/zWnND もあ り、これから何が跋扈し始めるか分かりませんが・・・。 http://goo.gl/4mB4B コメントより (e)日経が「オランド氏は緊縮財政に代わり経済成長を目指す」と述べ ている点に解釈の間違い或いはオランド氏への理解不足ないし悪意が感 じられます。オランド氏は「緊縮財政」を二の次に「経済成長」を目指 すとは言ってない。(村野瀬玲奈の秘書課広報室)← オランド氏には 野田ドジョウの<偽政治判断>とは全く異質で高度な哲学的、道徳的、 倫理的な判断がある!http://bit.ly/IBzIxL hanachancause2012.05.06 04:06 ・・・ ごく表面的に或いはごく常識的に判断すれば、上に引用した(関連参考 情報の(a)〜(d)/指定弁護士による小沢控訴関連)と仏オランド新 大統領がサルコジ前大統領を批判するために掲げた<オランドの60の約 束(新自由主義からの軌道修正)>は全く無関係に見えるかもしれない。 しかし、この二つの情報群の間にはメタレベル(反面教師的な対照関係)で 深く共鳴するものがある。そして、それを読み解くための必須のキーワー ドが「買弁」という概念だ。つまり、小沢は日本の隷米買弁メディアによ って晒し者にされ、オランドはフランスの非買弁(公正)メディアによっ て評価されたという訳だ。 「買弁」の原義は、清朝末期〜中華人民共和国の成立までの時代に、外国 の商社・銀行などが、中国人と取引するときの仲介者となった中国人商人 のことであり、彼らは自国の利益を顧みず外国資本に奉仕して私利を謀り、 その悪名を高めた。やがて此れが転じ、宗主国の強い立場を私的に利用す る一方で、国民の主権を無視して専ら私腹肥やしに邁進する資本家や政治 権力者が市場経済と雇用・労働環境などを牛耳るタイプの政治経済社会の ことを買弁資本主義と呼ぶようになった。 このような買弁の定義からすれば、約60年にも及んだ自民党政権時代の日 本は、殆どが“買弁時代であった”といえるが、特に米国のWASPとウオ ール街の代理人に徹した「小泉=竹中劇場」(そのピークは2001〜2006年の 「小泉内閣(第1〜第3次)の時代)が、露骨なメディア・プロパガンダで 買弁型資本主義を日本社会へ深く定着させたことは周知のとおりである。 一方、ある意味で野田内閣が小泉政権時代以上に買弁的な性格であることは 余り一般には意識されていないようだが、それは、消費税増税にせよTPP にせよ、あるいは小沢関連裁判にせよ、主要記者クラブメディアが積極的に メディア・プロパガンダを駆使して、これらの問題について政権側を強力に バックアップし続けているからだ。本来、マスメディアの役割は客観的で中 立的な立場を貫くべきであるが、一律消費税増税についても、TPPについて も、これらマスメディアが国民目線で客観的(公正)に調査・分析報道する 姿は殆ど見られない。 かつて、「被統治者の意志と統治者の意志とを一致させさえすれば“最大多 数の最大幸福”が得られるという素朴で楽天的なベンサムの功利主義(量的 快楽主義)」と一線を画した同じ功利主義思想家のジョン・スチュアート・ ミルは、「人間社会における“質的な幸福(質的快楽主義)”の有無や増減を 見比べるには「公平無私な理想的観察者」(impartial observer)の評価にそ れを委ねるべきだ」と主張した(J.S.ミル『自由論』)。つまり、ある意味で 自由原理主義のルーツたるリバタリアニズムの一人とも見做すべき人物であ るミルが、このように語ることは、もっと重視されるべきだ。 つまり、リバタリアニズムの立場からすればできる限り国民・市民に対す る統治者の干渉は少なくするべきなのだが、それでもミルは「公平無私な 理想的観察者」(impartial observer)が介在しなければ“質的な幸福(質的 快楽主義)”の増減を知り、それを評価することはできないと言っているの だ。そこで、「公平無私な理想的観察者」として想定されるのは高潔な人格 者、教師、法律家などであるが、現代で言えば、それこそがマスメディア に期待される役割である筈だ。 然るに、現代日本のマスメディアは、上の関連参考情報で取り上げた(a) 「小沢無罪で疑惑深まる」(朝日社説)の如く、明らかに時の権力側に肩入 れした買弁的立場からの記事を次々と書き続けている。また、(b)「小沢裁 判、指定弁護士が控訴」から想像されるのは、<実証は不可能ながら、そ の権限の有無すら曖昧な立場にある指定弁護士による小沢控訴の決断は、結 果的に、小沢9月代表選出馬への阻止工作を謀ったのではないか、という状 況証拠を提供し、奇しくも野田・仙谷・前原・岡田・江田ら原発推進派に重 なる買弁派議員連中の犯行加担の空気が滲む。>ということだ。 ここで我々は、いま現在が民主党政権初の公式訪米に出発した野田ドジョウ 総理がオバマ大統領との日米首脳会談などの日程を終え5月2日午後に帰国 したばかりであることの意味を再考すべきだ。5月1日の首脳会談後の共同 声明で「日米は凡ゆる能力を駆使し・・・途中、略・・・役割と責任を果たす ことを誓う」と日米同盟の深化を強調したと主要メディアが一斉に報じた。 が、実はこれこそ野田総理がオバマに対し改めて忠誠を誓う宣誓式であった のだ。 しかも、これは正気を保つごく一部の稀少なメディアの仕事であったが、日 本国民の原発に対する恐怖心と其の超リスクへの懸念の意思を無視する形で、 オバマ大統領に対し日本原発の再稼働への支援を要請したと一部で報じられ た(下記★を参照乞う)が、此れはそれなりに野田ドジョウがオバマに取り憑 く裏事情(既述の米国原子村とオバマの奥深いコネクション)を悪用したと いうことでもある。否、事実は真逆であり、オバマ側から水を向けられ、そ れに乗った可能性の方が高い。だからこそ、野田ドジョウら民主党「原発現 実主義」一派の非倫理的、反国民的で不埒な魂胆を許すべきではない。 ★‏日米、原発研究で協力、原発再稼働前提に新たな協力関係の構築で「脱原 発依存」は後退か 首脳会談(東京) http://bit.ly/InjXYq ←案の定だが、米国 の外圧に助けられ<再稼働&脱原発依存=原発推進へ回帰!>とは、全国民 の意思と生命を無視したフザけたドジョウ野郎だ!hanachancause2012年 5月1日 - 21:36 ★案の定だが、米国の外圧に助けられ<再稼働&脱原発依存=原発推進へ回 帰!>とは、全国民の意思と生命を無視したフザけたドジョ ウ野郎だ!http://xtw.me/Xp0uGzX VT: http://twitvideo.jp/07VgO hanachancause2012.05.02 06:14 従って、このような流れの中で5月9日の<小沢裁判、指定弁護士が控訴> が決まったことの意味を正しく理解できるかどうかが重要ということになる 訳だが、そのために必要な視点を与えてくれる真実の情報は、残念ながら、 新聞・TV等の主要メディアの中では東京新聞(中日新聞)以外に見当たら ない。そして、このように異様なメディア事情こそが日本メディアの「買 弁的な本性」を見事に示唆している。このため、日本国民の健全な民主主 義意識は相変わらず曇らされ、それが社会空間で占める範囲は狭められたま まである。 他方、フランスのメディア環境は日本のそれとは大違いだ。かつて、フラン スを代表する高級紙ルモンド紙の売却にサルコジ仏大統領が介入しているこ とが政治家のジャーナリズムへの圧力として問題になってことがある。しか し、これに対しては、権力と政治への視点で高く評価されてきた同紙の編集 サイドが強く抵抗し、結局、<編集権の完全維持と重大な経営決定に対する 拒否権>を約束する形で(http://xtw.me/XqY0izI)、左派系の実業家へ売却 されている。 ともかくも、今回のオランド新大統領の誕生は、このような<編集権の完全 維持と重大な経営決定に対する拒否権>を死守するというフランス・メディ アの伝統が、フランス国民の健全な民主主義意識の範囲を薄皮一枚の差で拡 げたことの成果である。それこそが、あのジョン・スチュアート・ミルの 「公平無私な理想的観察者」(impartial observer)が介在することの意義であ る。 ところで、オランドの政治判断(同時に選挙戦略でもある)の根本には、グ ローバル市場原理主義(特に同・金融市場原理主義の方向)へサルコジ時代 のフランスが過剰傾斜してきたという反省から、<一体何のための規制緩和 だった>のか、<そもそも経済(学)は誰のためにある>のか、という最も ベーシックなテーマを国民にもう一度想起させるべしとの信念がある。此処 から始めなければ、国ごとに固有の性質を伴う原発問題にしても其の解決の 糸口も見えないとう訳だ。 ましてや、原発再稼働の支援をオバマに頼み込む(オバマの言い成りになる ことの約束を交わす)目的で渡米http://xtw.me/XZFojZMまでした<反国民 的意思がミエ見えの野田ドジョウ>の行状を正しく批判できないNHKら主 要メディアは紛れもなく劣化した買弁メディアと見なすべきだろう。つまり、 日本」の主要メディアは此の<決定的な一点(厳密に言えば二点)>を見落と しているか、ないしは其れを知りつつも、勝ち馬に乗り続けるべしとの魂胆 (これぞ悪意!)から無視していると考えられる。 (エピローグ)その有無が薄皮一枚の違い、オランド勝利の如き「オヴァー トンの窓」効果をもたらすのが「公正」なメディアの役割(画像は http://xtw.me/XZs0tT8より、なおこの画像は記事内容と直接関係がない) 繰り返しになるが、今回のオランド新大統領の誕生は、<編集権の完全維持 と重大な経営決定に対する拒否権>を取材と編集の現場が死守するという フランス・メディアの伝統が、<フランス国民の健全な民主主義意識の範 囲を薄皮一枚の差で拡げたことの成果>であったといえる。そして、この 「公正」なメディアの意識(ジョン・スチュアート・ミルの「公平無私な 理想的観察者」(impartial observer)としての役割意識)があってこそ、民 主主義社会の重要な機能とみなすべき「オヴァートンの窓」が守られ、肝 心のところで機能することになる。 「オヴァートンの窓」は、政治学の世界で重要視されつつある概念である。 これは、J.P.オヴァートン(Joseph P. Overton/1960-2003/ミシガン州の州 都ミッドランド市にある中立系シンクタンク、マキナウ・センター (Mackinac Center for Public Policy)元副所長)が着想したものだ。 それは、現時点における一般世論の中で、ごく自然に受け入れられ得る政 策領域の広さ、あるいは担当政権による諸政策の受け入れ易さの度合いを 示す“相対的概念”(絶対的かつ客観的に計測可能な広さを持つ“窓”では ない!)であり、この「窓」が相対的な意味で広く大きいほど当然視され 実現される諸政策の数は多くなると考えられる。 注視すべきは、「オヴァートンの窓」から外れたものは一般大衆にとって “常識外”となり、殆ど絶対的に拒絶・排除され、箸にも棒にも掛からぬ ほど徹底的に一般社会(最大公約的一般世論)から無視されるという厳し い現実があることだ。例えば、あの「郵便詐欺に関わる村木冤罪事件」や 「ヤラセ調書の作成」など検察の不正が徹底的に暴かれたにも拘わらず、 殆ど同じ構図の「小沢・陸山会関連事件」が一向に一般世論によって正し く理解されないのは、作為的メディアスクラム・キャンペーンがもたらし た、この「オヴァートンの窓」効果によるものだ。無論、この場合は「偽 オヴァートンの窓」効果というべきであろうが。 また、ポーランド・シュラフタ民主主義(ポーランド型自由原理)の現代 資本主義社会(グローバル市場原理主義が跋扈する時代)における重要性同 について日本の一般社会が殆ど無関心であり、あるいは、同じく、そんな 古色蒼然たる屁理屈は聞きたくもないと、主要な教条的アカデミズム(共 産主義、社会主義あるいは極右派等の凡ゆる立場)から無視され続けてい るのも同様の理由によるものだ。 ところで、「オヴァートンの窓」は、次に述べる六つの構成要素の個々の 作用を考慮することで、その「窓」の広さを<自在に変化させる可能性> が生まれる。そのとき、大前提となるのが<信頼(持続的信用に満ちた場 の空気)、客観的で公正な論理、主格相互間における相互の立場の尊重(特 に国民主権)>という三つのキーワードの尊重である。 六つの構成要素とは「Unthinkable、Radical、Acceptable、Sensible、 Popular、Policy」の六つである。そして、「オヴァートンの窓」を一枚の 絵画に喩えるなら、Unthinkable=フレーム(額縁)、Radical=革新的モチ ーフ、Acceptable=古典化したモチーフ、Sensible=共感可能なモチーフ、 Popular=一般化した共通のモチーフ、Policy=いつでも安心して受け入れ られるモチーフ」ということになる。 特に、留意すべきは、「オヴァートンの窓」が決して“無感動で無機質”な ものではなく生きた一般大衆(一般国民)の動的な共感が集約された意志 の大きさ、あるいはその広さ(個々人の考えのイメージ・クラスターが膨ら み堆積・融合・集約化した空気のように流動的ななもの)であるということ だ。 この「窓」を絶えず開放しておけば、これら六つの構成要素がアンテナの 役割を果たしつつ“双方向的、交流的、連鎖的に反応し続ける”ため、「オヴ ァートンの窓」は、まるで生身の“生き物”のような振る舞いを見せるこ とになる。その意味からすれば、これら六つの構成要素の中で最重要な役 割を担うのは、やはり「Sensible=共感可能なモチーフ」ということになる。 逆説的にいえば、健全なメディアであることを標榜する限り、そのメディア は自らの仕事が此の重要な「オヴァートンの窓」効果を左右するからこそ、 どのような場合でも、<ミルの「公平無私な理想的観察者」>としての役割 意識を捨ててはならないということだ。それこそが主要メディアの「公正」 さということである(「オヴァートンの窓」について、更に詳しくはコチラ を参照乞う⇒http://xtw.me/XBikC3Z)。 ついでに、面白い報道の事例を二つ紹介しておく。 (一つ目) フランス新大統領がドイツに言わねばならないこと(2012年5月9日付 英 フィナンシャル・タイムズ紙/JBpress 翻訳版)、http://xtw.me/Xd7bOmM ・・・「オランドは選挙前に国民と約束したアンチ新自由主義を直ぐに放棄し、 新自由主義政策で成功したドイツを見習いつつユーロ圏全体の大ドイツ化に 着手し、ギリシャなどの財政悪化諸国は切り捨てを覚悟せよ、それが出来な ければユーロ圏は解体あるのみ」という、殆どが事実誤認(ドイツは自由原 理主義一辺倒ではない!)で暴論に近い。 【グラフ3】主な先進国の公的債務残高(GDP比)(2011年/推計) ・・・画像はhttp://xtw.me/XVD1b3hより。 因みに、この5月9日付 英フィナンシャル・タイムズ紙が暴論であることの 理由は次のようなことだ。 ●当【グラフ3】を見る限り、たしかに<日本の財政危機がギリシャを遥か に超えた異常さ> であることが目立つ。しかし、このまま放置すること を前提にした未来のことはともかく、今すぐ日本国債が紙屑にならないの は何故か?(一部には、今すぐ破綻すると煽る立場もあるようだが・・・) ●それは、日本は<総計で500兆円ほどの巨額資産がある、同じく約1400 兆円の金融資産がある、同じく約300兆円の対外資産負債残高がある>とい う世界でトップクラスの資産保有国だという現実があるうえ、日本国債の保 有者の約9割以上が国内という、他国には見られない特徴があり、これらの 条件がギリシャなどと大きく異なる、ということが考えられる。 ●つまり、これは日本財政のマクロ構造的堅牢性(国債の買い手の殆どが国 内のヒト&機関であるコト)ということだ。ただし、これには<日本政府と 日銀に対する日本国民の信用がある限りにおいて!>という非常に厳しい条 件が付いていることを、肝心の日本政府と財務省、あるいは財界人、その他 エリート・指導階層の人々が忘れつつあることが大問題である。 ●実は、一国の財政にマクロ的堅牢性があろうが、なかろうが、それより重 要なのは、各国の日々に生きる人間の生活の直接的な反映であるミクロ面が 健全に機能しているかどうかということである。それは、仮に巨額の借金を してしまった時の解決策は、働き手が汗水垂らして働いて返済する以外の解 決方法は見当たらないからであり、国家と雖もそれは同じことなのだ。 ●別に言えば、ミクロ(ビジネス経営、個人、家庭など現実世界、リアル な日常生活における収支の結果)とは人間が日々に生活する場面がもたら す収入面でのプラス、マイナスであるので、当然コチラの活性化をこそ優 先させるべきだということである。 ●従って、マクロ面から冷酷に財政規律を一方的に押し付けたり、応能負 担の原則を無視しつつ増税を押し付けたりするのは、どのような財政条件 下の国であろうが愚の骨頂だ!ということになる。従って、日本の野田ド ジョウが税の応能負担原則を無視し、法人税等の逃税(徴税構造上のエロ ージョン/侵食的欠減、違法処理等による負の侵食)対策への工夫努力を 放置(所得税率の修正プラス此の修正努力・改善だけでも35〜40兆円の 税収増(/year)が可能と見なせる/参照⇒http://xtw.me/XPNpmVi)し ているのは明らかに誤りである。 ●仏オランド新大統領が着目しているのも、このような意味での<マクロ 面からの財政規律強化策の一本槍だけでなく、いや、むしろそれよりもミ クロ(ビジネス経営、個人、家庭など現実世界、リアルな日常生活におけ る収支の結果を最優先的に建て直して・・・)面での梃入れこそが、より 重要だとう考え方>であり、これが<オランド仏新大統領流の成長重視> ということだ。 ●実は、このような考え方はオランドだけの独占ではなく、最近のことで はあるが、マクロ面の指標の財政赤字比率だけに一喜一憂すべきでなく、 国家財政の健全化のために必要なのは、財政規律と公正な徴税のバランス を図るとともに、より重視すべきなのが<中小企業活性化を重視した輸出 入連動型内需の成長>と<経常収支の赤字の監視>だと見なすエコノミス トが欧米では増えつつある(委細省略)。 ●これはグローバル資本主義自体の脆弱化(新自由主義そのものが病んで いること=既述の『砂に水を撒くようなフリー・フォール状態(過剰自由 原理で自らが穿った穴の中へ資本主義そのものが一直線に墜ちてゆくイメ ージ)/【グラフ2】』)を凝視する視点に繋がっており、それこそがオラ ンド流の「新自由主義への批判=健全なグローバリズムへの軌道修正」の 原点となっている筈だ。そして、この点に関しては、一人勝ち状態のドイ ツも反省すべきである、もしそれがなければドイツと雖も、その将来の姿 は今のギリシャと無縁ではないのだ。 (関連参考情報) (a) NHKBS1ドキュメンタリーWAVE(4月に放送された番組の (b) 再放送)「嘆きのギリシャ 〜700ユーロ世代の真実〜」 http://www.nhk.or.jp/documentary/1204.html#a2 放送日:5月12日(土)放送時間22:00〜(画像は、 http://xtw.me/X87eDl8より) ・・・多すぎる公務員と、手厚い社会保障のおかげで勤労意欲が低いため だ、だから「日本がギリシャになりたくないなら、公務員削減と消費税増 税、社会保障の削減を支持するべきだ」とマスコミは盛んに宣伝している が、果たしてその実像はどうか? ・・・日本の場合は、この本質(新自由主義によって病気になってしまっ たグローバル資本主義そのものの問題)を徹底的に無視する高給官僚、 労働貴族層(民主党の支持基盤である連合・自治労、電力総連ほか)、富 裕層、社会的指導層、およびアカデミズム界に属する人々などが、劣悪 化する雇用環境と中間層の没落を他人事だと冷たく見放していることが元 凶なのではないか? ・・・つまり、巨額化した累積財政赤字よりも、税収構造の不備と侵食 的欠減(エロージョン)、応能負担無視の乱暴な徴税(財務省と野田ドジョ ウが大好きな!)、中小企業活性化を重視した輸出入連動型内需成長への配 慮、など最も肝要な点を無視して既得権益に何時までも甘んじようとする 此れら日本エリート層の問題意識の欠如の方が決定的な原因となって日本 はギリシャ化する恐れがあるのではないか? (c) EU:仏オランド当選など空気の変化を受け成長重視策を提案−23 (d) 日の臨時首脳会議も設定 - Bloomberg http://bit.ly/JcUv8d ←新自 (e) 由主義(トリクルダウン&シャドウバンク期待型の格差拡大)路線 (f) の儘の成長重視なら逆効果の怖れ!調整を注目! (g) hanachancause2012.05.09 03:10 (c)独首相、緊縮財政主軸政策に変更ないと ロイターhttp://bit.ly/ITnRpl ←伊モンティ首相もオランド成長支援重点策への支持を示しているが、オ ランドは緊縮財政を二の次に経済成長を目指すとは言ってない。そう囃し たてるのは特に日本記者クラブメディア! だから折り合いは つくだろう。 hanachancause2012.05.08 10:06 (二つ目) 日本の原発と政治:声なき大衆の意思表明(英エコノミスト誌 2012年 5月5日号/JBpress 翻訳版)http://xtw.me/XEwyxIs ・・・英エコノミストについては、当ブログ記事の冒頭部分(同じJBpress の引用)で<新自由主義の提灯持ちだ!>とこき下ろして書いておいたがw 、 当記事「声なき大衆の意思表明(つまり、日本国民の殆どが反原発であると いうこと)」は日本の政治状況と原発問題の核心、そして日本国民の意思の在 り処を的確に捉えて書いており、感心させられる。 |