美しいシルクの展覧会
シルク博物館のリニューアルオープンを記念して、春の特別展「美しい日本の絹 ユミカツラ ブライダルコレクション」が4月25日に開幕した。シルク博物館は風景の美しい横浜の日本大通りにあり、華やかなブライダルファッションの展覧会にはぴったりの会場である。
桂由美は東京生まれ。共立女子大学被服学科卒業後、パリに留学した。日本のブライダルデザイン界の代表的人物として、日本のブライダルファッション全体をリードしてきた。1964年には最初のブライダル専門店をオープンし、翌年には初のブライダルコレクションショーを開催した。1976年には日本フォーマルウエア協会を設立して会長に就任した。1996年には北京でファッションショーを行い、中国のファッション界初の「新時代婚礼服飾文化賞」を受賞した。2010年には、全米ブライダルコンサルタント協会から、世界で4名しかいない名誉会員に選ばれ、日本では「ブライダルの伝道師」と呼ばれている。
桂由美のウェディングドレスは個性を強く主張し、うなじや腰のラインなどにも大胆な独特のデザインをほどこして、立体的な造形のドレスを創り出している。またタフタ素材の特徴である軽さを利用して、ふっくらしていながら重さを感じさせないドレスなどを開発し、これらによって国際的なブライダルファッション界で揺るぎない地位を確立している。
今回シルク博物館で行われる「美しい日本の絹」という展覧会では、ウェディングドレス、イブニングドレス、新しいタイプの和服など67点が展示されている。会場全体がロマンチックな雰囲気にあふれており、すべての服が日本の高級シルクで作られている。日本の伝統工芸である友禅、金箔、染色の特性を自在に活用して、夢のように豪華なブライダルドレスが製作されているのだ。シルクの魅力について桂由美は、人の最も美しい面を表現でき、滑らかな感触や吸湿性、軽さなどもシルク独特のものだと語っている。
今回の展覧会では、2009年から2012年にパリコレクションで発表されて作品や、1988年の、グラデーションになったスパンコールの刺繍がほどこされたバラの旗袍(チャイナ)風のドレス、1998年にローマのファッションショーに出展された、ナポレオンの最初の妻ジョゼフィーヌをテーマとして製作されたブルーの刺繍のドレスなどを見ることができ、国を超えた一つの時代の作品がそろったと言えるだろう。(Michelle執筆)
期間:4月25日〜6月10日(9:00〜16:30)月曜休み 場所:シルク博物館 横浜市中区山下町1番地シルクセンター2階 入場料:700円(65歳以上300円)
|