大人だって楽しみたい
公園でブランコを見ても、なぜ乗るのをためらうのだろう?子どもの頃大好きだったプリンを見て、どうして背を向けるのだろう?20代後半ごろから、我々は「大人」という重い看板を背負うことを学ぶようになる。子ども特有の権利を再び味わうことがなくなり、子どもの頃の趣味を捨ててしまう人もいる。こうした無形の圧力によって、我々は現代の都市生活での疲れを倍加させてしまうのだ。
しかし今、「大人」たちも次第に変化して、「子どもの頃の楽しみ」を取り戻そうとしている。他人の目を気にせず、今再び、楽しさや面白さだけのために遊んだり挑戦したりし始めているのだ。2010年に、城西大学の羽崎教授が「鬼ごっこ協会」を設立し、大人だけが参加する「鬼ごっこ大会」をお台場で開催した。大人たちは年齢も社会的地位も関係なく、一緒に楽しく走り回り、童心を取り戻した。みなの顔に浮かぶ笑顔は、子どものように可愛らしかった。
先ごろ森永乳業が発売したアイスクリーム「PARM(パルム)」は、「大人限定」をテーマとしたイベントを行った。満25歳以上の人が抽選に参加でき、抽選に当たった20名の幸運な参加者は、学校で大人のために準備された給食を食べることができるのだ。メニューは、ソフト麺ミートソース、揚げパン、牛乳など、みんなが子どもの頃にいつも食べていたものばかりである。懐かしさいっぱいの味に、誰もが心から満足していた。またデザートとしては、森永乳業がこのイベントのために「大人限定」の「PARM」を準備した。
楽天トラベルでも、特別に大人のための「お年玉」を準備した。我々は子どもの頃に「お年玉」を受け取った時の嬉しさを再び味わうことができるのだ。JR東日本の「大人の休日倶楽部」ではダンスや工芸や楽器などを習うクラスが用意され、余暇を使って、子どもの頃好きだったことを再び始めることができる。また高島屋では正月に、茶道体験会など各種イベント体験型の「商品」を福袋に入れていた。我々は豊かな物質生活を楽しむだけでなく、精神生活も充実させることができるのである。
また海外には、大人だけのためのデザートプレゼントマシンがあるそうだ。マシンの識別機能によって、大人であれば自動的にデザートがもらえるが、子どもはこの「特権」を与えられない。大人たちの満足した表情と子どもたちの怒った顔を見ていると、この小さな無料のデザートで大人たちの心が癒され、再び童心に返って温かい気持ちになっているのが感じられる。(小雅執筆)
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