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★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ 仇花の記憶〜ショタやおい雑話〜 ☆ 第九巻弐回 小説「適応適所」 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ ＊＊第七巻弐拾号より横幅を 若干拡げて配信しております＊＊ ＊＊＊＊ 2011年3月11日に発生しました東北地方太平洋沖地震 （東北大震災）にて罹災した皆様方に心からお見舞い 申し上げます。 居住地の差異の為たまたま罹災しなかった筆者に 出来ます行動は限られておりますが、幾許かが皆様の 潤いに繋がりますならば幸いです。 ＊＊＊＊ 御機嫌よう。葡萄瓜でございます。 小説配信回、お楽しみ戴ければ幸いです。 ○●○ 適応適所 ＸＱＯ 余りにも軟膏やクリームが恋しい季節だ。 生来の体質の上、身体の保湿加減が多少衰えた所 為もあって昼も夜も何かしらチューブか瓶を手元に おいている。 そういうのが俺の分だけならまだ良いのだが相方 はまた違った理由で軟膏やクリームを手放せない境 遇だったりする。だから俺達の生活空間は下手をす るとチューブや容器に少なからぬ面積を占領されて いる。 せめて共用出来るものがあれば整理も可能なのだ がそうそう上手く話は進まない。肌の相性は本当に 良いのにこう言う時だけなぜ相性が悪いとぼやきの 一つも入れたくなる。 夜に遣うものなら共用出来るだろうと言われた事 もある。で、実際試みた。でも無理だった。ああ言 うものこそ微妙な部分で体質に左右されるのだと思 い知るしかなかった。 閑話休題。 こう言うケースでは天然素材が確実に万能である のは理解している。しかし天然素材のみで対応する には正直環境流通的な問題がある。俺一人なら何処 でも出来る仕事なのでいっそ天然素材の産地に越し てしまうという荒業も使えるのだが相方がいるので そうはいかない。相方もやろうと思えば場所を選ば ず出来る仕事なのだが出来れば今の環境にいる方が 何かと便利ではある。 経費の全額とは言わない。せめて半額近くを節減 できたら天然素材のみでの対応はなんとか可能にな るだろう。気持ちの上では使用感も含めてとっくに 納得しているのだから。 そう、ハンドタオルという身近なものだからこそ 贅沢はしたいのだ。それこそ汎用生活用品なのだか ら。 「で、どうよ？」 「ごめん、だめだった」 「あの店も全滅、と」 「制覇したっけ？」 「今ので新製品も含めて完全制覇」 「あれだけ種類があるのになぁ」 「種類分だけメーカーが違うとは限らないからな」 「それもそうか」 妙に冷静な相方のツッコミに場違いに和みつつ俺 は使いさしのハンドタオルを段ボール箱へと投げや る。何かしらかの雑巾用にと言う為の蓄積箱だ。 野郎が使うものなんだから少しくらい粗めだって 良いと思っても肌がそうそう従ってくれない。体質 的なものと割り切るにしたってその加減が微妙過ぎ るだけになにか後ろめたい。いっそ保湿ティッシュ を総てに適用してしまえと考えたくもなる。 「まあ、まだ遠征先はあるやね」 「………近所じゃないだろ？」 「近所の定義による」 「へいへい」 お互い様とは言え相方のこう言う時の情熱には全 く頭が下がる。きっと楽しんでもいるんだろうが。 「当座分、足りるか？」 「足りる様にしておく」 「再利用も程々にな」 「だいじょぶ。後から贅沢感は補填するから」 「悪いな」 「お互い様なんだから気にしない」 とは言うものの、相方の駆動力にも限度があるの で流石に通販を利用すべきかなと揺らいではいる。 現物の確認が出来ないのは実際不安だ。しかしそこ はそれ、ブランドを信用して手続きを進めていくし か無い。 仮にサンプルから決定の判断をしたとしてもサン プルと現物には恐らくある程度の差異が発生する。 その差異が使用感に影響をおよぼすものかそうでな いかは実に大きな問題だ。随所に皺寄せが行くだろ う事が予想されるだけに。 「まさか織機購入なんて、なぁ」 「いっそ考えて良いんじゃない？オーダーの手間 省けるし」 「本気？」 「付き合いをオープンにすると決めた時程度には」 「タオルと比べるなタオルと」 「まあ、身についた問題って事で」 お道化てかわしてみる。こう言う埒もない落ちも ないボケツッコミでもしないと気詰まりになってい けない。話題自体が見る人が見れば他愛ないもので あるだけに。 「それなら何もかもの先に現地視察をみっちりす べきかな」 相方の一言にこっちが目を丸くする。 「自由時間も織り込んで二泊三日。こう言う季節 の気分転換にも良いだろうさ」 彼の手元では時刻表が踊っていた。 【了】 ○●○ さて、此度はこれにてとりあえず筆を擱かせて戴きま す。次号配信まで、御機嫌宜しゅう。 ○●○ 以下喧伝です。 ニコニコ生放送「BL夜伽ラヂオ」 http://com.nicovideo.jp/community/co1391827 2012年1月5日（木）より開始・現在進行形 毎週木曜日21時開始の30分ひと枠＋αで毎週一人の 作家さんについてあれこれ思い出語りをさせて戴き ます。通年で50人を取り上げる予定です。 詳細は上記ニコニコミュニティまで。 出演：黒猫ゆうすけ＋ぶどううり・くすこ（筆者） お時間があれば、よろしくお願い致します。 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ 以下2011年6月10日配信号より継続の事務連絡にて。 配信スタンドが5箇所から4箇所となりました。 これは１箇所の運営形状変更に伴うものです。 また、website『仇花の記憶』が移転致しました。 これはCOOLサーバ運営終了に伴うものです。 以上、奥付の通りよろしくお願い致します。 ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ 仇花の記憶〜ショタやおい雑話〜 第九巻弐回 2012.1.25発行 文責：葡萄瓜XQO（ぶどううり・くすこ） http://xqo.ooh.jp/mag/ mail：xqo_gm@yahoo.co.jp 連動BLOG「ショタやおい雑記」 http://xqosy.seesaa.net/ このメールマガジンは melma! http://www.melma.com/backnumber_90840/ Mailux http://www.mailux.com/mm_dsp.php?mm_id=MM3FAB47D02D533 おしらせメールサービス http://www.marine.ne.jp/mm/user.asp?id=75297 まぐまぐ http://www.mag2.com/m/0000270330.html のシステムを利用して発行させて戴いています。 ご意見ご質問等は上掲メール宛、若しくはサイト内 設置メールフォームよりよろしくお願い致します。 http://xqo.ooh.jp/mag/form/ バックナンバーはサイト内及び各配信スタンドにて 公開しております。 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ |