瑞 氣 集 門


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13分! ハングルプレス増刊号】 Vol. 11 (通巻79号)

「あけましておめでとうございます」2012_1_2 ≪文化≫   

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今日のおはなし


新年の挨拶につきまして、「 Vol.66 (通巻76号) 国家予算 2011_12_31」で簡単に触れましたが、

日韓では用法が違います。


韓国式の、「새해 복 만히 받으세요という言い方は、

直訳すると「新年にをたくさん授かってください。」という意味なので、

年末の挨拶として旧年中でも使うことができますが、

日本語の「明けましておめでとう」は、年が明けてはじめて言うことができます。


「새해 복 많이 받으세요」は、日本的に解釈すると、

「良いお年をお迎えください」と「あけおめ」の両方の意味を含んでいるので、

年末にでも年始にでも使えますよね。


でも、日本語の「明けましておめでとう」は、

年が「明ける」という事実が発生しないと使えない言葉です。


同様に「新年おめでとうございます」も、文法的にはともかく日本人的情緒から、

「新年」になったという事実が発生しないと使えませんよね。


日本語を習った韓国人はこの二つをイコールと考えるため、

年末の挨拶として12月のうちに「明けましておめでとう」と言い

言われたほうは一瞬「?」と思うことになります。


韓国語がわかる日本人ならば、少し考えるとなぜ韓国人が間違えたのかすぐに理解できます。



さてつらつらと、この二つの言い方の違いがどこから来たのかなと考えたところ

日本は西洋からの、韓国は中国からの影響を受けているのではないかと考えました。



すなわち、


英語の「A happy new year.」は年が明けてから使われます。


年の瀬の挨拶では、「I wish your 〜」という表現や、

「お迎えください」という意味の「Have」をつけて「Have a happy new year.」という言い方をしますね。


この感覚は日本での「よいお年をお迎えください」や「(新年)あけましておめでとうございます」の感覚と同じです。



一方中国では、新年を祝う挨拶言葉が各種あるけど、

「福」や「財」などの字が用いられ、やはり年末から使っています。


「恭喜發財」(お金持ちになれますように)が、

韓国の「새해 복 만히 받츠세요(新年に福をたくさん受けてください)」に近い印象を受けます。



日本人の感覚では少し生々しい印象がありますが、

韓国で10何年か前にBCカードの年末のTVコマーシャル、

「여로분 여러분 부〜자 되세요!(皆さん、皆さん、お金持ちになってくださいね〜。)」

というのが流行語になったのも、この感覚ですね。



さて日韓両国を比較して違いがわかったところで、北朝鮮はどうなのでしょう。


北で公式的に使われる「새해를 축하합니다」も意味的には「新年おめでとう」に近いと思いますが、

この言葉は彼の地では、年末にでも使うのでしょうか?


たとえば「새해를 축하합시다」というなら、年末年始どちらにも使えそうですし、

意味的には日本と同じだから、年が明けないと使うことができないように思われます。


これについては大学の優秀な後輩が次のような説明を送ってくれましたので以下に紹介します。



-----ここから-----


韓国の年末年始の挨拶は「새해 복 많이 받으세요」ですが、北朝鮮では一般的に、

「새해를 축하합니다」が使われます。


北で「복」は、「수령복」「장군복」「인민복」それぞれ

「(人民が享受する)領袖の福」「将軍の福」「(金正日が受ける)人民の福」などのように使われているため、

「(誰からのものかわからない)福を受けよ」とは公式的には言わないようです。


「새해 복 많이 받으세요」は、(非公式の場では)やはり広く使われているようで、

元日の朝鮮中央テレビのニュースの中でもインタビューに応じた労働者が、

リポーターの「새해를 축하합시다」に応えて言ってました。


年末から平壌市内の大通りには「새해를 축하합니다」の看板が立っていますが、

公式の場での発言や人民の間での挨拶としては明けてからのような気がします。


-----ここまで-----



日本人は年が明けるまでは新年の挨拶をしないというのは、

もしかしたら世界的には珍しい風習なのかもしれませんね。


年明けまでは「良いお年を(お迎えください)」とは言うけど

新年とか年が明ける意味を含んだ言葉を用いてのあいさつはしない。



これは日本人の几帳面さや厳格さに起因しているのかではないか

あるいは、「初日の出」にもつながる、太陽を神とあがめる土着信仰からの由来なのかもしれない。

などと考えた次第なんです。


北朝鮮はこの面では日本的なのかもしれません。


ほかの地域では同なんでしょうね。

これまで私が正月に訪れた地域を思い浮かべて見ます。


まず中華圏。

お正月に「福」といえば、思い出されるのが「招福」のならわし。


日本の中華料理屋さんでも見かけますが、

台湾でも、香港でも、上海でも、シンガポールでも、羅城(どこかわかりますか?)でも、

中華圏ではおめでたい時に「福」の文字を逆さまにして貼り付けるのを見たので、

「招福」のならわは汎中華的風習なのでしょう。


中国が「太陽太陰暦」を採用しているので、

毎年の旧正月が新暦と一月前後しか変わらないというのに対し、


イスラム圏では純粋太陰暦であるヒジュラ暦を採用してるので、

閏月による地球が太陽を回る周期との補正を行わないから、

一ヶ月が29日の小の月と30日の大の月という大小月を交互に繰り返して1年354日となります。


このため1年ごとに11日ほど太陽暦とずれていき、

真夏に正月を迎えたりしながら33年かけて元に戻ることから、

ムスリムは人生に2度しか同じ日の正月を迎えないと言われます。


アジアでは、西欧の風習、中国の風習、イスラムの風習、土着の風習が混じっているので、

相手によって本当にさまざまですね。



ビジネスを行うと、こっちがどんなに急いでいても、

一つの国で3つの正月が併存しているため、

新正月で税関が休み、旧正月で卸問屋が休み、イスラム正月で小売店が休み、だから何にもできませーん、

などという目に何度も会いました。


でも、誰にとっても、どこで迎えてもお正月はよいですね。




(C) 2011 copyrights.Miz_OIKADA


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著者紹介≫


Miz_OIKADA/大筏瑞彦


朝鮮語専攻

上場企業の韓国現地法人で10年以上代表理事を務める。

韓国にて多くの新規事業を立ち上げ、契約交渉、知財権訴訟に携わる。

跆拳道2



韓国文化執筆・講演


企業・商工会議所などでの講演、大学・専門学校・教養セミナーにて講義担当します。


韓国ビジネスの要諦

韓国旅行のコツ

「ハングルプレス」を使った翻訳実習

etc


韓国地方旅行300回以上、韓国カラオケレパートリー1000曲以上、韓国で痛風により入院・手術するほどのグルメぶりを駆使して、様々な角度から韓国を紹介します。



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貿易、ネットショップ、コリアンレストラン....

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