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タイトル:【ZONE新聞No.11】シアーズ博士より・・・亜麻仁油についての質問への回答  2011/04/28


ゾフィです。

シアーズ博士が来日中、幾つかの方から亜麻仁油についての質問がありま
した。フィッシュオイルとよく比較される油ですが、ちょっと奥深い話な
ので、これに関してシアーズ博士に質問状を送りました。

その結果をアメリカのウェブに掲載されているQ&Aの内容を補足しながら
説明させていただきます。

亜麻仁油には、短鎖オメガ3脂肪酸であるα(アルファ)-リノレン酸が多
く含まれていますが、フィッシュオイルに多く含まれている長鎖オメガ3
脂肪酸(EPAやDHA)の方が、より抗炎症効果が高いと言えます。

EPAは、悪玉エイコサノイドを減少させる効果において、同じグラム数の
α-リノレン酸の10倍の効果があります。

1グラムのEPAを生成するのに約10グラムのα-リノレン酸が使われる
ため、1日にたった2.5グラムのEPAを摂取するために毎日20グラム以上
もの亜麻仁油を摂取する事は、非経済的であり、健康的にも良くない事
です。

さらに詳しく述べると、人体の中でα-リノレン酸がEPAに生成される割合
は非常に低く、スピードも遅く、α-リノレン酸がDHAに生成される割合は
更に低くなります。高濃度のα-リノレン酸は、DHAの生成に必要なデルタ
6デサチュラーゼという酵素の活動を阻害してしまうためです。

従って、ある量のフィッシュオイルと同等の効果を亜麻仁油から得るため
には、50倍から100倍の量の亜麻仁油を摂取する必要があります。

また、ゾーンが亜麻仁油よりフィッシュオイルを推薦するもう一つの理
由は、亜麻仁油の過剰摂取(大さじ1杯以上)によるα-リノレン酸の過
剰摂取は、善玉エイコサノイドの材料となるγ(ガンマ)-リノレン酸の生
成を抑制する傾向があるためです。

α-リノレン酸の臨床効果が限られたものであるのに対して、EPAの臨床効
果についての研究データは非常に多く、EPAはα-リノレン酸に比べ我々の
ホルモンをゾーンに保つ効果が圧倒的に高い事が分かっています。

また、フィッシュオイルの摂取により中性脂肪が減少したという研究結果
がありますが、α-リノレン酸を大量に摂取してもそのような結果はほと
んど見られません。

一方、亜麻仁(アマの種子)を大さじ1〜2杯食事に加える事は、ZONEで
は良いとされています。亜麻仁にはリグナンという植物性化学物質(ファ
イトケミカル)が含まれ、その物質には、大豆製品に含まれる植物エスト
ロゲンに似た生物学的効果(がん予防など)があると言われています。

しかし、亜麻仁「油」にはそのリグナンが全く含まれていない事を心に留
めておいて下さい。

結論として、亜麻仁油はオメガ6脂肪酸に比べると「悪い油」ではありま
せんが、同じグラム数のフィッシュオイル程の効果はないという事です。

以上が現時点でできる亜麻仁油についての一番詳しい説明です。

更に何かご質問があれば、ご遠慮なくお気軽にご返信くださいませ。


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