翼を広げて「はやぶさ」が出発進行
明日(3月5日)、日本のすべての新聞、雑誌、ネット、テレビ、ラジオなどが、大きく目立つ標題でこのニュースを伝えるだろう。――「東北新幹線の新型車両はやぶさが運転開始」――この感動的な瞬間を体験するために、1等車の「グランクラス」の初日のチケットは発売20秒で売り切れてしまった。帰省ラッシュの時期でもないのに、ネットオークションでの販売価格は定価の23倍に跳ね上がり、38万5000円になったという!
仙台駅。試運転中の「はやぶさ」が停車している、整然としたホームの上で、中国鉄道部の「高鉄(高速鉄道)」の旅客運行管理担当者で、視察のために来ている人々が、濃いグリーンの長いくちばしのような車両の先端部で、記念写真を撮ったりはしゃいだりしている。そう、この今にも翼を広げて飛び立ちそうな姿で出発を待つ「はやぶさ」が目の前にあるのだから、誰でも夢中にならずにはいられない。
私とほぼ同じ頃に世の中に登場し、東京オリンピックと同じ年齢になった、最高営業時速が世界で初めて200キロを超えた新幹線。日本全体で2258キロにわたる行程の中で、現在では一部の路線で時速330キロに達しているが、運行開始以来、列車が脱線したことも衝突したこともなく、乗客の死亡事故も起こっていない。世界で最も安全であるばかりか、運行過程において最も安定した高速列車の一つなのである。
さて、視線を一衣帯水の隣国に向け、中国の高速鉄道を見てみると、近年は日進月歩の変化が起こっている。京津高鉄(北京−天津間を結ぶ)は運行を開始したばかりだが、走行速度、輸送量、省エネ、環境保護、快適度において驚くべき記録を打ち立てているのだ。現在、中国の高速鉄道の営業距離は7531キロで世界のトップであり、昨年末に行われた「和諧号」の総合テスト走行の最高時速は、486.1キロに達している!
しかし、整然としてどこまでも行き届いた日本の新幹線の運営管理とサービスの現状を見ると、中国の鉄道マンたちは依然として、内心から溢れる敬服の気持ちを隠すことができない。東京駅から日本各地へと伸びる新幹線の最短運行間隔は2分以下で、どの列車も各駅での到着と出発が秒単位まで正確である。走行速度を盲目的に上げることがないのは、車両の運行の安全を考えているだけでなく、騒音によって沿線住民の日常生活に影響を与えないように最大限の配慮をしているからなのだ。
日本の高速鉄道の運営の先進的な経験を虚心に学び、土地も大きく、物も人口も多い中国の大地で、中国鉄道の明るい未来を真に作り上げなければ・・・ゆっくりと走り出し、たちまちのうちに速度を上げて走り去る「はやぶさ」を見送りながら、中国鉄道部の人々は心から慨嘆する。「近代化した列車を持つだけでは、まだまだ足りない点が多いなあ」と。(姚遠執筆)
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