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タイトル:Daily Drama Express 2010/09/20 夏の恋は虹色に輝く (最終回)  2010/11/11


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2010/09/20 (Mon) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.月曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 月曜日の連続ドラマ
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タイトル 夏の恋は虹色に輝く
局  名 フジテレビ系
放映日時 月曜21時
キャスト 俳優・橘航太郎の次男 橘 大雅(松本 潤)
 謎の女性  北村詩織(竹内結子)
 詩織の娘  北村 海(小林星蘭)
 大雅の親友・俳優  植野慶太(笠原秀幸)
 若手俳優  伊良部譲(永山絢斗)
 タレント事務所所長  青木久雄(重松豊)
 若手女優  宮瀬 桜(桐谷美玲)
 大物俳優  橘航太郎(伊東四朗)
 元女優・橘航太朗の妻 橘真知子(松坂慶子)
 橘航太郎の長男  橘 大貴(沢村一樹)
脚  本 大森美香
主題歌  『Love Rainbow』嵐

あらすじ 第十回

 俳優の楠大雅(松本潤)と、シングルマザーの北村詩織(竹内結子)
は、お互いの思いを確かめ合い、恋人になった。
 しかし、詩織の娘・海(小林星蘭)は、亡き父親を大切に思ってい
て、大雅に対して複雑な気持ちを抱いている。
 そんな折、大雅から「できれば、北村さんと結婚して、海のパパに
なりたい」と告げられ、混乱して泣き出してしまうのだった。

 詩織になだめられ、家に帰った海。しかしそれ以来、不信感を覚え
た海は、詩織に対しても口をきかなくなってしまう。
「海が納得してくれるまで、私は大雅さんと会わないほうがいいと思
います」
 海の小学校の担任でもある、大雅の兄・大貴(沢村一樹)に詩織は
自分の決心を告げる。
 しかしそこで、海の大好きな男の子・蒼空(井上瑞稀)が転校する
予定で、それもまた海の気持ちの不安定さにつながっているのではな
いかと教えられる。

 大雅は悩みに悩んでいた。
 自分は詩織も、海も大切にして、一緒に暮らしていきたい。しかし、
海や詩織には、夫であり父親であった大切な人がいる。いくら大雅の
ことが好きでも、そう簡単に割り切れはしないのだ。
 悩んだすえに、大雅は事務所の所長・青木久雄(重松豊)に詩織と
のことを打ち明けた。
 青木は、すでに二人が付き合っていることは知っていた。そして、
危惧したとおりことになったというのだった。
「だから言っただろう? 彼女を好きになるなら、惚れた腫れたじゃ
どうにもならないんだって」
 そんなことはわかっているけど……。ぶつぶつ言う大雅に、青木は
ハッパをかける。
「今は、それどころじゃないだろう」
 大雅は、大物の舞台演出家・有栖川正志の劇団に選ばれて、舞台の
稽古に参加していたのだ。
 そこで認められれば、役をもらえるかもしれない。そんな瀬戸際に
あって、プライベートなことに頭を悩ませているヒマなどない、と青
木は言うのだ。
「親が死んでも、家族が死んでも、ベストの仕事をするのが役者って
もんだ。その程度の悩み事、稽古場に持ち込むんじゃねぇぞ! チャ
ンスなんだぞ、お前が初めて自分でつかんだチャンスなんだぞ。石に
かじりついてでも、役を取ってこい!」
 青木の言うことももっとも。だが、割り切ることが出来ない大雅
は……。

 大雅は時間を見つけ、福岡へ出向く。喪服姿でたったひとり。
 訪れたさきは、詩織の亡き夫の墓。
 そこで、夫の弟で詩織の義弟・北村春樹(塚本高史)と偶然、顔を
合わせるのだった。

 詩織の家では、海がひとりでぽつんと絵本を読んでいた。
 今日は、海の大好きな蒼空のお別れ会が開かれているというの
に……。
 詩織は、実は海が密かにプレゼントを用意していたことを知ってい
た。それでも、素直になれない海に、詩織は言う。
「この前は、海のことを驚かせてごめん。大雅さんのことは好きだけ
れど、結婚したりとか、海のパパになるとかっていうことは考えてい
なかったから。でも、ママが不安になったときに、大雅さんがいてく
れて救われた。安心できた。大雅さんのことが好きだから、これから
も仲良くしていきたいと思っている」
 それが詩織の本音。
 海はうなずき、蒼空のお別れ会に向かうのだった。
 蒼空の一家は、今まさに出発するところ。そこに息を切らせて駆け
つけた海と詩織。
 海は用意してあったプレゼントを、どうにか渡す。その中には、学
童保育でつくったたくさんの花の折り紙。
「朝顔を見るたびに、海のことを思い出すよ」
 そういって、空は去っていくのだった。

 寂しくなっちゃったね、と海の肩に手を置く詩織。
 が、海は「寂しくないよ」という。
 首をかしげる詩織に、海はじっと走り去っていく車を見つめながら
つぶやくのだった。
「忘れないから、寂しくない。朝顔が枯れちゃったときに、ママが教
えてくれた。よーくよく見て心のなかで覚えておけば、寂しくないっ
て……」
 うなずく詩織に「ママも……パパのこと、忘れない?」と海は問う。
「どうしても、少しずつ何かを忘れちゃうことはある。でも、大事な
思い出は絶対に忘れない。パパが優しかったこと、海ができたときに
本当に喜んでくれたことは、絶対に忘れない」
「……大雅を好きになっても?」
「ずっと忘れない。海が大人になって結婚して、ママがよぼよぼのお
ばあちゃんになっても……死ぬまで絶対に忘れない……」
「……海の、ことも?」
 海は、詩織が大雅と結婚してしまったら、海のことを忘れて、捨て
ていってしまうのではないか、そんな不安をずっとひとりで抱えてい
たのだった。
「ママは海のことが本当に本当に好きなのよ。だから忘れない」
 そういって、強く強く抱きしめるのだった。

 手をつないで一緒に家まで戻ってきたところに、福岡の実家から電
話がかかってくる。
 大雅が、勇樹のお墓まで、わざわざお参りに来たのだと教えてくれ
た。
 長い間、お墓の前でお祈りをしていて、足がしびれて立ち上がれな
くなったんだ、と言って笑う詩織の義母。
 しかし、そんな大雅の、詩織や海を大切に、真剣に思っていること
はよく伝わったよ、と。
 詩織は大雅の行動に深く感動する。

 一方、大雅は劇団の舞台のシナリオを熱心に研究していた。
 その後ろで、「応援」と称して、伊良部と慶太が大騒ぎをしている。
 そんなに真面目に研究なんかして、全員の台詞でも覚えるつもりか?
 と、伊良部が茶化す。
 だが、大雅は不思議そうな顔で「いつも、全員分覚えているけど?」
と、応える。
 あっけにとられる伊良部と慶太。
 けれど、すぐにはしゃいで騒ぎ出す二人。うんざりしながらも、大
雅は勉強を続ける。

 翌日の稽古。
 門番役のひとりが、有栖川に注意を受ける。と、大雅に「お前なら
ここ、どうやって解釈すんだ?」と指名してきた。
 一瞬戸惑った大雅だが、「恐ろしい、と思いました」とすぐに応え
る。
 大雅が研究したところによれば、彼はただの門番ではなく、その背
景にさまざまな象徴であったり、意味を持たせてある。それをすべて
門番という役柄で表すと言うことが、恐ろしいと思う。
 すべてを述べると、劇団員の一同は息を呑み、有栖川も大雅を認め
る。
 休憩時間にも、熱心に台本を読みあさる大雅に、有栖川は近づいて
きて言う。
「お前が、役の解釈や、勉強してきた背景をすべて忘れられたら、一
つ役をやらせてやってもいい」
 喜ぶ大雅に、有栖川は念を押して言う。
「忘れられたら、だ。全部忘れろ。いいな?」
 大雅は精一杯のお辞儀を有栖川の背中にするのだった。

 事務所に戻って「役がもらえた」と報告した大雅。
 みんな驚き、喜んでくれる。が、「端役だけれど、長めの台詞もあ
るんだ」と大雅が言うと、揃って表情を硬くする。
「今までの大雅さんの傾向でいきますと……その一つの台詞を……噛
みます」
 うんうん、とうなずく一同。大雅はすっかりふてくされてしまう。
 と、仕事に出かける大雅の後輩の若手女優、宮瀬桜(桐谷美玲)が
大雅に「今夜、デートしてあげよっか?」と腕を引っ張って言う。
 なんで……、とイヤそうな顔をするが、「台詞を噛まなくなるおま
じない、教えてあげるから」と言われて、大雅はうなずいてしまう。

 桜はずっと、大雅のことが大好きだった。
 しかし、大雅は詩織と付き合っていて、そのことも知っている。だ
からといって、簡単にあきらめきれない桜。夜の海辺でのデートで、
大雅に本心を告白する。けれど、桜にいつもからかわれている大雅は、
また冗談だと軽く聞き流してしまう。とたんに、桜のケリが飛ぶ。
「バカ、なんでわかんないの、こんなに好きなのに! そんなんだか
ら、いつまでもへっぽこ役者なんだよ」
 大雅は表情を改めて、桜をしっかり見据えて言うのだった。
 やっぱり、詩織のことが好きだ。桜のことは、本心から役者として
尊敬していて、すごくかわいい妹みたいに思っていて……。
 だが、桜は「妹なんて、脇役には、絶対にならない」と叫ぶ。
 そして、もう自分から降りる、といってそこから立ち去っていく。
大雅の本音を知ってしまった桜は、子どものように泣きじゃくるのだ
った。

 家に戻ってきた大雅の元に、詩織からの手紙が届く。
 海の一件以来、顔を合わせることもなかった詩織からの手紙。
 そこには、詩織と大雅が出会ってから、最初は甘えたヤツだと思っ
ていたこと、でも大雅がどんどん役者としても、男としても成長して
いく姿に感動したこと、そして結婚したいと言ってくれたこと、そし
て「いつかきっと、あなたは父の航太郎さんを越える俳優になれるは
ずです、頑張ってください」と書かれていた。
 大雅は詩織からの手紙を、大切そうにしまうのだった。

 いよいよ、舞台の公演初日がやってきた。
 大雅の母親の真知子(松坂慶子)、兄の大貴(沢村一樹)、事務所
の面々、それに伊良部に慶太らが劇場に集まってきている。
 そしてもちろん、詩織も海をつれてやってくる。
 いよいよ幕が上がり、舞台は順調に進んでいく。
 一同が固唾をのんで見守る、大雅の出番……。
 国王に異変を知らせる兵士の役。大雅が舞台に駆け込んできて、長
い台詞を告げる……。
 きびきびと、そしてよどみなく台詞は……。
 ついに、無事に大雅は役を果たす。噛むことも、よどむこともせず
に。
 満面の笑みを浮かべたり、大きなため息をついたり、ガッツポーズ
を取る一同。
 詩織もまた、食い入るように大雅の姿を眺めている。
 そして、舞台は終わって。万雷の拍手が鳴り響く中、舞台の端で丁
寧にお辞儀をする大雅の姿。
 舞台から、詩織と海の姿を見て、ほっとうなずく大雅。礼を終えて
舞台そでに戻ろうとして、劇場の最上段に見慣れた人物がゆっくり拍
手をしている姿が目に入る。
 それは、死んだ父・航太郎(伊東四朗)の姿。大雅は涙をこらえ、
観客に応えるのだった。

 舞台が終わり、みんなが帰っていった後で、大雅はひとり劇場に残
っていた。
 そこへ、海をつれた詩織がやってくる。
「お疲れ様」
 と微笑みながら。
 大雅はうなずきながら、どうしても海に言いたかったことを、静か
に告げるのだった。
「ごめんな。急にパパになるなんて言いだして、驚かしてごめん。け
ど、これだけはわかってほしい。俺は海のママのことが、大好きなん
だ。ずっと大好きで、ずっと感謝してる。これからもずっと……。海
のこともだよ。だから、これからもずっと一緒にいたいんだ。好きと
かそういう大人の気持ちは、海にはまだ難しいかもしれないけれど…
…」
「分かるよ。これからも、仲良くしようね」
 と海は微笑む。
 そう、自分も蒼空への初恋を経験して、本当に人を好きになった大
雅の気持ちがわかるのだ。
 もちろん、仲良くしよう。
 そういって、手をつなぎ三人一緒に、帰り道につくのだった。

 あの海岸に、大雅と詩織、それに海の三人でやってきた。
 ぎこちなく手をつなぎ歩く大雅と詩織を、海が呼ぶ。
「ママ、大雅、ほら、見て!」
 海が指差す遙か彼方には、きれいな虹がかかっていた。



寸  評  最終回は、きっちりハッピーエンドになりました。
 後味のいい、すっきりした終わり方で、とても好感が持てました。
 正直に言って、ちょっと地味というか、もうひとつパッとしない展
開が多くて、いろいろと首をかしげるところもありましたが、その分
「安定感」は抜群だったような気がします。
 子どもの問題もきちんと解決させるところとか、主人公の目に見え
る成長とか、三方丸く収めるハッピーエンドとか、そういう「ツボ」
はきっちりと押さえていて、「うんざり……」というところは一切な
くて。まさに王道、といった感じのドラマでした。
 配役も、スタート当初は「?」と思うところがありましたが、たど
たどしい松本潤の演技も、「へたくそな俳優」という役に見事にはま
って……。いい意味で、いろいろ勉強になるドラマでした。

執 筆 者 畑中ヒロ()

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2. 編集後記
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 遅れに遅れましたが、どうにか最終回までこぎ着けることができました。
 また、次期のドラマの執筆もしていきます。よりわかりやすく、より面白く、
書けるように頑張りますので、またよろしくお願いします(それと、締め切り
を遅れないように……)。
 ここまでお読みいただいて、本当にありがとうございました。(畑中ヒロ)

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