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[情報の評価]市場原理型「司法改革」の呪縛で検察審査会の欠陥(分り易さ を演ずる情報の非対称性の罠)に国民主権を売却した司法の病理(1/2) <注記>お手数ですが、当記事の画像は下記URLで ご覧ください。 http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20101009 1 『モナリザ』の視線が意味するのは分り易さを演ずる情報の非対称性の 罠…この部分は既存記事 http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20100304からの部分的な修正・転載 【画像】レオナルド・ダ・ヴィンチ『モナ・リザ・ゲラルディーニ(ラ・ジョ コンダ)』 Leonardo da Vinci.(1452-1519)「Mona Lisa Geraldini(La Gioconda)」 1503-1506 Oil on wood 77×53cm Louvre Paris 、France. ルーブル美術館の解説によれば、あまりにも有名なこの肖像画にはモナ・リ ザ・ゲラルディーニの容貌を認めるのが適当とされており、この女性は1495 年にフィレンツェの貴族フランチェスコ・デル・ジョコンダと結婚したので、 そこから『ジョコンダ』とも呼ばれる。 イタリア・ルネサンスを代表する万能の芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチが 描いただけあって、この絵には様々な仕掛け(謎)が施されているとされて きたが、その一つがその“微笑”の視線の行き先についての謎だ。 我われ鑑賞者は、暫しこの絵の前に佇み、やがて少しづつ移動するうちに何 やら落ち着かぬものを感じ始めるはずであるが、その原因は、恐らくこのモ ナ・リザの視線の行き先の曖昧さにあると考えられる。 つまり、両眼の瞳そのものはただの二つの黒点にすぎない。それにもかかか わらずこの絵が見える範囲で前後左右に色々と移動してみても、我われは彼 女の視線から逃れられないことを悟り大いに驚くはずだ。そして、これは肖 像画特有の錯視効果によるものである。 両眼の瞳そのものがただ二つの黒点にすぎないことが現実であるにもかかわ らず、我われ鑑賞者は表情全体の微細な相貌変化の描方という画家が意図し た二次元画面での機序の原理が脳内に作用して「二次元→三次元」の変換作 用をもたらすため、我われは無意識のうちに騙されてしまう訳だ。 我われがこの肖像画の錯視効果(呪縛の謎)から逃れるには、肖像画の主人 公モナ・リザ・ゲラルディーニが“三次元に生きた人間”である限り実はダ ・ヴィンチが描いた“モナ・リザの微笑”の周囲では多方面からの観察者の 視線が可能であるはずだという“現実(リアリズム)についてのメタ感覚” を想起・回復すればよい。 言い換えれば、その現実(リアリズム)についてのメタ感覚”を想起・回復 するまで、この絵の鑑賞者である我々はかの有名な《嘘つきのクレタ人のパ ラドクス》の罠に嵌っていると言う訳だ(嘘つきのクレタ人のパラドクスに ついて/参照⇒ http://king2010.blog89.fc2.com/blog-entry-140.html)。 また、この“モナ・リザの微笑”が三次元空間に立つ彫像である場合の姿を 想像(イマジネール)することも、同様に我われが正気を取り戻すのに役立 つはずだ。あるいは、遠景の前に拡がる三次元の現実空間に佇む彼女のリア ルな肉体の全身像をあらゆる方面から眺める場面を想像するだけでも同じ効 果をもたらすだろう。 心すべきは、そのダ・ヴィンチが仕組んだ二次元空間で微笑む“モナ・リザ” の謎に取り込まれて(マインドコントロールされて)いる限り、我われは決 して彼女の視線から逃れられぬということだ(『Leonardo da Vinci. Self- Portrait1512 Red chalk on paper. Biblioteka Reale, Turin, Italy』の画 像はウイキメディアより)。 それこそ、絶えず生身の人間として“内外両面からの批評・批判の眼”を自 覚的に持たぬ限り、我われ鑑賞者が「平面的で分かりやすいイメージ」に騙 され易いことを見透していた天才レオナルド・ダ・ヴィンチが仕組んだ善意 の“情報の非対称性の罠”(一種のエスプリ)に他ならない。 2 検察審査会による小沢・強制起訴議決が誤謬(虚構)であることの核心 我々は、「検察審査会制度」についても“可視化”の条件が求められること を理解しなければならない。例えば、11人の検察審査員が、建前上は各地域 の選管委員会が選挙人名簿から籤で対象者名簿を作成し、最終的にも籤で選 任されることになっているにもかかわらず、実際はその選管委員会が自民党 地方議員の天下り先となっており、籤選定も実態は前任・検察審査員の推薦 で引き継ぎが行われているとの情報が飛び交っており、そこでは、とても公 正な人選が行われているとは思われぬ疑義がある。 まして、今回の「小沢・強制起訴議決」では11人の検察審査員の平均年齢に ついては、<確率を見ると20歳以上〜70歳未満から無作為に選んだとき「31 歳未満になる確率≒0.064%」なので意図的に年齢の低い人を選んだのは明白 で余りに理不尽だ>という客観的な分析・検証の結果が、ネット上で複数の 人々によって明らかにされている。これは、今回の<小沢・強制起訴議決の 起訴理由の一つに挙げた状況証拠(参照⇒下記参考資料◆)>以上に「非常 に強力な状況証拠」となっている余りにも皮肉な有様だ。 ◆東京第5検察審査会 議決文(PDF) http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/newsspiral101005.pdf これは正に資本主義の欠陥をおちょくり、20世紀前半分に活躍したドイツの 劇作家ベルトルト・ブレヒトの戯曲「三文オペラ(Die Dreigroschennoper)」 の主人公たち、マッキー・メッサー(マック・ザ・ナイフ)らの強欲なギャ グ(gag)とでもいう他はなく、余りにも<お粗末なボロ仕掛けの虚構>の露 呈である<このブザマな虚構の尻尾>を評価するには只々笑うしかない、と いうことになる。因みに、ギャグ(gag)には言論弾圧(原義は猿ぐつわ)の 意味があることも申し添えておく。 更に見逃せないのは、<今回の小沢強制起訴>には<別紙犯罪事実が間違い だった、のお粗末コント>が付いているということだ。このことは、小沢氏 の代理人弁護士が10月7日に「議決内容が告発容疑と違っており違法だ」と して起訴前にも訴訟手続きを取る意向を明らかにした」と報じられたこと (参照⇒ http://www.47news.jp/CN/201010/CN2010100701000325.html) で漸く、その問題の片鱗が一般にも知られつつあるようだ。 しかし、今のところ、主要メディアは、この<今回の小沢強制起訴>の根本 的な誤謬・欠陥(お粗末コント!)を詳細かつ具体的に伝えようとはしてい ない。それは何故なのか? 新聞紙上などに見られるのは<東京第5検察審 査会・議決文の内容を読まずに、ひたすら小沢辞めろコールを感情的に書き なぐったような情報ばかりだ(例えば、10/5朝日社説《小沢氏起訴へ―自ら 議員辞職の決断を》、10/6同・天声人語…お白州の前に赤じゅうたんの上で 説明責任を果たしてはどうか…)。 なお、下記ニコニコ動画が配信したネ ット公開番組(★)で郷原弁護士が詳しく、かつ分かり易く<その誤謬・欠 陥=お粗末コント!>の意味を説明しているので参照されたい。 ★10/5緊急特番「徹底討論!民主党小沢氏強制起訴を問う」、司会:角谷浩 一氏 パネラー 民主党:原口一博 前総務大臣 自民党:柴山昌彦 党副幹 事長 社民党:保坂展人 前衆議院議員 弁護士:郷原信郎、http://live.nicovideo.jp/watch/lv28656293 なお、下記ブログ記事も、ニコニコ動画が配信したネット公開番組とは些か 異なる、より広範な視点から<今回の小沢強制起訴>の根本的な誤謬・欠陥 について、詳しく分かり易く説明しているので併せて参照されたい。 ▲検察審の欠陥をさらした小沢強制起訴議決(永田町異聞)、http://ameblo.jp/aratakyo/entry-10667949908.html また、関連して<今回の小沢強制起訴>を決議した東京第五検察審査会の補 佐弁護人・吉田繁實(城山タワー法律事務所所属の弁護士)なる人物の選任に ついても見逃せぬ問題があることが窺える。それは、この吉田弁護士が、過 去に置いて、脅しやねつ造をやって、国選弁護人を解任されていたという驚 くべき情報があるからだ。 <関連参考情報> (ツイッター)ひどい!RT @kamitori 吉田弁護士が過去に脅しや捏造をやっ て、解任されていたことがわかりました「吉田繁實弁護士。国選弁護人を解 任される」、 https://twitter.com/aobadai3/status/26379135453# 解任請求をされた経験を持つ吉田繁實弁護士、http://toracyan53.blog60.fc2.com/blog-entry-788.html (ツイッター)hanachancause 2010.10.07 14:41続【これで検審会は中立公 正な市民を代表してるのか?】検審会の実質的リーダたる審査補助員の吉田 弁護士が特捜部の政治家案件なのでプレッシャーがあり起訴方針は早く決ま っていたと発言、 http://twitter.com/# 脅しや捏造といえば「郵便不正事件関連の証拠FD改竄」で逮捕されたばかり の大阪地検特捜部(元東京地検特捜部)の前田主任検事の存在も忘れる訳に は行かない。実は、改竄・捏造の常習犯と思しき、この前田検事が<小沢の 政治とカネ>の発端に関わりがあるのだ。しかも、このことは主要メディア が<今回の小沢強制起訴>の根本的な誤謬・欠陥を未だに詳細かつ具体的に 伝えようとはしない理由と繋がっているというのだ(以下は、『週刊・上杉 隆:離党・辞職を否定した小沢氏の”無実”はほぼ確実、それでもやはり自 ら離党すべきだった』からの転載。・・・toxandoriaは、“自ら離党すべき だった”の部分には疑問を感ずるが、 http://diamond.jp/articles/-/9645 から関連する論点だけ転載しておく)。 ・・・・・・・・・・ <今回の小沢強制起訴>で検察審査会の小沢・起訴相当議決の根拠とされた 「調書」は、検察自身がその意義について自ら否定(これに基づく起訴を断 念)しただけでなく、それを作成した人物(大阪地検特捜部の前田元主任検 事、東京地検特捜部では「陸山会」事件を担当した)に大いなる問題がある のだ。しかし、このことを新聞・TVは殆ど報じていない。というよりも、記 者クラブメディアにはそれが出来ない事情があるのだ。 それは、この「調書」の作成者が実は他でもない、あの前田元検事だという 驚くべき事実があるからだ。つまり、一連の「小沢の政治とカネ」問題の前 段にある「陸山会」事件で、大久保公設秘書の取調べ主任検事が今回逮捕さ れた“証拠改竄の常習者”と思しき前田容疑者その人であったという訳だ。 仮に「陸山会」事件関連の「調書」が「郵政不正事件」と同じく捏造された ものだったとしたら、その途端に小沢一郎の一連の「政治とカネの問題」に 決着がつくことになり、そうすると記者クラブメディアは1年以上に及んで 「誤報の山」を垂れ流し一般国民を誤誘導してきたことが悉くバレてしま う。従って、主要な新聞・TVは前田検事が作成した「調書」と「小沢の政治 とカネの問題」の関係をなかなか報じることができないという訳だ。 ・・・・・・・・・・ |