2010年8月5日 特別増刊(第37号)

京都・祇園と東京・銀座に自社ビルを構える石材の老舗『ぎおん石』は、天然石、ジュエリー、化石などを扱う、知る人ぞ知る老舗だ。その歴史は大正13年に初代阪下源太郎氏が京都市中京区にて石材卸業を営んだことに始まり、以来100年近くにわたり『石』を専門に扱ってきている。店内には、長年の経験を持つプロの目で選び抜かれた高品質の石が、世界中から集められており、中には博物館に展示されるほど貴重な物もある。超高級品から、アクセサリーや小物など、誰もが手軽に購入できるグッズまで、5000点以上という豊富な品揃えで、本当に気に入る物を、時間をかけてゆっくりと選ぶことができる。特にアメリカ・コロラド産及びアルゼンチン産のインカローズの品揃えは日本随一と呼べるほどで、これを目当てに訪れる人も多いという。さらに店舗内にはギャラリーなども併設され、多目的な作りになっている。そんな『ぎおん石』が扱う商品や店舗について、ご紹介していこう。(林愛香取材・執筆)

天然石―自然が生み出す芸術

天然石の魅力は、何と言っても自然の造形美であろう。同じ名前の石でも、その石が形成されるまでに起きた現象や産地、成分のほんの少しの違いでまったく異なった姿かたちになるのだという。その美しさはもちろんのこと、石の中に秘められた雄大な自然の歴史と、工業製品とは違って、数え切れない偶然によって生み出されたそれぞれの石の個性が、私たちを魅了する。

例えば『ぎおん石』で一番人気があるという水晶にも、実はかなりのバリエーションがあることをご存知だろうか。一般的に私たちがまず思い浮かべる水晶は、透明あるいは少し白みがかったものだが、中国などでも金運アップの石としてアクセサリーや置物として人気のルチルクオーツ(針入り水晶)は、透明な水晶の中に金色や赤色の針状物質が入っており、実に神秘的である。ジュエリーとしても人気が高いアメジストは、紫水晶という和名を持ち、普通の水晶に鉄が混入することで紫の色が付くのだという。また、世界でも大変貴重なストロベリー・クオーツは、ヘマタイト、ゲーサイト、レピドクロサイトなどの酸化鉄を含有しているため、ストロベリーのようなピンク色になるのだという。ストロベリー・クオーツは色だけでなく形もストロベリーのようで、本物と同じく表面のみがピンク色、中は白色である。さらに種のような鉱物の粒が見られる点までが本物のストロベリーそっくりで、私たちに自然の偶然の一致の面白さを感じさせてくれる。

『ぎおん石』では、その他にもオパール、自然金、アンモライト、黄鉄鉱など、他店では見られないような大きさと高いクオリティを持つ貴重な原石を多数取り扱っている。

加工石―石の特性を生かした匠の技

加工石は、それぞれの石の個性や特性を生かしながら、芸術的センスと技術を駆使して創作されている。店内には器、彫刻、仏像など、バリエーション豊富な商品が所狭しと設置されており、私たちをまるで美術館に来たような気分にさせてくれる。特に銀座店の加工石コーナーで見逃してはならないのが、水晶によるワインの彫刻樽だ。ドイツの著名な彫刻家ヘルムート・ボルフ氏の作品で、驚くことにこれ自体が一つの水晶の塊を削って作ったものだという。表面には古代のワイン作りの様子が優美に描かれ、金属部分にはルビーやサファイアがはめ込まれている。息を呑むようなこの作品は、ギネスブックにも掲載され、値段が付けられないほどの価値を持つという。その他動物を模った愛らしい作品や、中国の伝統的スタイルに基づいた龍の像、水晶玉などもある。

ジュエリー―最高の輝きのための確かなデザイン

『ぎおん石』で扱うジュエリーは、他店と違い石の品質を第一に考えているので、リング、ピアス、ネックレスなど、どれを取っても石の持ち味を生かしたデザインが魅力的だ。ショーケースの中にはルビー、エメラルド、タンザナイト、トパーズなど、女性なら思わずため息をついてしまうような美しいジュエリーがたくさん並べられている。また、『ぎおん石』はもともと石材店ということだけあって、デパートなどで売られている商品と比べると、品質の割にかなり手頃な値段となっており、そのうえなかなか手に入らない珍しい宝石を多数見つけることができる。宝石加工前の石で気に入った物があれば、自分だけのデザインをオーダーすることも可能だ。石の特徴などをスタッフに聞きながら、デザインの相談をすることもできる。その他携帯ストラップや小物なども取り扱っているので、プレゼントにも良いだろう。

化石―古代のロマンを感じる

『ぎおん石』では、非常に貴重な化石も多数扱っている。例えばデボン紀(約4億1600万年前から約3億6700万年前)に生息しており、頭が鎧のような皮に覆われているボトリオレピスという不思議な生物や、白亜紀(1億年前)の恐竜の卵の化石などは、私たちに太古の未知の生物への興味を沸き立たせてくれる。その他にも様々な種類のアンモナイトの化石、マンモスの歯の化石、虫入り琥珀、蝉やエビの化石などが、私たちに生物の歴史のロマンを感じさせてくれる。

祇園店、銀座店

『ぎおん石』は、京都・祇園と東京・銀座に2店舗ある。どちらもフロアーの隅々まで貴重な石が配置されており、すべて見尽くすには相当な時間を要するだろう。さらに喫茶店なども併設されており、ショッピングに疲れたら気軽に立ち寄ることができる。そんな両店舗をご紹介しよう。

祇園店:八坂神社のすぐ前、四条通りに面した5階建てのビル。1階は天然石を中心に、モダンな美術工芸品、アクセサリー小物まで多彩に展示されている。2階はなんと喫茶店。四条通の賑わいとはまるで別世界の、落ち着いた雰囲気を楽しむことができる。おすすめは中南米産の豆を使った深みとコクのあるコーヒーと3種類から選べるケーキセット、京都らしいと定番人気の抹茶パフェなど。買い物や観光で疲れたら、是非立ち寄ってみてほしい。3階はそば処。厳選したそば粉を使った、喉ごしよいそばが自慢で、最高級の昆布を使って仕上げた風味豊かなダシに定評がある。4階はギャラリーになっており、大型の化石や鉱物等、思わずわくわくしてしまうような物がたくさん展示されている。

銀座店:銀座すずらん通り沿いにある、4階建てのビル。1階は祇園店と同様、天然石や比較的お手頃価格のアクセサリーなどバリエーション豊富な商品が並べられている。2階では加工石とジュエリーを扱っている。可愛らしい置物から目の眩むような高級ジュエリーまで職人の技が光る商品が多数あり、女性に人気のコーナーである。3階では天然石と化石を取り扱っている。自然の雄大さや遥かな歴史を感じさせる商品ばかりで、常連の男性客が多いという。4階は貸しギャラリーで、加工石のアーティストなどの作品展が随時行なわれている。

ギャラリーの予定―銀座店

『ぎおん石』銀座店では、4階ギャラリーにおいて、年に数回展覧会を開催している。8月は23日から29日まで、ヒーリングアートの第一人者、三浦真由子氏の作品展が行なわれる予定だ。ヒーリングアートとは、色彩やモチーフが発するエネルギーの組み合わせで、人の魂や心に癒しをもたらすアートのこと。三浦氏は、大学で心理学を学び、卒業後はイギリスに留学。その後色の持つ力に魅せられより深く追求していきたいとの志を高め、カラーコンサルタント兼ヒーラーの高坂美紀氏のもとで、本格的にカラーヒーリングを学んだ。現在は女性がより幸せになるための講座『ラブトレーニング』を開催したり、ヒーリングアートの制作など、愛をテーマに幅広く活動をしている。

「Healing art. 三浦真由子作品展」
・ 入場無料 ・当日購入可
会場:『ぎおん石』銀座店 4階ギャラリー
開催期間:2010年8月23日〜月29日(23日14:00〜19:15、29日11:00〜18:00、24〜28日11:00〜19:15)

「Shanti-Arts」三浦真由子公式サイト  http://www.shanti-arts.com

『ぎおん石』の魅力は、日本屈指の豊富な品揃えと確かな品質と共に、深い知識とおもてなしの精神を持つスタッフにあるといえるだろう。客は時間を気にせず、ゆっくりと心ゆくまで商品を見て回ることができ、石を心から愛するスタッフが、時にユーモアを交えながら、様々な説明をしてくれる。また、女性に人気のパワーストーンや風水についても、スタッフがアドバイスをしてくれるので、興味がある人は是非声を掛けてみてほしい。『ぎおん石』を訪れれば、たくさんの石と素敵なスタッフとの出会いが待っているだろう。

祇園店
京都市東山区祇園町南側555(八坂神社の前にあり、四条通に面して建つ5階建のビル)
TEL:075-561-2458
FAX:075-561-2459
営業時間:午前10時〜午後9時 定休日:なし
銀座店
東京都中央区銀座5丁目6−5すずらん通り
TEL:03-3569-7775
FAX:03-3569-7774
営業時間:午前11時〜午後8時 定休日:年末年始のみ

●『『ぎおん石』』公式サイト http://www.gionishi.com/

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