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タイトル:Daily Drama Express 2010/06/20 新参者 (最終回)  2010/07/27


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2010/06/20 (Sun) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.日曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 日曜日の連続ドラマ
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タイトル 新参者
局  名 TBS系
放映日時 日曜21時
キャスト 日本橋署刑事        加賀恭一郎(阿部 寛)
 人形町タウン誌「ドールタウン」編集部記者 青山亜美(黒木メイ
                      サ)
 清瀬直弘の息子 劇団員   清瀬弘毅(向井 理)
 警視庁捜査一課殺人班 刑事 松宮脩平(溝端淳平)
 警視庁捜査一課殺人班 主任 小嶋一道(木村祐一)
 警視庁捜査一課殺人班 刑事 上杉博史(泉谷しげる)
 税理士           岸田要作(笹野高史)
 清瀬直弘の元妻       三井峯子(原田美枝子)
 清掃会社社長        清瀬直弘 (三浦友和)
 岸田の息子         岸田克哉(速水もこみち)
 清瀬直弘の元妻・絞殺事件の被害者 三井峯子(原田美枝子)
 清瀬の秘書         宮本祐理(マイコ)

原作   『新参者』東野圭吾 講談社刊
脚  本 牧野圭祐、真野勝成
主題歌  『街物語(まちものがたり)』山下達郎

あらすじ 最終回「人形町の刑事」

 日本橋小伝馬町のマンションで起こった、三井峯子(原田美枝子)
の殺人事件はついに容疑者の逮捕までこぎ着けた。
 容疑者は、峯子の離婚した元夫・清瀬直弘(三浦友和 )である。
 清瀬は清掃会社の社長。会社の業績がここ数年思わしくない上、峯
子から追加の慰謝料を請求されようとしていた。それを嫌っての殺人
だろうと捜査本部は見ている。
 さらに、アリバイもなく、犯行に使われたと見られる、直径4〜5
ミリの縄も清瀬の会社に隠されていた。
 事件翌日の4月14日には、出入りの税理士の息子・岸田克哉(速
水もこみち)が清瀬から大金を受け取ったという目撃証言も出た。
 おそらく、犯行の手助けをした報酬を受け取ったのだろう。
 主犯は清瀬、そして手助けをしたのが岸田克哉。
 事件はついに解決したかに思われたが……。

 岸田克哉のマンションに、捜査一課刑事・松宮脩平(溝端淳平)た
ち捜査本部の刑事が向かう。
 克哉を連行するというのだ。
 だが、そこにひょっこりと日本橋署の刑事・加賀恭一郎(阿部 寛)
が現れる。
「克哉さんは、犯人ではありません」
 そういって、今まで調べてきた内容を明かすのだった。

 実は、克哉はサイドビジネスに失敗し、金がなかった。
 清瀬と会っていたのは、息子に限定品の高価なおもちゃを買うため、
借金をしに行ったのだ。息子の前で「カッコいいパパでいたかった…
…」。そのために、見栄を張って清瀬とは会っていないと言い張って
しまったのだ。
 ウソでウソを重ねた結果、不審な行動をとってしまっていたが、克
哉の容疑はこれで晴れた。

 加賀はその足で、日本橋の民芸品店「ほおずき屋」に出向いた。
 気になっていた、「コマ」を見に来たのだ。
 それは、克哉の家にあったものと同じコマ。事件の二日後、ほおず
き屋に孫のためといって克哉の父・岸田要作(笹野高史)が買い求め
にきたもの。
 加賀は、そのコマを全部買い取って、鑑識に持っていく。
 絞殺の凶器として使われた細い縄が、コマのヒモではないかと考え
ているのだが……。

 捜査本部では、逮捕された清瀬が、克哉に金を渡したことを自白し
た。
 しかし、それ以外のことは一切口をつぐんでいる。
 さらに、加賀が清瀬の会社の倉庫から発見した、凶器に使われたと
思われる細い縄は、凶器ではなかったと鑑識結果が出た。首の回りに
残されていた繊維と一致しなかったのだ。
 事件はまだその全容を明らかにしない。

 加賀は手がかりを探して、日本橋人形町の町を歩いている。
 ふと、前に訪れたところとは別の民芸品店「ちどり屋」を見つける。
 そこには、克哉のマンションにあったコマと同じものが……。
 加賀は驚いてちどり屋に入り、コマを買い求める。
 そして店主に「これを最近、買った人はいないか」と訊ねると……。
 峯子の事件当日、4月13日に一つ、万引きされているというのだ。

 一方、松宮は清瀬の会社で気になることを調べるうちに、倉庫の奥
から鍵を発見してしまう。
 それは、4月13日の六時半ごろ、倉庫の中で作業をしていたとい
う証言をして、結果として清瀬のアリバイを壊してしまった、長井と
いう元社員のもの。
 実は、長井は清瀬の会社の倉庫に忍び込んでは、会社の備品を盗ん
でいたのだ。その日も、倉庫の中で盗みをはたらいていた。そこへ、
倉庫から妙な物音がすると、清瀬がやってきた。そして、倉庫の中を
点検する際に、洗浄剤を足で引っかけてこぼしてしまった。清瀬が、
慌てて拭き取るための道具を取りに倉庫を出て行ったすきに、長井は
逃げ出した。しかし、倉庫の鍵を落としてきてしまったのだ。 その
鍵を見つけた松宮は、長井を問い詰め、その日の行動をすべてはっき
りさせる。
 ……つまり、犯行時刻の六時半、容疑者の清瀬は会社の倉庫にいた
のだ。
 アリバイがまた新たに成立してしまい、捜査本部は落胆する。

 加賀は克哉のマンションを訪ねていた。
 岸田要作が孫のため、と買ってきたコマのことが気に掛かっている
のだ。
 そのコマはなぜか、誰が回そうとしてもうまくいかない。おかしい、
と話しているところで、子どもが言う。
 おじいちゃん、4月13日の日にも、コマを持ってきていたのに、
それを黙っていろって言って、持って帰ってしまった、と……。
 加賀の瞳が確信を得たように輝いた。

 家路を急ぐ岸田要作の前に、厳しい表情を浮かべた加賀が現れる。
 どうしても、確認したいことがある、というのだ。
 岸田に、「このコマを回して見せてください」と、孫から借りてき
たコマを突き付ける。
 ……何のために?
 クビをかしげながらも、コマを回してみるが、何度やってもうまく
いかない。
 このコマは不良品じゃないのか、と渋い顔をする岸田に、加賀は
「このコマは不良品なんかじゃありませんよ」と断定する。
 実は、コマのヒモが違っていたのだ。コマは大きさによって、それ
に合ったヒモがある。それをつかわないと、うまく回らないのだ。
 岸田が孫に持っていったコマは、ヒモが違っていた。孫に渡したコ
マは「ちどり屋」で岸田が万引きした物。そして、ヒモは後日「ほお
ずき屋」で買い求めたものだったのだ。
 岸田は、「ちどり屋」で万引きしたコマのヒモを使って峯子を殺害。
アリバイを作るために、孫のいる息子・克哉のマンションを訊ねた。
しかし、孫に偶然にもコマを持っていることを発見されてしまった。
 しかし、孫に凶器のヒモをわたすわけにもいかず、その日は持って
帰った。そして後日、ヒモだけ「ほおずき屋」で購入して孫にあげた
のだ。
 事実を明かされた岸田は、それでも必死の笑みを浮かべて「知りま
せん」と逃げる。
 加賀は厳しい表情で、コマを岸田に突き付けて言う。
「あなたのお孫さんは、回らないこのコマを必死で回そうとしていま
した。もし、あなたがこのコマが回らない理由が他にあるというのな
ら、今この場で、このコマを回してご覧なさい。回らないこのコマを、
回してみなさい!」
 加賀の気迫に押された岸田は、震える手でコマにヒモを巻き続ける
が……。

 岸田は連行され、日本橋署の尋問室で話をはじめる。
 岸田は自分の事務所の経営が苦しくなり、清瀬の会社の税金対策の
ために作っていた、峯子名義の別会社から金を着服していた。その金
額は五千万円にも上った。
 離婚して金がなくなっていた峯子に、その自分名義の別会社の金を
渡して欲しいと言われて、口封じのために峯子を殺したのだ。
 殺害のために「ちどり屋」で万引きしたコマのヒモを使ったあとの
ことは、すべて加賀の指摘したとおり……。
 全てを話して、がっくりとうなだれる岸田。
 だが、加賀は「ちなみにですが……」と岸田にカマをかけて、その
話が半分ウソであることを突き詰める。
 まだ、謎は隠されているようだが……。

 加賀は、刑事を辞めた上杉博史(泉谷しげる)のもとを訊ねる。
 上杉は、この事件の捜査に加わっていたが、以前、息子を自分のせ
いで死なせてしまったことを悔いていた。そして、清瀬の息子・清瀬
弘毅(向井 理)に死んだ息子の姿を重ね、息子の夢を勝手に潰そう
とした清瀬に、つい暴行をふるって辞職したのだ。
 加賀は言う。
「岸田に本当の話をさせることができるのは、上杉さんだけです」
 上杉は岸田の尋問を承諾する。

 尋問室で、岸田を前にした上杉は、自分の後悔の話をする。
 不良グループに入った上杉の息子が、無免許運転で逮捕されたとき、
刑事であった職権を使って事件をもみ消した。刑事の父親を自慢に思
っていた息子は、父親が保身に走って事件をもみ消した姿を見て、幻
滅してやけになり、事故を起こして死んでしまった。
「父親ならば……息子が罪を犯したら、厳しく罰するべきだった。そ
れができるのは、親だけなんだから。岸田さん……まだ、遅く無いじ
ゃないですか。アンタの息子は、生きているんですよ……」
 苦しげに打ち明けた上杉を前に、岸田の表情が揺らいだ。
「あなたはまだ、ウソをついていますね。そのウソは誰のためにもな
りません。もし、親として本当に息子さんのことを思うなら、真実を
話してください」
 静かに語るような口調で言った加賀の言葉に、岸田は号泣し、つい
に真実を話し出すのだった。

 息子の岸田克哉は、岸田要作にとって自慢の息子だった。
 一流会社に入り、経理の要職に就いている。
 しかし、克哉はサイドビジネスで失敗、多額の借金を背負って会社
の金に手を着けてしまう。その額……八千万円。
 どうにも身動きの出来なくなった克哉は、父の岸田に金の工面を頼
んだ。しかし、岸田もまたそんな金をすぐには用意できない。結局、
任されていた清瀬の会社の金に手を着けるしかなかった。
 そして、それが明るみに出ようとしたとき、峯子の殺害を決意した
のだ。

 業務上横領の容疑で克哉を連行する加賀と松宮。
「オヤジがバラしたのかよ……」
 そうつぶやく克哉に、加賀は厳しく言い放つ。
「岸田さんも、あなたの前では頼りになる父親でいたかったんです。
でも、岸田さんは罪を償おうとしています。たとえあなたに恨まれよ
うとも、あなたにきちんと罪を償わせようとしている。……それが親
として、やるべきことだと気付いたのです。あなたも父親だったら、
翔太くんのために、罪を償いなさい」
 父親の本心を知り、克哉は夜の路上に泣き崩れるのだった。

 事件は解決した。
 犯人とそれに伴うさまざまな謎は全てが解き明かされたのだ。
 事件に関わってきた人物達は、それぞれが事件を通じて得たことを
振り返る。

 上杉の辞表は、実は主任の小島が握りつぶしていた。昔、上杉が息
子の犯罪のもみ消しで降格する前、上杉は小島の上司だった。その際、
「主任は現場の刑事を守るものだ」と何度も言われていた。その恩を
返したのだ、と照れくさそうに語る。

 演劇の舞台俳優になるために家を飛び出した弘毅の舞台を、父親の
清瀬が初めて見に来た。
 そして、舞台が終わったあとにビールを酌み交わして本音を語り合
う。

 峯子のマンションには、清掃会社が入り、隅々まできれいにしてい
る。
 ガラスを拭き、家具を洗うのは、清瀬と秘書の宮本。それに、弘毅
とその恋人の青山亜美。
 がたがたと片付けをしているときに、亜美が机の隅から一冊の洋書
と原稿を発見する。
 それは、峯子が弘毅に「役者になるなら読んでおきなさい」といっ
て手渡していた洋書の演劇論。
 翻訳が難しく、弘毅はまだ全部読み解けていなかったのだが、翻訳
家を目指していた峯子はそれをすでに原稿にしていたのだ。
 驚いて原稿をめくる弘毅は、突如、目を見張って手を止める。それ
は、ワープロで書かれた原稿の一番最後に、手書きで記された「あと
がき」だった。
「……もし、夫と息子に会うことがあったら、ありがとうと言いたい。
心から、ありがとう、と……」
 演劇をやるといって勝手に家を飛び出した弘毅。そして、その弘毅
を助けるために離婚をした清瀬。その二人を、峯子は恨んだりはして
いなかった。ただ、ただ、家族であったことを感謝していたのだ。
 峯子の思いを知った清瀬と弘毅は、静かに涙を流す。

 清瀬は加賀に感謝を伝えた。
 部屋を掃除させてくれるように取りはからったのが加賀だったから
だ。
 しかし本当は、峯子のあの翻訳原稿があることを、加賀は知ってい
たのでは……?
 静かに笑みを浮かべている加賀に、清瀬は言う。
 自分は仕事ばかりに熱中していた。それが、家族を守ることに、峯
子と弘毅のためになると信じて……。でも、違った。本当は、二人に
するべきことはたったひとことでよかったんだ。「ありがとう」とい
うだけで……。
 つぶやく広瀬に、加賀はうなずいて言う。
「清瀬さん、やっと黙っていたことを話してくれましたね」
「……黙っていたこと?」
「家族への、本当の想いです」
「あなたは、何でもお見通しだ……あなたは、不思議な人ですね」
 静かに、加賀はいつものように微笑んでいる。



寸  評  ようやっと事件の真相がすべて明らかになりました。犯人は、清
瀬の会社の金を着服していた税理士の岸田。そして、その動機は息子
の克哉を守るため……。
 すっきりと、すべてがきちんと腑に落ちる見事なラストでした。
 一方で、岸田の犯行を、清瀬はちょっと前から知っていたはずで、
別れたとはいえ妻を殺した相手をかばう、っていうのは心情的に納得
できませんが……。
 それに、さっさと言ってしまった方が、容疑が晴れてスッキリする
のに、というウソをいつまでもついている登場人物たちにもどうも、
得心がいかないというか。
 それらを差し引いても、舞台になった日本橋人形町、なかなか味の
あるキャストなど、とても楽しませてもらいました。

執 筆 者 畑中ヒロ()

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2. 編集後記
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 『新参者』のドラマ要約をお送りいたしました。ノビノビノビノビになりま
したが、最後までおつきあいいただいてありがとうございます。
 原作者の東野圭吾の作品はたくさん読んでいて興味があったのと、推理モノ
をどうやって要約するか、というチャレンジがしたくてやらせていただいたの
ですが、なかなか難しいものです。
 推理した内容や、心の動き、「どうしてそうなのか?」ということも書き加
えていかないと、ただ筋だけを追ってもわからない。なので、私なりの解釈や、
セリフの外で言っていることを書き加えて、できるだけわかりやすく、を心が
けたつもりですが……いかがだったでしょう。 また、夏ドラマの執筆もする
予定です。今後もよろしくお願い申し上げます。(畑中ヒロ)

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発行元:ドラマ研究会
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