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タイトル:Daily Drama Express 2010/07/24 美丘 (3)  2010/07/27


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2010/07/24 (Sat) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.土曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 土曜日の連続ドラマ
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タイトル 美丘
局  名 日本テレビ系
放映日時 土曜21時
キャスト 峰岸美丘(吉高由里子)
 橋本太一(林 遣都)
 笠木邦彦(勝地 涼)
 五島麻理(水沢エレナ)
 北村洋次(夕輝壽太)
 佐々木直美(中村静香)
 峰岸 始(寺脇康文)
 高梨宏之(谷原章介)
 峰岸佳織(真矢みき)
原  作 石田衣良「美丘」(角川文庫刊)
脚  本 梅田みか
主題歌  福山雅治「蛍」(ユニバーサル J)

あらすじ 第3話「涙の約束…ずっとそばにいる」

 美丘(吉高由里子)が長く生きられないと聞いて、太一(林遣都)
はそのことばかり考えていた。どうすることもできない重苦しい気持
ちを引きずって大学へ行くと、麻里(水沢エレナ)に声をかけられた。
麻里はいつも通りの様子で笑顔だった。
「あっ、俺……」
 太一は麻里に本当の気持ちをきちんと話そうと思った。麻里は一瞬
沈んだ表情を浮かべたが、「あたしは全然気にしてないよ」と先に言
われてしまった。
「あっ、美丘ちゃ〜ん!」
 不意に邦彦(勝地涼)の軽い声がした。美丘に見られた?太一が振
り返ると気まずそうにしている美丘が立っていた。そんなことも知ら
ず、邦彦は軽いノリで美丘にしゃべりかけ、とても麻里に言おうとし
ていたことを言える雰囲気じゃなくなってしまった。

 邦彦がみんなで映画を見に行こうとチケットを6枚持ってきた。
100万人が涙した感動の名作、ヒロインが難病と闘い死んでいくス
トーリー……。太一は美丘の表情がこわばるのを見て、他の映画にし
ようと言った。けれどその前に美丘が怒りを爆発させてしまった。
「あたし行かない。1億人が見たってあたしは行かないんだっ!」
 美丘は店を飛び出して行った。太一は慌てて追いかけた。
「待ってくれ、俺はずっと美丘の病気のことばかり考えていて、どう
したらいいかわからないんだ」
「だからいいって。太一くんには関係ないんだからさぁ」
「関係ない?じゃあなんであんな話したんだよ!」
 太一にはショックな美丘の言いようだった。
「はっ、そんな湿気た顔よしてくんない。あたしは太一君のこと何と
も思ってないんだからさ」
 美丘はそう言うと、走り去っていた。太一がうつむくと美丘の財布
が落ちていた。美丘の走っていった方向を見渡したがもういない。太
一は美丘の心が見えない、そんな自分の心に似ていた。

 美丘は駄菓子屋で小学生が食べてたガムを見て自分も買おうとして
バックをまさぐった。
「あれ、ない」
 美丘は慌てた。たまたま麻里が通りかかり、財布がないと知るとま
るで自分のことのように気遣おうとするので、美丘は「大丈夫、大し
た額入ってないから」と言って、立ち去ろうとした。
「美丘さん、コンサートの日、太一くんと会ってたの?」
 麻里に呼び止められた美丘は笑顔を作った。
「そんなわけないじゃん」
「そう、あたしの勘違いか」
 麻里はそう言ったが、納得したような様子ではないので、美丘は
「じゃあね」と言って逃げるように去った。

 太一は免許証の住所を頼りに美丘の家に行き、出迎えた母親(真矢
みき)に財布を渡した。母親は感謝はいたが、よそよそしかった。
「あの、美丘とはもう会わないでください」
 いきなり付き付けられた。
「それは、病気のせいですか?」
 母親は顔色を変え、詳しく事情を聞きたいと言った。太一がすべて
を話すと、母親もまた美丘が病気にかかったことで彼氏に振られて傷
ついていたことを話してくれた。そして「だからもう会わないでほし
い」と念を押すように言われた。でも太一はもう一度きちんと美丘と
話がしたかった。

 太一は図書館で東都大学病院の脳神経科に高梨(谷原章介)がいる
ことを調べ、面会した。高梨先生は美丘の主治医だった。太一は美丘
があと1年も生きられないのは本当なのかと聞いた。けれど高梨先生
は守秘義務があるからと一切話そうとしなかった。
「先生、美丘を助けてください!医者なら治してください!」
 すると先生は言った。
「私は自分にできることが何かを真剣に考え、それを実践するだけで
す。途中で投げ出すようなことはしません」

 美丘は長野のおばあさんが心臓の具合が悪くて入院したと聞いて、
両親とともにお見舞いに行った。祖母の心臓はすでに手の施しようが
ないほど悪く、いつ何がおきてもおかしくない状態だと言う。

 美丘は祖母の話し相手をした。
「美丘は20歳かい?いいねえ、これからいくらでも好きなことがで
きる。これからいいことばっかりね」
 そう言う祖母の言葉に美丘はたまらなくなって話題を変えた。
「おばあちゃん、何かしてほしいことある?」
「そうねぇ、空が見たいわ」
 美丘は車いすを借りて屋上へ連れて行った。遠く遠くどこまでも続
く空を見て祖母は喜んだ。
「こんな空を見ていると、どこかに行きたいわ。退院したら行きたい
ところたくさんあるの」
「すごいなぁ、あたしには何もない」
「ふふ、焦ることないわ。人生は長い短いじゃないの。どれだけ悔い
がないかよ」
 美丘は黙っていた。

 美丘に会えない間、太一は先に麻里にきちんと話をしておこうと思
った。
「麻里、俺には好きな人がいるんだ」
「それって美丘さん?」
「ああ……」
「コンサートの日も会ってたんでしょ」
「麻里、ごめん」
 太一は認め。深々と頭を下げると、店を出て行った。もう後戻りは
できないと言い聞かせた。

 夏祭りのころにもう一度会いに来ると約束して、美丘たちは帰った。
元気そうに見えたので心配していなかったが、帰りの車の中で祖母が
急死した連絡が入り、慌てて戻った。

 葬儀の後、みな口々に、幸せだった、大往生だった、思い残すこと
もないだろうなんて言っているのを聞かされて、美丘はこみあげてく
る感情を抑えきれなくなった。
「どうして決めつけるの?おばあちゃん行きたいところがたくさんあ
るって言ってた。長く生きたからって幸せとは限らないんだよ!」
 たぶん美丘にしか分からない気持ちがそこにはあった。

 美丘は大学のいつもの屋上に立って空を見上げた。
「おばあちゃん、私間違ってた。一番大切なものを諦めてたら、好き
に生きても意味がないんだね。好きな人にはちゃんと好きと言えばよ
かった……」
 不意に麻里が現れた。ここに来れば美丘に会えると思ったと麻里は
言った。
「コンサートの日、太一くんと会ってたんだね。ひどい。応援するっ
て言ったくせに」
「……」
「太一くん、美丘さんが好きと言ってた。でもあなたは何とも思って
ない、大勢のボーイフレンドの1人なんでしょ」
 美丘を会いに、太一もまた屋上へやって来て、美丘と麻里が向き合
っているのを見た。
「麻里ちゃん、ごめん。あたし太一君のことが好き。麻里ちゃんと同
じくらい、ううん、負けないくらい、本気で太一くんのことが好きな
んだ」
 麻里は強張った顔をしていた。
「でも安心して。もうやめたんだ。太一くんのことはおしまい」
「どうして……太一くんだって美丘さんのこと……」
「違うんだっ!美丘は嘘なんかついてないんだ!」
 太一は思わず叫んで2人の間に入った。
「どういうこと?」
「それは……」
 太一は美丘を見た。美丘は視線を逸らした。2人の間の特別な空気
を察して麻里は自分が入り込めない世界があるのを突き付けられた感
じがした。
 麻里は美丘に歩み寄ると思い切りひっぱたいた。
「あたしはあなたを許さない!」
 そして太一には「さようなら。でも諦めたわけじゃない。太一くん
が美丘さんと一緒にいて幸せになれるなんて決まったわけじゃないか
ら」と目に涙を浮かべながら言った。

 麻里と別れた後、美丘は太一をひっぱたいた。
「これでおあいこだね、私も一発やられたし。太一くん、麻里ちゃん
を傷つけちゃだめだよ」
 美丘は太一のことを煩わしそうに見やると、さっさと歩いていこう
とした。太一は意を決して言った。
「俺、決めたことがある。俺は逃げない。ぜったいに美丘から逃げな
い。1人ぼっちにしない。俺は美丘と一緒にいたいんだ!」
 美丘は太一をまじまじと見た。
「……本当?あたしの前からいなくならない?ずっとそばにいる?
1人ぼっちにしない?あたしがどうなっても?」
 太一は1つ1つの問いに力強くうなずいた。
「ずっとそばにいるよ。美丘がもういいって言っても」
 美丘は駆け寄ってきた。目に涙、でも笑顔で。
「もぉー!」
 美丘は僕に抱きつきキスをしてきた。「好き、あたしも太一くんの
ことが好き!」
 美丘は太一の腕の強さを感じながら、これから2人で生きていける
という安らぎに包まれていた。



寸  評  麻里の存在が逆効果なんじゃないかという印象が強いです。美丘
は奔放な性格なのに、麻里には遠慮する態度を見せつつ、最終的には
麻里を差し置いて太一を取ってしまうという流れでは中途半端ですし、
偽善的に見えてマイナスイメージなのではないかと思います。美丘の
性格をもっともっと癇に障るくらいきつくしてほしいです。そうでな
いと、ラストで太一に泣きながら抱きつく繊細な一面のインパクトが
弱いと思います。あるいは今後麻里が悪女と化して太一と美丘の仲を
引き裂こうとするとか、でしょうか。

執 筆 者 けん()

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2. 編集後記
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 各地で熱中症による死亡者のニュースをよく見かけるので、今年は猛暑とい
うよりは酷暑と言った感じがします。私の住んでいる部屋は、風通しが悪く、
外よりもさらに蒸し暑く最悪な環境です。会社から帰って来て、ドアをあける
ともあっとした暑い空気が流れてきて、疲れが倍加してしまいます。(けん)

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発行元:ドラマ研究会
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