オープンバスで巡る東京、「スカイバス」
皇居周辺を散策中に、赤い2階建ての観光バスを見かけることがある。ロンドンを走る真っ赤な2階建てバス、ダブルデッカーを連想させられるが、こちらは開放感溢れるこのオープントップバス(屋根の一部または全部を取り払ったバス)である。
「スカイバス」 と名づけられたこの観光バスでは360度パノラマビューが楽しめ、 東京タワー、銀座、お台場など東京の主要な観光ポイントを巡ることができる。日の丸自動車興業が、国籍を問わず乗客が楽しめる観光バス企画として2004年9月10日に運行を開始した。車体は、かつて上野−浅草間で運行していた都営バスの2階建て車。ドイツで屋根の撤去を行い、再デビューを果たすこととなった。
スタンダードなコースは、表参道・渋谷コース(約70分・大人1,200円 小人600円)、皇居・銀座・丸の内コース(約50分・大人1,500円 小人700円)、東京タワー・レインボーブリッジコース(約60分・大人1,700円 小人800円)だが、他にもお台場夜景コースや季節ごとに特別に運行されるコースなどもある。
いずれのコースも丸ビル横の三菱ビル前が起点となる。例えば、東京タワー・レインボーブリッジコースでスカイバスは皇居の脇を走り、まず東京タワーへと向かう。東京タワーとそびえ立つ高層ビル郡の間を快走してゆくスカイバス。頭上には青空が広がる。そして、バスは湾岸方面へ。潮風を肌に感じつつ、レインボーブリッジを渡り、フジテレビの社屋や、有明コロシアムを回り、築地方面へとバスは走る。車窓からは新たな東京のシンボル、スカイツリーも目に入ってくる。そのうち、スカイツリーを巡るコースも生まれるかもしれない。
なお、添乗員による観光案内は日本語でのみ行われるが、皇居・銀座・丸の内コースでは、簡単な操作により英語・中国語・韓国語による観光案内が楽しめるマルチランゲージガイダンスシステム端末を貸し出している。また、天候不良の場合は、無料のカッパ配布のサービスもある。 外国人観光客だけでなく、日本国内からの旅行者にも人気のスカイバス。オープントップバスの目新しさだけでなく、時間や予算に制約がある旅行者のニーズにマッチしたことが勝因なのであろう。短い時間で、東京の魅力を存分に満喫できるスカイバス、東京観光のプランに取り入れてみてはいかがだろうか。(亜遊民執筆)
|