フレームの解放
物語からの離脱
動画を静止する
映像は環境になる
あなたは、その中に生きる
人は毎日似たもの探しをしている
世界は昨日も今日も大体同じ
自分の顔は昨日も今日も大体同じ
でもそれでは今日ではなく昨日に
生きているのと同じだ
時間は何のためにある
あなたを拘束するために あなたを
管理するために
そんな時間はもういらない
自分で時を刻めばいい
人は言葉で無限を手に入れたと
思ったが
いつのまにか言葉の檻に
閉じこめられた
その檻から抜け出そう
抜け出せば そこにはあなたと自然と今しかない
あなたが見なければ 花は咲かず
あなたが聞かなければ 鳥は鳴かず
あなたが感じなければ何も起こらない
認識 世界を切り取ること
世界を切り刻み 多くのの断片を
手にしても
そこに世界はない
断片を捨てた時 世界がそこにある
今持っているものを手放さなければ
次のものをつかめない
今日の最速は 明日の最遅
速さに速さで対抗しても 何もならない
相手が速ければ 止まって待つ
何かのためでなく 誰かのためでなく
生きることを楽しむ
言葉、物語、概念の檻
その全てを消し去ること 静かに
沈黙すること
あなたは空間そのものとなる
過去も未来もあなたが作りだしたもの
しがみつくのはやめ 今を見つめること
そうでなければ あなたは
生きてさえいない
モノとモノとの間 空間
それが感覚、それが人間
世界をよく見、よく聞き、よく感じること
沈みゆく夕焼け ざわめく木々
流れる水
その美しさを 言葉にせず
概念にせず ありのままに 感じること
その時あなたは 夕焼けになる
森になる 水になる
世界を言葉で捉えれば
それは編集され 物語になる
そのような世界は とても貧しい
赤ん坊のように生きる
赤ん坊に 世界と自分と母親の
区別などない
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