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今日はよく晴れています。それにしても寒い日が続きます。朝畑は真っ白です。 今年もまた沢山の作曲家のメモリアルイヤーですね。昨年はハイドン、メンデルスゾーン、シュポアなど。 今年はシューマン、ショパンの生誕200年が有名ですが、1810年に生まれたのは、ウインザーの陽気な女房たちで有名なオットーニコライ。 彼はウイーンフィルの創設としても有名ですよね。 その他、ピアノを習う人ではおなじみのブルグミューラーの弟だったノルベルトブルクミュラー、この人も1810年生まれとか。 この人は兄同様に幼少から才能を示し、昨年生誕200年だったシュポアに学び、当時は兄よりも有名だったとか。 26才で若くして亡くなりましたが、メンデルスゾーンがその死を悼み葬送行進曲作品103を書いているとか。 シューマンもこの悲劇の天才作曲家を高く評価し、シューベルトと並べて悼んだとか。 メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲の助言をし、初演をしたメンデルスゾーンの友人のヴァイオリニスト、作曲家のフェルディナンド・ダヴィッドも1810年生まれ。 この人もシュポアに指示しており、作曲もやっていたので、かなり作品を残しています。 また、メンデルスゾーンと強い絆で結ばれており、メンデルスゾーンが指揮をしていたゲバントハウス管弦楽団のコンサートマスターとしても活躍しております。 ニコライの先生はメンデルスゾーンと同じツェルター。有名なマタイ受難曲の復興演奏をメンデルスゾーンが行った時に、イエスのパートを歌ったのがニコライだとか。 ベルリンの宮廷礼拝堂の楽長をメンデルスゾーンが退任した際に後任となったのがこのニコライです。 こう見ると、この世代の人は(ショパンを除いて)、みなお互いにつながりあっているんですね。 そして面白いのが、この時代の人たち、お互いの才能をきちんと認めあっている。 彼らは、ベートーベンのように作曲だけに専念するのではなく、様々な活動を行った。 弟子を育て、学校を建て、オーケストラを育て、古いものを再評価しと。つまり音楽的な社会貢献をものすごく行ったのです。 だから人間関係についてもベートーベンのような自己中で粗暴な人間はいない。 オーケストラや大きな組織を動かすにはそれなりの人望が必要でしょう。 その合間に作曲を行った。だから、あまり評価が高くないかも知れないけど、実は傑作の宝庫なんですよね。 そこには人格者、教養者としての機知に富んでいます。まあ、だからこそ、人間のどろどろの底をえぐるような曲は書けなかったという人もいるでしょう。 でも、音楽の目的は様々です。そういうことを言っていたらモーツァルトの音楽の価値がなくなってしまいます。 マタイ受難曲だって実はどろどろの物語です。 ワーグナーは人望があったが、人格者ではなくベートーベン同様、きわめて自己中でした。 今年は1810年だけでなく、1860年の150年メモリアルです。 1860年生まれで最も有名なのはマーラーでしょう。その他、フーゴー・ヴォルフ、アルベニス、シャルパンティエなどがいます。 まあ、そうはいっても今年はショパン一色ですかねぇ。 でもショパンコンクールがあってなぜベートーベンコンクールやモーツァルトコンクールはないのか? チャイコフスキーコンクールはありますけど。 シューマンコンクールメンデルスゾーンコンクールがあってもよいと思います。誰か作って下さい。 お問い合わせ、ホームページは以下の通りです。お便りお待ちしています。 IFE通信No.557 10/1/19発行(平日発行) 発行者:石川 聡 石川音楽工房(PC版) http://www.ne.jp/asahi/ishikawa/music/ email:s-ishikawa@music.email.ne.jp |