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☆。・゜゜・。♪゜・。。・゜☆。・゜゜.。.:* ◆∞◇ ◆∞◇ ◇∞◆ クリスタルノベル〜百合族〜 ◇∞◆ ◆∞◇ Vol. 035 2009.12.27 ◆∞◇ ♪゜・。。・゜☆。・゜゜♪・゜゜・。☆。゜・。.。.:* ◇∞◇ タイトル ◇∞◇ ♪ − 星の降る夜空の向こう この日を境に、梨香がさらに私から距離を置くようになったのが分かった。 クリスマス会当日も、譜面の打ち合わせをしただけで、雑談は全く飛び出さ なかった。 私の態度が何か、梨香を傷つけたのか? 真面目に私に何かを話そうとしている梨香の言葉を、まともに受けるのが恥 ずかしくて、はぐらかした。 それがまずかったのか……? 告白をしようとしている私としては、かなりの不安が襲った。 私達の「もののけ姫」はかなりの出来だった。 もう思い残す事はない。 この部活に入ったおかげで、クラスではあまりなじめてない私も孤独を感じ ないでやってこられた。 もちろん、吹奏楽部の中に梨香っていう存在があったのも大きかった。 そんな感謝の気持ちも、三年間の気持ちも伝えたくて、私はクリスマス会が 終わった次の日の放課後、梨香を彼女の最寄り駅で待った。 携帯メールで、待ってる事を伝えた。 返信は無かった。 もしかしたら、いや、かなりの確率で来てくれない気がした。 日が落ちて梨香の降りる最寄り駅には人が居なくなった。この駅にこうやっ て立つのも、最初で最後かもしれない。彼女が歩いただろう駅の前を、行った り来たり往復した。彼女が何を考えてここを歩いたのか想像した。 付き合っている彼氏の事だろうか。 テストの点数とかだろうか。 うまく吹けないフレーズの事だろうか……。 色々考えるけれど、私はこの半年間、隣りで楽器を吹いていた梨香の事を、 ほとんど知らない事に気がついた。 “美紀さんはいつも、まともに私に向き合ってくれない……” こう言った梨香。 私は、彼女が何度か真面目に私に向き合おうとしているのを避けてきたのか もしれない。 恥ずかしい。 関係が崩れるのが怖い。 しくじったら困る……。 全部私の勝手な思いだ。 恋愛感情じゃないにしても、梨香はもっと私との距離を縮めたがっていたの かもしれない。 もう時間が残っていない。 受験に突入したら、全く会えなくなる。 多分、そのまま卒業になだれこむ。 二度と……会えない。 この半年間の記憶が流れ出して止まらなくなった。 来てくれないと確信しながらも、私は凍りつく寒さの中で梨香を待った。 このまま夜が明けてもいいと思うぐらい私は梨香の事を考えて、寒さを耐え ていた。 もう終電もなくなった。 実家で心配するから、今日は友達の家に泊まると嘘の言い訳をした。 梨香はとっくに家に戻って、眠る準備でもしているのかもしれない。 携帯には全くメッセージは送られてこなかった。 告白する前に、振られた……。 自分の臆病さが招いたこの事態だったから、責めるのは自分自身しかいない。 たった一言、言いたかった。 私に夢を気付かせてくれてありがとう。 ずっと好きだった……。 たったこれだけの事が、何で私は口に出来なかったのか。 こんなに好きだったのに……。 手の平に、雪の結晶が落ちて来た。 十二月に雪。 今年はほとんど降らない雰囲気だったのに。 それでも、しんしんと降るこの雪は、クリスマスにふさわしいなと思った。 二十四日でも二十五日でもなかったけど、私にとっては今日がクリスマスだ った。 大好きな人に告白する予定だった日。 ≪無料メールマガジン:アーケロン通信≫ オリジナル官能小説メールマガジンです。 濃い口の官能小説Tiny paradiseを連載中です。 登録は無料です。 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ http://www.alphapolis.co.jp/maga.php?maga_id=1000563 オトメ文庫 ガールズラブ 電子書籍 http://www.dmm.com/digital/book/-/list/=/article=keyword/id=90029/media=novel/lovelymei-001 レズビアンコミック http://www.dmm.co.jp/digital/book/-/list/=/article=keyword/id=4013/media=comic/ lovelymei-001 ♪======================================================= ご意見ご感想ご質問等々お待ちしております。 発行者 : 春野 水晶 * タイトル:『クリスタルノベル〜百合族〜』 * 発行周期:不定期(週2回発行予定) ========================================================♪ |