デザインフェスタな人々(その十二)
【デザインフェスタなアーティスト】
柔らかな日常生活をアートで表現する親子アーティストのお二人である。お母さんの大塚珠央(おおつか・たまお)さんは、デザインに対する興味から、友人と二人で「alcachofa(アルカチョファ)」を結成し、ユニークなデザインのバッグやブックカバーのデザインと製作を手がけている。小学校6年生の大塚梓紋(おおつか・しもん)くんは、「ハナタバ商店」というブランドを立ち上げて、たくさんの作品を発表している。今年の夏には、東京都内の画廊で個展も開催した。
――梓紋くんはいつから絵を描きはじめましたか?
梓紋:小学校に上がるから前です。単純に絵が好きでしたが、本格的に作品を描きだしたのは4年生からです。
珠央:幼稚園の時に、子供の絵をマグカップにする機会があり、その作品を見た時、絵心があって可愛らしい絵を描くなと思いました。その後、暇さえあれば飼っている動物やカメラや空想上のヒーローなどを描いていたので、そんなに絵が好きならきちんと描いてみたらと勧めたんです。
――珠央さんは以前からデザインに興味があったのですか?
珠央:趣味で絵を描いたことがあり、デザインはずっと興味を持っていました。そこで友達と相談して、梓紋も連れてデザインフェスタに出展したら面白いかなという話になったんです。それが2007年のことでした。
――でも出展した作品は絵ではなくて裁縫の作品でしたね。
珠央:まず出展することを決めて、それから何を出すか考えたんです(笑)。結局小さな布のバッグを作ることにして、友達と二人で100個以上作りました。大きさは同じですが、デザインは全部違うので、とてもたいへんでした。でも自分の作品がお客さんに認められたのがとても嬉しくて、それが続けて出展する原動力になりました。
――梓紋くんにとって、デザインフェスタの魅力は何ですか?
梓紋:みんなに自分の作品を見てもらえることと、会場におもしろいものがたくさんあることです。
――今後も親子で一緒に出展する予定ですか?
珠央:この子はまだ小学生なので、出展では私がいろいろ手伝いました。今後梓紋が自発的に参加したいと言ったら、また一緒に出展したいです。
【デザインフェスタなスタッフ】 李惠源(イ・ヘウォン)さん
私は2001年に、デザインの勉強のために韓国から日本へ来ました。偶然の機会から、デザインフェスタで仕事をするようになりました。デザインフェスタは、プロとアマチュアの区別なく自由に参加できるイベントで、世界でも非常に珍しいと思います。韓国にも、モノづくりの好きな学生はたくさんいますが、作品を発表する機会が少ないです。このすばらしいイベントがずっと続いてほしいと思います。(Kamachi Yuji執筆、Yao Yuan撮影)
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