触って手に取って感じる数字
爽やかで濃厚なコーヒーの香り。小さな一杯が、仕事で疲れた日常に落ち着いた時間を与え、憂鬱な気分を一気に晴らしてくれる。すばらしい発想の数々が、一杯のコーヒーから生まれるというのも、珍しいことではない。
コーヒーにこだわるなら、カップにもこだわりたい。容量が160ミリリットルの小さくて美しい「ナンバーカップ」は、その可愛らしさに心がときめく。名前の由来は取っ手にある。0から9までのユニークな数字の取っ手を見ながら、あなたは何に思いを馳せるだろう?
好きなナンバー?特別な記念日?縁起のよい番号?野球選手の背番号?恋人の誕生日?今日飲んだコーヒーの数?・・・コーヒーを手に取る人にとって、それは特別な意味を持つ、忘れがたい数字かもしれない。数字を選ぶのも楽しいし、贈るのもまた楽しい。そして使うのはもっと楽しい。このユニークなマグカップの考案者は、日本の新鋭デザイナー、星子卓也さんである。
「ナンバーカップ」は磁器で、光沢があって上品で清潔感がある。取っ手は数字の形状をうまく活用したデザインで、数字の起伏や穴に指をかけたり添えたりできるようになっている。デザインがすばらしいだけでなく、積み重ねられるので収納にも便利だ。化粧箱も美しく、おしゃれに印刷された日本語と英語の説明書がついている。
「家具技能士」の資格を持つ星子卓也さんは、デザインを考えていた時にいろいろな形の数字に出会い、数字の「手に取ったり触ったりする」楽しさを発見して、そこからこの「ナンバーカップ」が生まれた。数字を取っ手にするためのバランスを考えると同時に、細かい修正と釉薬の調整を繰り返すことによって、「コーヒータイム」をより楽しいものにするカップができあがった。
家でゆっくりくつろぐ時、オフィスで来客をもてなす時、あるいは自分だけの「マイカップ」として、グッドデザイン賞を獲得した「ナンバーカップ」は最適である。「数字は無限の数を表現できる」と言うが、実際には0から9までの十個しかない。しかしこのカップにあなたの心を加えれば、きっと小さなコーヒーから無限の可能性が生まれることだろう。(姚遠執筆)
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