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タイトル:憂国通信  2009/07/03


自民党政府 年金積立金9.6兆円をアメリカにそのまま献上か?

日本の年金支給率は先進国中最低水準である。

日本の年金水準比率、主要先進国でワースト2位 - OECD
http://journal.mycom.co.jp/news/2009/06/24/020/index.html 

OECD加盟国における公的年金や定年後の収入実態を調査した報告書が公表された。

それによると、2005年における65歳以上の日本人で、OECDが貧困基準として定める平均所得の半分以下の割合は22%で、OECD平均の13.3%を大きく上回った。

更に、公的年金額の割合は、日本は平均所得者の33.4%で、OECD平均のそれぞれ59%に対して極めて低い水準にあることが判った。

国民年金法では所得代替率50%を保障していたのだが、お話にならない現実である。

結果として、高齢者世帯の総収入における定年後の就労収入が占める割合では、日本は44%とOECDの平均20%に対して、2倍近くに及ぶことになった。

年金で生活できなければ、貯蓄を切り崩すか、貯蓄がなければ働くしかないわけだ。
働く老人に対しては、その分年金支給を減額できるので、政府にとっても都合がいい。

「そんなことを言っても、日本は他国に比べて急激に老人人口が増えてしまったのだから仕方がないではないか?」
そう考えるあなたはおめでた過ぎやしませんか?

いくら老人人口が増えようと、公的年金制度がまともに機能していたら、年金受給者は受給を受けるまでの期間しっかり保険料を払っていたのだから、資産運用さえ正しければ充分まかなえるはずである。

単純に公的年金制度がなかった場合を考えれば、現状の公的年金制度のインチキぶりが解る。公的年金制度がなかったら、老後のために働けるときに貯蓄をするしかない。もしくは貯蓄型の私的年金制度を利用することになる。その貯蓄に相当し国家で運用しているのが公的年金制度である。公的にやる以上、私的な制度よりも受給者に有利でなければ意味はない。いくら老人人口が増えようが、自分が貯めた分でまかない切れれば、本来的には全く問題など発生しないのだ。

ところが現実はこのようになっていない。自分が貯めた分が自分に直接反映されない仕組みになっているからだ。

こんな公的年金制度の下では不明朗な金が発生しやすい。
公的年金資産がさんざん食い物にされてきたことはいくら情報弱者でも耳に入っているだろう。
その額は半端ではないのである。自民党の議員と天下りによって年金資産はしゃぶり尽くされたのである。
そのせいで、まともに払う年金がなくなってしまったのだ。国家による詐欺である。

更に、もう一つ忘れてならないことがある。「日本はアメリカの属国」ということである。利権の限りを尽くし肥え太っている自民党の議員も天下りも、アメリカの意向で動く走狗で売国奴なのである。

日本がアメリカに上納した資産は天文学的数字である。いったいどれくらいか?
目安になるのは日本の財政赤字である。その額は1090兆円である。

リアルタイム財政赤字カウンター 
http://www.kh-web.org/fin/

「だから、どうした?」と言われそうだが、「これは総て日本がアメリカに貢いだ金額だ」としたらどうだろう?

かつて、イギリスに支配され搾取されたインド並みの被害額である。当時と経済規模も違うので、それ以上かもしれない。

どうして日本の借金がアメリカへの上納金に化けるのか?
そのからくりを年金積立金の例で検証してみよう。

年金積立金9.6兆円の運用損 08年度、過去最大
http://www.asahi.com/national/update/0701/TKY200907010284.html

厚生年金と国民年金の積立金の市場運用で、08年度の損失が9兆6670億円だったと、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が公表した。天下り法人の発表だから、内容は多分に粉飾されているだろう。実際の損失はもっと多いに違いない。
損失が出たのは07年度から2年連続である。今年の損失額は過去最大になった。収益率(運用利回り)も過去最低で、マイナス10.03%だった。 

「お父さんが競艇に狂って負け続け、我が家の預金の10%をすってしまった」これと同じ状況である。当然家計は圧迫され、苦しい生活を強いられるのはやむを得ない。

厚労省は2月に公表した年金財政の長期見通しで、平均運用利回りを4.1%に設定しているが、こんな数字はどこぞの御用学者がいい加減に捏造した数字だから、根拠など最初からない。役人が書類のつじつまを合わせるために作らせたものだ。 

損失が発生したのは、言わずと知れた米国の大手証券会社の破綻に端を発する金融危機の影響によるものである。昨年秋以降、国内外の株式が急激に下落し、08年度の東京株式市場の日経平均株価は、1年間で35.26%値下がりした。 

公的年金の資産は08年度に117兆6286億円あった。そのうち、市場運用分は92兆5397億円。運転資金を除く資産のほとんどだ。
問題の運用方法は、国内債券と外国債券を合わせて約8割、国内株式と外国株式で約2割だった。 

運用利回りは、国内債券がプラス1.35%だったが、外国株式をはじめ、国内株式、外国債券もマイナスだった。 

計算できる人はすぐぴんとくるだろう。損失の大部分は外国債券のマイナス分なのだ。株が下がるのはやむを得ないが、外国債券でこれほど損をするのは異常である。

なまじ経済をかじった連中は、屁理屈をこねて、「異常ではない」と主張するだろうが、資本主義の原則は「賭博」である。損する奴がいれば、儲けた奴もいるわけだ。つまり、今回の10兆円弱の損失も誰ぞの懐に収まっていると考えるべきなのだ。

一番単純な方法は、債券が下がることを見越して、空売りすればいいのである。今回の金融危機も意図的に起こしたものなら、空売りで大儲けが可能である。

資産を大幅に減らしてしまった日本の公的年金だが、その給付制度の仕組みは実に複雑である。というか、意図的に複雑化させて国民をごまかしているのである。

年金給付は、原則としてその時点の現役世代の保険料でカバーしている。「単年度の積立金運用の損失がすぐに給付に影響するわけではないから年金の運用は長期的な視点が必要。短期的に評価すべきではない」と厚労省は苦しい釈明をしている。 
要するに、今後公的年金資産はじり貧の一途なので、早く支給を受けた連中が得で、若い連中ほどじり貧になるという構図だ。日本人全体がおめでたいわけではないから、若い連中ほど公的年金制度の加入に引けてしまうのは道理だ。そんな死に金を取られるくらいなら、民間の保険会社の年金に入っている方が遙かにましである。

すでに述べたように、長期の見通しで、厚労省は平均運用利回りを4.1%といういい加減な数字を設定していたが、これは所得代替率50%を維持するために創出した机上の空論である。

「設定値より0.5ポイント低い運用利回りが長く続いた場合、年金の最終的な給付水準は約2ポイント低下する」などと戯言を言っているが、年間で10%も損失を出している運用実績のくせに、3.6%も利回りが出せるほどディーラーの腕がいいとも思えない。尤も、金融市場そのものがいかさまだったら、ディーラーの腕もあったものではない。

高度成長期の頃は、日本がいくらアメリカに貢いでもそれなりの見返りがあったので、属国であることに国民の不満もあまり向けられなかったが、今日のようなじり貧状態下では、宗主国様のきつい取り立ては体に響くのである。

真剣に日本の独立を考える時期が来たようだ。



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