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タイトル:憂国通信  2009/06/19


臓器移植法改正のA案衆院で可決 脳死は死で本当にいいのか? 


臓器移植法改正:15歳未満も臓器提供…A案、衆院で可決
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090618k0000e010066000c.html

以前から日本では「○○ちゃんを救う会」とかの募金活動が行われ何億円も募金を集めてアメリカまで臓器移植手術をするために渡航していた。
アメリカに渡っても結局移植手術ができず死んでしまうケースも多かったし、待たされてやっと手術したが既に手遅れで死んでしまうケースもあった。そもそも、何億円も募金が集まるなどというケースはまれで、ほとんどの幼児の患者はそのまま移植手術を受けることなしに死んでいった。

常識的に考えて、庶民に何億円も集めることなどできるはずもない。逆に充分財力がありながら募金活動をしていた例などもあり顰蹙を買った。
子供の命は助かったが、その後は借金地獄ではやはり救われない。

以上は法制度の不備がもたらした悲劇である。

臓器移植A案「脳死は死」「家族承諾で」「何歳でも」
http://www.asahi.com/politics/update/0618/TKY200906180211.html?ref=reca

今回衆議院でA案が可決し、日本でも子供の臓器移植への道が開かれたが、むしゃくちゃ怒っている連中もいる。

「脳死」・臓器移植に反対する関西市民の会
http://fps01.plala.or.jp/~brainx/

マスコミは今回の問題を「日本人の死生観が影響している」という。本当にそうだろうか?

死生観は宗教的ない影響力が大きい。今回A案に反対している連中も宗教的なこだわりを感じる。

【臓器移植】A案可決、原動力は自民党 民主と公明は反対上回る
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090618/plc0906181958015-n1.htm

宗教というと公明党だが、意外と統一感がない。A案に対しても賛成と反対が拮抗している。
公明党の議員は無神論者が多いのかもしれない。
カルトの教祖や幹部連中は無神論者であることが多い。神を恐れないから嘘もつけるのである。

A案に賛成しているのは自民党が多く、民主党は反対の方が多い。衆議院では通過したが、参議院ではどうか判らないのは今回は自主投票になっているからである。

今更どうでもいいが、麻生首相はD案を支持していたようだ。

臓器移植法改正と解散日の関係「ない」 18日の首相
http://www.asahi.com/politics/update/0618/TKY200906180258.html

ということで、「どうしてD案を選んだのか」などと訊くだけ野暮だろう。

麻生氏はさておいて、日本人の死生観だが、正直なところ千差万別である。特定のカルトにはまっている連中以外は、宗教に対してはあまり熱心ではない。「いい加減な仏教徒兼神道信者」というのが大部分の日本人像である。

初詣に賽銭を上げに行くのは神社でも寺院でもどちらでもいいのである。

キリスト教徒イスラム教が混在している地域はあるが、日によってモスクに行ったり教会に行ったりする連中の話は聞いたことがない。

中国や台湾では日本と事情が似ている。神道の代わりに道教がある。寺院と道観を両方拝んだりすることもありそうだ。「御利益があれば何でもいい」という多神教の論理である。

強いて言うならば、主要な日本人の死生観は御利益主義なのである。

臓器手術を受ける資金が集まらず子供が死んでしまった親は「どうして日本で臓器移植ができないのか?」と怒りを覚えたことだろう。
冷静に考えれば、日本で子供の臓器移植が可能になっても、健康保険が適用されるとも思えない。億までいかなくてもやはり数百万円から数千万円の負担を強いられることになるだろう。
金持ち以外は助からない構図に変わりはない。

逆に、脳死になった子供を何年も看病していた親は、「脳死は死である」と言われても納得できないだろう。

専門家の間でも、「子供の脳死は判定が難しい」とされている。
尤も、心臓死にしたところで、心臓が止まってからしばらくして動き出す事例は多い。
かなり時間が経ってからでも、蘇生することがあるようだ。土葬の習慣がある地域ではゾンビ伝説が生まれたりする。
日本のような火葬の国では、「火葬中に悲鳴が聞こえた」という都市伝説のネタに尽きない。

脳死を死と認めたがらない連中は霊の存在を肯定しているように思われる。

「自分とは何か?」というやや哲学的な命題であるが、脳の内部の電気信号の中に存在すると考えれば、脳死は死そのものと判断できる。

「自分は肉体には存在せず霊体として独立している」と考えれば脳死自体は一部の臓器が機能しなくなった状態に過ぎないという判断になる。この場合、脳死を持って肉体の活動を強制的に停止させれば「殺人」したとみなすことになる。

ところで、この脳死問題に関しても、真剣に考えている人間は非常に少数である。
一番真剣なのは、臓器移植以外に子供を救う選択のない親と、脳死状態の子供を持った親である。当然ながらこの両者の利害は対立している。前者はなるべく新鮮な臓器を求めているし、後者は子供の脳死からの回復を願っているのである。

しかし、脳死を以て死と諦めざるを得ない親もいるだろうし、その中には「我が子の死を他の子の命に役立てたい」と考えている人もいることだろう。

したがってA案でも臓器提供がなされる可能性はある。

私の見解はA案に賛成である。私自身は霊の存在を肯定している。

霊学講座 
http://homepage3.nifty.com/warabidani/reigaku.htm

多くの宗教家が指摘するように、本来臓器移植は霊的にあまり好ましくはない。しないで済めばそれに越したことはない。しかし、現在の医学水準では最善の措置であることも事実である。
将来的にはクローン技術などを使って臓器移植に頼らなくても済む治療法が完成するだろうが、それは相当先の話である。

A案には賛成なのだが、衆議院で賛成投票した自民党のセンセー達の顔ぶれを見ると、正直なところやや引けてしまう。過去においてこの連中が賛成しているような法案はほとんどがろくでもないシロモノだったからだ。今回だけは例外的に正気だったとも思えない。

そもそも、日本で臓器移植があまりされなかった経緯を見ると、倫理的な問題以前に技術的な問題があったことが指摘できるだろう。

日本の医療技術はお粗末なのである。臓器移植はきわめて高度な医療行為である。それをこなせる知識と技量を持った医師がいなかった。いても日本医師会によって葬り去られたのである。

日本の医学部は入るのはきわめて難しい。現状の医学部は日本の若者の中でもIQの高い連中を総取りしているようなものだが、結果として彼らの大半は技術力も倫理観もない金儲けだけが目的の算術医になってしまう。
日本医師会の体質と医療制度に重大な欠陥があるのだ。
医療制度を利権と心得ている自民党の連中と役人・天下りに甘い汁を吸われて、日本の医療状況は荒廃の限りを尽くしている。
医療過疎や、病院のたらい回し、肥え太った脱税医師による破廉恥事件も横行している。

要するに臓器移植も、技術問題を倫理問題にすり替えてお茶を濁していたのである。

今回A案に賛成したセンセー達はアメリカの御用聞きみたいな連中なので、背後にアメリカが指令している可能性も大きい。

「アメリカにやたら日本人が臓器移植に押しかけて迷惑しているので、自前でやるように圧力をかけた」程度の話ならおめでたいが、もっとどろどろした利権の臭いを感じてならない。

 

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