世界報道写真展
経済危機で立ち退きを言い渡された米国オハイオ州の住宅、四川大地震の生存者を搬送する救援隊、風俗店で働くホンジュラスの性転換者、チリで噴煙を上げるチャイテン山、部族間の対立が続くケニア西部、五輪放送が映し出される北京市内のテレビ、バラク・オバマの大統領選……無数の千載一遇の決定的瞬間が、ここに再現されている。――東京都写真美術館で、6月13日から8月9日まで、去年一年を凝縮した「世界報道写真展2009」が開催される。
オランダのアムステルダムに本部を持つ「世界報道写真財団(World Press Photo Foundation)は、世界規模で報道写真を発展させ、報道の自由を拡大するために、1955年に設立された非営利団体である。毎年、プロのカメラマンが前年に撮影した報道写真を対象としてコンテストを行い、「スポットニュース」「一般ニュース」「ニュースの中の人々」「スポーツ・アクション」「スポーツ・フィーチャー」「現代社会の問題」「日常生活」「ポートレート」「アート&エンタテイメント」「自然」の10部門に分けて、それぞれ単写真と組写真に賞が贈られる。
今年は第52回で、今回のコンテストには世界124ヶ国、5508人から96268点の作品が寄せられた。大賞には、アメリカの雑誌「タイム」に掲載された、銃を持った警察官が経済危機で立ち退きを命じられた住民の家を見回る写真が選ばれた。日本人では、ケニアの部族対立をテーマとした千葉康由さんと、アメリカの自閉症児を撮影した山口元さんが入賞している。毎年開催される「世界報道写真展」は、受賞作品200点を集めて世界の100以上の国と地域を巡回する。
北京オリンピック、アメリカの大統領選挙、世界の紛争や民族問題など、テーマにも表現方法にもとらわれずに撮影された昨年の各国のそれぞれ異なる日常や、世界の多彩な表情が、縦2×幅1メートルのフレームの中で生き生きと描き出され、見る者の魂を揺さぶる。
【世界報道写真展2009】
2009年6月13日〜8月9日 東京都写真美術館地下一階
午前10時〜午後6時(木、金は午後8時まで)、月曜休館(祝日は開館し翌日休館)
主催:朝日新聞社、世界報道写真財団 共催:東京都写真美術館
後援:オランダ大使館、社団法人日本写真協会、社団法人日本写真家協会
協賛:キヤノン株式会社、キヤノンマーケティングジャパン株式会社、ティエヌティエクスプレス株式会社
「世界報道写真展2009」の招待券を5組10名様にプレゼントいたします。ご希望の方は、メールで編集部までご応募ください。
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