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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 絶対！アンチエイジング！−永遠の若さを夢見て− (エリー先生のアンチエイジング研究日誌) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━発行：詩風呂布━ │研究日誌 エリー記す └─────────────────────────────────── 第83日目 消化器の老化 ─────────────────────────────────── 「エリー先生、今日は胃と小腸の老化についてですね！」 昨日から消化管の老化について考えているのでした。ちなみに昨日は嚥下機 能、つまり食べ物を飲み込む機能の老化について考えました。 「はい。ハル君はりきってますね。」 「そりゃあ、もう。続きを楽しみにしていましたから。」 「ではさっそく胃の老化について見てみましょう。胃の加齢変化をまとめる と次のようになります。」 胃の加齢変化 ※胃は塩酸で食べ物を消毒し、水分と食べ物を攪拌して消化しやすい形に変 える。 1. 萎縮が進行する 2. 胃粘膜が薄くなる 3. 小腸や大腸の粘膜に似た粘膜に変化する 4. 塩酸や消化酵素を分泌する細胞が並んでいる胃の領域(胃底腺領域)が狭 くなる 5. 塩酸と消化酵素のペプシノーゲン(タンパク質を分解)の分泌が減少する。 特にペプシノーゲンは高齢者ではほとんど分泌されなくなる場合がある。 6. 胃壁の筋層が薄くなり、萎縮する 「胃って小さくなってしまうんですね。消化能力も落ちると。」 「そのようですね。ただ胃粘膜の萎縮は進行し続けるものではなくて、これ が老化現象によるものなのか、疾病によるものなのかは議論が分かれている ようです。胃に住んでいて胃潰瘍を引き起こすピロリ菌が原因ではないかと も言われています。」 「なるほど〜。それで次は小腸ですよね？」 「そうですが、ここでは十二指腸、小腸、大腸をまとめて見てしまいましょ う。」 十二指腸の加齢変化 ※十二指腸は脂肪を乳化して吸収を助ける胆汁(肝臓で作られる)や、デンプ ンやタンパク質を分解する消化酵素(すい臓で作られる)を分泌する 1. ブルンネル腺(ウロガストロンという上皮細胞促進因子や、酸性の胃液を 中和するアルカリ性の腸液を分泌)が減少 2. 十二指腸そのものの変化ではないが、胆汁を作る肝臓や消化酵素を作るす い臓は加齢に伴い重量が減少するため、十二指腸で放出される胆汁や消化 酵素も加齢で減少すると考えられる 小腸の加齢変化 ※小腸は食物を消化し、栄養分を血中に取り込む。消化器の中で最も重要な 器官。 1. パイエル板(小腸の全域に見られるリンパ組織。腸管免疫の場)の減少 2. 消化酵素の一つ、乳糖分解酵素の減少 or 消失 3. 通常大腸内に存在する細菌が小腸内で増殖し出す 4. 高齢者では小腸内の嫌気性細菌(無酸素で生きる細菌)が増加し、肝臓から 分泌された胆汁中の胆汁酸の脱抱合(胆汁酸にくっついているアミノ酸の タウリンやグリシンが外れる反応)を引き起こすため下痢が起きやすくな るとともに、脂肪の吸収障害が起こる。 5. 小腸の壁が弱くなり、粘膜が腸壁の外へ風船状に膨らむ憩室の発生頻度が 高くなる(30%近い)。 6. 筋層が薄くなった部分が観察される場合がある。 7. 小腸に流入する上腸間膜動脈の動脈硬化による血流・酸素不足を原因とす する、小腸粘膜の萎縮と繊維化が起こる。 大腸の加齢変化 ※大腸は小腸で消化吸収された食物の残りから水分やミネラルを吸収して便 として蓄える。 1. 筋層の脆弱化と萎縮による憩室の発生 2. 腸管壁の隆起 3. 高齢者では蠕動が起きにくくなる。慢性の便秘と関係があると言われてい る。 4. 大腸に血液を運んでいる下腸間膜動脈は動脈硬化による狭窄が起きやすく 、この動脈硬化に伴って大腸に十分な血液が到達しなくなると粘膜の萎縮 、粘膜組織の繊維化、脂肪化が明らかとなる。このため大腸が細く、硬く なってくる。 「粘膜や筋肉が萎縮して、形が異常になって、蠕動運動が低下して、消化液 が少なくなって、その結果消化能力が落ちるってことで良いですか？」 「細かいことを無視すればそれで概観はつかめるでしょう。高齢では食欲低 下に加え消化不良が起こってくると言うわけです。」 「それでは高齢者は栄養失調に陥りませんか？」 「その通りです。栄養失調によって持病が悪化したり、身体の衰弱が起きた りします。」 「うーん、死に向かってまっしぐらって感じがします。」 「そうかもしれません。ですから高齢期では意識的に栄養価の高い食事をす ることが求められるでしょうね。」 │備考欄 （今日の要点） └─────────────────────────────────── 消化器は加齢に伴い形態が変化し、消化吸収機能も衰える。高齢期では意識 的に高栄養の食事を取ることが必要。 ●参考 ブレスローの健康指針：東京都老人総合研究所 編、『サクセスフル・エイ ジング』、P.149-150、ワールドプランニング(1998) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ メールマガジン「絶対！アンチエイジング！−永遠の若さを夢見て−」 ＊ご注意：エリー先生、ハル君は実在の人物ではありません。メールマガジン の内容には細心の注意を払っておりますが、お気づきの点がありま したら下記連絡先までご連絡ください。 ＊発行人：詩風呂布 ＊問い合わせ：sifu-rofu@nifmail.jp ＊ＨＰ：『エリーアンチエイジング研究室』http://ellielab.konjiki.jp/ ＊バックナンバー：http://ellielab.konjiki.jp/ ＊配信中止をご希望の方は下記より登録を解除して下さい。 まぐまぐ で登録された方 http://www.mag2.com/m/0000281637.html メルマ で登録された方 http://www.melma.com/backnumber_178699/ カプライト で登録された方 http://kapu.biglobe.ne.jp/14783/index.html めろんぱん で登録された方 http://www.melonpan.net/melonpa/mag-detail.php?mag_id=012249 MailuX で登録された方 http://www.mailux.com/mm_dsp.php?mm_id=MM49A98BAF3FFCD E-Magazine で登録された方 http://www.emaga.com/info/ellielab.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ |