命の呼吸に耳を傾ける
深夜まで原稿を書き続け、凝り固まった肩をほぐしながら、友人が送ってくれた「森林狂想曲」をオーディオコンポにかける。そして灯りを消し、静かに坐って目を閉じる・・・書斎の中に渓谷の水が流れ出し、チェロの旋律との競演が始まる。耳に心地よい台湾の野鳥の歌が加わり、虫や蛙の声がパーカッションのようにリズムを刻む・・・自然の音源が楽器の音と溶け合う中で次第に意識がぼんやりとし、ゆっくりと夢の世界へと滑りこんでいく・・・。
ふと目を開くと、本棚の本の間から何かが飛び出してきた。おやと思ってよく見ると、それは隠れようとしても隠し切れない動物の「お尻」だった・・・思わず笑みが浮かんでくる。愛らしい動物たちよ、自然の音に包まれながら、一緒に果てしない森の中で追いかけっこをしよう。月の光が黒い影を映し出し、本来は命を持たない物体が心ゆさぶる存在に変わり、静かな本棚に生命の息吹が吹き込まれる・・・。
この「Animal Index」は、ネットで偶然見つけて衝動的に買ったものだ。豚、トナカイ、キリンの三種類の動物をかたどった傑作で、頭とお尻が別々の部品として作られ、その姿勢は、動物たちが狭い隙間に素早く飛び込んでいくかのように、たいへん巧みにデザインされている。まるで彼らが、分厚い「動物図鑑」からこっそり抜け出してきて、再びこっそり自分のページに戻っていくように見えるのだ。
100%ウレタン素材なので、動物の温かく優しい感触を持ちながら、本と本の間に挟むときに必要な硬さは備えている。本や画集や雑誌やファイルの間に無造作に差し込んでも、うるさくもなくきちんと調和している。それどころか、本を取り出した場所やCD、DVDを戻すべき場所に印としてはさんでおくこともできるし、整理して並べたファイルの分類のしおりとして使うこともでき、その便利さには驚かされる。
今夜も温かい音楽の中、トナカイは楽園を失って元の場所に戻ろうとし、豚は静かにノルウェーの森にもぐりこみ、キリンは首を伸ばして無限で透明なブルーの空に口づけしようとしている・・・大自然が命への無限の憧れを呼び覚まし、騒いでいた心と疲れた体が癒されていく。月は中天にかかり、弦の音が繰り出される。愛らしい動物たちよ、自然の音に耳を傾けながら、夜明けの最初の光を共に迎えよう。(姚遠執筆)
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