メルマガ:クリスタルノベル〜百合族
タイトル:クリスタルノベル〜百合族 Vol.004  2009.4.6  2009/04/06


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   ◇∞◆  クリスタルノベル〜百合族〜    ◇∞◆
    ◆∞◇      Vol.004  2009.4.6       ◆∞◇


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                    ◇∞◇ タイトル ◇∞◇ 
            
             ♪ − 星の降る夜空の向こう


 エレベーターが到着して、静まり返った廊下を目的の部屋に向かった。
 完全防音になっているからか、どの部屋からも物音ひとつ聞こえない。
 これから沙耶とこの部屋の向こうで……。
 そう思うと、緊張のあまり足が震えてきた。
 沙耶はドアのノブをまわして部屋の扉を開けた。中はエアコンが効いていて、
二十畳近くある贅沢な部屋が広がっていた。
 部屋の中で私はどうしてよいか分からず、ダウンライトで薄暗くなっている
部屋をぼんやり眺めていると、沙耶が後ろから優しく私を抱きしめた。
 「どうしたの? 緊張してるの?」
 私が黙って頷くと、彼女は私の身体から離れ、両手で私の肩を持って私の身
体を自分の方に向けた。そして、そのまま唇を奪われた。
 沙耶の舌が情熱的に私の唇を割って、私の舌に絡んできた。
 一瞬、身体がこわばったが、口の中で巧みに動きまわる沙耶の舌の動きにう
っとりしてしまい、目を閉じた。
「嫌だった?」
 沙耶が唇を話し、私の目を見た。彼女と視線があった。私は思わず視線を逸
らして首を横に振った。 
「一緒にシャワー入ろうよ」
「……恥ずかしい」
「平気よ。だって、これからもっと恥ずかしいことするんだから」
 私の顔がカーッと赤くなった。
「じゃあ……あなた、先に入ってて」
 沙耶は笑ってうなずくと、着ていたピンクのブラウスを備え付けのクロゼッ
トのハンガーにかけて、バスルームに向かって行った。
 改めて部屋を見回して、テーブルにバッグを置いた。薄暗い部屋のなかには
有線放送から静かな音で聞き覚えのあるポップスが流れていた。
 五分ほどたってからバスルームの扉を開けた。
 脱衣する洗面所は広く清潔で、その端に沙耶の脱いだ衣服が畳んで置いてあ
った。沙耶の脱いだ紫のブラとパンティを見て、私はどきどきしてきた。
 擦りガラスの向こうからシャワーの流水音が響き、裸体の沙耶のシルエット
が浮かんで見えた。
 胸の鼓動が高鳴るのを感じながら私は一枚ずつ服を脱いでいった。
 タオルで身体を隠すべきかどうか迷い、結局前だけをフェイスタオルで隠す
ようにして、思い切ってバスルームのドアを開けた。
 美しい沙耶の裸体を見て息を呑んだ。白く透き通った肌。豊かなのに垂れ下
がっていない乳房。きゅっとくびれた腰と、小さく引き締まったお尻。自分の
身体とあまりに違いすぎる。
「どうしたの? こっちにおいで」
 バスにお湯を流し込みながら沙耶はそう言って、バスルームの入り口で戸惑
って立ちすくんでいる私のところまでくると、手を伸ばして私を抱き寄せ、手
でタオルを剥ぎ取った。
た。
「恥ずかしいわ」
「どうして? 同じ女よ」
「でも、私の裸、あなたみたいに綺麗じゃない」
「そんなことないわ。とても綺麗よ」
 そう言って、沙耶が私の肌にそっと触れた。思わず身体をびくりとさせると、
沙耶が笑った。そして、背中から私にシャワーをかけた。



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  発行者      : 春野 水晶 

  * タイトル:『クリスタルノベル〜百合族〜』
  * 発行周期:不定期(週3回発行予定)

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