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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 絶対!アンチエイジング!−永遠の若さを夢見て− (エリー先生のアンチエイジング研究日誌) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━発行:詩風呂布━ │研究日誌 エリー記す └─────────────────────────────────── 第72日目 サプリメントでは治験の結果が大事です ─────────────────────────────────── 「エリー先生、サプリメントっていろいろ売られていますけど、効果が無い ものもあるっていいますよね。消費者はどうやってそういうサプリメントを 見分けたらいいんでしょうか?」 「それはとても重要な命題ですね。ハル君ならどうやって効くものを見分け ますか?」 「うーんと……摂取しようと考えているサプリメントの効果について報告し ている論文を読んでみます。」 「研究者なら当然ですね。もし"ネットで話題になっているもの"なんて言い 出したらどうお仕置きしようか考えなくてはいけませんでしたよ。」 「うわ、なんてことだ。せっかくエリー先生に鞭打たれるチャンスだったの に!」 「それは無いですけど……ふふっ、ハル君たら HENTAI さんですね。それは さておき、実際にサプリメントの良し悪しを検討する場合にどのポイントに 注意すべきなのかきちんと考えて見ましょう。 まず第一のポイントは治験(ヒトを対象とした試験)で効果が証明されている かどうかです。これはどうして重要なのか分かりますか?」 「もちろんです!例えはあるサプリメントについて、細胞を使った実験や、 動物を使った実験で抗がん作用が確認できても、実際にヒトに投与した場合 に同じ細胞や動物の時と同じ効果があるかどうかは分からないからです!」 「その通りです。細胞実験では細胞を人体の中とは大きくことなる環境で培 養して行なわれますし、動物実験で用いる動物はヒトとは遺伝子・薬理代謝 ・ホルモン濃度など違うことが多すぎます。ヒトに投与した場合の効果はや はりヒトに投与してみないことには分からないのです。治験が行なわれてい ないサプリメントは論外です。 第二のポイントはその治験が信用度の高いものかどうかです。ではここでも う一度質問です。治験の信用度はどうやって測りますか?」 「そうですね〜、とっても偉くて有名な先生とか、大きな医療機関が行なっ ているものとかでしょうか?」 「それも一つの指標ですね。社会的な信用度の高い医療機関が行なった方が 信頼されるのは当然でしょう。でもそれだけでは30点です。ハル君は治験の やり方には一定のルールがあることをご存知ですか?」 「ランダム化とか、二重盲検のことですか?」 ※ランダム化 被験者を無作為にサプリを摂取するグループと偽薬(プラシボ)を摂取するグ ループに分ける。ランダム化しないと、例えば高齢者ばかりのグループにサ プリを投与し、若齢者ばかりのグループに偽薬を投与すると言った事態が生 じかねない。 ※二重盲検 医師も被験者も誰が本物のサプリを飲んだか分からなくする。サプリの効き 目があったかどうかを判断する場合に、治験を担当した医師の主観(この患者 はサプリを飲んだから効き目が出たはずだし、出たように見える!など)が混 ざらないようにするために行なう。 「そうです。この二つが採用されないと、その治験の信頼性は根底から揺ら ぐことになります。 もう一つ治験の信用度に関わってくるものがあります。それは第三のポイン トでもありますが、サプリ会社が治験のスポンサーになっているか否かです 。」 「どういうことですか?」 「ちょっと例え話をしましょう。もしハル君がサプリ会社の社長で、自社製 品のサプリに含まれる成分の治験費用を負担することになったとします。こ の時、ハル君なら治験の結果がどうなることを望みますか?」 「そりゃもちろん絶大な健康効果が証明されることを期待しますよ!それを 喧伝して製品のバカ売れを狙いますね!」 「そうでしょう。であれば、治験を実施する側もスポンサーの意向に添うよ うに結果を捻じ曲げてしまう可能性が出てくるわけです。捻じ曲げるとまで はいかないまでも、得られたデータを統計処理するときに効果があると見え る処理方法を選択してしまうかもしれません。統計処理の方法を変えると同 じデータを扱っても違った結果を出すことは可能ですから。」 「うへっ、詐欺っぽいですね。」 「研究者は研究資金を獲得するためにお互いに苛烈な競争をしていますから 、スポンサーは大事にしたくなるんですよ。そういうわけで欧米のではこの 点を考慮して、サプリ会社がスポンサーの治験はその分割り引いて考えると いうのが研究者の常識です。ハル君も治験の論文を見るときはスポンサーが どこなのか注意しましょうね。」 「はい。気を付けます。でもエリー先生、論文って僕達みたいな研究者なら 所属組織が会員になっている論文データベースから取得して読むことができ ますけど、一般消費者には難しくないですか?それに基本的に論文は英語で 書かれていますから、英語ができないと読めませんよ。」 「確かに。でもインターネット上で無料で公開している論文もありますし、 医学系の大学附属図書館や国会図書館のような大きな図書館に行けば有料論 文も閲覧できますから、ちょっと時間と手間をかければどんな論文でも手に 入りますよ。英語に関しては……がんばってもらうしかないですけど。」 「そうですか。やっぱりハードル高いですね。なんかこう、もっと簡単に本 当に効果のあるサプリを見分ける魔法みたいな方法ってないでしょうか?」 「残念ながら私は知りません。でも一つだけアドバイスするとすれば、サプ リメントの宣伝内容、クチコミによる評判は聞く耳を持たないというスタン スを取ることです。中には真実が含まれているかもしれませんが、それらの みから判断することはナンセンスです。」 │備考欄 (今日の要点) └─────────────────────────────────── サプリメントに効果があると判断するには、少なくとも以下のポイントを抑 えた治験で効果が証明されている必要がある。 ・信用度の高い医療機関が行なっている。 ・ランダム化と二重盲検を行なっている。 ・スポンサーがサプリ会社ではない。 ●参考 サプリメントと治験:生田哲 著、『人気サプリメントの真実』、P.27-30 、講談社(2008) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ メールマガジン「絶対!アンチエイジング!−永遠の若さを夢見て−」 *ご注意:エリー先生、ハル君は実在の人物ではありません。メールマガジン の内容には細心の注意を払っておりますが、お気づきの点がありま したら下記連絡先までご連絡ください。 *発行人:詩風呂布 *問い合わせ:sifu-rofu@nifmail.jp *HP:『エリーアンチエイジング研究室』http://ellielab.konjiki.jp/ *バックナンバー:http://ellielab.konjiki.jp/ *配信中止をご希望の方は下記より登録を解除して下さい。 まぐまぐ で登録された方 http://www.mag2.com/m/0000281637.html メルマ で登録された方 http://www.melma.com/backnumber_178699/ カプライト で登録された方 http://kapu.biglobe.ne.jp/14783/index.html めろんぱん で登録された方 http://www.melonpan.net/melonpa/mag-detail.php?mag_id=012249 MailuX で登録された方 http://www.mailux.com/mm_dsp.php?mm_id=MM49A98BAF3FFCD E-Magazine で登録された方 http://www.emaga.com/info/ellielab.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 絶対!アンチエイジング!−永遠の若さを夢見て− (エリー先生のアンチエイジング研究日誌) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━発行:詩風呂布━ │研究日誌 エリー記す └─────────────────────────────────── 第72日目 サプリメントでは治験の結果が大事です ─────────────────────────────────── 「エリー先生、サプリメントっていろいろ売られていますけど、効果が無い ものもあるっていいますよね。消費者はどうやってそういうサプリメントを 見分けたらいいんでしょうか?」 「それはとても重要な命題ですね。ハル君ならどうやって効くものを見分け ますか?」 「うーんと……摂取しようと考えているサプリメントの効果について報告し ている論文を読んでみます。」 「研究者なら当然ですね。もし"ネットで話題になっているもの"なんて言い 出したらどうお仕置きしようか考えなくてはいけませんでしたよ。」 「うわ、なんてことだ。せっかくエリー先生に鞭打たれるチャンスだったの に!」 「それは無いですけど……ふふっ、ハル君たら HENTAI さんですね。それは さておき、実際にサプリメントの良し悪しを検討する場合にどのポイントに 注意すべきなのかきちんと考えて見ましょう。 まず第一のポイントは治験(ヒトを対象とした試験)で効果が証明されている かどうかです。これはどうして重要なのか分かりますか?」 「もちろんです!例えはあるサプリメントについて、細胞を使った実験や、 動物を使った実験で抗がん作用が確認できても、実際にヒトに投与した場合 に同じ細胞や動物の時と同じ効果があるかどうかは分からないからです!」 「その通りです。細胞実験では細胞を人体の中とは大きくことなる環境で培 養して行なわれますし、動物実験で用いる動物はヒトとは遺伝子・薬理代謝 ・ホルモン濃度など違うことが多すぎます。ヒトに投与した場合の効果はや はりヒトに投与してみないことには分からないのです。治験が行なわれてい ないサプリメントは論外です。 第二のポイントはその治験が信用度の高いものかどうかです。ではここでも う一度質問です。治験の信用度はどうやって測りますか?」 「そうですね〜、とっても偉くて有名な先生とか、大きな医療機関が行なっ ているものとかでしょうか?」 「それも一つの指標ですね。社会的な信用度の高い医療機関が行なった方が 信頼されるのは当然でしょう。でもそれだけでは30点です。ハル君は治験の やり方には一定のルールがあることをご存知ですか?」 「ランダム化とか、二重盲検のことですか?」 ※ランダム化 被験者を無作為にサプリを摂取するグループと偽薬(プラシボ)を摂取するグ ループに分ける。ランダム化しないと、例えば高齢者ばかりのグループにサ プリを投与し、若齢者ばかりのグループに偽薬を投与すると言った事態が生 じかねない。 ※二重盲検 医師も被験者も誰が本物のサプリを飲んだか分からなくする。サプリの効き 目があったかどうかを判断する場合に、治験を担当した医師の主観(この患者 はサプリを飲んだから効き目が出たはずだし、出たように見える!など)が混 ざらないようにするために行なう。 「そうです。この二つが採用されないと、その治験の信頼性は根底から揺ら ぐことになります。 もう一つ治験の信用度に関わってくるものがあります。それは第三のポイン トでもありますが、サプリ会社が治験のスポンサーになっているか否かです 。」 「どういうことですか?」 「ちょっと例え話をしましょう。もしハル君がサプリ会社の社長で、自社製 品のサプリに含まれる成分の治験費用を負担することになったとします。こ の時、ハル君なら治験の結果がどうなることを望みますか?」 「そりゃもちろん絶大な健康効果が証明されることを期待しますよ!それを 喧伝して製品のバカ売れを狙いますね!」 「そうでしょう。であれば、治験を実施する側もスポンサーの意向に添うよ うに結果を捻じ曲げてしまう可能性が出てくるわけです。捻じ曲げるとまで はいかないまでも、得られたデータを統計処理するときに効果があると見え る処理方法を選択してしまうかもしれません。統計処理の方法を変えると同 じデータを扱っても違った結果を出すことは可能ですから。」 「うへっ、詐欺っぽいですね。」 「研究者は研究資金を獲得するためにお互いに苛烈な競争をしていますから 、スポンサーは大事にしたくなるんですよ。そういうわけで欧米のではこの 点を考慮して、サプリ会社がスポンサーの治験はその分割り引いて考えると いうのが研究者の常識です。ハル君も治験の論文を見るときはスポンサーが どこなのか注意しましょうね。」 「はい。気を付けます。でもエリー先生、論文って僕達みたいな研究者なら 所属組織が会員になっている論文データベースから取得して読むことができ ますけど、一般消費者には難しくないですか?それに基本的に論文は英語で 書かれていますから、英語ができないと読めませんよ。」 「確かに。でもインターネット上で無料で公開している論文もありますし、 医学系の大学附属図書館や国会図書館のような大きな図書館に行けば有料論 文も閲覧できますから、ちょっと時間と手間をかければどんな論文でも手に 入りますよ。英語に関しては……がんばってもらうしかないですけど。」 ※医系論文データベース 『Pubmed』 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/ 米国国立医学図書館が作成している世界で最もよく使用される生物医学系デ ータベース。閲覧無料の論文も多数含まれている。 「そうですか。やっぱりハードル高いですね。なんかこう、もっと簡単に本 当に効果のあるサプリを見分ける魔法みたいな方法ってないでしょうか?」 「残念ながら私は知りません。でも一つだけアドバイスするとすれば、サプ リメントの宣伝内容、クチコミによる評判は聞く耳を持たないというスタン スを取ることです。中には真実が含まれているかもしれませんが、それらの みから判断することはナンセンスです。」 │備考欄 (今日の要点) └─────────────────────────────────── サプリメントに効果があると判断するには、少なくとも以下のポイントを抑 えた治験で効果が証明されている必要がある。 ・信用度の高い医療機関が行なっている。 ・ランダム化と二重盲検を行なっている。 ・スポンサーがサプリ会社ではない。 ●参考 サプリメントと治験:生田哲 著、『人気サプリメントの真実』、P.27-30 、講談社(2008) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ メールマガジン「絶対!アンチエイジング!−永遠の若さを夢見て−」 *ご注意:エリー先生、ハル君は実在の人物ではありません。メールマガジン の内容には細心の注意を払っておりますが、お気づきの点がありま したら下記連絡先までご連絡ください。 *発行人:詩風呂布 *問い合わせ:sifu-rofu@nifmail.jp *HP:『エリーアンチエイジング研究室』http://ellielab.konjiki.jp/ *バックナンバー:http://ellielab.konjiki.jp/ *配信中止をご希望の方は下記より登録を解除して下さい。 まぐまぐ で登録された方 http://www.mag2.com/m/0000281637.html メルマ で登録された方 http://www.melma.com/backnumber_178699/ カプライト で登録された方 http://kapu.biglobe.ne.jp/14783/index.html めろんぱん で登録された方 http://www.melonpan.net/melonpa/mag-detail.php?mag_id=012249 MailuX で登録された方 http://www.mailux.com/mm_dsp.php?mm_id=MM49A98BAF3FFCD E-Magazine で登録された方 http://www.emaga.com/info/ellielab.html 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