夜桜に映えるキャンドルの焔
昼間のように明るく照らし出された夜桜の下で、友人の結婚式が行われた。この珍しい結婚式に参加できたことは、自分の人生で得がたい体験の一つと言えるだろう。四月の日本は正に春爛漫で、新入生や新入社員、新しい住まいへの転居など、人生航路の節目となる重要な季節だ。この喜ばしい季節に、幸福でロマンチックな雰囲気につつまれた新郎新婦を見ていると、心から祝福したい気持ちになってくる。
結婚式を盛り上げてくれたのは、夜桜を背景とした「キャンドルリレー」の感動的な情景だった。新婦から始まって、キャンドルの焔は母親へ、母親から父親へ、年配者から子供たちへ、親戚から友人へと伝えられ、すべての来賓の顔が祝福の光に輝いていく。リレーのように運ばれたキャンドルの火によって、暖かい気持ちがあっという間に会場全体に広がった。
女性たちが捧げるのは、美しい花びらがほころびたバラの形のティアラ・キャンドル、男性たちが持っているのは、豪華な王冠の形のクラウン・キャンドルである。これらは以前、クリスマスの夜に銀座エルメスの夢のようなショーウインドウを飾ったこともあるDEICAのオリジナルキャンドルだ。温かい夜風に吹かれてかすかに揺れる柔らかな焔に、見ている自分の心もうっとりとしてくる。そして、高雅で、清らかで、永遠に続くような深い思いが、体全体を満たしていく。
キャンドルリレーは、はるか昔の欧米の美しい伝説に由来するという。日本の結婚式でこの儀式を取り入れたのは最近のことらしい。DEICAのオリジナルキャンドルは、造型デザインが非常に精巧であるだけでなく、点火が簡単で、中央部分の溶けたキャンドルが溢れてこないなどの工夫があり、細かく配慮されている。単なる室内装飾として使ったとしても、思いがけないデザインの美しさや所有する価値を感じることができるが、人の心を酔わせる結婚式の会場では、その効果はいっそう高い。
結婚式がクライマックスに入り、幸福を願う祝福の声の中で、すべての参加者が手に持ったキャンドルを一斉に吹き消した。「キャンドルリレー」の幸福の火種が最後に届いた新郎のキャンドルだけが残り、新郎と新婦は協力して、「愛のキャンドル」と呼ばれるハート型の焔に包まれたキャンドルに点火した。それと同時に拍手と歓声が沸きあがり、この忘れがたい夜桜の下の結婚式にさらに温かい雰囲気を添えたのだった。
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