メルマガ:屋久島発 田舎暮らし通信
タイトル:屋久島発 田舎暮らし通信  2009/02/14


 
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  2009/2/14
『世界自然遺産の島』   屋久島発・田舎暮らし通信(第216号)

      http://www.yakushimapain.co.jp/  屋久島パイン株式会社
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このメールマガジンは、北海道から屋久島に移住し、現在弊社屋久島支店の
社員が本人の移住経験を踏まえまして、屋久島の日常を発信しています。


●家を売らずに民宿経営

楠川集落の中に、人のいいおっちゃんこと、若本さんが経営する素泊まり
民宿「愛舟」(あいしゅう)がある。素泊まり1泊3千円。シーズンオフの
11月から3月までなら2千円。
相部屋ではない個室での価格だ。自炊設備もある。20代の女性客が多い
というのも若本さんの人柄だろう。
実は若本さんは、5年ほど前、楠川の自宅を売却したくて弊社を訪れた方
である。聞くところによると、若本さんは熊本のご出身。奥様が屋久島
生まれということだ。

「妻とは大阪で知り合い結婚しました。大阪は人情豊かなところでした。
神戸は物価が安くて住みやすかったです。屋久島は自然がすばらしい。
熊本はなんと言っても自分が生まれ育ったところだから一番いいかもしれ
ません」
大阪や神戸で20年間働いた後、熊本で8年過ごし、20年ほど前に奥様の
ご両親の面倒を見るために、屋久島に戻ってこられた。
その後、その両親が亡くなり、15年前には奥様も亡くなり、男手ひとつで
子供たちを育てたそうだ。子供たち3人もそれぞれ独立してしまい、5年前
からは1人で屋久島生活をされている。

「都会に出た息子たちも屋久島には戻ってこないというので、生まれ故郷の
熊本に帰るので家を売却したいのです。いくらくらいで売れるでしょうね。
私のうちは小さな楠川の港の近くなので釣り好きの人にはもってこいですよ。
本当は私も手放したくないのですが、妻の生まれ故郷で1人で暮らすより
熊本のほうがいいかと考えています。しばらく私の決めたこの値段で出して
みてもらえませんか?」というお話だった。5年前のことであった。
しばらく弊社でネットに載せて販売したが、世の中が不景気であまり反響が
なかったこともあり、しばらくしてから、「やっぱり売らずに民宿でも始め
ます」という連絡を受けた。

息子さんが奥さんと子供を連れて帰ってくることになった。定年後の仕事に
民宿をという考えも頭の片隅にあったことから、早期退職をして4年前に
4LDKの自宅を開放して家庭的な素泊まり民宿をオープンさせた。
息子さんたちは近所に借家住まいをしているという。
屋久島ではレンタカー業務の仕事、新聞の販売員という仕事をしていたこと
もあり、人付き合いの好きな若本さんだった。素泊まり民宿「愛舟」の人気
は口コミで広まった。今ではミクシィで大人気の宿だという。

「特に若い女性に支持されてます。場所的にも宮之浦港と空港の中間に位置
して、屋久島で一番便利なところがポイントです。近くには屋久島で一番
大きな病院とスーパーがあったり、泉質のよい近くの温泉は旅の疲れを癒し
てくれます。白谷雲水峡に行くには便利です。
新聞販売員の仕事をしていたので島中を走っていたのですが、皆さんが言う
ほど、南と北の寒さの温度の違いはそんなに感じませんよ。確かに北西の風
が吹くときは少しは気温がちがうけれど、楠川は住むにもよし、宿泊するに
もよいですよ。それにしても自分の子供より若い女性におっちゃん、おっ
ちゃんと慕われるのはうれしいです」と、はにかむ若本さん。

宿泊客同士がみんな集まって情報交換をするだけでなく、オーナーの若本さ
ん自ら島の情報提供をし、宿泊客に伝えて楽しい旅作りに一役買っていると
いう。
「民宿のすぐ下は楠川港で(歩いて30秒)、夜は堤防の上に寝転んで星空を
見たりして、他の民宿では味わうことのできない、そして一度泊まったら
必ずまた来たくなる民宿です。
今考えると家を売りに出して売れなかったことがよかったと思っています。
こうして民宿をしながら、毎日遊びに来る近所に住む孫たちや、お客さんと
してきてくれる若い人たちと楽しく過ごせるのですから。
民宿は最高の仕事です。年齢に関係なく続けられる仕事ですから」と、
本音を覗かせた若本さん。

民宿愛舟ホームページ
http://www18.ocn.ne.jp/~yakumegu/


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