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タイトル:憂国通信  2008/12/29


凄惨!09年正社員大量解雇は自民党&経団連の予定行動 

この時期になると、マスコミは馬鹿の一つ覚えのように「今年の重大ニュース」という企画をやらかす。大概は10個である場合が多い。
時事通信の重大ニュースを見ると10位に「戦後最長の拡大に終止符、月例経済報告」というのがあった。

2008時事通信・国内重大ニューストップ10
http://news.livedoor.com/article/detail/3930303/

≪10位:戦後最長の拡大に終止符、月例経済報告
 政府は8月の月例経済報告で、基調判断を「景気回復は足踏み状態」から「景気はこのところ弱含んでいる」に下方修正し、景気が後退局面に入ったことを認めた。これにより、2002年2月に始まり、いざなぎ景気(57カ月)を超えた戦後最長の景気拡大に終止符が打たれた。米経済の減速や原油高を背景に、けん引役の輸出の落ち込みが要因。企業は設備、雇用、債務の3つの過剰を解消し業績を回復させたが、賃金は抑制され、戦後最長と言われながらも実感に乏しい景気拡大とされる。内閣府は来年1月29日に学識者による「景気動向指数研究会」を開き、景気後退の時期を正式に確定する。≫

マスコミも述べていたが、庶民にとっては実感の湧かない「好景気」だった。バブル崩壊で懲りた自民党政府は、経済破綻を防止するため、国民の生活を犠牲にして企業に「余力」を持たせた。財界人と天下り官僚で構成されている自民党としては当然の発想である。

リーマンショックに始まる世界同時不況は、もともと有価証券依存度の少ない日本は軽傷で済むはずだった。それに「史上最大の好景気」のおかげで企業の「余力」も充分にあり、この「不意に襲った?」災害も何とか凌げるのではないかと楽観視する声も当初はあった。
ところが、蓋を開けてみたら…

正社員“首切り”ラッシュが止まらない
http://news.livedoor.com/article/detail/3920514/

≪希望・早期退職を募集した主な会社】

◇社名/人数/内訳

◆トラステックスHD/150人/子会社含む従業員の4分の1

◆大京/450人/40歳以上

◆西友/350人/全社員の15%強

◆大豊建設/150人/45歳以上、全社員の1割

◆OKI/300人/50歳以上、または25年以上勤務の管理職

◆富士ゼロックス/1250人/非営業職

◆ラディアHD(旧グッドウィルG)/1120人/全社員の2割

◆パイオニア/300人/国内の管理部門と販売部門

◆田辺三菱製薬/2550人/合併に伴う削減

◆福田組/160人/45歳以上の総合職≫

これは一月前の11月27日に掲載された日刊ゲンダイの記事である。

そして、今はというと…

大首切り時代”非情リストラ70社リスト
http://news.livedoor.com/article/detail/3957306/

≪【主な人員削減リスト】

◇社名/人数/対象/備考

◆トヨタ自動車/5800人/期間工/08年3月8800人が来年3月に3000人

◆日産自動車/2050人/派遣、期間工/来年3月に非正社員をゼロ

◆ホンダ/1210人/期間工/期間工4300人の3割削減

◆マツダ/1300人/派遣/本社工場、防府工場

◆三菱自動車/1100人/派遣、期間工/岡崎工場など

◆スズキ/960人/派遣/来年5月まで非正社員をゼロに

◆いすゞ/850人/派遣、期間工/1400人規模を撤回し、550人の雇用継続

◆ダイハツ/500〜600人/派遣、期間工/大阪(池田)、京都、滋賀の工場が対象

◆富士重工業/800人/派遣、期間工/群馬製作所など

◆日野自動車/700人/期間工/8月の2700人が12月に2000人

◆トヨタ自動車九州/1000人派遣/宮田工場/

◆関東自動車工業/450人/期間工/トヨタ系。岩手工場、東富士工場(静岡)

◆森精機製作所/300人/派遣/大証1部。自動車関連部品。工作機器。

◆日研総業/600人/期間工/キヤノンの請負会社

◆大分キヤノン/1200人/派遣ほか/キヤノンのカメラ生産子会社

◆東芝/480人/派遣/大分工場、北九州工場

◆シャープ/680人/派遣/三重工場、天理工場、福山工場(広島)

◆富士電機HD/2000人/派遣ほか/正社員の一時帰休も検討

◆富士通マイクロエレクトロニクス/400人/派遣ほか/富士通の半導体子会社。岩手工場など

◆ハリソン東芝ライティング/370人/派遣/液晶バックライト関連(本社愛媛)

◆日立建機/900人/派遣ほか/土浦工場

◆コマツ/1000人/派遣ほか/小山工場(栃木)、粟津工場(石川)

◆曙ブレーキ工業/495人/派遣/来年3月末まで派遣社員ゼロ(本社埼玉)

◆エム・シー・エス/1000人/派遣、期間工/三井金属系。下関工場、大牟田工場(◆福岡)

◆ヤマハ発動機/500人/派遣ほか/磐田工場(静岡)、袋井工場(静岡)

◆YKKAP/1000人/派遣ほか/YKK系。中小工場を最大10カ所閉鎖

◆ルネサステクノロジ/1000人/派遣/半導体。グループ会社全体で削減

◆TDK/1000人/派遣/秋田県内の工場で削減

◆村田製作所/800人/派遣/年内7工場で削減

◆アルプス電気/400人/派遣ほか/宮城県内の工場

◆イビデン/1000人/派遣ほか/東証1部。グループ全体で削減。基板大手

◆ローム/1000人/正社員ほか/早期退職プログラム実施

◆田崎真珠/450人/正社員/社員の3分の1。希望退職募集

◆日本IBM/1000人/正社員/継続的な希望退職

◆日興コーディアル証券/800〜1000人/正社員/希望退職者募集

◆大京/450人/正社員/40歳以上

◆西友/350人/正社員/全社員の15%

◆富士ゼロックス/1250人/正社員/非営業職

◆レナウン/300人/正社員/希望退職者募集。応募286人

◆ラディアHD(旧グッドウィルG)/1120人/正社員/全社員の20%

◆ソニー/1万6000人/正社員ほか/全世界で削減(うち正社員8000人)≫

相変わらず「派遣」中心だが、牙の矛先は確実に「正社員」に向けられている。
小泉行革で大量発生した「派遣」は、もともと今回のような「有事」に対する備えであった。つまり、政治的には有効に機能しているのである。
小泉行革の真意は「企業を残すために国民を生け贄にする」という内容である。派遣は最初から生け贄だったのだ。
自民党政権の実態はスペインに征服される以前のアメリカ古代国家に類似している。もしくは中国の殷王朝に例えるべきか?
禍が国家を襲えば、生け贄を以て対応するのである。ドイツではヒトラーが滅んでナチス勢力は国内から駆逐されたが、同じ敗戦国でも日本では、全体主義者はそのまま自民党に残った。残ったどころかその子孫が中枢を支配している始末である。
「神風特攻」を英雄視している馬鹿もいるが、あれなども「生け贄」の発想である。

09年は失業率が戦前戦後を通じて最悪の7%に達するものと予想されている。その場合の失業者数は500万人である。

これで済めば「派遣制度」大成功?ということだが、済まなければ、更なる「生け贄」を求めるしかない。「正社員」「下級公務員」である。まず、バカウヨなどを使って「公務員叩き」の世論操作をするだろう。庶民同士を仲違いさせて、権力者に矛先を向かわせない常套手段である。「組合員」「非組合員」の差別化なども行い、仲違いを促進させることだろう。
更には「縦型支配の強化」なども考えられる。やたらと無駄な中間管理職をいっぱい作って身分格差を強化させ、横の連帯を阻害するのである。
大体、日本では「五人組」でも知れるように、自発的な連帯が発生しにくい風土がある。横の連帯も「お上の強制」によるものが多い。各地域の「自治会」なども「自治」とは名ばかりの「村社会」である。

“トヨタの街”炊き出しに長い列 年の瀬ルポ
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/economy/policy/208538/

≪急速に後退する景気で、「雇用不安」が師走の列島に重くのしかかる。トヨタ自動車の本社と関連・下請け工場が集まる愛知県も例外ではない。生産台数世界一となり、日本の製造業でトップの利益を稼いできた同社も創業以来初の赤字転落を表明し、来年3月までに期間従業員約3000人が削減される。「景気がいい」といわれてきた名古屋を歩くと、路上生活者が炊き出しに列を作り、トヨタ関連を解雇された人とも出くわす。年の瀬の街は「トヨタショック」に揺れていた。≫

トヨタが「世界のトヨタ」になれた最大の要因は「非情さ」である。貪欲に儲け、危なくなるとばさばさ切り捨てる。「下請け」など事実上「派遣」と同じ構造である。派遣制度は下請け制度を個人単位にしたものに過ぎない。
ある意味では日本の経済構造は小泉行革でもそれほど変化したわけではない。

家賃滞納、公共料金も払えず…、夜逃げする低所得者の実態
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/living/household/208547/

≪急速な景気悪化の荒波にもまれて、年の瀬を迎えた低所得者らが切迫感を募らせている。家賃が払えず着の身着のまま夜逃げする母子家庭、日雇いの職を得てようやく年越しの住まいを得た単身者。公共料金の滞納も増加するなど、厳しい世相を映し出す現状に、家賃保証会社の担当者らは「来年は家賃滞納者がもっと多くなるのではないか」と危惧している。≫

低所得者の唯一の取り柄は「身が軽い」ことである。まさに「逃げるが勝ち」の状況である。
一番馬鹿を見るのは「なかなか逃げられない中途半端な連中」かもしれない。

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