デザイン・フェスタの総指揮者
日本で、2日間のうちに7000名を超えるアーティストが作品を発表し、53000人が訪れる大型の国際アートイベント。毎年5月と11月に東京ビッグサイトで開催されるデザイン・フェスタだ。性別も国籍も関係なく誰でも自由に参加できるイベントで、学園祭のようでもあり、フリー・マーケットのようでもあり、楽しいお祭りのようでもある。イラスト、絵画、写真、陶芸、洋服、ヘアメイク、音楽、映像、パフォーマンスなどのアートが一堂に集まり、その独特の形態で国内外の多くのメディアを引きつけている。先ごろは、イギリス・BBCが取材をした後でこう述べたそうだ。「日本人はまじめな国民だと思っていたが、こんなにたくさんのおもしろい人がいるんですね。」
デザイン・フェスタを指揮するのは、広島・尾道出身の臼木邦江さんだ。臼木さんはもともとスタイリストで、日本の茶道とロックバンドが大好き。ネットがまだ盛んでなかった14年前に、彼女はパートナーと2人でこのイベントを始めた。彼女たちはチラシを作ってコピーし、たくさんの店や学校、会社を訪れ、苦労を重ねて第1回を開催したのだ。デザイン・フェスタ・オフィスには、これまでロシア、ドイツ、スペイン、フランス、ポルトガル、ニュージーランド、韓国、中国、台湾などから来た人々がスタッフとして働いている。毎回のイベントにも、30か国からの出展があるという。デザイン・フェスタは、真に現代的な感覚を備えた、とても国際的な交流会になっている。
臼木さんがいちばんうれしいのは、出展者の年齢層がとても幅広いことで、3歳の子どもから93歳のおばあちゃんまでが出展している。プロのアーティスト、クリエーター、学生、ビジネスマン、主婦、さらにはお坊さんまでいるのだ!美術館から出展者の作品を買いに来ることもあるし、デザイン・フェスタで来場者の評価を受けると単位として認定するという美術系の学校も増えている。
今までのことを振り返って、臼木さんは感慨深げに語る。「アートは難しいものではなく、自由に楽しめばいいんです。他人の評価を受けなくても、自分の喜怒哀楽を表現できればいい。デザイン・フェスタの会場で自分の作品を他人に見てもらえば、自分の世界がもっと広がりますよ!」
【第28回デザイン・フェスタ】 2008年11月8日(土)、9日(日)11:00〜19:00東京ビッグサイト西ホール・屋外 |